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第2話 異世界転生
しおりを挟む気付けば俺は隙間風が入ってくるようなボロい部屋で横になっていた。
蘇るのはついさっき体験したであろう電車に引かれた光景。幸い一瞬のことで痛みは感じなかったが、電車という数百トンの鉄の塊が猛スピードで迫ってくるのにはかなりの恐怖を感じた。
「……流石に死んだと思う、けど」
あそこから助かるのは流石に無理がある。
薄々この現象に勘づきながらも部屋を見渡す。
壁や床は白や灰色のコンクリートでは無く茶色で木目があることから木材で作られている事がわかる。
窓はガラスなんて物は存在しなく木の柵のようなものに虫除けのためか手作りのカーテンのような物が掛けられていた。
「これってやっぱり……」
ラノベや漫画でよく見る漢字五文字を脳裏に浮かべつつ最後に部屋を探索する。部屋にはクローゼットがあったが中はよくわかんないザラザラした素材委で出来ており、その他には石や木で出来た何かが置かれている程度で、日本で見慣れた電化製品や本などが一切存在していなかった。それどころか照明すら部屋について無かった。
「嘘でしょ……」
流石に物がなさ過ぎた。
何をして生活すればいいのか全く思い浮かばない。
いいところは外からの空気が澄んでいておいしいところか。
「――異世界転生やばすぎるだろ」
◇◇◇
文明格差の衝撃――おそらく始めて黒船を見た江戸時代の人々もこんな気持ちだったんだろう――から立ち直るのに掛かったのはおよそ10分。……くそ、時間分かんないのヤバすぎる。時計って気にしたこと無かったけどめちゃくちゃ便利な道具だったんだなあれ。当たり前のように使ってたから気付かなかった。
地面の近さや物体の大きさに『俺は何歳くらいなんだ?』と疑問を浮かべながらこの部屋を出る。
まず、何よりも重要なのは情報を得ることだ。この世界がどんな世界なのか、そして俺が誰なのかを知る必要がある。
もし魔物がウジャウジャいて勇者とか魔王とかが争う世界なら俺は一生農民として暮らすことになるだろう。神様に会ってないし特権とかもらってないから。
農民以外には死んだせいで叶えられなかった教師や学者なんかを目指すのもいいかもしれない。多分この世界は日本に比べて文明は進んでないので物理法則とかが一緒ならまだ発見されていない法則なんかを俺が見つける事も出来る。そしたら晴れて俺は研究者だ。
それに、平民的存在と貴族的存在がいれば知識の偏りが存在していると思うから、お金をもらいながら平民相手に塾講師的なことをするのもいいかも。もちろんアホな女には教えないし直ぐに追い出すけど。……いや、そう考えると貴族の女と関わったときが面倒だな。多分俺が平民なのは確定してるから爵位的に女に会えば頭を下げる必要があるだろう。
――よし、農民で!
この後訪れる衝撃の事実を俺はまだ知らなかった。
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