29 / 91
029 貴族って性格悪い
「私は、グランデスの領主フォルタ・カリンガル伯爵が四男、セイオス・カリンガルと申します。父カリンガル伯爵が国王陛下の命を受け、お訪ねのアラド殿と、父を通じて陛下との繋ぎを付ける為に会見致しておりましたが・・・」
セイオスの言葉を聞き、ジュアンデがギョッとした顔になるが、室内に誰もいないので元気を取り戻した。
「ほほう、然し誰も居ないようだが」
室内を見回し嘯くジュアンデの襟首を掴み、ドアの外で待機する奴の部下に向かって叩き付けた。
部下共々、通路の向かいに転がり呻くジュアンデを尻目に、別れの挨拶をする。
「セイオス様、邪魔が入りました、何れご連絡を入れる事もあるかと」
そう告げると、セイオスは誰もいない開け放たれたドアに向かって「お待ち致しております、アラド殿」そう答えて深々と頭を下げた。
誰もいない筈の場所から声がし、セイオスが其れに応えて頭を下げるのを、 ジュアンデがマジマジと見ている。
セイオスも大概人が悪いね、これで俺に逃げられたのはジュアンデのせいに出来る。
止めに、ジュアンデの顔を一発蹴り上げて俺が居た証拠とし、ホテルを後にする。
さて、俺がこの街に居るのが知られてしまった。
フードを被っていても買い物もし辛いし、サランと二人連れだとも知れ渡っていると思われる。
ウインザの街を去るときだろうが、何処に行くかが問題だ。
サランに行きたい所はあるかと問えば、大きな街が良いと即答する。
理由は食事だ、店舗にせよ市場にせよ品物が豊富で美味いと嬉しそうに言う。
アスフォールに向かうのは面倒なので、必然的に王都の方向に向かう事になった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
セイオスからの報告を受けた、カリンガル伯爵もほくそ笑む。
王国騎士団のジュアンデ殿には深く感謝したいが、礼をするのも憚られるので感謝だけにとどめた。
然し、事の一部始終をグルマン宰相に伝える事は怠らなかった。
アラドとの接触が断たれた責任は、ひとえに王国側の通達が徹底しなかったせいにしてしまった。
カリンガル伯爵はグルマン宰相に、「私は以前『立場を笠に着ての物言いや、行動は厳に慎むべきです』とお伝えしましたが、配下の方々に徹底しましたか?」
そう言われて、グルマン宰相は返す言葉が無かった。
「もう一つ、彼の言葉ですが『用件も判らない相手と会う気はないと。例え国王陛下だろうと、それは同じだと』 彼自身も言ってますが、『一介の冒険者であり流民で在る自分は、他者に跪く気が無いので、それを強要するのなら如何なる依頼も受けない』だそうです」
カリンガル伯爵との会談を終えたグルマン宰相は、即座に王国騎士団の騎士団長を呼び付け、アラド捜索の者達に私の言葉を伝えたのかと詰問した。
命令の徹底が為されなかった事に対し、グルマン宰相も騎士団長もアラド捜索失敗の全責任をジュアンデに負わせ、生け贄として命令の徹底を図った。
後に此の事を知ったセイオスは、彼も又貴族の子弟である。
お可哀想にと思ったが、不快な対応をした彼の事は直ぐに忘れてしまった。
ウインザでの失敗を教訓に、問題の人物らしき者を見つけても接触は禁止されたので、極偶に市場で食料を大量に買っていたとか、それらしき者を見掛けたとの情報がグルマン宰相の元にもたらされた。
その情報はカリンガル伯爵と共有され、彼が落ち着いた時に某かの依頼をする事になっていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ウインザを出て、カルガリ街道をたどって王都方向に向かう。
ウインザ→キンサ→アンシェ→ルビック→バンゲン→クリスチ→ランゲルへと街と街の間を2~3週間の感覚で移動し、その間は買い溜めした食糧が無くなるまでサランの魔法訓練に励む。
ウインザを出たのが八月の半ば過ぎ、ランゲルに着いた時には十一月も終わろうとしていた。
