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118 新たな戦力
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目覚めると隣のドームは静かで、覗いて見ると四人ともぼんやりしている。
「お早う。朝飯を食ったらあんた達に相談があるのだが」
「うむ、パーティーとしては使い物にならないが、何の相談だ?」
「ウルフレントがベースの赤い弓のマドック達は、尋常じゃない数のウルフの群れに襲われていた。俺達が助けたが、その直後に別のウルフの群れが殺到してきて此も撃退したんだ。ゴブリン同様異変が起きていると思って間違いない。ラッヒェルのギルマスは繁殖期と言っていたが、そうなるとベテランのパーティーは一つでも多く欲しい」
「俺達は半数がやられてしまったからなぁ。それにヴェルナのウルフを軸として細々と生きて来たんだ」
「ヴェルナに強い使役獣がいれば闘えるか?」
「今から使役獣を手に入れても、大きくなるまでどれ位掛かると思っているの」
「それにヴェルナを入れても四人では、それこそゴブリンを相手が精一杯だな」
「俺の所には使役獣が欲しい、幻獣が欲しいと多くの者がやって来る。それは俺が幻獣を多数従えているからだ。ヴェルナが冒険者を続けるつもりなら、キングタイガーを譲ってやるぞ」
俺の言葉が理解出来ないのか、四人ともポカンとしている。
「俺は並みのテイマーより野獣をテイムした経験も豊富だし、他人に使役獣を斡旋した経験も豊富だ。ヴェルナが望むのなら、キングを譲ってやると言っているんだ」
「待って! あんた、何を言っているのか判ってるの? 一度テイムした野獣を譲るですって?」
「そう言っている。俺の使役獣を人に譲った事もあるので、出来るさ」
「それが本当なら欲しい。亭主は死んじゃったし、此の儘じゃ引退して細々と生きて行くか野垂れ死ぬだけだわ」
「それが本当に出来るのなら、俺達は解散しなくて済むな」
「キングタイガーも幻獣なのか?」
「残念だが普通の野獣だ」
「キングタイガーを普通の野獣って言うか」
「タイガー種は、群れを相手の闘いは苦手でもベア類なら一頭で倒すからな」
「キングタイガーと、一対一で互角に戦える野獣はそういない筈だぞ」
「それじゃゆっくり飯を食っていてくれ。俺達はゴブリンの死骸に集まっている野獣の始末をしてくるから」
「何処にいるんだ?」
「アッシュ達が耳を立てているだろう。向いている方角はゴブリンの死骸が転がっている方だ。死骸を喰いに集まっているのだろう」
シルバーとファングを先行させ、グレイ達を連れてゴブリンを放置した場所に向かった。
少し騒ぎが起きているが、多数の死骸が放置されていて餌には困らないので、好き勝手に貪り食っている。
そこへシルバーとファングが静かに近寄り、ストーンランスとアイスランスを射ち込み倒していく。
ドッグ系ウルフ系にオークにハイオーク、ブラックタイガーにタイガーキャットもいるではないの。
グレイがタイガーキャットを見て嬉しそうに駆けだしたが、仲間だと思っていないのか攻撃態勢で近寄っている。
いきなりストーンランスを射ち込むと、倒れたタイガーキャットを空間収納にポイすると次の獲物に向かっている。
相変わらず強そうな奴から攻撃しているが、魔法を使えない野獣に勝ち目はない。
《同族なのに良いのか?》
《番いになる相手なら攻撃しないので良いのよ》
そんなもんかねぇ。
倒した獲物はグレイとシルバーが手分けして空間収納に入れているが、後で俺の前に積み上げるんだよな。
* * * * * * *
フラッグに命じてキングの四肢を土魔法で拘束して、ローブを頭から被せて準備完了。
興味深げに見ているカディス達を少し離れさせると、ヴェルナをキングの横に立たせる。
「野獣をテイムした経験はどれ位ある?」
「一度だけだが」
