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真司の最後の魔法
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「いきて、る?」
アークが放った機関砲の一斉砲火、どう考えても遮蔽物もない状況では避けられない。
そのことを誰よりも理解している当人は……キズナは生きていた。
光が差さない真っ暗な影の中。
意識は続いていた。
「姉さ……ん?」
急いで周りを見渡そうと顔を上げるが、そんな必要はない。
自分へ影を作ってるのはそのエキドナなのだから。
「ねえ、さ、ん?」
首を回すと、彼女は立っている。ただし、腕が無かった、首が無かった、ただただ……穴だらけの盾を背負い。
そのまま……妹の隣へ崩れ落ちた。
その身を盾にして……キズナを護り切った。
――ぼとっ……
茫然とするキズナの視界に、何かが落ちてきた。
頭上から……二匹の蜘蛛が。
穴だらけになり、脚も半分以上失い。
それでも……半分しかない顔は……強い意志をもってその牙をむいていた。
『えええ? まだ生きてる。どれだけしぶといのさ……強化改造もされてない生身の癖に! あ、でもでもその人形女!! ぶっ壊れたじゃん!! イエス!! マジでそのゴミ、ムカついてたんだよね!!』
げらげらと、やかましい、耳障りな笑い声。
「なんで?」
自分だけ生き残った?
姉が身を挺したから……だけではない。
こんな死地へつき合わせた蜘蛛も……無理をして巨大化し……キズナを守ったのだ。
「知らねぇよ!! あはははは! 馬鹿じゃねぇの!? こんな死にぞこないの小娘護ったとか!! どうするつもりだったんだか……ケッサク!! ウケル!!」
「……ほんとだぜ」
口を開けば罵詈雑言、ノリで銃をぶっ放すアバズレ娘。
我儘し放題の自分を……なんで。
「あ?」
「最後の最後まで……」
諦めが悪く、立って居たのは紛れもなく。
自分の姉の方が比較するまでもなく強いじゃないか。
「壊れた? 壊れちゃったのキズナちゃあああん!? うひひひ! ちょっと遊ぼうか!」
けたたましい音量も、鉄と空気の焼ける匂いも……痛みも何もかもどうでもよかった。
「最高の姉貴だぜ!!」
エキドナの背中から出ている二つの煙草の箱と同じくらいの大きさのボックス。
それが少しづつ、赤くなっていく。
躊躇いなくキズナはそれを左手でもぎ取る。
つながったケーブルを引きちぎり、高熱化が進むその箱で手のひらをじゅう、と焼きながら。
きっと、ここで自分は終わるかもしれない。
その代わり……
「プレゼントだ糞野郎!!」
全身に力を込めてキズナは跳躍し、力いっぱい。
エキドナのエネルギーパック、小型の反応電池をぶん投げる。
「なにそれ?」
小型の爆弾程度ではアークが同化したニルヴァーナの艦首はびくともしない。
もし貫こうとするならせめてミサイルで装甲を貫いて内部爆発させる必要がある。
「てめぇの好物だよ!」
左手で愛銃を構え……落下しながらも正確に……二個のエキドナの意地を撃ち抜く。
――轟音。
視界は真っ赤に染まり、キズナの全身を熱波が襲う。
少なからず衝撃はアークの機体を揺らすがそれだけだ。
キズナの謎の行動に困惑するアーク。
「意味がわかんない。せめて……あれ?」
炎に交じり、キラキラとした何かが虚空に飛散する。
それは炎によって生まれた気流に乗って瞬く間に広がる。
それを見届けてキズナは笑いながら落ちていく。やってやったぜと呟きながら。
アークの機体に傷はついてないが……航行用のプロペラとジェットエンジン、計器類が軒並みでたらめな数字を弾き始めた。
「姉貴のお家芸……EMP(電磁パルス)だよ間抜け」
――ドンッ
受け身も取らずに、いや、受け身すらもう取れずに地面へ激突するキズナ。
今のでどこかの内臓を傷つけたのか、口の端から一筋の血が流れる。
それでもなお、震える左腕を掲げ。
グラグラと必死で姿勢制御するアークの機体に向けて発砲する。
――タァン
――タァン……カキン!