その間に俺の魔力は15増えて魔力 181に、サランは魔力118になった。
サランは魔力が上がると共に、火魔法と氷結魔法を習得したので、残るのは風魔法と雷撃魔法のみとなる。
風・水・火・土・氷・雷・に、転移・鑑定・結界・治癒・収納・隠蔽ときた。
多分今でもホーランド王国最強の魔法使いだろう。
サランの親が此の事を知れば、金の卵を二束三文で売り飛ばした事を泣いて悔しがる筈だ。
面白いのは魔力が上がり、現在魔力は118、1/118の魔力を使って射つと1/100の威力と同じ。
118の魔力を調整せず1/100で射つと、1.18の魔力を使用して攻撃する事になり、僅かだが威力が増している。
他の魔法使いの攻撃を鑑定した事が無いので確信は持てないが、魔法攻撃ならサランの方が威力が有ると思う。
試しに1/100の魔力でドームを作り攻撃させてみたが、十分に耐え内部を凍らせたり燃やしたりさせたが出来なかった。
やはり円筒状の結界だと、完全に封鎖していないせいで魔法攻撃が有効になるようだ。
実験序でに嫌がるサランを説得して、防御障壁を纏った俺を攻撃させたが、魔法攻撃防御の服が全て防いでくれた。
腕まくりをした片腕は防御障壁が防いだが、衝撃で振り回される事になった。
足が地について・・・防御障壁が地に固定されてないのが原因だろう。
攻撃魔法がちょっと羨ましくて、俺の魔法で攻撃可能なものを選択、転移魔法で空中に放り投げるのは極めて有効だが、落ちてきたものは見たくない。
俺の周囲の者を確実に倒せる攻撃方法と考えた結果、結界魔法を利用する事にした。
防御障壁として身に纏ったりドームに板状と円筒形、自在に形を変えられるのなら剣に纏わせ刀身の延長として使えると思い練習した。
これは案外早く習得できた、防御障壁の延長と考え、手に持つ長剣も防御障壁で包み剣先を伸ばしてみた。
隠蔽を掛けてない、全長2メートルの光の剣。
中二病全開の剣を手にしたときには、思わず赤面してしまった。
サランが〈ふぁーぁぁ〉なんて声を上げたので恥ずかしくて直ぐに消滅させたが、サランの琴線に触れたようで、キラキラお目々で見つめられた。
お前も中二病患者か! とは言わなかったが、此れを応用して手槍を利用した光の槍も自在に作れる様に練習をかさねた。
サランは風と雷撃以外の攻撃魔法は一応習得しているが、習熟して自由自在に使える様にと練習中なのに、光の剣と槍を教えて下さいと目をウルウルして頼み込んできて、熱心に練習している。
そりゃー、ライトサーベルって格好いいもんな。
それも隠蔽魔法を掛ければ見えなくなるんだけど、それは危険極まりないので俺の周囲では練習禁止にした。
俺は、ライトサーベルの長さが最大20メートルまで維持できるようになり、強力な武器を手に入れて満足だ。
切れ味はイメージに左右されるので、サランのライトサーベルは棍棒と似たり寄ったりの性能だった。
まっ、これも練習次第イメージ力を上げなければ使いこなせないだろう。
ブレスト領ランゲル、ウインザと似たり寄ったりの大きさの街に見えるが、商業ギルドに直行して腕の良い鍛冶屋と木材加工所を紹介して貰う。
鍛冶屋はサランの長剣と短槍にショートソードを注文する為、木工所はキャンプ用の小屋を作って貰う為だ。
特に雨の日の野営は、ドーム内の地面も濡れていて湿度100%で不快極まりない。
体温調節機能が付与された、服やローブを着ていても嫌になる。
小さくても木の香りのする部屋が欲しくなったし、ランク10や12のマジックポーチも有る。
それに空間収納も大きいと確認出来たので、何処にでも収容できるから無問題。
ハーメン通りの〔テボリエ鍛冶店〕に向かう、サランの指差す先にくすんだ煙突の家が見える。
店内は薄暗く人気も無いが、店の奥から槌音が聞こえるので奥に向かう。
金床に置いた金属棒を叩いているのが親方か、大ハンマーを振っている男は息子の様に見受けられるよく似た顔。
