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第1章
34.決心
しおりを挟むたくさん泣いて泣いて涙が枯れた後もこの想いは枯れてくれなくて、僕の中でさらに質量を増して簡単に僕を楽にはしてくれない。
好きなんだ、
今更なんてわかってる。
でも…………すき…なんだ。
次から次へと止めどなく溢れるこの想いはいつになったら僕の中から消えてくれるのだろう。
そうじゃないと、だめなんだ。
異種族同士なんて…
未来がないことわかってる。
ほんと、バカだなぁ…
よりによって天使を好きになるなんて。
でも、気づいたら好きになっていた。
僕はなかなか自分の気持ちに気づけなかったんだけど。
あいつは気づいてたのかな。
僕の気持ち。
もう、今となってはわからないけど。
なんであんなやつ好きになったかな。
天使で、天界の将軍で、自信家で、態度は不遜、すごくキラキラしてて、誰もが太刀打ちできない美丈夫で……
でも、天界から遠い魔界までいつも来てくれる。
自信のない僕にやつの自信家な面で支えてくれてる。
美丈夫な彼の顔はいつも何にも興味を示して無くて、僕に会う時だけ嬉しそうな顔をする。
長い金の髪を鬱陶しそうに耳にかける仕草一つにドキッとさせられて、
エメラルドグリーンの瞳が優しく細められる時、僕の心臓もギュッてしてドクドクといつも鼓動は速くなるばかりで…
僕は…
声も、仕草も、表情も全部全部好き。
ほんと好きは理屈じゃどうにもならない。
いくら御託を並べようと僕があいつを好きだって気持ちは変わらないみたいだ。
もしかしたら初めて出会った時から僕はあいつに惹かれていたのかもしれない。
花畑に降り立つ純白の天使。
金の髪をなびかせ、白い羽は何にも染まってなくてその存在は魔界ではとても眩しかった。
今までは見惚れていたと思ってたけどその時から僕は多分あいつに惹かれていた。
見た目と違ってかなりお腹の中真っ黒だったけどな
思い出すとふっと苦笑が漏れる。
ふぅ…と一息吐いて気持ちを整える。
いつまでもこの思いを抱えて生きていくのは辛いし僕には無理だ。
だから、カマエルにちゃんと伝えてさよならしよう。
「お前が好きだ」って
結果はわかってる。あいつは天界の立場上イエスなんて言えない。
わかってる。
でも、
今までありがとうって笑顔で言えるように。
頬を熱いものがこぼれ落ちたが、僕は気づかぬふりをした。
結局のところ僕はこの気持ちを一生抱えて1人で生きていくのだろう。
寂しくなんかない。
この想いがあるからな。
ふっ と笑う。
僕はいつ来るかわからないカマエルを待つのではなく自分なりに探そうと家を出た。
外はまだ寒い冬だということを忘れて。
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