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111.金貨はお金だったんだね
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今日は海のお魚が食べられる宿に泊まるんだって。宿の入り口でお店の人にお金を払ってる姿を見て、僕はお母さんの洞窟にあった金貨だと気づいた。あれはお金の山だったんだ! 僕が知ってるお金は銀色だから、金色のお金もあるって知らなかったよ。
部屋に入ってすぐにセティに説明すると、右手を収納のお部屋に入れて革袋を取り出した。机の上に並んだのは、金、銀、変な赤色、もっと変な緑色の順番だ。
「この緑青色の板貨が5枚で銅貨になる。銅貨が10枚で銀貨、銀貨が20枚で金貨だ」
濁った緑色の四角い板を5つ摘んで、隣に茶色みたいな銅貨を置いた。これで右と左が同じ。たくさんある金貨や銀貨を使って、お金の価値を教えてもらった。これ、面白いね。どうして金貨は大きいのに銀貨は小さいんだろう。銅貨は金貨と同じくらいあるのに。
「……そう言われりゃそうだな」
あまり考えたことがなかった。そんなセティの言葉に、僕は少しだけ嬉しくなる。いつも何でも知ってるセティが知らないことを、僕が気づいたの。ふふ、擽ったい気分。
転がって床に落ちた銀貨を、トムが大喜びで追いかけた。籠に入ってぼんやりしてたのに、転がった銀貨を見た瞬間、飛び上がって咥えたり放り投げたりする。返してもらおうとしたけど、セティは放っておいていいって。
「いいの?」
「そのうち飽きる。手を出すと噛まれるぞ」
「トムは悪い子じゃないから、もうしないよね」
みゃー! 振り返って強く鳴くトムは、また銀貨で遊び始めた。まるでセティに文句を言ったみたい。笑いながら、続きを教えてもらう。
「銅貨で、イシスの好きなジュースだな。街によって値段は少し変わるぞ」
「同じ物なのに?」
「同じ物でも、だ。イシスの家に果物の木があれば、お金いらないだろう? でも木が生えてない家の人は、欲しかったらイシスから買うんだ」
「僕、あげるよ」
「くくっ、そうだな。イシスに例えたのが悪かった」
今度は別の話になった。ゲリュオンがトムにおやつをあげる時のお金はセティが払ったこと、でもトムが自分で餌を取ればお金は使わないこと。いろんな話を聞いて、ようやく分かった気がする。お金は物と交換だけど、物は同じじゃないんだ。遠くから持ってくれば高いし、近くで取れたら安い。
それから数える勉強も一緒にして、僕は頭がいっぱいになった。お勉強しても、もう入る場所ないと思う。トムを膝に乗せてベッドに座ったら、後ろからセティが抱っこしてくれた。優しい手が髪を撫でてくれる。
「赤い髪にしような」
よくわからないけど、黒髪は目立つと聞いた。知ってる黒髪は僕とセティだけ。黒髪が綺麗なのに残念だけど、赤い髪の毛もセティに似合う。僕も同じ色にしてもらった。引っ張ると赤い髪をセティが縄みたいに編んでくれる。
「よし、これを着て」
お風呂まだなのに着替えるの? お外で着る服みたいで、上からばさっと被った。袖が肘の下くらいで、ふわっと広がるスカートだった。お姫様の服かな。
「うん、可愛いぞ。ご飯に行こうか」
抱っこされて、慌てたトムがしがみ付いたけど……籠に入れられちゃった。食堂に入れないから、猫はお部屋に置いていくんだ。ごめんね、トム。
部屋に入ってすぐにセティに説明すると、右手を収納のお部屋に入れて革袋を取り出した。机の上に並んだのは、金、銀、変な赤色、もっと変な緑色の順番だ。
「この緑青色の板貨が5枚で銅貨になる。銅貨が10枚で銀貨、銀貨が20枚で金貨だ」
濁った緑色の四角い板を5つ摘んで、隣に茶色みたいな銅貨を置いた。これで右と左が同じ。たくさんある金貨や銀貨を使って、お金の価値を教えてもらった。これ、面白いね。どうして金貨は大きいのに銀貨は小さいんだろう。銅貨は金貨と同じくらいあるのに。
「……そう言われりゃそうだな」
あまり考えたことがなかった。そんなセティの言葉に、僕は少しだけ嬉しくなる。いつも何でも知ってるセティが知らないことを、僕が気づいたの。ふふ、擽ったい気分。
転がって床に落ちた銀貨を、トムが大喜びで追いかけた。籠に入ってぼんやりしてたのに、転がった銀貨を見た瞬間、飛び上がって咥えたり放り投げたりする。返してもらおうとしたけど、セティは放っておいていいって。
「いいの?」
「そのうち飽きる。手を出すと噛まれるぞ」
「トムは悪い子じゃないから、もうしないよね」
みゃー! 振り返って強く鳴くトムは、また銀貨で遊び始めた。まるでセティに文句を言ったみたい。笑いながら、続きを教えてもらう。
「銅貨で、イシスの好きなジュースだな。街によって値段は少し変わるぞ」
「同じ物なのに?」
「同じ物でも、だ。イシスの家に果物の木があれば、お金いらないだろう? でも木が生えてない家の人は、欲しかったらイシスから買うんだ」
「僕、あげるよ」
「くくっ、そうだな。イシスに例えたのが悪かった」
今度は別の話になった。ゲリュオンがトムにおやつをあげる時のお金はセティが払ったこと、でもトムが自分で餌を取ればお金は使わないこと。いろんな話を聞いて、ようやく分かった気がする。お金は物と交換だけど、物は同じじゃないんだ。遠くから持ってくれば高いし、近くで取れたら安い。
それから数える勉強も一緒にして、僕は頭がいっぱいになった。お勉強しても、もう入る場所ないと思う。トムを膝に乗せてベッドに座ったら、後ろからセティが抱っこしてくれた。優しい手が髪を撫でてくれる。
「赤い髪にしような」
よくわからないけど、黒髪は目立つと聞いた。知ってる黒髪は僕とセティだけ。黒髪が綺麗なのに残念だけど、赤い髪の毛もセティに似合う。僕も同じ色にしてもらった。引っ張ると赤い髪をセティが縄みたいに編んでくれる。
「よし、これを着て」
お風呂まだなのに着替えるの? お外で着る服みたいで、上からばさっと被った。袖が肘の下くらいで、ふわっと広がるスカートだった。お姫様の服かな。
「うん、可愛いぞ。ご飯に行こうか」
抱っこされて、慌てたトムがしがみ付いたけど……籠に入れられちゃった。食堂に入れないから、猫はお部屋に置いていくんだ。ごめんね、トム。
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