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17.図書館業務と禁書庫の探索に励みます。
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「こちら返却日は二週間後となっております。延長を希望される際は、予約が入っていない場合に限り更に二週間貸し出し出来ますので、必ず返却日までに延長手続きにいらしてくださいね」
王立図書館勤務三日目は、朝の貸出返却ラッシュをこなすことから始まった。休日の午前中は特に混むようで、誰でも借りられる本がある一般書架の受付は朝から大混雑だ。昼前に一度落ち着いて、夕方から閉館一時間前までがまた少し混む時間帯らしい。テオとユリアの急な来訪もあり、まだほんの少ししか出来ていない禁書庫の捜索は一段落してから夕方までの間に集中して取り掛かる予定だ。
「司書のお嬢さん、ちょっといいかしら?借りたい本が閉架書庫にあるようなのだけど……」
「はい。詳細をお伺いしても?」
「この本なのだけどね」
祖母くらいの年齢のご婦人が探しているのは、低年齢向けの魔道具についての本だった。魔道具や魔術具に関する本は研究が進むと改訂版が出るため、旧版は閉架書庫に収められる決まりとなっている。
「こちらの本ですが、お探しの物は第三版でよろしいでしょうか。一般区域の第二書架に最新版があるので、よければそちらも一緒にご覧になりますか?」
「ご親切にありがとう。新しいものは自宅にあるのだけど、昔読んだ内容と齟齬があったから見比べたくて借りに来たのよ。だから、最新版は必要ないけど……そうねぇ、第三版から五版までお願いしようかしら。忙しいところに悪いわね」
「いいえ、とんでもないです。お持ちしますので、お掛けになってお待ちください」
閉架書庫の扉には鍵の魔法陣が刻まれていて、職員用の通行証を陣にかざすことで開く仕組みだ。依頼された本を素早く確保し元の場所に戻ったら、先程のご婦人はキャレルに移動して書き物をしていた。
「失礼いたします。お探しの本をお持ちしたので、ご確認いただけますか?」
「もう戻って来たの?とっても早いわね。しばらく掛かるだろうと思って移動してしまってたわ。ごめんなさいね」
聞けばこのご婦人は、若い頃に平民ながら学園に通っており、卒業後は男爵家や子爵家で家庭教師をしていたという。そこで出会った庭師の男性と結婚し、お子さんたちが独立してからはご夫婦でカフェスペースのある花屋を営んでおり、定休日の水の日には近所の子供たちを招いて勉強会を開いているそうだ。読み書き計算だけでなく、こういった本を活用して魔道具についてや魔術の基礎まで教えているというのだから驚きだ。
「とても素晴らしい取り組みですね!市井の子供たちの基礎学力の向上は、ひいては国力の向上に繋がります。いずれ学園の門徒を叩く子供が出て来るかもしれませんね」
「王立図書館にお勤めのお嬢さんにそんな風に言ってもらえるなんて嬉しいわ。もしよかったら、今度店に遊びにいらしてね」
上品に微笑んで、簡単な地図と店名を書き付けたメモをくださった。行きたいな、行けるといいなと素直に思う。私はどんな立場でそこに足を運ぶのだろうか。少なくとも今は、ここに行けるような未来を手に入れるためにも目の前の事に真剣に取り組もうと思った。
◇◇◇
「メディア、遅くなってしまったけど昼休憩に行きましょう。午後は少し落ち着く見込みなので、その間に禁書庫の探索に行きましょうか。ていうか本当に、普通に働いてもらって申し訳ない……」
「師匠!充実しているので、どうかお気になさらず。こちらのカフェテリアは初めてなので楽しみです」
王立図書館は8階建てで、最上階の8階に食堂が、3階にカフェテリアがあり、カフェテリアでも軽食が提供されている。本の持ち込みは禁止されているが、貸し出し手続き前の本でも預けられるロッカーが入り口に設置されているため利用客は多い。
