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「これ、どうすんの?」
仲間の冒険者に聞く私は、ただのしがない冒険者。
勇者一行の一人として、ついてきた少年?とたくさん話をさせてもらった人です!
自慢ですよ?
名前は覚えてもらわなくてもいい!
勇者様と親しい人と直接会話することができたというだけで、幸せです!
っていうか、今後の人生において絶対にない経験をしたわけだ。
おかげで、他の冒険者パーティからは嫉妬の目を向けられる……。
だが、それも今となってはどうでもいいことだ。
「冒険者如きなら、この者たちで十分……」
とか、舐めきったことを言っている髭を生やした男。
その後ろから出てきた男たちは私たちを囲むように周囲に散開を始める。
だが、もちろん私も黙って見ているわけにはいかない。
冒険者一同、各々の得意武器を抜き放ち、迎撃準備をする。
「随分と舐められたものね」
代表して皮肉を言ってやったところで戦闘が開始された。
そこら中から鳴り響く、金属と金属がぶつかる音。
ガンガンと耳の中にここまで響いたのはいつぶりだろうか?
私のもとにも敵が接近してくる。
向けられた剣先をナイフで弾き返し、突き飛ばす。
男たちは大した実力はないようだ。
冒険者でいうと、Cランク。
冒険者のランクは大体……
Eランクで仮冒険者
Dランクで半人前の冒険者
Cランクで一人前の冒険者
Bランク以降は一流の実力者
そんな認識でいいと思う。
ちなみに、私はBランクである!
自慢だよ?
小さい街にでも行けば、英雄視されてもおかしくない。
大きい街になると、Aランクもそれなりにいるため霞んで見えるが……。
CランクとBランクにはかなりの開きがあるため、油断しないとまず負けることはないだろう。
だが、問題はそこじゃなかった。
「妖精の皆さん!違うんです!」
「違わない!騙した!」
いつの間にか仲間を連れて戻ってきていた妖精が、勇者パーティのお三方と喧嘩を始めている。
今にも戦いに発展しそうなほどお怒りの妖精さん。
ただ、もし本当に、その怒りを爆発させでもしたら、冒険者はまず全滅するだろう。
ついでに、この男たちも。
妖精とはそういう存在だ。
ランク指定はSランク
化け物だ。
間違いなく、この場で抵抗できるのは勇者パーティの三人だけだ。
私たちも死にたくない。
どうにかその妖精さんたちの怒りを鎮めてもらいたい。
相手にしている敵がいくら弱くても、妖精さんたちからは逃げられない。
こいつらを囮にして……とか。
そんなの不可能である。
ドライアドと呼ばれる大樹の妖精。
きっとこの近くにもいるのだろう。
ドライアドは森全体を見通せる。
そんな中で遠く離れた森の外まで出るのはまず無理。
私が今ここでできるのはいち早くこの敵を滅多打ちして、何か算段を考えることだけだった。
(冒険者って楽じゃないわね……)
始めてそう思った瞬間だった。
♦︎♢♦︎♢♦︎↓ミレーヌ視点↓
どうしたらいいのよ!
妖精たちが怒り浸透な様子で戻ってくるなんて想像してなかった。
私のガバガバな敬語でどこまで言い訳できるか……。
というか、なんで私がこんなことしなくちゃいけないんだよ!
今思えば、トーヤが一番敬語が上手だった。
異世界から召喚されたトーヤが一番敬語上手って……この勇者パーティどうなってんのよって話よね。
「とにかく、私たちじゃないんです!」
「信じられない!」
これで平行線。
ここから先、話が進まない。
怒り顔の妖精たちを沈める手段は何かないか?
って、言っても、私も会ったの今日が初めてだから、どうすればいいのかわからない。
気を紛らわせることも叶わないし、この際ぶん殴って解決!とかって……。
いい加減私もイライラが募ってくる。
そろそろ誰か変われよ!
私以外の二人は全く会話に参加する気ないでしょ!
もうほんとどうにかしてくれ!