「それじゃ恥ずかしい詠唱を唱えてテイムしたのか」
「恥ずかしいって、まぁ、あまり大きな声で唱えたくはないわね」
「其奴は忘れても良いぞ。野獣をテイムするときは掌を野獣に乗せてテイムを二度繰り返せば良い。その他の文言は必要無いからな」
「そんなに簡単な事で?」
「テイマースキルを授かるって事は、アルティナ様からテイムする事を許されているって事だ。改めてお願いする必要は無い。掌をテイムする野獣に付けなくてもテイムは出来るが、掌を付けている方が楽にテイム出来るんだ」
「そんなに簡単な話なの?」
「簡単さ。但し、俺はお前より強いので俺の支配を受け入れろ。と念じてテイムしろよ。中々テイム出来ないって言う奴がいるが、恐々テイムするから失敗するんだ。自信を持ってテイムしな」
「でも、このキングタイガーはランディスの使役獣だろう。私がテイム出来るのか?」
「使役獣のテイムを外す方法があるのさ。それが伝わらないのは極めて危険だからだ。キングの足を拘束しているのはそのためだ。何もせずにテイムを外すと目の前に支配の外れた野獣が居る事になる」
「それは嫌だな」
「だから支配を外す方法は伝わらないのさ。新しい野獣を手に入れたら元の使役獣は殺せとはそう言う事だ。但し使い物になると思えば二頭目をテイムする事は出来るが腕次第だな」
「あんたの様に?」
「俺はちょっと人とは違った状態からテイムしたので何とも言えないな。それよりも忘れるな、自分はお前より強いので俺の支配を受け入れろとの心構えを。支配を外すぞ」
「ああ、やってくれ」
《キング、お前を俺の支配から外すので、次ぎに目にする女の支配を受け入れろよ。でなきゃお前を殺す事になるので。良いな!》
《ランディ・・・判った》
キングの身体に掌を当てて(テイム、解除・解除)と念じてから被せていたローブを外して、ヴェルナに頷く。
ヴェルナが、テイムが外れてぼうっとしているキングの前に立ち掌をキングにそっと置き「テイム・テイム」と呟いている。
呆けた様な顔で身動きもしないヴェルナを、後ろで心配そうに見つめているカディス達。
「テイム出来たか?」
「ええ、こんなに簡単にテイム出来るなんて・・・」
「なら名前、呼び名を付けてやりなよ」
「名前って・・・死んだ子はファングウルフだったのでウルフって呼んでいたし、パーティー名はウルフの牙なのよ」
「それじゃキングと呼べば、呼び名が変わると戸惑うかも知れないし、呼びやすいだろう」
「そんなに簡単で良いの」
「呼ばれる方の身になれよ。ころころ名前が変わったら戸惑うだろう」
「判ったわ。お前はキング、此れから宜しくね」
《キング、此れからはヴェルナに従い守ってやれよ》
《はい・・・ランディ。何も言ってこない》
《ヴェルナはお前と話が出来ないので、此れから彼女のいう事を良く聞いて覚えて行けよ》
「テイム出来たのか?」
「どうなんだ、ヴェルナ!」
「テイム出来たのなら、ちょっと触らせろ」
カディス、デイブ、ベックの三人に撫で回されて困惑気味のキング。
《ランディ・・・》
《嫌なら呻り声を出せ、但し襲うなよ》
〈グルルル〉とキングの呻り声に慌てて離れる三人。
「幾ら使役獣だからってやり過ぎだぞ。元々野生種なんだから、テイマー以外が好き勝手をしたら機嫌が悪くなるのは知っているはずだが」
「ああ、キングタイガーなんて珍しくて忘れていたよ」
「ちょいと唸るだけでも迫力があるなぁ」
「ヴェルナにはキングの扱い方を教えるけど、俺もテイマーから教わった方法だからそう変わらないと思うよ」
* * * * * * *
ヴェルナの指示に従って動くキングだが、俺が教えた事と全て同じとはいかない。
俺の場合は腕や指の指示と同時に言葉、念話でも伝えていたので、キングの覚えは早かった。
その違いを埋める為に、ヴェルナには腕や指の指示と同時に言葉にしてキングに伝える様に教える。
