青竜のたてがみ

み馬下諒

文字の大きさ
42 / 42

第40話

しおりを挟む

「……んっ、ジェイクさん」

 海から陸へ戻るなり、ジェイクはロンファの肩を引き寄せて接吻をした。痩せた胸に指を這わせ、太腿の黒い紐にれると、「あっ」と、ロンファが短く叫んだ。

「どうした?」

「……だって、……それは」

これ、、のことか?」

 ジェイクは、黒い紐を少し強く引いてたずねた。結び目をたしかめようとしてロンファのシャツをめくると、恥ずかしそうに口唇くちびるをふるわせた。左足のつけ根に固く結んである紐は、植物の蔦のように見えたが、布地のような繊維質でもある。

(……簡単には切れそうもないな)

 妙な質感は気になったが、青年の下半身へ目を留めたジェイクは、そっと、手のひらを添えた。先ほどまで泳いでいた肌は冷えていたが、男性器を撫でると熱を感じとれた。軽く擦りあげて興奮を煽ると、ロンファは当惑した。

「な、なにしてるの……」

「この前の続きをしようか」

 ロンファの手を引いてたいらな場所へ移動したジェイクは、濡れた前髪を指で掻きあげると、肌に張りつく衣服を脱いだ。適度に筋肉質な胸板を見せつけられたロンファは、うっとりとして、ジェイクに身をゆだねた。波の音を聞きながら、ふたりの呼吸は次第に乱れてゆく。ロンファの細い躰にかぶさって、首筋や胸もとへ舌を這わせるジェイクだが、この先の展開に迷いがしょうじた。

(このまま、最後までしていいのか? ロンファにとって性通は、重要な意味があるはずだったが……)

 なぜかロンファは無抵抗につき、ジェイクのほうで躊躇ちゅうちょした。ロンファの股をひらいて、奥まった部位へ指先で触れてみると、一瞬、ビクッと腰をふるわせたが、まぶたをとじたまま、動かない。

「ロンファ」

 試しに声をかけると、青年はパチッと目を開けた。淡い水色の双瞳ひとみにジェイクの顔が映りこむ。

「……続けても、いいのか?」

 熱を帯びて汗ばむ肌は感性を刺激し、ロンファは答えるかわりに再び瞼をとじた。その反応を正しく理解したジェイクは、互いの性器を手のなかで擦り合わせた。

(俺は、おまえを離したくない……。おまえが好きだ、ロンファ……)


✓つづく

※次話より[転生編]となります。ロンファ視点の物語です。ジェイクの出番は(しばらく)ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕ ✕
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...