「あーら、エルディオ様じゃない!今日はしっかり食べてってちょうだいよ。多めに盛っておくから!!」
「おばちゃん、訓練後の騎士が食べるような量を盛るのは勘弁して……!今日は見習いの子が一緒だから、サービスはそっちにお願いします」
「あらいらっしゃい、お嬢さん。うちははじめてかい?」
「はい。こちらのお料理は学園の食堂のコックのお兄様が作っていると聞いたので、きっと美味しいのだろうとワクワクしています」
「おぉ、それはそれは。その期待は簡単に超えてあげよう。すぐにうちの味の虜になるよ。席で待っていておくれ」
司書のお姉様方だけでなく、館内で働く皆様もエルディオ様を慕っているようだ。お陰で一緒にいる私にも親切にしてくださるので有難い。カレン様が信頼している方だし人望があって当然……と考えたところで、ふと気になっていたことを聞いてみる。
「師匠は、いつからカレンお義姉様と親しくされているのですか?」
「親しく……と言っていいのかどうか甚だ疑問ですが……初めて言葉を交わしたのは卒業の間際でした」
聞けばカレン様は、いずれ留学するときに不足が無いよう前知識を身に着けるため、研究所に所属するエルディオ様の叔母様に師事されていたため、二人は兄妹弟子の関係になるそうだ。
「叔母の専門は魔術遺産並びに魔術具の収集と解析で、新しく発見された遺産の情報を聞きつけたら場所を問わずすぐに出向くものだから、国外で過ごした経験が豊富なんです。きっとカレン様は、叔母から留学の際の心構えなんかも学びたかったんだと思います。しかし叔母は生粋の研究者なので、カレン様が来たことで多くの魔術遺産を起動して詳細に解析できると大喜びで、有益な話が出来ていたかは怪しいですが……」
「お義姉様は王家所有の魔術遺産を市井の者でも気軽に使えるような魔道具に転用したいと常々おっしゃっていますから、叔母様のよき生徒となられたのでしょうね」
カレン様はヴェイア王国への留学において国賓扱いとなっており、あちらの王家所有の魔術遺産を間近で見る機会もあったため、叔母様の研究室の代表者としてエルディオ様に留学に帯同し研究助手をしないかと打診したが、当時既に筆頭司書の研修が始まっていたため実現しなかったという。
「それは残念でしたね……」
「いやいや、王女殿下の留学に正式に帯同するだなんて、俺には過分なことですよ。そもそもカレン様に声を掛けられたことも、同じ相手に師事していることも、今でもときどき不思議に思います」
エルディオ様は王立図書館の筆頭司書になることが学園入学時には定められていたため、研究所へ出入りしていることも魔術遺産への興味関心も、ごく親しい身内の人間以外にはひた隠しにしているそうだ。
「長男のレオ兄さんが王立図書館長に、次男のクストディオが研究所長になると決まっている以上、俺がそれぞれの居場所を荒らしているように外から見えるのはよくありません。ハーヴェイ研究室を代表してカレンデュラ第一王女殿下の留学に帯同なんてしたら、筆頭司書の研修を疎かにしてクストの立場を狙っているように思われてしまいます」
「たしかにそうですね。外から見ているだけでは内情はわからないのに、憶測は飛び交いますからね……」
エルディオ様はレオカディオ様に敬意を払っているように見えるし、2番目のお兄様も名前で呼ぶくらい親しいみたいなので、二人の立場を脅かすような行動を取りたくないと考えているのだろう。
「ご自分の探求心を最優先するのではなく、ご家族の事を一番考えられるのは、立派なことだと思います」
「あはは、それはちょっと違います。俺は家族の事が好きだし、ハーヴェイ伯爵家の役割を大事にしたいんです。それは俺のわがままですよ」
伯爵家としては、もしかしたら一族から第一王女殿下の側近を輩出したということが名誉に繋がるかもしれない。それでもエルディオ様はそのことをひた隠しにし、伯爵家が元々担っている役割を連綿と続けていくことを優先していて、その選択は彼自身のわがままなのだという。
「ふふ、師匠は我慢をしているわけではないのですね。安心しました」