鍛えていた金属棒の色が暗くなり、火床に差し入れたのを見て声を掛ける。
「剣を一本頼みたいのだが」
「なんだぁ、客か?」
客以外、誰がこんな所まで来るんだよ、と思いながら頷く。
「どんなやつが欲しいんだ、つまらん仕事なら他を当たりな」
商業ギルドで聞いたとおりの偏屈親爺のようだ。
黙ってお財布ポーチから長剣を取り出して見せる。
受け取った剣を抜くと、舐めるように刃先から鍔元までを何度も見直しバランスを確かめている。
「何処で作った?」
「アスフォールのウランゴ鍛冶店」
「奴の店か、良い腕だな」
「知ってるの?」
「兄弟弟子だ、此れに負けない奴を打ってやるよ。物は魔鋼鉄で良いんだな」
「彼女に合わせて欲しいんだ、それと短槍とショートソードも」
長剣と手槍は各45万ダーラ、ショートソードが35万ダーラの125万ダーラ。
ウランゴ親方と同じ値段で打ってやる、奴より良い物にしてやると張り切っている。
受け取りは2週間後と決まり、代金を支払って店を出る。
次はウプサラ通りの〔バルナク木工所〕に向かうが、胡散臭そうなのが横一杯に広がって歩いて来る。
「サラン、絡んで来たら蹴り飛ばせ。殺さない程度にな」
正面に立ち塞がった男が、フードを被っているのに態々覗き込んでくる。
「おんやぁー、可愛いお坊ちゃまと骸骨見てえな野郎だぜ」
チンピラが、絵に描いたような絡み方をしてくるので、思わずクスリと笑ってしまった。
この10ヶ月近く、しっかり食べて結構お肉が付き、少しは女に見える様になったのに酷い言い草だ。
お前が揶揄った女は、そこいらの力自慢より危険な奴だぞとは教えない。
〈オイ、笑ってやがるぜ〉
〈舐められたもんだな〉
〈俺達を虚仮にしたんだ、相応の謝罪と詫びの金を貰おうか〉
「端金を集って命を危険に晒すなよ。馬鹿にしたそいつは強いぞ」
セイオスの言葉を聞き、ジュアンデがギョッとした顔になるが、室内に誰もいないので元気を取り戻した。
「ほほう、然し誰も居ないようだが」
室内を見回し嘯くジュアンデの襟首を掴み、ドアの外で待機する奴の部下に向かって叩き付けた。
部下共々、通路の向かいに転がり呻くジュアンデを尻目に、別れの挨拶をする。
「セイオス様、邪魔が入りました、何れご連絡を入れる事もあるかと」
そう告げると、セイオスは誰もいない開け放たれたドアに向かって「お待ち致しております、アラド殿」そう答えて深々と頭を下げた。
誰もいない筈の場所から声がし、セイオスが其れに応えて頭を下げるのを、 ジュアンデがマジマジと見ている。
セイオスも大概人が悪いね、これで俺に逃げられたのはジュアンデのせいに出来る。
止めに、ジュアンデの顔を一発蹴り上げて俺が居た証拠とし、ホテルを後にする。
さて、俺がこの街に居るのが知られてしまった。
フードを被っていても買い物もし辛いし、サランと二人連れだとも知れ渡っていると思われる。
ウインザの街を去るときだろうが、何処に行くかが問題だ。
サランに行きたい所はあるかと問えば、大きな街が良いと即答する。
理由は食事だ、店舗にせよ市場にせよ品物が豊富で美味いと嬉しそうに言う。
アスフォールに向かうのは面倒なので、必然的に王都の方向に向かう事になった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
セイオスからの報告を受けた、カリンガル伯爵もほくそ笑む。
王国騎士団のジュアンデ殿には深く感謝したいが、礼をするのも憚られるので感謝だけにとどめた。
然し、事の一部始終をグルマン宰相に伝える事は怠らなかった。
アラドとの接触が断たれた責任は、ひとえに王国側の通達が徹底しなかったせいにしてしまった。
カリンガル伯爵はグルマン宰相に、「私は以前『立場を笠に着ての物言いや、行動は厳に慎むべきです』とお伝えしましたが、配下の方々に徹底しましたか?」
そう言われて、グルマン宰相は返す言葉が無かった。
