最強の竜種の中でも最弱の緑竜に転生したけど努力と根性で最終進化!いろいろあって朋友の墓守して幾星霜、久しぶりにまったり冒険者生活満喫したい。

剣伎 竜星

文字の大きさ
18 / 30

第18話 翡翠竜、カーン辺境伯夫妻と対峙する

しおりを挟む
「……それで、なんでこんな状況に?」

「それはもちろん、ジェイドさん、貴方の実力を確認するためと、私達の実力を貴方に知ってもらうためよ♪」

「ジェイド殿、申し訳ない。ディアと話し合って、ジェイド殿レベルの相手に自分達がどれだけ通用するのか知りたい。力を貸してほしい」

完全武装のドレスアーマーを身につけたクローディアの横には同じくガチ装備と思われる鎧と武装のテオドールが苦笑いと共に謝ってきた。

審判役はオーランドで見物人はマリアとミシェラ、ファーナの3人とカーン辺境伯領の冒険者ギルドのギルドマスターと彼の補佐の女性職員の5人だけ。ロイとスキアは新人達の訓練を監督していて、この場にはいない。

仕事の一環なので、俺に否やはない。この模擬戦は別件として報酬が別に出ることが約束されているからな。

「始め!」

「ふッ!」

オーランドの開始の合図と共に、クローディアが得物の大剣を抜剣して、間合いを一気に詰め、俺の首を刈り取る様に薙いできた。あのぅ、模擬戦なのですけど、その攻撃、寸止めをする気ないですよね?

全身のバネも使った常人の目に映らないその見事な必殺の一撃を、

「ッ!?」

俺は音もたてずに右手の親指と人差し指で刃をまんで、完全に止めた。

間髪入れずに俺の背後に別の殺気が迫る。背後に回り込んできたテオドールが斧槍を構え、クローディアの攻撃に合わせて、俺の死角から攻撃を仕掛けるべく吶喊してきた。

「ッ!!」

あと1歩の距離でテオドールは自身の間合いに入るのに、突如、バックステップを踏んで後退した。

「流石に、俺も背中に目はついていないから対応は遅れるぞ?」

「食い敗れない罠に飛び込むつもりはないさ」

俺の言葉にテオドールは苦笑いを浮かべて応えてきた。

【隠蔽】でわかりにくくした魔法陣を踏むことで発動する魔術の【影縫い】をテオドールは【直感】で察知した僅かな違和感で回避した。

一方、俺の手から全く動かない大剣をクローディアは大剣を自身の腕輪型魔導具の【アイテムボックス】に収納することで俺の拘束から逃れた。そして、間合いをとって仕切り直し、愛用の大剣を【アイテムボックス】から出し直して構えた。

2人の連携は素晴らしいものだが、俺は2人の連携攻撃のことごとくを魔術【硬度強化】でオリハルコン並みに硬くなった両手両足を使った武技スキルアーツの【パリィ】で弾き、全く通さないので俺は無傷だ。

また、2人は片方が俺の【パリィ】で体勢を崩されると、カバーするために他方が俺を攻撃して、【パリィ】され、体勢を立て直した方が再び攻撃して……というのをしばらく繰り返していたのだが、

「残念だが、チェックメイトだ」

「!? そこまで!!」

俺がそう宣言すると、クローディアとテオドール、2人の体の急所、脳、心臓、肺、鳩尾、全身の関節に切っ先を向けた魔力で作られた短剣達がはっきりと物質化して出現して、勝負は決まった。

「いつの間にこんなものを……」

クローディアはか悔しがるよりも感嘆した様子で出現した魔力製の短剣を見て言った。
スキル【並列思考】と【無詠唱】に魔術【魔力物質化マナマテリアライズ】を併用した引き篭もる前の上級魔術師職のありふれた戦術なのだが、今は知られていないのか。

「動きに合わせて短剣も動くのか…」

テオドールは急所の狙いを外さず、動きに合わせて移動する魔術【魔力物質化】で出現した短剣を見てそう呟いた。

勝敗が決したので、俺は2人に向けて展開していた魔力短剣を消した。

マリアとミシェラは好奇心に満ちた眼差しを俺に向け、

「お……独自魔術オリジナルだと!?」

ギルドマスターと名乗っていた厳つい男が驚愕していた。

「これで分かったでしょ? ジェイドさんとは友好的な関係を結んだ方がいいよ」

「たしかに、あの御二方相手に終始優勢な…」

「ああ、違う、違う。それもあるけど、ジェイドさんの持っている魔導具がすごいのよ。
特に【アイテムボックス】の収納量がすごいの。信じられないかもしれないけど、大きな家が一軒入っていて、他にもいろいろたくさん入っているのよ」

観戦していたファーナは同期だったらしいギルドマスターの補佐役の女性と雑談をしていた。

テオドールとクローディアの実力が大体わかった。
どうやらクローディア>テオドール≧オーランドの順の様だ。

ちなみに、クローディアの職は歩兵系最上位職の1つ「マーシャル」で、多数の大剣武技を保有している。もっとも、さっきの模擬戦では俺が使う余裕を与えない、使わせない立ち回りをしたから使えなかった。

「悔しいですね。上手く誘導されていたみたいです」

「そうだね。全然武技を使わせてもらえなかった」

悔しそうに言うクローディア。テオドールも同じ様に両肩を落とした。

並の武技だと俺に弾か【パリィ】されることを、辺境伯夫婦は察していたみたいだ。
俺を倒すとなると、発動に時間がかかる武技が必要だが、1人が囮になって時間を稼ごうとしても瞬殺されて、武技が発動する前に倒されることを予想し、今回の結果になったのだろう。もっとも、今回、テオドールは囮になる気満々だったみたいだが、クローディアがそれを許さなかった。

昼食までまだ時間があった。テオドール達に奴等の戦い方を教えるにはいい頃合いと思われた。俺は【アイテムボックス】から、特製品を取り出した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?

スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。 女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!? ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか! これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...