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さよなら
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サヨナラをしよう。
今まで見続けた甘い、甘い悪夢にさよならを。
突然連れてこられた応接室には婚約者様とその恋人様、そして神官長とお父様お母様。
「お前が眷属の魔物達と夜毎享楽にふけっていることは周知の事実だ!」
「そんな…」
恋をしていたはずの、大好きなはずの婚約者が何故かこんなにも色褪せて見える。
「不貞を働くお前とはやっていられない!婚約破棄だ!なにか申し開きはあるか!」
申し開きを求めつつもその目はどこまでも自身の正義に酔っている。
「この淫売め!」
バンと大きな音と同時に視界が揺れて床に倒れる。痛みは遅れてやってきた。
のろのろと顔を上げると怖い顔をした両親と神官長が口々に怒鳴る。
悪女、ふしだらな女、恩知らず、犬むすめ、かんどうしてやる。
つるつると、投げ付けられた言葉が頭を滑っていく。
お母様が泣いている。神官長はなんて怖いお顔。お父様と婚約者様のお顔がしわくちゃに顰められてこれじゃあ跡が残ってしまいそう。
ばし、ばし、と身体が揺れる度に世界から色が零れていく。
窓の外のお空が綺麗。窓の外で可愛いお顔の角の生えたうさぎが私をあわれむ。
『だから言ったでしょう?人の世では幸せにはなれないと。』
「だって…」
「まだ何か言うのか!」
お父様たちの言葉が理解出来なくなっていく。灰色に色いあせておかおかがぼやけて……嗚呼。
「だって私はふつうの人間として生きていかったんだもの。」
ひとからうまれたあくまのこどもはひとではないのにひとのしあわせをのぞみ、みんなにきらわれてみんなとおわかれをしましたとさ。
めでたしめでたし。
「つれてって」
『どこへ』
「わたしをひつようとしてくれるだれかのところ」
「それがあなたの望みならば」
…………
………
……
…
部屋に飛び込んできた角の生えた兎はアビスと名乗り、私を背中に載せると何かを唱えてあっという間にどこかに転移した。
「待っていましたよ。我らが女王」
「おかえりなさいませ、女王陛下」
城のようなどこか得体の知れない場所にはふわふわとした可愛い生き物達がたくさんいた。
ころころぽてぽてと転がり私に鼻を押し付けてくる可愛いそれらを思わず撫でる。
「女王陛下、貴方の帰りをみな待ち望んでいたのです」
アビスが背後でそっと笑った。
「あなたは第135代魔王なのですから」
いつの間にか連れてこられていた私の従魔達の懐かしい香りに囲まれて私は何も考えたくなくて目を閉じた。
今まで見続けた甘い、甘い悪夢にさよならを。
突然連れてこられた応接室には婚約者様とその恋人様、そして神官長とお父様お母様。
「お前が眷属の魔物達と夜毎享楽にふけっていることは周知の事実だ!」
「そんな…」
恋をしていたはずの、大好きなはずの婚約者が何故かこんなにも色褪せて見える。
「不貞を働くお前とはやっていられない!婚約破棄だ!なにか申し開きはあるか!」
申し開きを求めつつもその目はどこまでも自身の正義に酔っている。
「この淫売め!」
バンと大きな音と同時に視界が揺れて床に倒れる。痛みは遅れてやってきた。
のろのろと顔を上げると怖い顔をした両親と神官長が口々に怒鳴る。
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お母様が泣いている。神官長はなんて怖いお顔。お父様と婚約者様のお顔がしわくちゃに顰められてこれじゃあ跡が残ってしまいそう。
ばし、ばし、と身体が揺れる度に世界から色が零れていく。
窓の外のお空が綺麗。窓の外で可愛いお顔の角の生えたうさぎが私をあわれむ。
『だから言ったでしょう?人の世では幸せにはなれないと。』
「だって…」
「まだ何か言うのか!」
お父様たちの言葉が理解出来なくなっていく。灰色に色いあせておかおかがぼやけて……嗚呼。
「だって私はふつうの人間として生きていかったんだもの。」
ひとからうまれたあくまのこどもはひとではないのにひとのしあわせをのぞみ、みんなにきらわれてみんなとおわかれをしましたとさ。
めでたしめでたし。
「つれてって」
『どこへ』
「わたしをひつようとしてくれるだれかのところ」
「それがあなたの望みならば」
…………
………
……
…
部屋に飛び込んできた角の生えた兎はアビスと名乗り、私を背中に載せると何かを唱えてあっという間にどこかに転移した。
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ころころぽてぽてと転がり私に鼻を押し付けてくる可愛いそれらを思わず撫でる。
「女王陛下、貴方の帰りをみな待ち望んでいたのです」
アビスが背後でそっと笑った。
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いつの間にか連れてこられていた私の従魔達の懐かしい香りに囲まれて私は何も考えたくなくて目を閉じた。
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