最後の弾丸を嫌がらせの様に当てていく。
「この程度でどうにかなると思うな……本当に最後の最後まで癇に障る」
それも数秒の事。
すぐにリカバリーを終えて、アークの機体は安定を取り戻した。
そして、この金髪の姉妹の危険性にアークの気が変わる。
「面倒だし、ここで殺すか……」
ヒィィン……
もうすべての砲門を使う必要は無い。
予備兵装のガトリングガンを一門だけ動かし、地面で仰向けに寝そべるキズナに向ける。
「じゃあね、あの秘書官……弥生ちゃんもすぐそっちに行くと思うよ」
君の死体は拾って弥生の目の前に撒いてあげる。
そう言って、アークはトリガーを……引いた。
――ウヴォン!!
その間に、丸みを帯びた装甲を持つ……装甲車が割り込む。
「はい!? 接近警報なんてなってな……あああああ!」
丁度キズナをかばう様に停車した装甲車に弾丸が降り注ぐが、圧倒的に装甲が強いのか四方八方に弾丸が飛び跳ねる。
さっきの僅かな機体トラブルの間に偽装を捨てて全速力で駆け付けたからこそ……間に合った。
「~~~~!! あの糞人形がぁぁ!! 僕の! 英雄の邪魔をするんじゃねぇよぉぉ!!」
思わず発砲を止めると、装甲車の側面が一部せり上がった。
その小さな窓から覗く物をアークは良く知っている。
「マイクロミサイル!?」
ばしゅっ! 間髪入れずに点火されたミサイルは至近距離でアークの機体の正面を叩く。
先ほどよりも大きく、その機体の正面を穿つ一撃は瞬く間に機体の前面を炎で覆った。
「へへ……やっぱヒーローはパパとママだぜ」
キズナのかすむ視界になじみのあるフォルム。
ガチャリと開くドアから進み出てくるのは長い刀を背負う着流しの美女。
迷彩柄で武骨な戦闘服を纏い、咥え煙草で拳銃をぶら下げる刈込の中年。
全てを先回りして、妹を信じたエキドナの根性勝ちだ。
「随分景気のいいパーティ会場だな……ドレスコードは必要か?」
「まともな着物、ウチはもっとるよ? 今日は祝いやさかい」
ぼろぼろと涙がこぼれてみっともないのを知りつつも。
一番聞きたい声が聞こえる。
「「まだ料理は残ってるか? キズナ」」
一瞥すらしないで二人は燃え上がる機体に刀と銃を向け、娘に問う。
「食あたりしちゃうよ。残り全部あげる」
その表情はキズナから見えないが。
「へえ、じゃあ遠慮なく」
「せやね、御残しは厳禁や」
きっと、いたずらした時の様に。
「ちょっと、疲れちゃった……寝てていい?」
嗤っている。
「ふざけんな、そう言う寝言を言うと思って連れてきたぞ?」
「え?」
「寝言は寝て言うから許されるんだぜ。頼んだぜぼーや」
後部座席のドアを焔は開く。
そこから出てきたのは……三きょうだいの不幸役。
長い杖と、真っ黒なローブを纏う……真司だ。
「おま……なんで」
つかつかと呆気にとられるキズナの顔に向けて。
炎の光が影になり、表情の見えない真司が歩み寄ってきて……止まる。
数舜経って……キズナの頬に雫が落ちる。
「理よ……」
震える声の真司の詠唱……それは長く。
しっかりとした言葉だった。
「時よ曲がれ、時よ曲がれ……理の流れを戻して曲げて織り直せ……」
姉から、頼まれたから……すべての魔力を。
すべての言葉に込めて。
「――戻れ、彼の者の命すらも!」
――再誕
その光は、闇夜の中で……隣国からも一際明るく、高く立ち上がった。
それは彼らの絆を示す。
人為的な奇跡。
アークが放った機関砲の一斉砲火、どう考えても遮蔽物もない状況では避けられない。
そのことを誰よりも理解している当人は……キズナは生きていた。
光が差さない真っ暗な影の中。
