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2章 冒険者として
3.マリアとアリアと謎料理
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こいつを見てくれどう思う?
目の前に広がる腐海?毒沼?瘴気のように漂っているオーラに鳥肌がががが
おかしい、材料はどこにでもあるありふれた食材だったはずだ、それが何故このような正体不明の料理?に化けたのだろう
皿に上に鎮座する真っ黒な魚?の形をした物体。
スープ皿に盛られたマグマのように真っ赤で現状でもグツグツと煮え立っている液体。
おそらく市販のものであろうか、サラダ用のドレッシングが振り掛けられているだけの根菜?人面のような物が浮き出ている[何見てんだよ!?] !!・・・喋りやがった!生きてるぞコイツ。
買ってきたパンだけど、一手間かけて工夫したという、元はフランスパンのような形だったはずの、ドーナツみたいな形の物体、これはドウ(ドウナツてんのとか言った分かってるよな?ボンクラ)ごめんなさい。
水しか口に入れる物が無いんだけど・・・・「「さあ!マモルさん、お腹一杯食べてください!」」『小僧、これも試練かもしれ・・・ププ』まさか冒険者になって2回目の依頼を受ける前に、こんな冒険をする事になるなんて!
疲れていたのか、目が覚めたのは、既に日も真上に差し掛かった昼頃の事だった。
「んーーっ!はうぁー寝過ぎたかなっと、昨日は濃い一日だったしなぁ」(濃いメンツにも囲まれていましたしね、おそようございます。マスター)
コイツの毒舌にも慣れて来たのが悲しい俺だった。
一応は冒険者として活動しながら、この世界で自分がどう生きていくのか、何が出来るのかを考えて行こうと思う。
「とりあえず、顔を洗って飯にしようか」
井戸から汲み上げた水は、とても冷たくて気持ちがよかった。
「目が覚めるなぁ、一日が始まる気がする」(半日終わってますけどね・・・ボソ)
「何か聞こえたかなぁ?あれ、ステータスにスキルのオンオフってあるなぁ、これって」(マスター!今日は一段と男前ですね。依頼をサクッとこなして受付嬢をメロメロにしましょう!)
メロメロって、しかも受付嬢どころかマスターマイクが現れた!とかテロップが流れそうな気がするんだが?
宿を出た俺は、食事をどうするか考えながら街をブラブラしていた。
「何か軽く摘まめる物があれば良いんだが、いっそギルド内にあった酒場で食事しながら、情報収集という手もあるか」(依頼を眺めるのもいいですし、ちょうどいいんじゃないですか?)
せっかく冒険者になったのだし、昼間から酒飲んでダラダラしてる、不良冒険者的なシチュエーションを経験するのもアリかと思ってしまった。
冒険者ギルドが目に入り、そういえば異世界転生物のお約束とか無いのかな?と考えていると、建物の中から見覚えのある少女が出てくる所だった。
「あー!マモルさん発見です。探しましたよ!」
昨日とは違う服装をしているが、見間違えるはずも無い、昨日助けたマリアだった。
さすがに毛布じゃ背負えないと悩んでいたら、アイテムボックス内に予備の冒険者の服があったので、サイズは違うが貸した。
サイズが自動調節される、素晴らしい機能付きの冒険者の服であった為、意外とスタイルが良いマリアをチラチラと見ていたのは内緒だ。
肩に掛かる金髪に青色の目、スレンダー体型だけど出ている所は出ている、マモルより身長は低いので上目使いに話されるとキュンとくる。
「獅子吼様の魔法で、お姉ちゃんの病気も治りました。 お世話になったマモルさんにもお礼をしなければと探していたんですよ?」
そして、手を引かれて向かった先は、アリア&マリア姉妹が住む家だった。
二階建てで、俺達の世界で言う3LDKに2階に姉妹の部屋と客室が3室ある家だそうな・・・なんと羨ましい!
「お姉ちゃん!ただいま~」
「マリア?お帰りなさい、マモルさんは見つかったのかしら?」
目の前に現れたのは、マリアと同じ金髪青目の美少女だった。
腰程まで伸ばした髪をポニーテールにして纏めてあるのだが、よほどしっかり手入れをしているのか、フンワリサラサラという言葉を形にしたような美しい髪だった。モh(ケモノじゃねぇんだからモフりたいとか言うなよ?)
ごめんなさい。
マリアに似ているが、雰囲気はどことなく妖艶といった感じで、右目の下にある泣きボクロと、ワンピースの下から激しく主張するBとHにノックアウトされそうになったのは秘密だ。
「初めまして、マモルさん。マリアの姉でアリアと申します。この度は、妹の危機に命懸けで、立ち向かって頂いた事を心より感謝致します。私の命も救って頂いたのに、自分から出向く事もせず。申し訳無く思っておりました。」
「気にしないで欲しい。俺は自分のやりたい事をやっただけだし、冒険者として依頼を受けただけだからね。元気になってくれたみたいで嬉しいよ。」
この笑顔を守れただけで、命を懸けて良かったと心から思った。
案内された先で椅子に座り、森での冒険話をしていると、あっと言う間に時間が過ぎて行った。
「獅子吼様が来て、魔法で病気を治してくださったんですが、大事を取って数日様子を見る事になり、外出は控えていたんですよ。」
『我の力も完璧では無い故にな、予想外の事が起きた場合は直接対処せねばなるまい?』
? 森で聞こえた神獣様の声はしたんだが・・・まさか足元にあるニャンコか!