「……そういうメディアは、どうでしょう」
「私ですか?」
「あなたは、何かを我慢しているのでしょうか?」
なんだか不思議なことを聞かれたなと感じるが、答えはすぐに出た。
「いいえ。私、我慢ってほとんどしたことないです」
王立図書館勤務三日目は、朝の貸出返却ラッシュをこなすことから始まった。休日の午前中は特に混むようで、誰でも借りられる本がある一般書架の受付は朝から大混雑だ。昼前に一度落ち着いて、夕方から閉館一時間前までがまた少し混む時間帯らしい。テオとユリアの急な来訪もあり、まだほんの少ししか出来ていない禁書庫の捜索は一段落してから夕方までの間に集中して取り掛かる予定だ。
「司書のお嬢さん、ちょっといいかしら?借りたい本が閉架書庫にあるようなのだけど……」
「はい。詳細をお伺いしても?」
「この本なのだけどね」
祖母くらいの年齢のご婦人が探しているのは、低年齢向けの魔道具についての本だった。魔道具や魔術具に関する本は研究が進むと改訂版が出るため、旧版は閉架書庫に収められる決まりとなっている。
「こちらの本ですが、お探しの物は第三版でよろしいでしょうか。一般区域の第二書架に最新版があるので、よければそちらも一緒にご覧になりますか?」
「ご親切にありがとう。新しいものは自宅にあるのだけど、昔読んだ内容と齟齬があったから見比べたくて借りに来たのよ。だから、最新版は必要ないけど……そうねぇ、第三版から五版までお願いしようかしら。忙しいところに悪いわね」
「いいえ、とんでもないです。お持ちしますので、お掛けになってお待ちください」
閉架書庫の扉には鍵の魔法陣が刻まれていて、職員用の通行証を陣にかざすことで開く仕組みだ。依頼された本を素早く確保し元の場所に戻ったら、先程のご婦人はキャレルに移動して書き物をしていた。
「失礼いたします。お探しの本をお持ちしたので、ご確認いただけますか?」
「もう戻って来たの?とっても早いわね。しばらく掛かるだろうと思って移動してしまってたわ。ごめんなさいね」
聞けばこのご婦人は、若い頃に平民ながら学園に通っており、卒業後は男爵家や子爵家で家庭教師をしていたという。そこで出会った庭師の男性と結婚し、お子さんたちが独立してからはご夫婦でカフェスペースのある花屋を営んでおり、定休日の水の日には近所の子供たちを招いて勉強会を開いているそうだ。読み書き計算だけでなく、こういった本を活用して魔道具についてや魔術の基礎まで教えているというのだから驚きだ。
「とても素晴らしい取り組みですね!市井の子供たちの基礎学力の向上は、ひいては国力の向上に繋がります。いずれ学園の門徒を叩く子供が出て来るかもしれませんね」
「王立図書館にお勤めのお嬢さんにそんな風に言ってもらえるなんて嬉しいわ。もしよかったら、今度店に遊びにいらしてね」
上品に微笑んで、簡単な地図と店名を書き付けたメモをくださった。行きたいな、行けるといいなと素直に思う。私はどんな立場でそこに足を運ぶのだろうか。少なくとも今は、ここに行けるような未来を手に入れるためにも目の前の事に真剣に取り組もうと思った。
◇◇◇
「メディア、遅くなってしまったけど昼休憩に行きましょう。午後は少し落ち着く見込みなので、その間に禁書庫の探索に行きましょうか。ていうか本当に、普通に働いてもらって申し訳ない……」
「師匠!充実しているので、どうかお気になさらず。こちらのカフェテリアは初めてなので楽しみです」
王立図書館は8階建てで、最上階の8階に食堂が、3階にカフェテリアがあり、カフェテリアでも軽食が提供されている。本の持ち込みは禁止されているが、貸し出し手続き前の本でも預けられるロッカーが入り口に設置されているため利用客は多い。
「あーら、エルディオ様じゃない!今日はしっかり食べてってちょうだいよ。多めに盛っておくから!!」
「おばちゃん、訓練後の騎士が食べるような量を盛るのは勘弁して……!今日は見習いの子が一緒だから、サービスはそっちにお願いします」
