太陽と月の終わらない恋の歌

泉野ジュール

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月の盗人

おまけ

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【太陽と月の終わらない恋の歌 月の盗人 おまけ「河畔のふたり」】



 ヨーゼフはしがない牛飼いだ。
 しがない、という単語がこれほど似合う者も、ルザーン広しといえど、そういないだろう。

 背は低くひょろりと痩せていて、何の特徴もない茶色の髪に、気の弱そうな顔とすきっ歯をしている。
 牛のほかに羊も数頭飼っているのが唯一の自慢で、毎日決まった高さに太陽が昇ったころ、その羊たちを柵から外に出してのんびりと放牧する。ヨーゼフは、自分で切ったり彫ったりして作った長い木の杖を片手に、年老いた白い犬を連れて、羊たちの後を追うのだった。

 羊は従順でいい。
 ヨーゼフがちょっと棒で脅かしたり、犬に咆えさせたりすれば、すぐに言う事をきくからだ。
 内気で、人間同士の関係が苦手なヨーゼフは、このささやかな仕事を彼なりに愛していた。毎日変わりばえのしない田園生活もそれなりに気に入っている。

 毎日は単調だった。そして平凡だ。
 こうして羊を追っていると、世界中の誰もが、ヨーゼフのように平凡に平和な暮らしているのではないかと思えてもくる……。

 しかし、この日。
 ある静かな晴れた朝の終わり。昼にかかる少し前。
 ヨーゼフは少し外の世界を知った。



 背の高い草が続く草原の先に、細く流れる小川があって、その川縁はヨーゼフがよく休憩に使う場所だった。
 流れがゆるく、底も浅いので、のんびりと足を浸したりするのにちょうどいい。なめらかな真水なので、自分で口に含んだり、羊や犬にやったりもする。

 今日もヨーゼフは河畔に出て、羊追いの途中の乾いた喉を潤そうと、流れの縁に腰をかがめた。

 静かな午前中だった。
 なんの変哲もない普段どおりの日だったから、当然いつも通り、ここには誰もいないだろうとヨーゼフは安心しきっていたのだ。日に焼けた手を川に浸し、水をすくって口元へ持っていく……。

 その時だった。
 なにか耳慣れない騒音がして、ヨーゼフは水を溜めた手を口の前で止めたまま、ぴたりと固まった。
「休む前に、スカートを洗おう」
「ダヴィッドの裾も」
「ああ」

 そんな会話が聞こえてきた。
 ヨーゼフは、飼い犬が突然主人の呼び声を聞きつけたような素早さで、はっと顔を上げて辺りを見回した。──男と女の声だった。

 こんな時間に、ここに、人が?
 なぜだろう。よもや白昼堂々、男女が河畔で卑猥なことでも……?

 そんな色めいた想像がまず浮かんで、ヨーゼフは思わず背を低くすると、さっと後ろの草の中へ隠れ、今さっき声のした方に目を凝らした。
 声の主たちはすぐには見付からなかったので、ガサガサと草を分け少しだけ下流へ進むと、そこには確かに、紳士の容貌をした長身の男と、長くゆるやかな金髪を垂らした女がいるのが遠目に見えてきた。

(貴族さんたちか。何だってこんな場所に)

 草の間に隠れながら、ヨーゼフは首を傾げた。
 貧しい牛飼いの彼にとって、紳士淑女の服装をしている人間は皆、誰も彼もがひとくくりに貴族に類される。

 ──覗き見なんてしちゃいけねぇ。
 そう思いもしたが、同時に腹の中からむくむくと好奇心が湧きあがってくるのも、抗えない事実だった。女のくすんだ金髪があまりにも見事で、それもまた彼らから目を離せない理由だったかもしれない。

(少し、見るだけだ……見るだけなら、罰も当たらねぇ……)
 ヨーゼフは息を潜めた。
 そして、河畔に戯れるふたりの男女の行く末を、その場でそっと見守ることにした。

「ありがとうダヴィッド。……粗相をしてごめんなさい」
「言っただろう、悪かったのは俺だ。お前の気分が落ち着いたなら、後はもう気にしなくていい」
「だいぶ、楽よ。少し休めば、また馬に乗れると思うわ」

 お、とヨーゼフは思った。
 どうやら女のドレスが汚れていたのだ。男は川の水に浸したハンカチでそれを器用に清め、女の前に膝を折って彼女の様子を見ている。
 この時やっと、ヨーゼフの目にある事実が映った。