言葉は通じないと言うヴェルナに、やれとか下がれなんて攻撃中に動作で指示できないが、言葉も同時に使っているといざという時には、指示が見えなくても従うのだと口から出任せ。
そのヴェルナの指示を、俺が内緒でキングに伝えているので覚えは早かった。
* * * * * * *
キングをつれて野獣を追い、四人共同での実戦も馴れた様なので終わりにして、お別れの前にやる事がある。
彼等と連れだってプラシドに向かうが、ヴェルナには俺の身分証を渡しておく。
「此は、あんたの身分証よね」
「そう、正真正銘のランディス・グレイン侯爵の配下を示すものだよ。キングを連れていると冒険者達が擦り寄ってくるし、貴族や豪商達も群がってくる」
「冒険者は判るが、貴族や豪商って何でだ?」
「キングタイガーを侍らせようって、見栄っ張りが湧いて出るのは間違いない。カディス達は貴族や豪商の頼みっていうか、ごり押しを断れるのか」
「そりゃー無理!」
「お貴族様が護衛を引き連れて来たら頭を下げるしかないよな」
「それで此が役に立つの?」
「多分ね。断り切れなかったら従えば良いよ」
「そんなぁー」
「その後で俺の領地グレインに手紙を送ってくれたら、後は俺が始末をつけるよ。宛名は俺の名か執事のハリスン宛で、用件を記してあんた達のパーティー名かヴェルナやカディスの名で送れば俺に届くから。それと横棒に星が一つついているが、それを示せば貴族用通路も通れるからな」
「マジかよ」
「俺達は通れないのか」
「ヴェルナと一緒になら通れるさ。但し、他の貴族と揉めるなよ。難癖を付けてきたら頭を下げて、後から俺に知らせてくれ」
「この街道筋じゃ、ホールデンス公爵様の領地以外は、侯爵に逆らう貴族はいないんじゃないの」
「もっと大事な事は、街の外で冒険者に無理強いされたら殺せ! 甘い顔をしたら付け上がるからな。若いパーティーがそれで殺されたからな」
「それを遣れば犯罪奴隷になるじゃないか」
「他の奴等のいない所でやれば良い。駄目なら襲われたと言えば良い、そのための身分証だ。」
「ランディスって、結構恐い性格なのね」
「甘い顔をしていれば骨までしゃぶられてしまうけど、それでも良いのなら無理にとは言わないよ」
「お早う。朝飯を食ったらあんた達に相談があるのだが」
「うむ、パーティーとしては使い物にならないが、何の相談だ?」
「ウルフレントがベースの赤い弓のマドック達は、尋常じゃない数のウルフの群れに襲われていた。俺達が助けたが、その直後に別のウルフの群れが殺到してきて此も撃退したんだ。ゴブリン同様異変が起きていると思って間違いない。ラッヒェルのギルマスは繁殖期と言っていたが、そうなるとベテランのパーティーは一つでも多く欲しい」
「俺達は半数がやられてしまったからなぁ。それにヴェルナのウルフを軸として細々と生きて来たんだ」
「ヴェルナに強い使役獣がいれば闘えるか?」
「今から使役獣を手に入れても、大きくなるまでどれ位掛かると思っているの」
「それにヴェルナを入れても四人では、それこそゴブリンを相手が精一杯だな」
「俺の所には使役獣が欲しい、幻獣が欲しいと多くの者がやって来る。それは俺が幻獣を多数従えているからだ。ヴェルナが冒険者を続けるつもりなら、キングタイガーを譲ってやるぞ」
俺の言葉が理解出来ないのか、四人ともポカンとしている。
「俺は並みのテイマーより野獣をテイムした経験も豊富だし、他人に使役獣を斡旋した経験も豊富だ。ヴェルナが望むのなら、キングを譲ってやると言っているんだ」
「待って! あんた、何を言っているのか判ってるの? 一度テイムした野獣を譲るですって?」
「そう言っている。俺の使役獣を人に譲った事もあるので、出来るさ」
「それが本当なら欲しい。亭主は死んじゃったし、此の儘じゃ引退して細々と生きて行くか野垂れ死ぬだけだわ」
「それが本当に出来るのなら、俺達は解散しなくて済むな」
「キングタイガーも幻獣なのか?」
「残念だが普通の野獣だ」