「あらいらっしゃい、お嬢さん。うちははじめてかい?」
「はい。こちらのお料理は学園の食堂のコックのお兄様が作っていると聞いたので、きっと美味しいのだろうとワクワクしています」
「おぉ、それはそれは。その期待は簡単に超えてあげよう。すぐにうちの味の虜になるよ。席で待っていておくれ」
司書のお姉様方だけでなく、館内で働く皆様もエルディオ様を慕っているようだ。お陰で一緒にいる私にも親切にしてくださるので有難い。カレン様が信頼している方だし人望があって当然……と考えたところで、ふと気になっていたことを聞いてみる。
「師匠は、いつからカレンお義姉様と親しくされているのですか?」
「親しく……と言っていいのかどうか甚だ疑問ですが……初めて言葉を交わしたのは卒業の間際でした」
聞けばカレン様は、いずれ留学するときに不足が無いよう前知識を身に着けるため、研究所に所属するエルディオ様の叔母様に師事されていたため、二人は兄妹弟子の関係になるそうだ。
「叔母の専門は魔術遺産並びに魔術具の収集と解析で、新しく発見された遺産の情報を聞きつけたら場所を問わずすぐに出向くものだから、国外で過ごした経験が豊富なんです。きっとカレン様は、叔母から留学の際の心構えなんかも学びたかったんだと思います。しかし叔母は生粋の研究者なので、カレン様が来たことで多くの魔術遺産を起動して詳細に解析できると大喜びで、有益な話が出来ていたかは怪しいですが……」
「お義姉様は王家所有の魔術遺産を市井の者でも気軽に使えるような魔道具に転用したいと常々おっしゃっていますから、叔母様のよき生徒となられたのでしょうね」
カレン様はヴェイア王国への留学において国賓扱いとなっており、あちらの王家所有の魔術遺産を間近で見る機会もあったため、叔母様の研究室の代表者としてエルディオ様に留学に帯同し研究助手をしないかと打診したが、当時既に筆頭司書の研修が始まっていたため実現しなかったという。
「それは残念でしたね……」
「いやいや、王女殿下の留学に正式に帯同するだなんて、俺には過分なことですよ。そもそもカレン様に声を掛けられたことも、同じ相手に師事していることも、今でもときどき不思議に思います」
エルディオ様は王立図書館の筆頭司書になることが学園入学時には定められていたため、研究所へ出入りしていることも魔術遺産への興味関心も、ごく親しい身内の人間以外にはひた隠しにしているそうだ。
「長男のレオ兄さんが王立図書館長に、次男のクストディオが研究所長になると決まっている以上、俺がそれぞれの居場所を荒らしているように外から見えるのはよくありません。ハーヴェイ研究室を代表してカレンデュラ第一王女殿下の留学に帯同なんてしたら、筆頭司書の研修を疎かにしてクストの立場を狙っているように思われてしまいます」
「たしかにそうですね。外から見ているだけでは内情はわからないのに、憶測は飛び交いますからね……」
エルディオ様はレオカディオ様に敬意を払っているように見えるし、2番目のお兄様も名前で呼ぶくらい親しいみたいなので、二人の立場を脅かすような行動を取りたくないと考えているのだろう。
「ご自分の探求心を最優先するのではなく、ご家族の事を一番考えられるのは、立派なことだと思います」
「あはは、それはちょっと違います。俺は家族の事が好きだし、ハーヴェイ伯爵家の役割を大事にしたいんです。それは俺のわがままですよ」
伯爵家としては、もしかしたら一族から第一王女殿下の側近を輩出したということが名誉に繋がるかもしれない。それでもエルディオ様はそのことをひた隠しにし、伯爵家が元々担っている役割を連綿と続けていくことを優先していて、その選択は彼自身のわがままなのだという。
「ふふ、師匠は我慢をしているわけではないのですね。安心しました」
「……そういうメディアは、どうでしょう」
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