「もう一つ、彼の言葉ですが『用件も判らない相手と会う気はないと。例え国王陛下だろうと、それは同じだと』 彼自身も言ってますが、『一介の冒険者であり流民で在る自分は、他者に跪く気が無いので、それを強要するのなら如何なる依頼も受けない』だそうです」
カリンガル伯爵との会談を終えたグルマン宰相は、即座に王国騎士団の騎士団長を呼び付け、アラド捜索の者達に私の言葉を伝えたのかと詰問した。
命令の徹底が為されなかった事に対し、グルマン宰相も騎士団長もアラド捜索失敗の全責任をジュアンデに負わせ、生け贄として命令の徹底を図った。
後に此の事を知ったセイオスは、彼も又貴族の子弟である。
お可哀想にと思ったが、不快な対応をした彼の事は直ぐに忘れてしまった。
ウインザでの失敗を教訓に、問題の人物らしき者を見つけても接触は禁止されたので、極偶に市場で食料を大量に買っていたとか、それらしき者を見掛けたとの情報がグルマン宰相の元にもたらされた。
その情報はカリンガル伯爵と共有され、彼が落ち着いた時に某かの依頼をする事になっていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ウインザを出て、カルガリ街道をたどって王都方向に向かう。
ウインザ→キンサ→アンシェ→ルビック→バンゲン→クリスチ→ランゲルへと街と街の間を2~3週間の感覚で移動し、その間は買い溜めした食糧が無くなるまでサランの魔法訓練に励む。
ウインザを出たのが八月の半ば過ぎ、ランゲルに着いた時には十一月も終わろうとしていた。
その間に俺の魔力は15増えて魔力 181に、サランは魔力118になった。
サランは魔力が上がると共に、火魔法と氷結魔法を習得したので、残るのは風魔法と雷撃魔法のみとなる。
風・水・火・土・氷・雷・に、転移・鑑定・結界・治癒・収納・隠蔽ときた。
多分今でもホーランド王国最強の魔法使いだろう。
サランの親が此の事を知れば、金の卵を二束三文で売り飛ばした事を泣いて悔しがる筈だ。
面白いのは魔力が上がり、現在魔力は118、1/118の魔力を使って射つと1/100の威力と同じ。
118の魔力を調整せず1/100で射つと、1.18の魔力を使用して攻撃する事になり、僅かだが威力が増している。
他の魔法使いの攻撃を鑑定した事が無いので確信は持てないが、魔法攻撃ならサランの方が威力が有ると思う。
試しに1/100の魔力でドームを作り攻撃させてみたが、十分に耐え内部を凍らせたり燃やしたりさせたが出来なかった。
やはり円筒状の結界だと、完全に封鎖していないせいで魔法攻撃が有効になるようだ。
実験序でに嫌がるサランを説得して、防御障壁を纏った俺を攻撃させたが、魔法攻撃防御の服が全て防いでくれた。
腕まくりをした片腕は防御障壁が防いだが、衝撃で振り回される事になった。
足が地について・・・防御障壁が地に固定されてないのが原因だろう。
攻撃魔法がちょっと羨ましくて、俺の魔法で攻撃可能なものを選択、転移魔法で空中に放り投げるのは極めて有効だが、落ちてきたものは見たくない。
俺の周囲の者を確実に倒せる攻撃方法と考えた結果、結界魔法を利用する事にした。
防御障壁として身に纏ったりドームに板状と円筒形、自在に形を変えられるのなら剣に纏わせ刀身の延長として使えると思い練習した。
これは案外早く習得できた、防御障壁の延長と考え、手に持つ長剣も防御障壁で包み剣先を伸ばしてみた。
隠蔽を掛けてない、全長2メートルの光の剣。
中二病全開の剣を手にしたときには、思わず赤面してしまった。
サランが〈ふぁーぁぁ〉なんて声を上げたので恥ずかしくて直ぐに消滅させたが、サランの琴線に触れたようで、キラキラお目々で見つめられた。
お前も中二病患者か! とは言わなかったが、此れを応用して手槍を利用した光の槍も自在に作れる様に練習をかさねた。
サランは風と雷撃以外の攻撃魔法は一応習得しているが、習熟して自由自在に使える様にと練習中なのに、光の剣と槍を教えて下さいと目をウルウルして頼み込んできて、熱心に練習している。
