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第四章 汝、燃え尽きるまで
熱風 2
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──デラールフ24歳、ローサシア17歳──
結局、ふらりといなくなったデラールフが帰ってきたのは、その一週間後だった。
デラールフの帰りを今か今かと待ち望んでいたローサシアは、女学校からの帰り、小屋に明かりが灯っているのを見ると歓喜して、自宅に戻ることもせずにまっすぐ彼の元に向かった。
「デラ! デラ!? 帰ってきたの?」
最初はコンコンと静かに。
答えがないと次第に焦ってきて、ドンドンと激しく扉を叩く。
外はまだ冬景色だったが、二週間前のような雪はやんでいて、心なしか気温も上がっている。それでも寒いことには変わりなくて、ローサシアの息は白い蒸気になって辺りに舞った。
しかし、いつまで経ってもデラールフの返事はない。
もしかしたら小屋の中の明かりはデラールフが《能力》を使って遠隔で灯しているだけで、本人はいないのだろうか?
……そう心配しはじめた頃、やっと扉が開いた。
「デラ! お帰りなさい!」
ローサシアは吸い込まれるようにデラールフに抱きついた。少なくとも、デラールフだと思ったものに抱きついた。しかし……
「残念だけどデラールフはまだ帰ってないよ、ローサシア」
深くて落ち着いた男らしいデラールフの声とは正反対の、中性的な早口が返ってくる。ローサシアはハッとして顔を上げた。
「ハイデン……」
いつもデラールフに意地悪をしている、彼の兄だ。ローサシアはハイデンが苦手だった。もっと正直に言ってしまえば、嫌いだった。ローサシアは急いで手を離し、ハイデンから一歩退いた。
気持ち悪い……。自分から抱きついてしまったとはいえ、デラールフ以外の男性に触れるのはそれだけで嫌な気分になった。
「だ……だったらどうして勝手にこの家に入っているの? 明かりまでつけて?」
反抗的にハイデンをねめつけたつもりだったが、ローサシアが睨んでもあまり迫力がないことは……自分でも知っていた。
実際、ハイデンはローサシアを小馬鹿にするようにフンと鼻を鳴らした。
「ずいぶんな言いようじゃないか。僕はデラールフの実の兄だよ。いなくなった弟の部屋に入って、なにが悪い?」
「デラはいなくなったわけじゃないわ」
「へえ、なにも知らないんだな」
ハイデンの目が険を含んだ嫌な形に細められる。この男はよくこの表情をした──デラールフを傷つけるときに。
「デラールフは首都に向かったんだよ。なんでも国王軍が奴を欲しているとか……いないとか……。もしかしたらこのまま帰ってこないかもしれない」
ローサシアは大きく目を見開いた。
首都?
軍が彼を欲している?
そんな。デラールフはなにも言ってくれなかった。ずっとそばにいたのに。キスだってしたのに。それともデラールフにとってローサシアは、そんな事実を伝えるだけの価値がなかったのだろうか。でも……父だってなにも知らなくて……。
さまざまな憶測がいっぺんに浮かんで、ローサシアは眩暈と吐き気に襲われた。
そんなはずはない……きっと。
でも、いつも恐れていたこと──デラが遠くに行ってしまうこと──が、ついに現実になったかと思うと、一気に血の気が引いていった。息苦しい。
「そんな……」
ローサシアはゆっくりとハイデンと距離を取ったが、ハイデンはそれを可笑がるようにさらに近寄ってくる。
「だからさ、ローサシア。あの気色悪い白髪のことは忘れて、僕と──」
その時だった。
バチッと火の粉が爆ぜるような音がして、ハイデンの顔面に炎がぶわりと炸裂した。
「うわぁ! 熱い!」
その炎は一瞬で滅したものの、ハイデンの前髪の一部を焦げさせていた。とっさのことでローサシアは動けないでいたが、目の前だったにも関わらず、その炎が彼女を傷つけることはなかった。
ひー、ひー、と半泣きになりながら焦げた前髪をなでつけるハイデンを呆然と眺めながら、ローサシアはささやいた。
「デラ……?」
その呼び声に呼応するかのように、ローサシアの背後が急に温かくなる。振り返らなくてもわかった。
デラールフだ。
デラールフが後ろにいる。
「ローサシアになんの用だ、ハイデン」
低くて、落ち着いた、デラールフの男らしい声。いつもは優しいのに、この時だけはハイデンがいたたまれなくなるほど威圧的な響きを持っていた。
「この……化け物め!」
ハイデンは屈辱と憎しみに満ちた目でローサシアの背後を睨めつける。デラールフは間髪を置かずにローサシアの前に出て、ハイデンの目から彼女を隠した。
「その『化け物』はお前を焼き殺すこともできる。ここから出ていけ」
デラールフの声には静かな威厳があった。
彼の大きな背中に護られたローサシアは、余計な口は挟まずにハイデンが去っていくのを待った。ハイデンは今のデラールフに立ち向かえないと、確信があったからだ。
そのくらいデラールフには力強さがあった。
生の気迫が。
「ふ、ふんっ、言われなくても出ていくよ! お前たちはお似合いだ。化け物と、生意気な小娘と!」
ハイデンは出ていこうとしたが、行く手はデラールフに塞がれている。デラールフは数秒、その場で兄を見下ろしていたが、やがて一歩退いて道を開けた。
ハイデンは崖を転がるように逃げていった。
「お似合い……」
ローサシアがポツリとつぶやくと、デラールフは背後を振り返る。
「ローサシア」
短い、ただ名前を呼ぶだけの声。
しかしローサシアの胸は喜びで満たされた。デラールフがいる。彼は帰ってきた!
