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仙人の本気
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光が辺りを包み込み何も見えなくなる。だが、気配はスキルのツムちゃんによって把握しているため、安心している部分もあった。
しかし、その情報は相手にもバレているのを忘れていた。気配を把握できる私をわざ技狙う必要はない。
横で何かがぶつかる音がする。
「大丈夫!?」
そして、光が弱くなってきたのを瞼越しに確認して、急いで目を開くとそこには、
「本気でやろうか」
そこにいたのは、金が光り輝く美しい鎧を体に纏っている八光の仙人がいた。横にいた八呪の仙人の姿を確認すると、八呪の仙人は傷もなく無事であった。
だが、
「槍が……」
手に持っていた槍が真っ二つに折られていた。
「まあ、小手調に使っただけなので許してください」
そう言いながら、刀を鞘から抜き放つ八光の仙人。
「それが、本気?」
鎧や兜が光っている。いかにも重そうな見た目だが、本人は全く重そうに感じている様子はなかった。
「本気だよ、安心するといい。二人相手ならこれで十分だ」
その言葉とともに、刀が振るわれた。それは空中を通過したが、私は何か違和感を感じ思わず何もないのに避けてしまった。
「ほう?」
だが、避けたつもりだったのに、何かが胸に強い衝撃波を与えた。血が少しから垂れる。それを拭って八光の仙人の方を向いた。
「今度なに……?」
「先ほどと同じ祝福の剣だろう。本気を出したことでその力も強化されたのだ」
先ほどまでは一撃を与えるだけだったが、今度は追尾でもしてくるというのか?避けたのに攻撃が当たったのは祝福の剣が追撃をしてきたからだろう?
「避けようなくない?」
「気合いで耐えるんじゃなかったのか?」
「ぐっ……」
確かにそんなこと言ったけど、相手を威圧するためだけの言葉でしょうが!
「話す暇があるんだね」
「っ!」
再び見えない剣が飛んできた。違和感しか感じることができないから、その感覚をもとに攻撃を避ける。だが、その違和感はまたこちらに向かって飛んできた。
「ちょっ、助けて!」
もういっそのこと攻撃を受けながら戦おうか、と思い始めていた時、
「どけ」
八呪の仙人がそう言って見えない何かを掴んだ。
「えっ?」
「こんなもの、壊して仕舞えばいいだろう?」
心なしかパリンという音が聞こえた気がする。
「いい加減遊ぶのはやめろ」
それはどちらに対しての言葉なのか……。
「ではそろそろ真面目に戦おう」
そう言って刀を持っていない手に炎を作り上げた八光の仙人が手を地面にかざすと、かざされた場所を中心に円形状に炎が広がっていき、私たちを囲んだ。
「『転移阻害』も展開済みだよ」
「逃してはくれないわけね」
「燃え広がることはないから、安心してください」
安心はできないんだけどね。
「では次に……」
その瞬間、八光の仙人が視界から消え目の前に現れた。
「何回の攻撃で死ぬのか、試していきましょうか」
「ちっ!」
私が飛び退いた後に刀が振るわれ、地面に小さな線ができていた。余分な力がもれていない……その結果だろう。
「いくわよ!」
スキルも魔法も全て余すことなく使っている現状で対抗できるのかはわからない。けど、やれるだけやるしかない。
正面からの攻撃なんて当たるわけないので、突っ込んでいき攻撃が当てられるギリギリの位置で上へ飛び上がり、脳天に回し蹴りを落とす。
だが、
「やっぱり効かないよね」
ただの攻撃じゃもはや通用しない。
「だったら!」
今度は魔力を大量に含んだ攻撃だ。無防備な背中に私の全力の攻撃を放つ。ものすごく硬い感触がし、手を見ると私の手の方がボロボロになっていた。
「いいですねぇ……もっと足掻いて見せてください」
刀が抜かれる瞬間に、私は避け切ることができずに足が少し切られてしまった。
「ぐぅ……」
「終わりです」
「あっ……」
目の前に振り上げられた刀が見え、体勢を崩していて尚且つ転移が阻害されている現状ではどう考えても避けようがなかった。
そしてその刀が振り下ろされ……私には一切の傷はなかった。
「あなたも馬鹿ですね。そんな女を庇って」
「な!?」
そこには全身に大きな切り込みが入っている八呪の仙人さんの姿があった。どさっと倒れ込む体に近づき声をかける。
「大丈夫……なの?」
「案ずるな……我のこの身は仮初のもの……死にはしない」
「でも、その体じゃもう動けないじゃない」
八呪の仙人は乾いた笑い声を上げる。
「本体に意識を移す。それまでどうか耐えてくれ……」
「それって!?」
もし本体が死んだら、あなたも死んでしまうということ……
「そこまで落ちたのですか?人間如きに命をかけるようになるなどとは」
そういう八光の仙人に、八呪の仙人は笑いかける。
「そう言っていられるのも、今のうちだ。我が死ぬ前に、お前の『心』が先に死ぬことになるだろう」
「なんですって?」
「今に覚えていろ。我は、絶対に諦めない。たとえ死んだとしても……」
そう言って、八呪の仙人の手が、だらんと下がる。意識がなくなったのだ、文字通りの意味で。
「ふん、くだらない。その間にベアトリスを殺せばいいだけのこと」
「私も簡単に死ぬつもりはないんだけどね」
なんども死地からかろうじて拾い上げてきた命、今回もやり切ってやるだけだ!