そう願っていた時、
「もう我慢ならない!」
妖精の一人がついにブチ切れてしまった。
(あ、死んだわ)
そう思った。
次の瞬間には服の裾に穴が開き、私の体をかすめる。
風の魔法?
そんなことを気にしている暇ではないのだろうな、そんなことを考えながらも魔法関係の知識欲が治らない……。
そのせいで呆然としてしまっていた。
「危ない!」
ようやく会話に参加してきた二人は私を引っ張る。
私がいた位置には小さめの穴が生まれていた。
「あっぶな……」
とうとう妖精たちにも限界が来たようで私たちの方に向かってくる。
そして次の瞬間、
「邪魔」
そんな声が聞こえ、妖精たちと何かが衝突する。
妖精たちはどこかへと吹き飛んでいってしまい、予想以上にあっけない退場の仕方をした。
そしてぶつかった何かの方に目をやれば、
「子供?」
そう思ったが、それが間違いだったことに気づく。
その子供の背中には翼が生えていた。
黒のような、紫のような色合いで、形も禍々しく、まさしく悪魔についているようなものだった。
「あなた、だれ?」
「回答する権利は、私にはございません」
「は、はあ?」
なんともカタコトというべきか……。
人間のような喋り方をしないその少女は私をジロジロと眺める。
「個体名、ミレーヌ。危険度A」
「はい?」
「任務妨害、失礼いたしました」
任務?
妖精のことを言っているのか?
「いや、それはいいけど……!」
「では失礼します」
そう言って、凄まじい速度で飛び立っていく。
「なんだったの?」
そう呟き、立ち上がった時、
「援軍が来たぞー!」
一人の冒険者からそんな言葉が発せられるのが聞こえた。
その冒険者の方を目で追えば、乱戦状態となっていた冒険者と敵の奥から四人ほどの人物が出てきた。
「Aランク冒険者だ!」
Aランク……。
それがどれだけ凄いことか私は知っている。
大都市に一パーティいるかいないかというレベルで少ない。
それだけ、人数が少ないのだ。
「我々、不躾ながら参戦させていただく」
女の剣士がそんなことを言う。
「我が名はヴェール!いざ参らん!」
仲間の冒険者に聞く私は、ただのしがない冒険者。
勇者一行の一人として、ついてきた少年?とたくさん話をさせてもらった人です!
自慢ですよ?
名前は覚えてもらわなくてもいい!
勇者様と親しい人と直接会話することができたというだけで、幸せです!
っていうか、今後の人生において絶対にない経験をしたわけだ。
おかげで、他の冒険者パーティからは嫉妬の目を向けられる……。
だが、それも今となってはどうでもいいことだ。
「冒険者如きなら、この者たちで十分……」
とか、舐めきったことを言っている髭を生やした男。
その後ろから出てきた男たちは私たちを囲むように周囲に散開を始める。
だが、もちろん私も黙って見ているわけにはいかない。
冒険者一同、各々の得意武器を抜き放ち、迎撃準備をする。
「随分と舐められたものね」
代表して皮肉を言ってやったところで戦闘が開始された。
そこら中から鳴り響く、金属と金属がぶつかる音。
ガンガンと耳の中にここまで響いたのはいつぶりだろうか?
私のもとにも敵が接近してくる。
向けられた剣先をナイフで弾き返し、突き飛ばす。
男たちは大した実力はないようだ。
冒険者でいうと、Cランク。
冒険者のランクは大体……
Eランクで仮冒険者
Dランクで半人前の冒険者
Cランクで一人前の冒険者
Bランク以降は一流の実力者
そんな認識でいいと思う。
ちなみに、私はBランクである!
自慢だよ?
