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あんたは快楽の相手は誰でもいいのか

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「あぁん!あん!ふぅぁんっ!」
目の前の人の太ももを刺激するとこんな声を出す。すごく官能的だ。
「あぁん……いやぁ」その人は僕の手を払い除けて、また喘ぎ始めた。
「何でだよぉ?」
僕はもう一度刺激を与える。するとさっきよりも大きな声で喘いだ。
「あああっ!ダメぇ!!」
「どうして?感じてるんだろ?」「違うわよ!もう嫌なのぉ!」
そう言って僕を睨みつけた。だけどそんな表情でもとても色っぽい。
「じゃあ止めようか?」
そう言うと彼女は黙り込んでしまった。そしてしばらくした後、小さく呟いた。
「……続けて」
「え?」
「もっと触って欲しいの……。お願い……」
僕は彼女の足から手を退けた。そして彼女を抱き寄せた。
「あぁん……。気持ちいいよぉ……」
「うん。知ってる」
「ひゃぁんっ!」
「君さ、『もし私を喘がせたら彼氏にしてあげる』って僕の告白に対して言ったくせにすぐ喘ぐじゃん。」「だってぇ……あなた上手なんだもん……」
「それはどうも。結局僕の彼女になっちゃうけどいいの?」
「もう…いいわ。私とあなたは恋人ね。…あんっ!ちょっと待って!反則ぅ~!」「ごめん、つい」
「謝らないでよ。それより早く続きして?」
「ああ」
それから何度も絶頂を迎えた後、抱き合って眠りについた。付き合う初日がこんなんでいいのか?まあいいか。楽しむことが大事だ。
彼女の家を出て、自宅に向かう。勉強も大事だ。頑張ろう。
家に帰ってすぐにシャワーを浴びる。今日はいつもより汗かいちゃったし。
髪を乾かし終えると、リビングにあるソファーに座ってテレビをつけた。面白い。
そのままぼーっとしていると睡魔に襲われた。眠いなぁ。寝るか。
自室に行き、ベッドに入って目を閉じた。…………………… 目が覚めた。時計を見るとまだ5時だった。二度寝するか…
ブルルルル…プルルルル…
電話?誰からだ?
「はいもしもし?」
「私よ。彼女からの電話くらいすぐ出てよ。」
「何で僕の電話番号知ってた…」
「いいから、今日一緒に学校行くわよ。」「え!?」
「あら?何か用事あるの?ないならいいじゃない。それとも私のこと嫌いになった?」
「そんなわけ無いじゃないか。わかったよ。準備する。」
「はいはい。じゃあまた後でね。」プツッ 電話が切れてしまった。何考えてんだよあの人……。
急いで着替えて家を出ようと思ったんだけど、朝ご飯食べないと母さんうるさいだろうな……。
しょうがない。食べるか。
朝食を食べていると父さんが起きてきた。
「おはよう」「おはよ」
「昨日はよく眠れたか?」
「まあそれなりに」
「学校だから早くご飯食べなさい。」
「は~い。」
今日は彼女の家に行く日だ。楽しみすぎる。朝食を食べ終わり、身支度を整えて玄関へ。
「行ってきます。」
「いってきまーす。」
「はい。気をつけてね。」
外に出るといい天気だった。少し歩いていくと彼女が待っていた。
「一緒に登校するの始めてだね。」「そうだね。行こうか。」
二人で歩き出す。会話が弾む。こんなに楽しい通学は初めてかもしれない。
彼女とは違うクラスなので、授業中は話せない。でも放課後はもうずっと一緒にいてやる。
学校が終わり、約束通り彼女の家へ向かう。これから毎日彼女と会えると思うだけで嬉しい。
「ここだよ。入って。」
家の前まで来た。彼女の家は結構大きい。庭もある。豪邸だ。
「広いね。それに綺麗だし。」「ありがと。さあ上がって。」部屋に入ると女の子らしい可愛い小物がたくさんあった。
「適当に座っといて。飲み物持って来るから。」
そう言って彼女は部屋から出て行った。とりあえず部屋の真ん中に座り込む。
飲み物を持ってきた彼女は、「暑い暑い。」と言って脱ぎだした。下着姿になる。白い肌と水色の下着が眩しい。
「え?ちょっと…どういうこと?」
動揺が隠せない。いきなり服を脱ぐなんて……。しかも僕がいるのに……。
「着換えだけど、何か?」「いや、別にいいけどさ。」
「じゃあこっち見ないでよ。恥ずかしいし。」
そう言って彼女はカーテンを閉めて、着替え始めた。
僕は何も考えられずにただじっとしていた。しばらくして、
「終わったよ。」と言われ、振り向くと、部屋着の彼女がいた。
「かわいい…」
そりゃそうなるだろう。かわいすぎです。
「私エッチだからさぁ~。この格好で誘っちゃおうかなぁ?」と言いながら近づいてきた。そして僕の手を掴んで自分の胸部に押し当てた。
「ちょっ!何やってんの!?」「だってこうすれば興奮するでしょ?」
「うっ!」
凄い感触だ。人並み以上に大きい彼女のモノを感じる。
今度は耳元で囁くように言ってきた。
「……好きよ……」
ドキッとした。次の瞬間、彼女の胸元に置かれていた手が彼女のモノを揉んだ。
「あんっ!ちょ、ちょっといきなり何すんのよ!いやぁんっ!」
もう手が止まらない。両手になって揉み続ける。
「ああっ!ダメぇ!そこ弱いのぉ……。もっと優しくしてぇ……」
「わかったよ。」
僕はゆっくりと手を動かし始めた。
「ふぅ……あん……気持ちいいよぉ……」
「もっと気持ちよくしてあげるよ。」僕は彼女をベッドに連れて行った。
「君が悪いんだよ?あんな風に誘惑してくるから。」
「やだ…」「嫌じゃないよね?」
「うん……いっぱい気持ち良くして……?…あぁぁんっ!」
そんな感じだったが、翌日彼女の家に行くと、別の男性がいるようだ。どうしよう……。
「えっと……誰ですか?」
「俺はこいつの彼氏なんだが……。君は?」
「私は彼女の友人ですが……」
「俺達は今から愛し合うところだったんだよ。邪魔しないでくれ。」
は?僕の頭の中に浮気というワードが浮かんだ。
「あ、え?どうしてここに?って、ひゃぁん!」
彼女は僕に気づいたようだが、すぐに男に胸部を揉まれてしまった。
「ほら、こいつが来たから中断したんだよ。続きだ。」
「ごめんね……。あとでまた相手するから今は許して?」
そういうと二人は行為を再開した。
「待ってよ!僕とは何だったんだよ!」思わず声に出してしまった。
「あなたは私の事好きなの?」「好きだよ!だからこんなにも悩んでるんじゃないか!」
「私、どうせエッチなことしたいだけなんだから!」
「あんたは快楽の相手は誰でもいいのか!」
「ええそうよ!気持ち良ければ、あぁぁん!…それで、…きゃっ!…いいの…んっ!」
僕は彼女の家を飛び出した。ショックだった。あんなに好きだったのに、彼女にとっては誰でもいいのか。クソ…クソッ!なんでこんな事になっちまったんだよ!
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