そりゃー、ライトサーベルって格好いいもんな。
それも隠蔽魔法を掛ければ見えなくなるんだけど、それは危険極まりないので俺の周囲では練習禁止にした。
俺は、ライトサーベルの長さが最大20メートルまで維持できるようになり、強力な武器を手に入れて満足だ。
切れ味はイメージに左右されるので、サランのライトサーベルは棍棒と似たり寄ったりの性能だった。
まっ、これも練習次第イメージ力を上げなければ使いこなせないだろう。
ブレスト領ランゲル、ウインザと似たり寄ったりの大きさの街に見えるが、商業ギルドに直行して腕の良い鍛冶屋と木材加工所を紹介して貰う。
鍛冶屋はサランの長剣と短槍にショートソードを注文する為、木工所はキャンプ用の小屋を作って貰う為だ。
特に雨の日の野営は、ドーム内の地面も濡れていて湿度100%で不快極まりない。
体温調節機能が付与された、服やローブを着ていても嫌になる。
小さくても木の香りのする部屋が欲しくなったし、ランク10や12のマジックポーチも有る。
それに空間収納も大きいと確認出来たので、何処にでも収容できるから無問題。
ハーメン通りの〔テボリエ鍛冶店〕に向かう、サランの指差す先にくすんだ煙突の家が見える。
店内は薄暗く人気も無いが、店の奥から槌音が聞こえるので奥に向かう。
金床に置いた金属棒を叩いているのが親方か、大ハンマーを振っている男は息子の様に見受けられるよく似た顔。
鍛えていた金属棒の色が暗くなり、火床に差し入れたのを見て声を掛ける。
「剣を一本頼みたいのだが」
「なんだぁ、客か?」
客以外、誰がこんな所まで来るんだよ、と思いながら頷く。
「どんなやつが欲しいんだ、つまらん仕事なら他を当たりな」
商業ギルドで聞いたとおりの偏屈親爺のようだ。
黙ってお財布ポーチから長剣を取り出して見せる。
受け取った剣を抜くと、舐めるように刃先から鍔元までを何度も見直しバランスを確かめている。
「何処で作った?」
「アスフォールのウランゴ鍛冶店」
「奴の店か、良い腕だな」
「知ってるの?」
「兄弟弟子だ、此れに負けない奴を打ってやるよ。物は魔鋼鉄で良いんだな」
「彼女に合わせて欲しいんだ、それと短槍とショートソードも」
長剣と手槍は各45万ダーラ、ショートソードが35万ダーラの125万ダーラ。
ウランゴ親方と同じ値段で打ってやる、奴より良い物にしてやると張り切っている。
受け取りは2週間後と決まり、代金を支払って店を出る。
次はウプサラ通りの〔バルナク木工所〕に向かうが、胡散臭そうなのが横一杯に広がって歩いて来る。
「サラン、絡んで来たら蹴り飛ばせ。殺さない程度にな」
正面に立ち塞がった男が、フードを被っているのに態々覗き込んでくる。
「おんやぁー、可愛いお坊ちゃまと骸骨見てえな野郎だぜ」
チンピラが、絵に描いたような絡み方をしてくるので、思わずクスリと笑ってしまった。
この10ヶ月近く、しっかり食べて結構お肉が付き、少しは女に見える様になったのに酷い言い草だ。
お前が揶揄った女は、そこいらの力自慢より危険な奴だぞとは教えない。
〈オイ、笑ってやがるぜ〉
〈舐められたもんだな〉
〈俺達を虚仮にしたんだ、相応の謝罪と詫びの金を貰おうか〉
「端金を集って命を危険に晒すなよ。馬鹿にしたそいつは強いぞ」
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。
いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。
そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。
【第二章】
原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。
原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。