意識は続いていた。
「姉さ……ん?」
急いで周りを見渡そうと顔を上げるが、そんな必要はない。
自分へ影を作ってるのはそのエキドナなのだから。
「ねえ、さ、ん?」
首を回すと、彼女は立っている。ただし、腕が無かった、首が無かった、ただただ……穴だらけの盾を背負い。
そのまま……妹の隣へ崩れ落ちた。
その身を盾にして……キズナを護り切った。
――ぼとっ……
茫然とするキズナの視界に、何かが落ちてきた。
頭上から……二匹の蜘蛛が。
穴だらけになり、脚も半分以上失い。
それでも……半分しかない顔は……強い意志をもってその牙をむいていた。
『えええ? まだ生きてる。どれだけしぶといのさ……強化改造もされてない生身の癖に! あ、でもでもその人形女!! ぶっ壊れたじゃん!! イエス!! マジでそのゴミ、ムカついてたんだよね!!』
げらげらと、やかましい、耳障りな笑い声。
「なんで?」
自分だけ生き残った?
姉が身を挺したから……だけではない。
こんな死地へつき合わせた蜘蛛も……無理をして巨大化し……キズナを守ったのだ。
「知らねぇよ!! あはははは! 馬鹿じゃねぇの!? こんな死にぞこないの小娘護ったとか!! どうするつもりだったんだか……ケッサク!! ウケル!!」
「……ほんとだぜ」
口を開けば罵詈雑言、ノリで銃をぶっ放すアバズレ娘。
我儘し放題の自分を……なんで。
「あ?」
「最後の最後まで……」
諦めが悪く、立って居たのは紛れもなく。
自分の姉の方が比較するまでもなく強いじゃないか。
「壊れた? 壊れちゃったのキズナちゃあああん!? うひひひ! ちょっと遊ぼうか!」
けたたましい音量も、鉄と空気の焼ける匂いも……痛みも何もかもどうでもよかった。
「最高の姉貴だぜ!!」
エキドナの背中から出ている二つの煙草の箱と同じくらいの大きさのボックス。
それが少しづつ、赤くなっていく。
躊躇いなくキズナはそれを左手でもぎ取る。
つながったケーブルを引きちぎり、高熱化が進むその箱で手のひらをじゅう、と焼きながら。
きっと、ここで自分は終わるかもしれない。
その代わり……
「プレゼントだ糞野郎!!」
全身に力を込めてキズナは跳躍し、力いっぱい。
エキドナのエネルギーパック、小型の反応電池をぶん投げる。
「なにそれ?」
小型の爆弾程度ではアークが同化したニルヴァーナの艦首はびくともしない。
もし貫こうとするならせめてミサイルで装甲を貫いて内部爆発させる必要がある。
「てめぇの好物だよ!」
左手で愛銃を構え……落下しながらも正確に……二個のエキドナの意地を撃ち抜く。
――轟音。
視界は真っ赤に染まり、キズナの全身を熱波が襲う。
少なからず衝撃はアークの機体を揺らすがそれだけだ。
キズナの謎の行動に困惑するアーク。
「意味がわかんない。せめて……あれ?」
炎に交じり、キラキラとした何かが虚空に飛散する。
それは炎によって生まれた気流に乗って瞬く間に広がる。
それを見届けてキズナは笑いながら落ちていく。やってやったぜと呟きながら。
アークの機体に傷はついてないが……航行用のプロペラとジェットエンジン、計器類が軒並みでたらめな数字を弾き始めた。
「姉貴のお家芸……EMP(電磁パルス)だよ間抜け」
――ドンッ
受け身も取らずに、いや、受け身すらもう取れずに地面へ激突するキズナ。
今のでどこかの内臓を傷つけたのか、口の端から一筋の血が流れる。
それでもなお、震える左腕を掲げ。
グラグラと必死で姿勢制御するアークの機体に向けて発砲する。
――タァン
――タァン……カキン!