(な、なんだ……まだ、子供か……?)
 遠目なので確かではないが、男女の間にはかなり年の差があるように見えた。ふわふわの金髪に目が奪われて気が付かなかったが、ちらりとのぞいた小さな顔が、女と呼ぶにはまだまだ幼く見えたのだ。

 大きな瞳、小さな鼻と唇、細い腰。
 対して男の方は、見紛うことなき立派な成人だ。
 農夫の逞しさとはまた違うが、しかし、紳士貴族にしては鍛えられた体格をしているように感じる。二人はしばらく何かを話したのち、ごろりと河畔に寝そべった。
 男の上に、少女がちょこんと乗って抱かれているような格好だった。

「…………」
 喉につばが溜まるのを感じて、ヨーゼフはそれをごくりと飲み込んだ。少女の顔が──それは瞳を閉じていたが──ちょうどこちらに向いていて、それに鯨飲したのだ。

 なんて綺麗なんだ。
 まるで人形だ。

 ヨーゼフに幼女趣味はなかったから、それは純粋な感心でしかありえなかったけれど、少女の長い睫毛とミルクのような白い肌、流れるくすんだ色の金髪は、いささか垢抜けない農村の娘達に囲まれて生活しているヨーゼフの目には、神秘にさえ映った。

 もっと近くで見てみたい……という欲求が湧いて、ヨーゼフは出来るだけ静かに草の間を進んだ。

 さらに近寄ると、二人の容貌がはっきりしてきた。
 男の方は、年の頃は三十ほどだろうか。背が高く、鮮やかな黒髪に彫りの深い目鼻立ちをしている。目を閉じているので分からないが、多分、中々の偉丈夫なのではないだろうか。
 そして少女の方は、まだ十を少し超えたばかりに思える。

(どういう連れなんだ……?)
 兄妹……にしては、似ていない。
 親子、という感じでもない。ちらりと聞こえた会話で、彼らはお互いを名で呼び合っていた。
 では……?

(そ、そういう趣味の、貴族さんもいるのかねぇ……?)
 ヨーゼフはあらぬ想像に思いを馳せた。
(立派そうな殿方さんだしなぁ……そんな風には、見えねぇけどな)

 二人は川原でぴたりと寄り添って寝転んでいる。
 これは、好奇心にひかれてここまで来てしまったけれど、あまり近付かない方がいい状況なのではないだろうか? 今更ながら後ろめたい気分に取り付かれて、ヨーゼフは慌てて引き返そうとした。

 そのまま一歩後ずさろうとした──その瞬間だ。
 ポキッ!
 足元の小枝が乾いた音を立てて折れた。
(まずい!)
 ヨーゼフは息を呑んだ。

 走り去って逃げるべきだっただろうに、ヨーゼフの足は逆にその場に硬直した。なぜなら、男の瞳がふっと開き、首を回してこちらを見据えたからだ。

 それは、深い漆黒の瞳だった。
 形だけを見れば、それは穏やかで美しい目だっただろう……しかし、その眼力は研ぎ澄まされ、しがないヨーゼフを、一瞬にして狼に狙いを定められた小鹿のような気分におとしいれるものだった。

「あ……あの」
 と、ヨーゼフは声を漏らした。
 もし男があまりにも身分の高い人物であれば、ヨーゼフなど簡単に罰せられ、牢に入れられたり奴隷に売られたりしてしまうかもしれない。
 とにかく平謝りするのだ──と、心中では叫んでいたが、いかんせん舌が上手く回らなかった。

「す、すまねぇ、旦那……」
 卑屈に背を屈めて、そこまで何とか搾り出すように言った。

 ヨーゼフは焦って背中に嫌な汗をかいていたが、対する男は意外にも、すぐ警戒を解いたように目を細めた。
 そして男は、ヨーゼフに向かって「静かに」と言うように、そっと片手の人差し指を口元に当てて見せる。男のもう片方の手は、少女の腰の辺りをしっかりと抱いていた。

