シールドランド物語　第一部　カタ=リナの少女

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第四章

第四章第五節　グリフォンズ本部

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シールドランドの穏やかな丘の一つが、秘密を抱え込んでいる。その地下深くに、世界でも類を見ない特殊部隊「グリフォンズ」の本部が存在する。この地は、彼らが集う場所であり、多くの戦略が練られ、決断される場所だ。

部屋は静寂に包まれ、緊張感が漂っている。そこへ一つの声が響き渡る。「あー、全員、聞こえているか? これより緊急会議を始める。」声の主は、部隊の指揮官であり、彼の言葉一つ一つが、部隊員たちの命運を左右する。

「先ほどの情報だが、「若」と共に出ている「蝶々」から連絡が入った。「若」は旅の途中でカタ=リナの聖女と接触し、これを庇護下に置いたそうだ。」室内に響く指揮官の声は、静かながらも部隊員たちの心を強く打つ。

おおっという驚きの声が部屋中に広がる。精鋭たちはその報せに、一様に驚愕した表情を浮かべる。しかし、指揮官は続ける。「静粛に。問題はここからだ。カタ=リナの聖女を庇護下に置いたことで、アークネクサス連合幹部、アレン・フォートライトと敵対することになった。彼は幹部クラスの魔導士であり、我々の「若」がいかに武勇に優れていても、彼との戦いは容易ではないだろう。」

指揮官の言葉は、室内の空気を一層重くする。しかし、それと同時に、グリフォンズの精鋭たちの眼差しは、決意で固く結ばれていく。彼らは世界最強と謳われるだけあり、どんな困難にも立ち向かっていく覚悟があった。

「この事態に対処するため、諸君らの力を借りたい。全員で力を合わせ、アークネクサス連合との対立を乗り越えるのだ!」
会議室内の緊張が一気に高まった。一人の隊員が立ち上がり、声を張り上げた。「質問。魔導士は何人ですか?」

指揮官は冷静に答えた。「『蝶々』からの報告では、一名しか確認されていない。複数の可能性もあるが、アークネクサス連合の性質上、おそらくは間違いない。単独と言って良いと思う。」

部屋の雰囲気が変わった。隊員たちの顔には、戦闘への自信が浮かぶ。「それなら簡単です。一人が囮になって、一人が喉笛を掻っ切ってやりましょう。」

別の声が響く。「対魔術師戦闘なら、『若』よりも我々の方が分があると思いますよ。」

指揮官は微笑んだ。「諸君らの洞察力を嬉しく思う。そこで、今回の緊急任務の目的を周知する。『若』と『カタ=リナの聖女』をアレン・フォートライト、通称『ワール』から護衛することだ。作戦名を『ホーリーシールド』とする。」

部屋には力強い「了解!」の声が響き渡った。

指揮官は立ち上がり、部屋を見渡した。「それではこれより、『若』と合流するチームの人選に入る。我々グリフォンズは、どんな困難にも立ち向かえる。今回の任務も例外ではない。」

部隊員たちは、それぞれの能力を発揮し、『若』と『カタ=リナの聖女』の安全を確保するために、最善の戦略を練り上げる。指揮官のもと、精鋭たちは一つになり、『ホーリーシールド』作戦の成功に向けて動き出した。シールドランドの静かな丘の下で、世界を揺るがす新たな戦いが始まろうとしていた。

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