最後の弾丸を嫌がらせの様に当てていく。
「この程度でどうにかなると思うな……本当に最後の最後まで癇に障る」
それも数秒の事。
すぐにリカバリーを終えて、アークの機体は安定を取り戻した。
そして、この金髪の姉妹の危険性にアークの気が変わる。
「面倒だし、ここで殺すか……」
ヒィィン……
もうすべての砲門を使う必要は無い。
予備兵装のガトリングガンを一門だけ動かし、地面で仰向けに寝そべるキズナに向ける。
「じゃあね、あの秘書官……弥生ちゃんもすぐそっちに行くと思うよ」
君の死体は拾って弥生の目の前に撒いてあげる。
そう言って、アークはトリガーを……引いた。
――ウヴォン!!
その間に、丸みを帯びた装甲を持つ……装甲車が割り込む。
「はい!? 接近警報なんてなってな……あああああ!」
丁度キズナをかばう様に停車した装甲車に弾丸が降り注ぐが、圧倒的に装甲が強いのか四方八方に弾丸が飛び跳ねる。
さっきの僅かな機体トラブルの間に偽装を捨てて全速力で駆け付けたからこそ……間に合った。
「~~~~!! あの糞人形がぁぁ!! 僕の! 英雄の邪魔をするんじゃねぇよぉぉ!!」
思わず発砲を止めると、装甲車の側面が一部せり上がった。
その小さな窓から覗く物をアークは良く知っている。
「マイクロミサイル!?」
ばしゅっ! 間髪入れずに点火されたミサイルは至近距離でアークの機体の正面を叩く。
先ほどよりも大きく、その機体の正面を穿つ一撃は瞬く間に機体の前面を炎で覆った。
「へへ……やっぱヒーローはパパとママだぜ」
キズナのかすむ視界になじみのあるフォルム。
ガチャリと開くドアから進み出てくるのは長い刀を背負う着流しの美女。
迷彩柄で武骨な戦闘服を纏い、咥え煙草で拳銃をぶら下げる刈込の中年。
全てを先回りして、妹を信じたエキドナの根性勝ちだ。
「随分景気のいいパーティ会場だな……ドレスコードは必要か?」
「まともな着物、ウチはもっとるよ? 今日は祝いやさかい」
ぼろぼろと涙がこぼれてみっともないのを知りつつも。
一番聞きたい声が聞こえる。
「「まだ料理は残ってるか? キズナ」」
一瞥すらしないで二人は燃え上がる機体に刀と銃を向け、娘に問う。
「食あたりしちゃうよ。残り全部あげる」
その表情はキズナから見えないが。
「へえ、じゃあ遠慮なく」
「せやね、御残しは厳禁や」
きっと、いたずらした時の様に。
「ちょっと、疲れちゃった……寝てていい?」
嗤っている。
「ふざけんな、そう言う寝言を言うと思って連れてきたぞ?」
「え?」
「寝言は寝て言うから許されるんだぜ。頼んだぜぼーや」
後部座席のドアを焔は開く。
そこから出てきたのは……三きょうだいの不幸役。
長い杖と、真っ黒なローブを纏う……真司だ。
「おま……なんで」
つかつかと呆気にとられるキズナの顔に向けて。
炎の光が影になり、表情の見えない真司が歩み寄ってきて……止まる。
数舜経って……キズナの頬に雫が落ちる。
「理よ……」
震える声の真司の詠唱……それは長く。
しっかりとした言葉だった。
「時よ曲がれ、時よ曲がれ……理の流れを戻して曲げて織り直せ……」
姉から、頼まれたから……すべての魔力を。
すべての言葉に込めて。
「――戻れ、彼の者の命すらも!」
――再誕
その光は、闇夜の中で……隣国からも一際明るく、高く立ち上がった。
それは彼らの絆を示す。
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