愛すべき人

第三章

2人の誓い

  俺達2人はついにあの夜セックスをした。別に発情期がきていた訳ではないが、あの日の俺は正直どうかしてたと思うぐらい、頭ん中がアイツでいっぱいだった。そんなことを考えながらボーッとテレビを見ていると、陽一がコーヒーを持って俺の隣に座った。
  ｢あの、昭仁さん。急かもしれないんですけど、俺の番になってくれませんか？｣
  ｢え･･･番に？｣
  ｢はい、俺本気で昭仁さんとずっと一緒にいたいと思っているんです。｣
  俺はあまりにも急なので驚いて、顔が少し強ばってしまった。
  ｢･･･あの。いや、でしたか？｣
  俺は俯いたまま首を横に振った。すると陽一は俺の顔を上げさせて、目と目が合うようにした。
  ｢どうせ昭仁さんの事だからなんかごちゃごちゃ考えてませんか？｣
  ｢そりゃ考えるだろ。だって番になったら一生縛られるんだそ。｣
  ｢それは俺が嫌ってことですか？｣
  ｢違う。ただお前の事を縛るのが嫌なだけだ。｣
  ｢はぁーー。本当馬鹿な人ですね。｣
  ｢なっ、バカってッ！｣
  俺が言いかけると陽一はぎゅっと俺を抱きしめて来た。
  ｢じゃーこうしましょう。Ωとかαとかどうこうは置いといて、俺とこれからも一緒にいたいですか？それともいたくないですか？｣
  俺はグッと抑えていた涙が次第にボロボロと流れ出てきた。
  ｢そんなのずっと一緒にいたいに決まってるだろ。｣
  ｢じゃー俺の番になってくれませんか？｣
  ｢こんな俺で良ければもらってください。｣
  ｢はい。喜んで。｣
  
  俺は陽一の家に泊まりそのまま明日同居するための新しい住居を探しに行くためちゃんと時間通り起きれるように早く寝ることにした。
   ｢なぁ、そう言えば発情期の日にち教えてなかったな。｣
  ｢あ、すっかり忘れてました。あの、いつですか？｣
｢一応予定は2週間後くらいに来る予定だから。｣
  ｢分かりました。あと、今週の土曜日開けてもらってもいいですか？｣
  ｢ん？あぁ、いいけど。何でだ？｣
  ｢俺の親と一応会って欲しいんです。｣
  ｢わかった。午後からは俺の親と会っても大丈夫か？｣
  ｢大丈夫だと思いますよ。反対されようが何されようが、俺は強行突破しますので。｣
  ｢ははは、なるほどな。じゃー明日もあるし早く寝るか。｣
  ｢はい。おやすみなさい。｣