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最終章 御伽噺はこうして終わる
135.世は並べて事もなし
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結婚式の申請が大量に集まったことで、それらをまとめて1冊に綴じ直す。魔王シオンの婚約が名目だけでなく、実質的な結婚に向けて動き出したことが魔族の意識改革を促した。
ようやく平和が訪れ、愛する番と安心して子供を育てられると判断したのだ。人間と魔族のカップルも多く誕生し、元からこちらへ来ることを決めた人間は、魔族に対する敵対心が少ない。中には魔族に好意的な者もいた。
獣人にアタックする職人や、爬虫類好きが高じて鱗を持つ種族に求婚する者など。篩にかけた世界が残したのは、変わり者が多かった。魔族側も人間に対する嫌悪より、興味を優先する者が現れる。
わずか数週間で驚くべき変化だった。知らないからこそ興味が好意に変わり、愛情や気遣いとなって互いを尊重し合った。かつて知らぬことを恐怖と置き換えて攻撃した時代の氷が、ゆっくりと解けて混じり合う水になる。
セージとサルビアは周囲に祝福されて婚約し、先日真っ赤な顔で逃げ出すサルビアが目撃された。婚前交渉がバレ、父ルドベキアに頭を殴られたのは笑い話になっている。セージいわく「魅力的すぎて我慢できなかった」らしい。
ニームは婚約者のセントーレアと手を繋ぐ以上の進展がなく、彼女の両親は「そろそろキスくらいは」と毎日期待の眼差しを送っていた。セージの手の早さを分けてもらえば、バランスが取れるだろうか。
親友に次兄の相談を受けたクナウティアが「キスしちゃえ」と火をつけたことで、多少仲が進展したとかしないとか。
鱗人と婚約した侍女バーベナは、魔王妃となるクナウティアに結婚後も仕えることを決めた。夜は家に帰るため、通いで侍女を続けるという。家を魔王城の敷地に作れば便利だと、クナウティアがネリネに直談判した結果は、近日判断が下るだろう。
竜の若者と契約した騎士が、新たな冒険に旅立った。年老いた両親を守る働き者の娘が、吸血種と結婚する。世界はいま、新しい価値観を持つ者で溢れていた。馴染めずに隅に集まった者らもいるが、いずれ何らかの決断をしなければならない日が来るはずだ。
ミューレンベルギアは巫女の肩書を捨て、ミュレルと名を改めた。リナリアがリクニスの巫女を継ぎ、ルドベキアが村長となる。代替わりした前村長グラスは、ミュレルとなった幼妻を溺愛した。彼女の魔力がすべて失われたことで、これからは緩やかに成長して、いずれ夫とともに土に還る。
魔王シオンの隣で微笑む、幸せそうな元聖女……その姿が世界のあるべき姿を示していた。種族も年齢も育ちもすべてが違う。同じ箇所を見つけることが出来ないほど違うからこそ、歪ながらも美しく重なり合うことが出来た。実例を前に、魔族も人間も手を取り合って世界を育むのだ。
――世界は魔王という要を中心に、新しい平和を構築していく。前世界に置いてきたいくつもの誤解と、新世界を構築する複数の勘違い。でも物語の最後は、いつもこう締め括られる。
人々は平和に暮らしましたとさ、めでたしめでたし。
*****END*****
お付き合いありがとうございました(o´-ω-)o)ペコッ 少し付け足し外伝をUPしますが、本編終了となります。あちこち多少改稿予定ですので、読み返してみてくださいね。また別の作品でお会いできますようにヽ(愛´∀`愛)ノ
ようやく平和が訪れ、愛する番と安心して子供を育てられると判断したのだ。人間と魔族のカップルも多く誕生し、元からこちらへ来ることを決めた人間は、魔族に対する敵対心が少ない。中には魔族に好意的な者もいた。
獣人にアタックする職人や、爬虫類好きが高じて鱗を持つ種族に求婚する者など。篩にかけた世界が残したのは、変わり者が多かった。魔族側も人間に対する嫌悪より、興味を優先する者が現れる。
わずか数週間で驚くべき変化だった。知らないからこそ興味が好意に変わり、愛情や気遣いとなって互いを尊重し合った。かつて知らぬことを恐怖と置き換えて攻撃した時代の氷が、ゆっくりと解けて混じり合う水になる。
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ニームは婚約者のセントーレアと手を繋ぐ以上の進展がなく、彼女の両親は「そろそろキスくらいは」と毎日期待の眼差しを送っていた。セージの手の早さを分けてもらえば、バランスが取れるだろうか。
親友に次兄の相談を受けたクナウティアが「キスしちゃえ」と火をつけたことで、多少仲が進展したとかしないとか。
鱗人と婚約した侍女バーベナは、魔王妃となるクナウティアに結婚後も仕えることを決めた。夜は家に帰るため、通いで侍女を続けるという。家を魔王城の敷地に作れば便利だと、クナウティアがネリネに直談判した結果は、近日判断が下るだろう。
竜の若者と契約した騎士が、新たな冒険に旅立った。年老いた両親を守る働き者の娘が、吸血種と結婚する。世界はいま、新しい価値観を持つ者で溢れていた。馴染めずに隅に集まった者らもいるが、いずれ何らかの決断をしなければならない日が来るはずだ。
ミューレンベルギアは巫女の肩書を捨て、ミュレルと名を改めた。リナリアがリクニスの巫女を継ぎ、ルドベキアが村長となる。代替わりした前村長グラスは、ミュレルとなった幼妻を溺愛した。彼女の魔力がすべて失われたことで、これからは緩やかに成長して、いずれ夫とともに土に還る。
魔王シオンの隣で微笑む、幸せそうな元聖女……その姿が世界のあるべき姿を示していた。種族も年齢も育ちもすべてが違う。同じ箇所を見つけることが出来ないほど違うからこそ、歪ながらも美しく重なり合うことが出来た。実例を前に、魔族も人間も手を取り合って世界を育むのだ。
――世界は魔王という要を中心に、新しい平和を構築していく。前世界に置いてきたいくつもの誤解と、新世界を構築する複数の勘違い。でも物語の最後は、いつもこう締め括られる。
人々は平和に暮らしましたとさ、めでたしめでたし。
*****END*****
お付き合いありがとうございました(o´-ω-)o)ペコッ 少し付け足し外伝をUPしますが、本編終了となります。あちこち多少改稿予定ですので、読み返してみてくださいね。また別の作品でお会いできますようにヽ(愛´∀`愛)ノ
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