「来なさいよ、返り討ちにしてやるわ」
そう言って、私は体の『主導権』を切り替えた。
しかし、その情報は相手にもバレているのを忘れていた。気配を把握できる私をわざ技狙う必要はない。
横で何かがぶつかる音がする。
「大丈夫!?」
そして、光が弱くなってきたのを瞼越しに確認して、急いで目を開くとそこには、
「本気でやろうか」
そこにいたのは、金が光り輝く美しい鎧を体に纏っている八光の仙人がいた。横にいた八呪の仙人の姿を確認すると、八呪の仙人は傷もなく無事であった。
だが、
「槍が……」
手に持っていた槍が真っ二つに折られていた。
「まあ、小手調に使っただけなので許してください」
そう言いながら、刀を鞘から抜き放つ八光の仙人。
「それが、本気?」
鎧や兜が光っている。いかにも重そうな見た目だが、本人は全く重そうに感じている様子はなかった。
「本気だよ、安心するといい。二人相手ならこれで十分だ」
その言葉とともに、刀が振るわれた。それは空中を通過したが、私は何か違和感を感じ思わず何もないのに避けてしまった。
「ほう?」
だが、避けたつもりだったのに、何かが胸に強い衝撃波を与えた。血が少しから垂れる。それを拭って八光の仙人の方を向いた。
「今度なに……?」
「先ほどと同じ祝福の剣だろう。本気を出したことでその力も強化されたのだ」
先ほどまでは一撃を与えるだけだったが、今度は追尾でもしてくるというのか?避けたのに攻撃が当たったのは祝福の剣が追撃をしてきたからだろう?
「避けようなくない?」
「気合いで耐えるんじゃなかったのか?」
「ぐっ……」
確かにそんなこと言ったけど、相手を威圧するためだけの言葉でしょうが!
「話す暇があるんだね」
「っ!」
再び見えない剣が飛んできた。違和感しか感じることができないから、その感覚をもとに攻撃を避ける。だが、その違和感はまたこちらに向かって飛んできた。
「ちょっ、助けて!」
もういっそのこと攻撃を受けながら戦おうか、と思い始めていた時、
「どけ」
八呪の仙人がそう言って見えない何かを掴んだ。
「えっ?」
「こんなもの、壊して仕舞えばいいだろう?」
心なしかパリンという音が聞こえた気がする。
「いい加減遊ぶのはやめろ」
それはどちらに対しての言葉なのか……。
「ではそろそろ真面目に戦おう」
そう言って刀を持っていない手に炎を作り上げた八光の仙人が手を地面にかざすと、かざされた場所を中心に円形状に炎が広がっていき、私たちを囲んだ。
「『転移阻害』も展開済みだよ」
「逃してはくれないわけね」
「燃え広がることはないから、安心してください」
安心はできないんだけどね。
「では次に……」
その瞬間、八光の仙人が視界から消え目の前に現れた。
「何回の攻撃で死ぬのか、試していきましょうか」
「ちっ!」
私が飛び退いた後に刀が振るわれ、地面に小さな線ができていた。余分な力がもれていない……その結果だろう。
「いくわよ!」
スキルも魔法も全て余すことなく使っている現状で対抗できるのかはわからない。けど、やれるだけやるしかない。
正面からの攻撃なんて当たるわけないので、突っ込んでいき攻撃が当てられるギリギリの位置で上へ飛び上がり、脳天に回し蹴りを落とす。
だが、
「やっぱり効かないよね」
ただの攻撃じゃもはや通用しない。
「だったら!」
今度は魔力を大量に含んだ攻撃だ。無防備な背中に私の全力の攻撃を放つ。ものすごく硬い感触がし、手を見ると私の手の方がボロボロになっていた。
「いいですねぇ……もっと足掻いて見せてください」
刀が抜かれる瞬間に、私は避け切ることができずに足が少し切られてしまった。
「ぐぅ……」
「終わりです」
「あっ……」
目の前に振り上げられた刀が見え、体勢を崩していて尚且つ転移が阻害されている現状ではどう考えても避けようがなかった。
そしてその刀が振り下ろされ……私には一切の傷はなかった。
「あなたも馬鹿ですね。そんな女を庇って」
「な!?」
そこには全身に大きな切り込みが入っている八呪の仙人さんの姿があった。どさっと倒れ込む体に近づき声をかける。
「大丈夫……なの?」
「案ずるな……我のこの身は仮初のもの……死にはしない」
「でも、その体じゃもう動けないじゃない」
八呪の仙人は乾いた笑い声を上げる。
「本体に意識を移す。それまでどうか耐えてくれ……」
「それって!?」
もし本体が死んだら、あなたも死んでしまうということ……
「そこまで落ちたのですか?人間如きに命をかけるようになるなどとは」
そういう八光の仙人に、八呪の仙人は笑いかける。
「そう言っていられるのも、今のうちだ。我が死ぬ前に、お前の『心』が先に死ぬことになるだろう」
「なんですって?」
「今に覚えていろ。我は、絶対に諦めない。たとえ死んだとしても……」
そう言って、八呪の仙人の手が、だらんと下がる。意識がなくなったのだ、文字通りの意味で。
「ふん、くだらない。その間にベアトリスを殺せばいいだけのこと」
「私も簡単に死ぬつもりはないんだけどね」
なんども死地からかろうじて拾い上げてきた命、今回もやり切ってやるだけだ!
「来なさいよ、返り討ちにしてやるわ」
そう言って、私は体の『主導権』を切り替えた。
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