『この姿は仮の姿だ、まさかそのままの姿で街に来るわけにはいくまい?』
まぁ、確かにそうだな。ギルドメンバー総員で歓迎する事になりそうだしな。(武力的な意味で)
「そうですか、有難う御座いました獅子吼様」
「マモルさん、お礼にもなりませんが、お食事だけでもと思い呼ばせて頂きました。ご都合が宜しければ食べて行ってください。」
「喜んで頂きますよ!アリアさん。」
うっひゃー美人姉妹の手作りご飯とか俺は何て幸せ者なんだーーーー!!!!
そう思っていた時が俺にもありました。冒頭に戻る
「「さあ!マモルさん、お腹一杯食べてください!」」
冷や汗が止まらない・・・どれを食べても悶絶するに違いないであろう料理の数々に、アスクレピオス戦以上の緊張に包まれた俺だが・・・どうしてこうなった、解せぬ。
「い、いやぁー嬉しいなぁ、こんな可愛い子二人に手料理を作って貰えるなんて、俺は幸せダナー・・・アッハハ・・・」
やばいやばいやばい、絶対に死ぬだろこれ、どうにかしなければ。
「あ!窓に怪しげな影が!!」「「え?どこですか?」」『む!?』
今だ!アイテムボックスに収納!
「マモルさん、誰もいませんよ?」「見間違えたんじゃないかしら?」
「アレ?見間違いかなぁ・・・」
「え?マモルさんってばもう食べちゃったんですか?」
「ん?ああ美味しかったですよ?おかわりしたいぐらいでした。早食いなんとか芸の内ってヤツですよ」
「はや?わからないですけど、気に入って貰えたなら嬉しいです。そう言ってくれるかと思っておかわりも用意してあるんですよ?」
!!!? なっなな・・なん・・だと・・・あかん・・積んだ、俺危うし!
「い、いやー食べ過ぎは良くないかなーなんて」
「そう言わず、デザートだけでも」
そう言って差し出されたプリン?のような物体を見ると・・・・ちょ、目、目が付いてるってかこっち見てるってば!
「やっぱり・・・美味しくなかったんですね?」
涙目になるアリアさんに焦る俺は・・・『往生せい、小僧』・・覚悟を決めた。
「そ、ソンナコトナイデスヨー、ワーイウレシイナー」
一気に一口でプリン?を口に入れると咀嚼した[ギャーーーー!!!!]
口の中で奏でられるプリン?の絶叫と、ほんのり甘い香りのコラボレーションを感じた後、味を理解する間もなく、俺は意識を手放した。(マスター・・・・惜しい人を亡くしました。)
「マ、マモルさーん!!!!」
こうして俺は、新たな冒険に踏み出す前に、違う意味でロマンシングストーリーを味わったのであった。
目の前に広がる腐海?毒沼?瘴気のように漂っているオーラに鳥肌がががが
おかしい、材料はどこにでもあるありふれた食材だったはずだ、それが何故このような正体不明の料理?に化けたのだろう
皿に上に鎮座する真っ黒な魚?の形をした物体。
スープ皿に盛られたマグマのように真っ赤で現状でもグツグツと煮え立っている液体。
おそらく市販のものであろうか、サラダ用のドレッシングが振り掛けられているだけの根菜?人面のような物が浮き出ている[何見てんだよ!?] !!・・・喋りやがった!生きてるぞコイツ。
買ってきたパンだけど、一手間かけて工夫したという、元はフランスパンのような形だったはずの、ドーナツみたいな形の物体、これはドウ(ドウナツてんのとか言った分かってるよな?ボンクラ)ごめんなさい。
水しか口に入れる物が無いんだけど・・・・「「さあ!マモルさん、お腹一杯食べてください!」」『小僧、これも試練かもしれ・・・ププ』まさか冒険者になって2回目の依頼を受ける前に、こんな冒険をする事になるなんて!
疲れていたのか、目が覚めたのは、既に日も真上に差し掛かった昼頃の事だった。
「んーーっ!はうぁー寝過ぎたかなっと、昨日は濃い一日だったしなぁ」(濃いメンツにも囲まれていましたしね、おそようございます。マスター)
コイツの毒舌にも慣れて来たのが悲しい俺だった。
一応は冒険者として活動しながら、この世界で自分がどう生きていくのか、何が出来るのかを考えて行こうと思う。
「とりあえず、顔を洗って飯にしようか」
井戸から汲み上げた水は、とても冷たくて気持ちがよかった。
「目が覚めるなぁ、一日が始まる気がする」(半日終わってますけどね・・・ボソ)
「何か聞こえたかなぁ?あれ、ステータスにスキルのオンオフってあるなぁ、これって」(マスター!今日は一段と男前ですね。依頼をサクッとこなして受付嬢をメロメロにしましょう!)