「デラ! お帰りなさい!」
デラールフの胸の中に飛び込むと、彼はそのたくましい腕でぎゅっとローサシアを抱き留めてくれた。爪先がふわりと浮いて、ローサシアの全体重が彼に預けられる。
いつだってデラールフとローサシアの間には愛情があって、たとえそれが男女の思慕ではなかった頃でも、相手に触れると大きな安心を得られた。でも、今ほど安堵したのははじめてかもしれない。
デラールフもそう感じてくれているかのように、いつもより長くローサシアを腕の中に留めていた。
やがてゆっくりと身体を離すと、ローサシアの足が床に着くようにそっと下ろし、静かに見つめ合った。
デラールフだ。
髪が少し汚れて、白が灰色っぽくなっているが、それもまた彼に重厚な迫力を与えた。優しい茶色の瞳はじっとローサシアに向けられている。急に全身が温められて、肌がかゆくなるくらいだった。
「……わたしを温めてくれてる?」
「ん?」
「肌がすごく……ポカポカするから」
「ああ。少しな。外は冷えるから」
デラールフは答えたが、なんとなく後から取ってつけたような感じだった。もしかしたら無意識にそうしてくれていて、彼も今気づいたのかもしれない。
それは……すごい《能力》だ。
この程度の力の行使では、頭痛がすることもなくなっているのだろう。
「お帰りなさい」
ローサシアは気を取り直して、再び彼を迎えた。
「ただいま」
デラールフは微笑む。ローサシア以外には見せない種類の、親密な微笑み。
「なかなか帰ってこないから心配したのよ。どこに行くか教えてくれなかったし……ハイデンは変なこと言うし」
「変なこと?」
「デラールフは国王軍に欲されていて首都に行ってしまった、帰ってこないかもしれない、とか」
すぐに否定してくれることを期待したローサシアだが、デラールフから返ってきたのはしばらくの沈黙だった。
そんな……。
「ローサ」
デラールフは真面目な顔つきになって、言った。「お前に話がある。中に入って座ろう」
ローサシアの鼓動が不安にドクンと鳴った。
結局、ふらりといなくなったデラールフが帰ってきたのは、その一週間後だった。
デラールフの帰りを今か今かと待ち望んでいたローサシアは、女学校からの帰り、小屋に明かりが灯っているのを見ると歓喜して、自宅に戻ることもせずにまっすぐ彼の元に向かった。
「デラ! デラ!? 帰ってきたの?」
最初はコンコンと静かに。
答えがないと次第に焦ってきて、ドンドンと激しく扉を叩く。
外はまだ冬景色だったが、二週間前のような雪はやんでいて、心なしか気温も上がっている。それでも寒いことには変わりなくて、ローサシアの息は白い蒸気になって辺りに舞った。
しかし、いつまで経ってもデラールフの返事はない。
もしかしたら小屋の中の明かりはデラールフが《能力》を使って遠隔で灯しているだけで、本人はいないのだろうか?
……そう心配しはじめた頃、やっと扉が開いた。
「デラ! お帰りなさい!」
ローサシアは吸い込まれるようにデラールフに抱きついた。少なくとも、デラールフだと思ったものに抱きついた。しかし……
「残念だけどデラールフはまだ帰ってないよ、ローサシア」
深くて落ち着いた男らしいデラールフの声とは正反対の、中性的な早口が返ってくる。ローサシアはハッとして顔を上げた。
「ハイデン……」
いつもデラールフに意地悪をしている、彼の兄だ。ローサシアはハイデンが苦手だった。もっと正直に言ってしまえば、嫌いだった。ローサシアは急いで手を離し、ハイデンから一歩退いた。
気持ち悪い……。自分から抱きついてしまったとはいえ、デラールフ以外の男性に触れるのはそれだけで嫌な気分になった。
「だ……だったらどうして勝手にこの家に入っているの? 明かりまでつけて?」
反抗的にハイデンをねめつけたつもりだったが、ローサシアが睨んでもあまり迫力がないことは……自分でも知っていた。
実際、ハイデンはローサシアを小馬鹿にするようにフンと鼻を鳴らした。
「ずいぶんな言いようじゃないか。僕はデラールフの実の兄だよ。いなくなった弟の部屋に入って、なにが悪い?」
「デラはいなくなったわけじゃないわ」
「へえ、なにも知らないんだな」
ハイデンの目が険を含んだ嫌な形に細められる。この男はよくこの表情をした──デラールフを傷つけるときに。
「デラールフは首都に向かったんだよ。なんでも国王軍が奴を欲しているとか……いないとか……。もしかしたらこのまま帰ってこないかもしれない」
ローサシアは大きく目を見開いた。
首都?