小さい街にでも行けば、英雄視されてもおかしくない。
大きい街になると、Aランクもそれなりにいるため霞んで見えるが……。
CランクとBランクにはかなりの開きがあるため、油断しないとまず負けることはないだろう。
だが、問題はそこじゃなかった。
「妖精の皆さん!違うんです!」
「違わない!騙した!」
いつの間にか仲間を連れて戻ってきていた妖精が、勇者パーティのお三方と喧嘩を始めている。
今にも戦いに発展しそうなほどお怒りの妖精さん。
ただ、もし本当に、その怒りを爆発させでもしたら、冒険者はまず全滅するだろう。
ついでに、この男たちも。
妖精とはそういう存在だ。
ランク指定はSランク
化け物だ。
間違いなく、この場で抵抗できるのは勇者パーティの三人だけだ。
私たちも死にたくない。
どうにかその妖精さんたちの怒りを鎮めてもらいたい。
相手にしている敵がいくら弱くても、妖精さんたちからは逃げられない。
こいつらを囮にして……とか。
そんなの不可能である。
ドライアドと呼ばれる大樹の妖精。
きっとこの近くにもいるのだろう。
ドライアドは森全体を見通せる。
そんな中で遠く離れた森の外まで出るのはまず無理。
私が今ここでできるのはいち早くこの敵を滅多打ちして、何か算段を考えることだけだった。
(冒険者って楽じゃないわね……)
始めてそう思った瞬間だった。
♦︎♢♦︎♢♦︎↓ミレーヌ視点↓
どうしたらいいのよ!
妖精たちが怒り浸透な様子で戻ってくるなんて想像してなかった。
私のガバガバな敬語でどこまで言い訳できるか……。
というか、なんで私がこんなことしなくちゃいけないんだよ!
今思えば、トーヤが一番敬語が上手だった。
異世界から召喚されたトーヤが一番敬語上手って……この勇者パーティどうなってんのよって話よね。
「とにかく、私たちじゃないんです!」
「信じられない!」
これで平行線。
ここから先、話が進まない。
怒り顔の妖精たちを沈める手段は何かないか?
って、言っても、私も会ったの今日が初めてだから、どうすればいいのかわからない。
気を紛らわせることも叶わないし、この際ぶん殴って解決!とかって……。
いい加減私もイライラが募ってくる。
そろそろ誰か変われよ!
私以外の二人は全く会話に参加する気ないでしょ!
もうほんとどうにかしてくれ!
そう願っていた時、
「もう我慢ならない!」
妖精の一人がついにブチ切れてしまった。
(あ、死んだわ)
そう思った。
次の瞬間には服の裾に穴が開き、私の体をかすめる。
風の魔法?
そんなことを気にしている暇ではないのだろうな、そんなことを考えながらも魔法関係の知識欲が治らない……。
そのせいで呆然としてしまっていた。
「危ない!」
ようやく会話に参加してきた二人は私を引っ張る。
私がいた位置には小さめの穴が生まれていた。
「あっぶな……」
とうとう妖精たちにも限界が来たようで私たちの方に向かってくる。
そして次の瞬間、
「邪魔」
そんな声が聞こえ、妖精たちと何かが衝突する。
妖精たちはどこかへと吹き飛んでいってしまい、予想以上にあっけない退場の仕方をした。
そしてぶつかった何かの方に目をやれば、
「子供?」
そう思ったが、それが間違いだったことに気づく。
その子供の背中には翼が生えていた。
黒のような、紫のような色合いで、形も禍々しく、まさしく悪魔についているようなものだった。
「あなた、だれ?」
「回答する権利は、私にはございません」
「は、はあ?」
なんともカタコトというべきか……。
人間のような喋り方をしないその少女は私をジロジロと眺める。
「個体名、ミレーヌ。危険度A」
「はい?」
「任務妨害、失礼いたしました」
任務?
妖精のことを言っているのか?
「いや、それはいいけど……!」
「では失礼します」
そう言って、凄まじい速度で飛び立っていく。
「なんだったの?」
そう呟き、立ち上がった時、
「援軍が来たぞー!」
一人の冒険者からそんな言葉が発せられるのが聞こえた。
その冒険者の方を目で追えば、乱戦状態となっていた冒険者と敵の奥から四人ほどの人物が出てきた。
「Aランク冒険者だ!」
Aランク……。
それがどれだけ凄いことか私は知っている。
大都市に一パーティいるかいないかというレベルで少ない。
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