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衝撃の告白
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私の平穏な寝たきり生活が始まって、一週間が経過した。依然として体に力が入る気配はない。ただ、魔力が体に流れる感覚はわかるようになってきた。
ま、体が動かないのにだからなんだと言われて仕舞えばそれまでなんだけどね……。それでも進歩したといえるだろう。
一週間のうち、いろんな人がお見舞いに来てくれた。ミハエルは背中に生えていた翼をしまっていつも通りの見た目に戻っていたのが一番の驚き。
ライ様が私のお見舞いに来てくれた時、私がいない間に起きたことを少し教えてくれた。意外なことに蘭丸さんやユーリ、レオ君が洗脳を喰らってたそうな。
私が蘇ったその日に洗脳が解けたようで……本当によかった。そして、もう一つ一番驚いたことがある。
なんとなんとコウメイ様……お兄様も洗脳を受けていたらしい。これに関してはあまりにも驚きすぎてしばらく固まってしまった。
でもまあ、お兄様も最近目が覚めたようで、今日私のお見舞いに来てくれると言っていた。
「楽しみだな~♪」
基本的にお兄様は私に「話しかけんじゃねぇ」的なオーラを醸し出していたから、少しでも話せる機会があるのは嬉しい。それに、ライ様からもお兄様と仲良くしてほしいと言われていたしちょうどいい機会だろう。
と、そんなことを考えていると、なんともタイムリーなタイミングで部屋のドアがノックされた。
「はーいどうぞー」
そういうと、外から金髪の男の人が入ってくる。お兄様だ。
「お久しぶりですお兄様、どうぞこちらへ」
「……ああ」
お兄様はなんとも浮かない顔で私のベッドの近くにある椅子に腰掛けた。
「お見舞いに来てくださり、ありがとうございます。お兄様も体調がよろしくなかったとお伺いしておりますが、大丈夫ですか?」
「ああ、私は問題ない。それより、ベアトリス。お前は大丈夫なのか?話を聞く限り、体に力が入らないと……一生寝たきりではないだろうな?」
「はい、大丈夫です。あと一、二週間で治るそうなので心配せずとも平気ですよ」
お兄様とこんなまともな会話をしたのは初めてだ。
「ベアトリス、実はお前に黙っていたことがあるんだ」
そう言ってお兄様は真剣な顔をする。
「実は洗脳を受けていて……それで……」
「大丈夫です、お兄様。既に聞き及んでおります。お兄様がしたことは洗脳されてしまったからやってしまったこと。仕方のないことですよ」
「違うんだ……そうじゃない」
「え、違うんですか?」
どうやら違ったらしい。
「じゃあ、なんの……」
「反乱軍を率いている将軍、それはあの金の鎧を着ていた男ではない……それはわかっているな」
金の鎧?ああ……八光の仙人のことか。
確かにあの仙人が反乱軍を率いているのなら、おかしい点がいくつもある。
まず第一に、反乱軍を率いずとも一人で日ノ本の国を制覇することが可能だったはずだ。本気を出せば八呪の仙人を含めたどんな仙人でさえ太刀打ちできなかっただろうから。
「はい、わかっています」
「反乱軍を率いているのは、実は私だ」
「そうなんですね……え?」
流れ的に相槌を打ってしまったが……え?
「すみません、もう一回行ってもらっていいですか?」
「反乱軍を率いている将軍はこの私だ」
「ええええええ!?」
いきなりの告白すぎるんだけど!?
「お兄様?冗談ですよね?お兄様がそんなことするはず……」
お兄様はそんなことをするような人には思えないんだけど……反乱軍がやって来た所業を見て聞く限り、絶対にないと思う。
「色々と誤解をしていると思うが、話を聞いてくれ」
「……はい」
「私は、反乱軍を率いて腐り切った幕府を倒して、政経を立て直そうと思っていた……だが、そんな時にあの男が現れたのだ」
八光の仙人がお兄様の前に現れてお兄様を洗脳した。そして、洗脳されたお兄様は暴れさせるつもりのなかった反乱軍を侵攻させるハメになったのだ。
「本来なら、反乱軍の人数に怯えた幕府を誘き出して、市民の攻撃を仕掛けたというでっち上げの資料を作って、偽の事実を作ったのち脅すつもりだったのだ……」
お、おう……なかなかすごいことしようとしてたんだな……。
「その計画の途中で、八光の仙人……金鎧の男が現れて反乱軍が悪者に見えるようにしたと?」
「そうだ、信じろとは言わんが……話だけは聞いて欲しかった」
「そのことを他の人は知っているんですか?」
「こんなことを誰かに話せるわけがない。ましてはライには絶対に話せない……あいつを巻き込みたくないんだ」
「なるほど……」
お兄様の事情を理解した。でも、
「なんで私にそんな話をしたんですか?」
私にわざわざ真実を話す必要はなかったのではないか?
