上 下
3 / 6

後編

しおりを挟む
レオンハルト国王陛下によるルカス元第一王子とアルビオン公爵令嬢の婚約白紙撤回宣言の後、本件の正式な陛下の署名入り告知書面があの場に登城していた我がリーブラス伯爵家を含めた上級貴族家に届いた。

廃嫡されたルカス元第一王子はその後、犯罪者となった王族が収容される王国北東最端の離宮へ移され、しばらくして病死したと公表された。

カレン・バーバリアス男爵令嬢はルカス元第一王子が廃嫡された後、支離滅裂な言動を繰り返し、王国の南西の山岳地帯にある戒律の厳しい修道院に入れられるも、馴染めずに修道院から脱走。行方不明との報告があがっている。バーバリアス男爵家は禁止されている奴隷貿易を行っていた証拠が見つかり、男爵夫妻は処刑となって男爵家は取り潰しとなった。

取り巻きの1人である近衛騎士団長の息子は廃嫡され、魔獣の森がある危険な辺境の最前線へ犯罪戦闘奴隷として送られた。当初、近衛騎士団長が引責辞任しようと陛下へ直談判したが、陛下が人員不足を理由に却下し、責任を感じるなら働きで報いる様、仰られた。余談だが、近衛騎士団長の伯爵家は廃嫡された嫡男の弟が継ぐことになった。

他の取り巻き立ち、次期宰相と目されていた宰相の息子は廃嫡されて知識奴隷として地方都市の領主補佐として王都から追放された。その親である宰相も近衛騎士団長と同じく引責辞任をしようとするも、同様の理由で辞任が認められなかった。レオンハルト陛下の退位とともに宰相職を地獄のスパルタ教育で育てた後任譲って、自領の地方へ妻と共に帰っていった。

最近成り上がった豪商の息子は科せられたアルビオン公爵家への慰謝料が払えず実家に勘当されて犯罪奴隷となり、鉱山に送られ、しばらくして鉱山の崩落に巻き込まれ死亡が確認された。その実家の商家もバーバリス男爵家との奴隷貿易の繋がりが明るみになり、犯罪と知りつつ片棒を担いでいた残りの一家全員、夫妻と兄、姉は刑場の露と消えた。

最後の1人、取り巻き最年少の魔術と音楽の才を期待されていた子爵令息は子爵家がかなり遠いものの、王家の分家であり、なおかつ令息以外跡継ぎがいなかったため、しばらくは謹慎蟄居となっていた。けれども、子爵夫妻が養子を迎えた後、病死が発表された。

今回の被害者であるソフィア・アルビオン公爵令嬢は陛下の婚約白紙撤回宣言から公爵領で静養を経て、半年後の年末にジェラール第二王子、もとい、立太子されたジェラール王太子と婚約された。

更に、それから3年後、レオンハルト陛下の退位、ジェラール王太子の戴冠とともに盛大な結婚式を挙げられてソフィア・アルビオン公爵令嬢はソフィア王妃となられた。子宝に恵まれ、アバロン王国の中興の祖と後の世で大いに讃えられるジェラール陛下を公私共に支えられた
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

殿下の運命は私ではありません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:26

奪われたはずの婚約者に激しく求められています?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:101

処理中です...