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予期せぬ弔問客②
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父親の名前を出されたことで、ダンテが眉をひそめて、ムッとする。
それでも、一拍おいて気を取り直したのか、右手をポケットに入れ、神父に向き合う。
「ーーそれで、神父様?ベルのことで、心配はいらないって、どういうこうとです?」
「ああ、それはですね…。実は、彼には来春から、王都にある神学校に通ってもらうことになります」
ダンテが驚いた顔になる。おれも耳が立つ。
「ですから、王都に立つ間、彼は私と、このシスター・ドロセと共に、教会で過ごすことになります」
神父の脇にぽつんと控えたシスター・ドロセが、ムゴムゴと皺だらけの口を動かして、返事のようなものをした。目も耳も遠いこのシスター。話が通じているのか時々怪しい。
「……」
おれは、葬儀が始まる前のことを思い出していた。
すり傷だらけで教会の冷たい安置所に横たわるオヤジを前に、おれは無言。
そこへ、いかにも気づかわし気に、肩を抱いて身体を添わせてきた、この眼鏡神父の裏側を考えた。
おれとオヤジは、少し前まで、たまに教会の世話になっていた。そんな時はたいてい、客が一人も取れずに、その日のメシにくいっぱぐれそうになった時。
一晩の寝床と、一杯の薄いスープと、子供の拳くらいの固いパンを対価に、おれが神父の相手になる。
眼鏡野郎は自分のベッドにおれを招いては、いつもこうほざく。
「ーー…君は美しい」
そう、開けたおれの肌を掌でなぞっては、うっとりとため息をつく。
後ろこそ使わないものの、ある意味で一番気色が悪い。
そんな神父と、これから一つ屋根の下かと思うと、げんなりした。
それでも、一拍おいて気を取り直したのか、右手をポケットに入れ、神父に向き合う。
「ーーそれで、神父様?ベルのことで、心配はいらないって、どういうこうとです?」
「ああ、それはですね…。実は、彼には来春から、王都にある神学校に通ってもらうことになります」
ダンテが驚いた顔になる。おれも耳が立つ。
「ですから、王都に立つ間、彼は私と、このシスター・ドロセと共に、教会で過ごすことになります」
神父の脇にぽつんと控えたシスター・ドロセが、ムゴムゴと皺だらけの口を動かして、返事のようなものをした。目も耳も遠いこのシスター。話が通じているのか時々怪しい。
「……」
おれは、葬儀が始まる前のことを思い出していた。
すり傷だらけで教会の冷たい安置所に横たわるオヤジを前に、おれは無言。
そこへ、いかにも気づかわし気に、肩を抱いて身体を添わせてきた、この眼鏡神父の裏側を考えた。
おれとオヤジは、少し前まで、たまに教会の世話になっていた。そんな時はたいてい、客が一人も取れずに、その日のメシにくいっぱぐれそうになった時。
一晩の寝床と、一杯の薄いスープと、子供の拳くらいの固いパンを対価に、おれが神父の相手になる。
眼鏡野郎は自分のベッドにおれを招いては、いつもこうほざく。
「ーー…君は美しい」
そう、開けたおれの肌を掌でなぞっては、うっとりとため息をつく。
後ろこそ使わないものの、ある意味で一番気色が悪い。
そんな神父と、これから一つ屋根の下かと思うと、げんなりした。
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