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私じゃ満足できない?どうせ替えがいるんでしょ?

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「あぁんっ!はぁぁんっ!くぅううんっ!」
ビクンッ、と身体を仰け反らせて絶頂する。
「淫乱な子だね~」
彼はそう言うと、指を挿れた。
「ひゃあんっ!?だめぇえっ!!」
更に左手で私の身体をまさぐってくる。
「あああっ!!いやあぁぁっ!!!」
(ダメ……)
彼の手が、舌が、唇が、私を犯していく……。
「ああぁ!いやぁっ!待ってぇ!」
「どうしたの?こんなものだったっけ。」
「はぁっ!あうっ!そんなことぉ……」
私はもう我慢できなかった。
「きゃぁぁっ!ああっ!お願いぃっ!」
「じゃあ、お望みどおりにしてあげるよ。」
私は数秒後、また達した。
「ふっ…」
彼はそう言って、部屋から出て行った。
またこれだ。私は弄ばれている。
どうせこういう相手は私一人ではないだろう。
その一週間後、私はまた彼とヤっている。
「あんっ!はぁんっ!」
「喘ぐの早いねぇ…」
最近、彼の口から私への文句ばかり出るようになってきた。
「これならどう?」
私の胸部を彼の手が覆う。
「やめてっ!そこは嫌なのっ!」
「嘘つきにはこうだっ!」
揉まれる。
「きゃぁんっ!あぁ!止めてぇっ!」
「まだまだだよ。」
「いやあぁっ!お願いっ!許してっ!」
「しょうがないなぁ……」
「はぁ…はぁ…うぅ…」
涙が出る。
「やっぱり…わ、私じゃ満足できない…?ど、どうせ替えがいるんでしょ?…」
「君は良い反応してくれるけど、他の子の方が気持ちいいんだよね~。」
「くっ!……」
わかっていた。でも実際に言われるとショックだった。
「まぁ、君もなかなか良かったからさ、最後に一回だけヤらせてくれないかな?」
「最後……?どういう意味?」
「この関係も今日で終わりって意味。」
「そ、そんな!いやよ!絶対イヤッ!」
別れたくない。このままの関係を続けたかった。
浮気されても、こんなに彼のことを愛しているなんて私ったらバカみたいだけど。
「もう用済みだからさ。」
彼が冷たく言い放つ。
「いや!絶対に別れないっ!」
必死になって言った。彼にしがみつく。
途端に敏感なところを突かれる。
「あんっ!」
「仕方ないか……。じゃあ、これで終わりにするね。」
「はぁ……はぁ……」
彼が激しく動く。
「はぁんっ!あっ!はげしいぃっ!」
私はまた絶頂に達してしまった。
終わった後、彼はすぐにシャワーを浴びに行った。
もう彼とすることもないだろう。そう思うと悲しかった。
彼氏にフラれた。しかも浮気されたのだ。
私だって女だ。浮気されるほど魅力のない女ではないと思っていたのだが……。
涙が頬を伝う。
「やだ…やぁだ…」
私は泣きながらベッドの上で横たわる。
人生で初めて付き合えた彼氏に浮気されてフラれるなんて悲しさを通り越して怒りさえ覚える。
ガチャリとドアの開く音が聞こえてきた。
そして入ってきたのは、知らない女子だ。
「あんたの彼氏、もう私の彼氏だから。ふふふっ!」
そう私を見下ろして冷たい目で言ってくる。
「あなたが私の彼氏を奪ったっていうの!?」
彼女は不敵な笑みを浮かべたまま答えない。
涙が大粒に変わる。
「ひどいよ……ひどすぎる……」
「泣くなってば。」
「ひっく……えぐっ……」
私は泣いていた。
彼女がめんどくさそうに言う。
「私みたいにナイスバディでもない限り、あんなにいい彼氏なんて他にいないんだからね!ハハッ!」
「ひどい…返して…」
「もう彼の気持ちは私のもの。純粋な意思には逆らえないのよ?ふふふっ!あーおかしい!」
「返しなさいよぉ……」
「あははっ!あははははっ!!」
高笑いしながら出て行く彼女。
私はただ呆然としていた。
どうすれば良かったんだろう。どうしたらあの人を取り返すことができるのか。
わからない。どうしようもない。
どうせさっきの女も情に流されてそのままいつか捨てられるのだろう。私のように。
目を背けている。あの男が最低だってことに。
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