「キングタイガーを普通の野獣って言うか」
「タイガー種は、群れを相手の闘いは苦手でもベア類なら一頭で倒すからな」
「キングタイガーと、一対一で互角に戦える野獣はそういない筈だぞ」
「それじゃゆっくり飯を食っていてくれ。俺達はゴブリンの死骸に集まっている野獣の始末をしてくるから」
「何処にいるんだ?」
「アッシュ達が耳を立てているだろう。向いている方角はゴブリンの死骸が転がっている方だ。死骸を喰いに集まっているのだろう」
シルバーとファングを先行させ、グレイ達を連れてゴブリンを放置した場所に向かった。
少し騒ぎが起きているが、多数の死骸が放置されていて餌には困らないので、好き勝手に貪り食っている。
そこへシルバーとファングが静かに近寄り、ストーンランスとアイスランスを射ち込み倒していく。
ドッグ系ウルフ系にオークにハイオーク、ブラックタイガーにタイガーキャットもいるではないの。
グレイがタイガーキャットを見て嬉しそうに駆けだしたが、仲間だと思っていないのか攻撃態勢で近寄っている。
いきなりストーンランスを射ち込むと、倒れたタイガーキャットを空間収納にポイすると次の獲物に向かっている。
相変わらず強そうな奴から攻撃しているが、魔法を使えない野獣に勝ち目はない。
《同族なのに良いのか?》
《番いになる相手なら攻撃しないので良いのよ》
そんなもんかねぇ。
倒した獲物はグレイとシルバーが手分けして空間収納に入れているが、後で俺の前に積み上げるんだよな。
* * * * * * *
フラッグに命じてキングの四肢を土魔法で拘束して、ローブを頭から被せて準備完了。
興味深げに見ているカディス達を少し離れさせると、ヴェルナをキングの横に立たせる。
「野獣をテイムした経験はどれ位ある?」
「一度だけだが」
「それじゃ恥ずかしい詠唱を唱えてテイムしたのか」
「恥ずかしいって、まぁ、あまり大きな声で唱えたくはないわね」
「其奴は忘れても良いぞ。野獣をテイムするときは掌を野獣に乗せてテイムを二度繰り返せば良い。その他の文言は必要無いからな」
「そんなに簡単な事で?」
「テイマースキルを授かるって事は、アルティナ様からテイムする事を許されているって事だ。改めてお願いする必要は無い。掌をテイムする野獣に付けなくてもテイムは出来るが、掌を付けている方が楽にテイム出来るんだ」
「そんなに簡単な話なの?」
「簡単さ。但し、俺はお前より強いので俺の支配を受け入れろ。と念じてテイムしろよ。中々テイム出来ないって言う奴がいるが、恐々テイムするから失敗するんだ。自信を持ってテイムしな」
「でも、このキングタイガーはランディスの使役獣だろう。私がテイム出来るのか?」
「使役獣のテイムを外す方法があるのさ。それが伝わらないのは極めて危険だからだ。キングの足を拘束しているのはそのためだ。何もせずにテイムを外すと目の前に支配の外れた野獣が居る事になる」
「それは嫌だな」
「だから支配を外す方法は伝わらないのさ。新しい野獣を手に入れたら元の使役獣は殺せとはそう言う事だ。但し使い物になると思えば二頭目をテイムする事は出来るが腕次第だな」
「あんたの様に?」
「俺はちょっと人とは違った状態からテイムしたので何とも言えないな。それよりも忘れるな、自分はお前より強いので俺の支配を受け入れろとの心構えを。支配を外すぞ」
「ああ、やってくれ」
《キング、お前を俺の支配から外すので、次ぎに目にする女の支配を受け入れろよ。でなきゃお前を殺す事になるので。良いな!》
《ランディ・・・判った》
キングの身体に掌を当てて(テイム、解除・解除)と念じてから被せていたローブを外して、ヴェルナに頷く。
ヴェルナが、テイムが外れてぼうっとしているキングの前に立ち掌をキングにそっと置き「テイム・テイム」と呟いている。
呆けた様な顔で身動きもしないヴェルナを、後ろで心配そうに見つめているカディス達。
「テイム出来たか?」