(あぁ、娘を起こすな、てことか……?)
 拍子抜けした気がして、ヨーゼフは目をしばたたいた。

 とりあえず男は、ヒステリー持ちでも、傲慢でも、牛飼いを卑下している風でもなかった。
 ただ、静かにしていろ、眠っている娘を起こすな、と言っているらしい。

 ヨーゼフはこくこくと数度頭を下げて、理解を表現してみせた。すると男はもう一度人差し指を口元に当てて見せて、そしてヨーゼフを手で払う仕草をした。


 ここを去るんだ。ただし、静かに──。
 そういう意味なのだろう。ヨーゼフは再び頷いて、言われた通りにゆっくりと後ずさり、二人に背を向けて離れようとした……が、しかし。


「うぅん……ダヴィッド……?」
 少女の、少し擦れた声が背後からして、ヨーゼフは途中でぎくりと足を止めてしまった。

「わたし、寝ちゃったの……? なんだか急に、気持ちよくなって……」
「少しの間だけだ。もう少し寝ていなさい」
「ううん、もう……目が覚めちゃった」

 会話が聞こえてくる。
 ヨーゼフはそのまま走り去るべきか、音を立てないようにその場に凍りつくべきか、迷った。決めかねてオロオロと背を向けたままでいるところに、さらに少女の声が続く。

「そういうば、ね……ダヴィッド、聞きたいことがあったの。私、今日、新しいことを知ったの……」
 少女が紡ぐ寝起きの舌っ足らずな口調と、擦れた声には、幼いながらも男をぞくりとさせるような甘美な響きがあって、それもまたヨーゼフの足を鈍らせるのだった……。

 しかし、
「どうした?」と、男。
「私……」少女が答える。
 ──なんだか嫌な予感がする。
「私の……最初の」
 ──走り去るべきだ。風のような速さで!

「私の女のみさおを、ダヴィッドにあげちゃ、だめ……?」

「うわあああああ~~!」
 平和で静かだった田園の河畔に、哀れな牛飼いの悲鳴がとどろいた。
 ヨーゼフは草を踏み分けながら疾走して逃げ去り、後には放り出された木の杖がむなしく残されていた。

(い、いけねぇものを見てしまった!!)



 草むらの先でこだまする牛飼いの悲鳴に、ダヴィッドは軽い頭痛を感じて片手で髪をかきあげた。

「マノン……何だって?」
「『女のみさお』よ。キスみたいで、いいものなんでしょう?」
「サイモンだな、そんな事を言い出したのは」
「どうして分かるの? そう……海賊の劇で習ったんだって言ってたわ。違うの?」

 ハシバミ色の瞳を期待で輝かせながら、問いかけるマノン。
 ダヴィッドはそのままうな垂れて、首を左右に振った。嗚呼、もういっそ、あの少年は助けてやらない方が良かったのか? そんな黒い思念を振り払いたくて。

「違うの……?」
 マノンは再度訊ねた。
 まるで、期待を裏切られて傷付いたような震える声で、ダヴィッドを見つめていた瞳を伏せる。
 ダヴィッドは深く溜息を吐いて、上半身を起こした。

 当然、彼の胸の上に乗っていたマノンも起こされることになる。二人は河畔に座ったような格好でお互いを見つめ合った。

「お前はまだ十二歳だ、マノン。知らなくていいこともあるんだよ」
 ダヴィッドは厳かな口調で切り出した。「いつかもう少し大人になったら分かる。それまでは、今の言葉は忘れるんだ」

「そんなの……また、そればっかり、もう嫌……」
「マノン、頼むから」

 ダヴィッドの長い指先に頬をすっと撫でられて、マノンは眉を下げた。
 こう言われては、さすがに諦めずをえない。

 マノンはきゅっと唇を結んだ。
 なにか、とてもロマンチックで、素敵な愛のしるしのような気がしたのに──その言葉が意味する正確な行為の正体は、結局分からないままだけれど。
 仕方なく、最後の一縷の望みにすがるような思いで、マノンはもう一度ダヴィッドに訊ねた。

「私がいつか、もっと大人になったら、その時はいいの?」

 嫌そうな顔を、されるかと思った……。
 しかし、そんなマノンの予想は外れ、ダヴィッドはマノンへ穏やかに微笑んで見せると、そうだな、と低い声で答えた。

「その時には、俺からくれと懇願すると思うよ」

 だから今は忘れなさい。
 そう言ってダヴィッドは、もう一度マノンの頬を優しく撫でた。

 穏やかに流れる小川だけが、二人の約束を聞いていた。そんな河畔のふたりの一幕……。
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