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第7章 踊る道化の足元は
182.最初からご説明ください
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昔から無茶をするのはバアルとククルだ。それに引きずられてアナトも一緒になって、あれこれと騒ぎを起こした。そんな彼女達を抑える役目をアースティルティトが担う。
今回の転送に関して、手紙がついてきた。ククルかバアルあたりと検討をつけたが、筆跡はアースティルティトだった。封蝋も確かめたので間違いないだろう。実験段階の転送をいきなり自分達で試そうと考える無謀さに呆れるが、アースティルティトが止めなかったことも驚いた。
「異世界との手紙、ですか? 最初からご説明ください」
アガレスの懸念は、異世界から魔王のような強者が送り込まれることだった。彼の表情から感じ取ったオレは、その懸念を晴らしてやる意味で事情を説明した。
手紙が届いたので返事を送ったこと。その相手はオレの収納空間にある指輪の魔力を目印にし、オレは彼女に与えた首飾りを終点にしたこと。仮死状態の獲物を収納できる点に着目した部下が、こちらへケット・シーを送り込んだこと。クリスティーヌが作った仮死状態のネズミを添えて返したこと。
「今日、手紙を受け取るつもりで収納を開けたら出てきたのだ」
予定外だったと告げれば、リリアーナの眉間のシワが消えた。大きな目を見開いて、長椅子に横たわるアナトを見つめる。異世界から来たと言われ、嫉妬より驚きが上回ったらしい。
「この子は死にかけてた?」
「前に黒猫の魔物をみただろう。あれと同じ状態だった」
「無事生き返りましたの?」
リリアーナの疑問に答えると、オリヴィエラが新たな質問をする。それに頷いてやれば、何やら考え込んでしまった。
「我が養い子だ。強さは保証しよう」
今後の戦略に役立つと匂わせれば、アガレスやマルファスに異論はない。頷いて「仕事がありますので」と退席を申し出た。
見送ったロゼマリアも席を立ち、穏やかに切り出した。
「そちらのお嬢様、アナト様でしたかしら。後宮にお部屋を用意させ、お預かりしますわ」
現在の住居である後宮の差配を取り仕切る元王女に許可を出す。抱き上げようと近づいたロゼマリアに、オリヴィエラが横から手を伸ばした。軽い所作でアナトを抱き上げる。
「あなたでは無理よ、ローザ」
アナトを抱いたオリヴィエラは、器用に魔力を遮る結界でアナトを包んだ。先ほどウラノスに攻撃したため、己の身の用心だろう。歩き出した2人を見送るリリアーナに、オリヴィエラが誘いを向けた。
「リリー様、大切なお話がありますの。正妻であるあなたに聞いていただき、ご意見を伺いたいわ」
正妻の響きに目を輝かせたリリアーナが椅子から飛び降り、慌ててクリスティーヌも追いかけた。残ったウラノスは肩を竦めるが、彼女らと一緒に後宮に踏み入る気はない。
「……セイサイとは、何の話だ?」
理解できない単語にぽつりと呟けば、ウラノスはくすくす笑った後で「魔王陛下もお若い」と意味不明な言葉を向けられた。
今回の転送に関して、手紙がついてきた。ククルかバアルあたりと検討をつけたが、筆跡はアースティルティトだった。封蝋も確かめたので間違いないだろう。実験段階の転送をいきなり自分達で試そうと考える無謀さに呆れるが、アースティルティトが止めなかったことも驚いた。
「異世界との手紙、ですか? 最初からご説明ください」
アガレスの懸念は、異世界から魔王のような強者が送り込まれることだった。彼の表情から感じ取ったオレは、その懸念を晴らしてやる意味で事情を説明した。
手紙が届いたので返事を送ったこと。その相手はオレの収納空間にある指輪の魔力を目印にし、オレは彼女に与えた首飾りを終点にしたこと。仮死状態の獲物を収納できる点に着目した部下が、こちらへケット・シーを送り込んだこと。クリスティーヌが作った仮死状態のネズミを添えて返したこと。
「今日、手紙を受け取るつもりで収納を開けたら出てきたのだ」
予定外だったと告げれば、リリアーナの眉間のシワが消えた。大きな目を見開いて、長椅子に横たわるアナトを見つめる。異世界から来たと言われ、嫉妬より驚きが上回ったらしい。
「この子は死にかけてた?」
「前に黒猫の魔物をみただろう。あれと同じ状態だった」
「無事生き返りましたの?」
リリアーナの疑問に答えると、オリヴィエラが新たな質問をする。それに頷いてやれば、何やら考え込んでしまった。
「我が養い子だ。強さは保証しよう」
今後の戦略に役立つと匂わせれば、アガレスやマルファスに異論はない。頷いて「仕事がありますので」と退席を申し出た。
見送ったロゼマリアも席を立ち、穏やかに切り出した。
「そちらのお嬢様、アナト様でしたかしら。後宮にお部屋を用意させ、お預かりしますわ」
現在の住居である後宮の差配を取り仕切る元王女に許可を出す。抱き上げようと近づいたロゼマリアに、オリヴィエラが横から手を伸ばした。軽い所作でアナトを抱き上げる。
「あなたでは無理よ、ローザ」
アナトを抱いたオリヴィエラは、器用に魔力を遮る結界でアナトを包んだ。先ほどウラノスに攻撃したため、己の身の用心だろう。歩き出した2人を見送るリリアーナに、オリヴィエラが誘いを向けた。
「リリー様、大切なお話がありますの。正妻であるあなたに聞いていただき、ご意見を伺いたいわ」
正妻の響きに目を輝かせたリリアーナが椅子から飛び降り、慌ててクリスティーヌも追いかけた。残ったウラノスは肩を竦めるが、彼女らと一緒に後宮に踏み入る気はない。
「……セイサイとは、何の話だ?」
理解できない単語にぽつりと呟けば、ウラノスはくすくす笑った後で「魔王陛下もお若い」と意味不明な言葉を向けられた。
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