「ええ、こんなに簡単にテイム出来るなんて・・・」
「なら名前、呼び名を付けてやりなよ」
「名前って・・・死んだ子はファングウルフだったのでウルフって呼んでいたし、パーティー名はウルフの牙なのよ」
「それじゃキングと呼べば、呼び名が変わると戸惑うかも知れないし、呼びやすいだろう」
「そんなに簡単で良いの」
「呼ばれる方の身になれよ。ころころ名前が変わったら戸惑うだろう」
「判ったわ。お前はキング、此れから宜しくね」
《キング、此れからはヴェルナに従い守ってやれよ》
《はい・・・ランディ。何も言ってこない》
《ヴェルナはお前と話が出来ないので、此れから彼女のいう事を良く聞いて覚えて行けよ》
「テイム出来たのか?」
「どうなんだ、ヴェルナ!」
「テイム出来たのなら、ちょっと触らせろ」
カディス、デイブ、ベックの三人に撫で回されて困惑気味のキング。
《ランディ・・・》
《嫌なら呻り声を出せ、但し襲うなよ》
〈グルルル〉とキングの呻り声に慌てて離れる三人。
「幾ら使役獣だからってやり過ぎだぞ。元々野生種なんだから、テイマー以外が好き勝手をしたら機嫌が悪くなるのは知っているはずだが」
「ああ、キングタイガーなんて珍しくて忘れていたよ」
「ちょいと唸るだけでも迫力があるなぁ」
「ヴェルナにはキングの扱い方を教えるけど、俺もテイマーから教わった方法だからそう変わらないと思うよ」
* * * * * * *
ヴェルナの指示に従って動くキングだが、俺が教えた事と全て同じとはいかない。
俺の場合は腕や指の指示と同時に言葉、念話でも伝えていたので、キングの覚えは早かった。
その違いを埋める為に、ヴェルナには腕や指の指示と同時に言葉にしてキングに伝える様に教える。
言葉は通じないと言うヴェルナに、やれとか下がれなんて攻撃中に動作で指示できないが、言葉も同時に使っているといざという時には、指示が見えなくても従うのだと口から出任せ。
そのヴェルナの指示を、俺が内緒でキングに伝えているので覚えは早かった。
* * * * * * *
キングをつれて野獣を追い、四人共同での実戦も馴れた様なので終わりにして、お別れの前にやる事がある。
彼等と連れだってプラシドに向かうが、ヴェルナには俺の身分証を渡しておく。
「此は、あんたの身分証よね」
「そう、正真正銘のランディス・グレイン侯爵の配下を示すものだよ。キングを連れていると冒険者達が擦り寄ってくるし、貴族や豪商達も群がってくる」
「冒険者は判るが、貴族や豪商って何でだ?」
「キングタイガーを侍らせようって、見栄っ張りが湧いて出るのは間違いない。カディス達は貴族や豪商の頼みっていうか、ごり押しを断れるのか」
「そりゃー無理!」
「お貴族様が護衛を引き連れて来たら頭を下げるしかないよな」
「それで此が役に立つの?」
「多分ね。断り切れなかったら従えば良いよ」
「そんなぁー」
「その後で俺の領地グレインに手紙を送ってくれたら、後は俺が始末をつけるよ。宛名は俺の名か執事のハリスン宛で、用件を記してあんた達のパーティー名かヴェルナやカディスの名で送れば俺に届くから。それと横棒に星が一つついているが、それを示せば貴族用通路も通れるからな」
「マジかよ」
「俺達は通れないのか」
「ヴェルナと一緒になら通れるさ。但し、他の貴族と揉めるなよ。難癖を付けてきたら頭を下げて、後から俺に知らせてくれ」
「この街道筋じゃ、ホールデンス公爵様の領地以外は、侯爵に逆らう貴族はいないんじゃないの」
「もっと大事な事は、街の外で冒険者に無理強いされたら殺せ! 甘い顔をしたら付け上がるからな。若いパーティーがそれで殺されたからな」
「それを遣れば犯罪奴隷になるじゃないか」
「他の奴等のいない所でやれば良い。駄目なら襲われたと言えば良い、そのための身分証だ。」
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