「それは、協力して欲しいからだ」
「協力?」
「もはや反乱軍は市民の中では絶対悪というイメージがついてしまった……これでは幕府を倒しても反発が大きい。だから、ベアトリス……お前に協力してもらい、幕府の隠している『事実』を暴露してほしいのだ」
「それで、お兄様のためになると?」
「ああ……」
洗脳されていたというのは一体どのくらいの年月なんだろうか?長い期間洗脳に耐え続けて悪者の名前を押し付けられて……。
そんなお兄様の苦しみをわかってくれるの私だけだろう。
「わかりました……私にできることならなんでもしますよ」
ま、体が動かないのにだからなんだと言われて仕舞えばそれまでなんだけどね……。それでも進歩したといえるだろう。
一週間のうち、いろんな人がお見舞いに来てくれた。ミハエルは背中に生えていた翼をしまっていつも通りの見た目に戻っていたのが一番の驚き。
ライ様が私のお見舞いに来てくれた時、私がいない間に起きたことを少し教えてくれた。意外なことに蘭丸さんやユーリ、レオ君が洗脳を喰らってたそうな。
私が蘇ったその日に洗脳が解けたようで……本当によかった。そして、もう一つ一番驚いたことがある。
なんとなんとコウメイ様……お兄様も洗脳を受けていたらしい。これに関してはあまりにも驚きすぎてしばらく固まってしまった。
でもまあ、お兄様も最近目が覚めたようで、今日私のお見舞いに来てくれると言っていた。
「楽しみだな~♪」
基本的にお兄様は私に「話しかけんじゃねぇ」的なオーラを醸し出していたから、少しでも話せる機会があるのは嬉しい。それに、ライ様からもお兄様と仲良くしてほしいと言われていたしちょうどいい機会だろう。
と、そんなことを考えていると、なんともタイムリーなタイミングで部屋のドアがノックされた。
「はーいどうぞー」
そういうと、外から金髪の男の人が入ってくる。お兄様だ。
「お久しぶりですお兄様、どうぞこちらへ」
「……ああ」
お兄様はなんとも浮かない顔で私のベッドの近くにある椅子に腰掛けた。
「お見舞いに来てくださり、ありがとうございます。お兄様も体調がよろしくなかったとお伺いしておりますが、大丈夫ですか?」
「ああ、私は問題ない。それより、ベアトリス。お前は大丈夫なのか?話を聞く限り、体に力が入らないと……一生寝たきりではないだろうな?」
「はい、大丈夫です。あと一、二週間で治るそうなので心配せずとも平気ですよ」
お兄様とこんなまともな会話をしたのは初めてだ。
「ベアトリス、実はお前に黙っていたことがあるんだ」
そう言ってお兄様は真剣な顔をする。
「実は洗脳を受けていて……それで……」
「大丈夫です、お兄様。既に聞き及んでおります。お兄様がしたことは洗脳されてしまったからやってしまったこと。仕方のないことですよ」
「違うんだ……そうじゃない」
「え、違うんですか?」
どうやら違ったらしい。
「じゃあ、なんの……」
「反乱軍を率いている将軍、それはあの金の鎧を着ていた男ではない……それはわかっているな」
金の鎧?ああ……八光の仙人のことか。
確かにあの仙人が反乱軍を率いているのなら、おかしい点がいくつもある。
まず第一に、反乱軍を率いずとも一人で日ノ本の国を制覇することが可能だったはずだ。本気を出せば八呪の仙人を含めたどんな仙人でさえ太刀打ちできなかっただろうから。
「はい、わかっています」
「反乱軍を率いているのは、実は私だ」
「そうなんですね……え?」
流れ的に相槌を打ってしまったが……え?
「すみません、もう一回行ってもらっていいですか?」
「反乱軍を率いている将軍はこの私だ」
「ええええええ!?」
いきなりの告白すぎるんだけど!?
「お兄様?冗談ですよね?お兄様がそんなことするはず……」
お兄様はそんなことをするような人には思えないんだけど……反乱軍がやって来た所業を見て聞く限り、絶対にないと思う。
「色々と誤解をしていると思うが、話を聞いてくれ」
「……はい」
「私は、反乱軍を率いて腐り切った幕府を倒して、政経を立て直そうと思っていた……だが、そんな時にあの男が現れたのだ」
八光の仙人がお兄様の前に現れてお兄様を洗脳した。そして、洗脳されたお兄様は暴れさせるつもりのなかった反乱軍を侵攻させるハメになったのだ。
「本来なら、反乱軍の人数に怯えた幕府を誘き出して、市民の攻撃を仕掛けたというでっち上げの資料を作って、偽の事実を作ったのち脅すつもりだったのだ……」
お、おう……なかなかすごいことしようとしてたんだな……。
「その計画の途中で、八光の仙人……金鎧の男が現れて反乱軍が悪者に見えるようにしたと?」
「そうだ、信じろとは言わんが……話だけは聞いて欲しかった」
「そのことを他の人は知っているんですか?」
「こんなことを誰かに話せるわけがない。ましてはライには絶対に話せない……あいつを巻き込みたくないんだ」
「なるほど……」
お兄様の事情を理解した。でも、
「なんで私にそんな話をしたんですか?」
私にわざわざ真実を話す必要はなかったのではないか?
「それは、協力して欲しいからだ」
「協力?」
「もはや反乱軍は市民の中では絶対悪というイメージがついてしまった……これでは幕府を倒しても反発が大きい。だから、ベアトリス……お前に協力してもらい、幕府の隠している『事実』を暴露してほしいのだ」
「それで、お兄様のためになると?」
「ああ……」
洗脳されていたというのは一体どのくらいの年月なんだろうか?長い期間洗脳に耐え続けて悪者の名前を押し付けられて……。
そんなお兄様の苦しみをわかってくれるの私だけだろう。
「わかりました……私にできることならなんでもしますよ」
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