軍が彼を欲している?
そんな。デラールフはなにも言ってくれなかった。ずっとそばにいたのに。キスだってしたのに。それともデラールフにとってローサシアは、そんな事実を伝えるだけの価値がなかったのだろうか。でも……父だってなにも知らなくて……。
さまざまな憶測がいっぺんに浮かんで、ローサシアは眩暈と吐き気に襲われた。
そんなはずはない……きっと。
でも、いつも恐れていたこと──デラが遠くに行ってしまうこと──が、ついに現実になったかと思うと、一気に血の気が引いていった。息苦しい。
「そんな……」
ローサシアはゆっくりとハイデンと距離を取ったが、ハイデンはそれを可笑がるようにさらに近寄ってくる。
「だからさ、ローサシア。あの気色悪い白髪のことは忘れて、僕と──」
その時だった。
バチッと火の粉が爆ぜるような音がして、ハイデンの顔面に炎がぶわりと炸裂した。
「うわぁ! 熱い!」
その炎は一瞬で滅したものの、ハイデンの前髪の一部を焦げさせていた。とっさのことでローサシアは動けないでいたが、目の前だったにも関わらず、その炎が彼女を傷つけることはなかった。
ひー、ひー、と半泣きになりながら焦げた前髪をなでつけるハイデンを呆然と眺めながら、ローサシアはささやいた。
「デラ……?」
その呼び声に呼応するかのように、ローサシアの背後が急に温かくなる。振り返らなくてもわかった。
デラールフだ。
デラールフが後ろにいる。
「ローサシアになんの用だ、ハイデン」
低くて、落ち着いた、デラールフの男らしい声。いつもは優しいのに、この時だけはハイデンがいたたまれなくなるほど威圧的な響きを持っていた。
「この……化け物め!」
ハイデンは屈辱と憎しみに満ちた目でローサシアの背後を睨めつける。デラールフは間髪を置かずにローサシアの前に出て、ハイデンの目から彼女を隠した。
「その『化け物』はお前を焼き殺すこともできる。ここから出ていけ」
デラールフの声には静かな威厳があった。
彼の大きな背中に護られたローサシアは、余計な口は挟まずにハイデンが去っていくのを待った。ハイデンは今のデラールフに立ち向かえないと、確信があったからだ。
そのくらいデラールフには力強さがあった。
生の気迫が。
「ふ、ふんっ、言われなくても出ていくよ! お前たちはお似合いだ。化け物と、生意気な小娘と!」
ハイデンは出ていこうとしたが、行く手はデラールフに塞がれている。デラールフは数秒、その場で兄を見下ろしていたが、やがて一歩退いて道を開けた。
ハイデンは崖を転がるように逃げていった。
「お似合い……」
ローサシアがポツリとつぶやくと、デラールフは背後を振り返る。
「ローサシア」
短い、ただ名前を呼ぶだけの声。
しかしローサシアの胸は喜びで満たされた。デラールフがいる。彼は帰ってきた!
「デラ! お帰りなさい!」
デラールフの胸の中に飛び込むと、彼はそのたくましい腕でぎゅっとローサシアを抱き留めてくれた。爪先がふわりと浮いて、ローサシアの全体重が彼に預けられる。
いつだってデラールフとローサシアの間には愛情があって、たとえそれが男女の思慕ではなかった頃でも、相手に触れると大きな安心を得られた。でも、今ほど安堵したのははじめてかもしれない。
デラールフもそう感じてくれているかのように、いつもより長くローサシアを腕の中に留めていた。
やがてゆっくりと身体を離すと、ローサシアの足が床に着くようにそっと下ろし、静かに見つめ合った。
デラールフだ。
髪が少し汚れて、白が灰色っぽくなっているが、それもまた彼に重厚な迫力を与えた。優しい茶色の瞳はじっとローサシアに向けられている。急に全身が温められて、肌がかゆくなるくらいだった。
「……わたしを温めてくれてる?」
「ん?」
「肌がすごく……ポカポカするから」
「ああ。少しな。外は冷えるから」
デラールフは答えたが、なんとなく後から取ってつけたような感じだった。もしかしたら無意識にそうしてくれていて、彼も今気づいたのかもしれない。
それは……すごい《能力》だ。
この程度の力の行使では、頭痛がすることもなくなっているのだろう。
「お帰りなさい」
ローサシアは気を取り直して、再び彼を迎えた。
「ただいま」
デラールフは微笑む。ローサシア以外には見せない種類の、親密な微笑み。
「なかなか帰ってこないから心配したのよ。どこに行くか教えてくれなかったし……ハイデンは変なこと言うし」
「変なこと?」
「デラールフは国王軍に欲されていて首都に行ってしまった、帰ってこないかもしれない、とか」
すぐに否定してくれることを期待したローサシアだが、デラールフから返ってきたのはしばらくの沈黙だった。
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