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3話 適当男と情緒不安定女会話。覗き魔店員。
しおりを挟む個室の高級感漂う席に男女で向かいあって会話する男と女。
実情はともかく、傍から見る分には羨ましい光景に思えるかもしれない。
男と食事できる女なんて、この世界では1%にも満たない幸運なのだから。
【こ、こちら黒毛和牛のカルビになります・・・!!】
まるでロボットかのようにぎこちない動きで配膳する女店員。
生まれて初めて自身が男性の視界に入っていることに、緊張が抑えられなかった。
「お、サンキュー・・・・」
【は、はひっ!】
男の適当なお礼に脳が弾けるほどの快感を得る。
この世界の女は・・・・悲しい生き物だった。
「はいこれ、いい感じで焼いといて」
綺麗に盛り付けられた霜降り肉を一瞥した後、男はそう言って女性に皿とトングを渡す。
「うまうま・・・ばくばく・・・・もぎゅもぎゅ」
女性が焼いた肉を片っ端から胃袋に入れていく男。
女性のことはただの肉焼き器としか思っていないようだった。
次々と遠慮なく食べる男。
何時になっても女性の食べる分は出来そうになかった。
『す、少しは遠慮したらどうですか・・!!』
「え、なんで?」
『お金払うのは私でしょ!なら、少しくらいは食べさせてよ!』
「食えばいいじゃん。俺が食べ終わった後に」
『こ、この男は本当に・・・・!!!』
そんな当たり前の事聞いてくるとかバカなのか?
そう可哀想な子を見るような男の様子に、女は脳内で男を投影させると、ストレス発散のサンドバッグとして顔面を殴りまくってから服を脱がせて、「お、おい・・・!!こんなことしてただで済むと思っているのか・・?!あ、謝るなら今だっ――――うわぁああああ!!」と抵抗する男をレ〇プして〇しまくった。
個室で網を囲みながら仲良さげな距離感で話すように見える2人。
実は2人が言い合っている間も隠れてその様子を見ていた喪女で独身で男に一目惚れしていた女性店員は、【リア充爆発しやがれくそがっ!】と思いつつ、貴重な機会を逃すまいと犯人を尾行する刑事並みに壁に張り付いていた。
そして店員は思う。
――どうせ金で買った男のくせに。少し仲良さげだからってわざわざ聞こえるような声でいちゃつくなよハゲ!
『・・・・・・あんたよく食べるね』
「うまうま・・・ばくばく・・・・もぎゅもぎゅ」
食べ始めてから30分が経過した頃。
久しぶりに女性がそう声を発する。
流石に最初よりも男のベースが落ちたこともあり、女性はある程度肉にありつけるようになった。
普段食べない高級肉に幸福感を感じながら、お腹もある程度満たされた。
なら、せっかくだし男性と少しくらい会話しよう。
そう思って向かいにいる男に声をかけた。
「うまうま・・・ばくばく・・・・もぎゅもぎゅ」
『・・・・・・|ω・`)チラリ』
「うまうま・・・ばくばく・・・・もぎゅもぎゅ」
『・・・・・・|ω・`)チラリ』
「うまうま・・・ばくばく・・・・もぎゅもぎゅ」
『・・・・・・|д゜)チラッ』
男の返事を待つ女性。
数秒おきにチラ見して反応を伺う。
しかし、男はそんな声にピクリとも反応せずただ食べ続けていた。
目算でその合計金額はざっと諭吉さん10人分くらい。
『そうですか無視ですかどうせ私は男性経験のない喪女で財布目的でしか相手されないつまらない女ですよ』
何だかんだ言って最初は普通に会話していた2人。
ムカついたけど・・・男と話すのは正直結構楽しかった。
そう思った女性がもう少し話そうと頑張って話題を振ったものの・・・結局男は無反応だった。
女性がブツブツといじけ出す。
テーブルの上で人差し指をクルクルし始めた。
『・・・・・』
「もぎゅもぎゅ」
『・・・・・・』
「もぎゅもぎゅ・・・・はぁ。で、なに?」
何時までの自分の視界で女々しい様子の女性。
流石に面倒なので、男はため息を1つついてから声をかける。
男は非常にめんどくさそうな表情をしていた。
『・・・え?!』
『い、いやね・・・その、よく食べるなぁ~と思って』
再び湧いてきた会話のチャンス。
それに気づいた女性はにやにやした顔で答え、男を流し見る。
「あ、そう」
『・・・・・・』
「・・・・・・」
『・・・・・・』
え、それで終わり?ここでthe end?
も、もう少し何かあるでしょ?!
何ならせめてお礼くらい言えよ!ここすごく高いんだぞ?!
「・・・・・」
『・・・・・』
何も話そうとする気がいない男。
女性は何かいい話題は・・・・・と考えて、一つ聞いておかなきゃいけないことがあったのを思い出す。
――そ、そうだ!こいつが何であんなことをしたのか聞いておかなきゃ!
も、もしかしたら私が不注意でこいつに迷惑をかけたのかもしれないし・・・・
悪いのは配信中に彼氏のふりをして営業妨害をした男に決まっているが、それでも相手を思いやる心を持つ女性。少し口は悪いが、人間としての性格は良さそうだった。
『え、彼氏のふりをした理由?そんなの、そこに俺よりもチヤホヤされてる女がいたからだけど?』
こ、こいつマジで・・・・・!!
★★★
あとがき
被害女性に遠慮なく高級焼き肉を奢ってもらうその精神・・・・ある意味尊敬します。
相手が憎いが女としての本能が理性を上回ってしまった女性。
悪い男に引っかからないといいですね(もう遅い)
読了感謝です!
もしよければ☆☆☆をくれたら作者が喜びます!
また、コメント等もモチベーションが上がります!
今後ともよろしくお願いします!
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