メロメロって、しかも受付嬢どころかマスターマイクが現れた!とかテロップが流れそうな気がするんだが?
宿を出た俺は、食事をどうするか考えながら街をブラブラしていた。
「何か軽く摘まめる物があれば良いんだが、いっそギルド内にあった酒場で食事しながら、情報収集という手もあるか」(依頼を眺めるのもいいですし、ちょうどいいんじゃないですか?)
せっかく冒険者になったのだし、昼間から酒飲んでダラダラしてる、不良冒険者的なシチュエーションを経験するのもアリかと思ってしまった。
冒険者ギルドが目に入り、そういえば異世界転生物のお約束とか無いのかな?と考えていると、建物の中から見覚えのある少女が出てくる所だった。
「あー!マモルさん発見です。探しましたよ!」
昨日とは違う服装をしているが、見間違えるはずも無い、昨日助けたマリアだった。
さすがに毛布じゃ背負えないと悩んでいたら、アイテムボックス内に予備の冒険者の服があったので、サイズは違うが貸した。
サイズが自動調節される、素晴らしい機能付きの冒険者の服であった為、意外とスタイルが良いマリアをチラチラと見ていたのは内緒だ。
肩に掛かる金髪に青色の目、スレンダー体型だけど出ている所は出ている、マモルより身長は低いので上目使いに話されるとキュンとくる。
「獅子吼様の魔法で、お姉ちゃんの病気も治りました。 お世話になったマモルさんにもお礼をしなければと探していたんですよ?」
そして、手を引かれて向かった先は、アリア&マリア姉妹が住む家だった。
二階建てで、俺達の世界で言う3LDKに2階に姉妹の部屋と客室が3室ある家だそうな・・・なんと羨ましい!
「お姉ちゃん!ただいま~」
「マリア?お帰りなさい、マモルさんは見つかったのかしら?」
目の前に現れたのは、マリアと同じ金髪青目の美少女だった。
腰程まで伸ばした髪をポニーテールにして纏めてあるのだが、よほどしっかり手入れをしているのか、フンワリサラサラという言葉を形にしたような美しい髪だった。モh(ケモノじゃねぇんだからモフりたいとか言うなよ?)
ごめんなさい。
マリアに似ているが、雰囲気はどことなく妖艶といった感じで、右目の下にある泣きボクロと、ワンピースの下から激しく主張するBとHにノックアウトされそうになったのは秘密だ。
「初めまして、マモルさん。マリアの姉でアリアと申します。この度は、妹の危機に命懸けで、立ち向かって頂いた事を心より感謝致します。私の命も救って頂いたのに、自分から出向く事もせず。申し訳無く思っておりました。」
「気にしないで欲しい。俺は自分のやりたい事をやっただけだし、冒険者として依頼を受けただけだからね。元気になってくれたみたいで嬉しいよ。」
この笑顔を守れただけで、命を懸けて良かったと心から思った。
案内された先で椅子に座り、森での冒険話をしていると、あっと言う間に時間が過ぎて行った。
「獅子吼様が来て、魔法で病気を治してくださったんですが、大事を取って数日様子を見る事になり、外出は控えていたんですよ。」
『我の力も完璧では無い故にな、予想外の事が起きた場合は直接対処せねばなるまい?』
? 森で聞こえた神獣様の声はしたんだが・・・まさか足元にあるニャンコか!
『この姿は仮の姿だ、まさかそのままの姿で街に来るわけにはいくまい?』
まぁ、確かにそうだな。ギルドメンバー総員で歓迎する事になりそうだしな。(武力的な意味で)
「そうですか、有難う御座いました獅子吼様」
「マモルさん、お礼にもなりませんが、お食事だけでもと思い呼ばせて頂きました。ご都合が宜しければ食べて行ってください。」
「喜んで頂きますよ!アリアさん。」
うっひゃー美人姉妹の手作りご飯とか俺は何て幸せ者なんだーーーー!!!!
そう思っていた時が俺にもありました。冒頭に戻る
「「さあ!マモルさん、お腹一杯食べてください!」」
冷や汗が止まらない・・・どれを食べても悶絶するに違いないであろう料理の数々に、アスクレピオス戦以上の緊張に包まれた俺だが・・・どうしてこうなった、解せぬ。
「い、いやぁー嬉しいなぁ、こんな可愛い子二人に手料理を作って貰えるなんて、俺は幸せダナー・・・アッハハ・・・」
やばいやばいやばい、絶対に死ぬだろこれ、どうにかしなければ。
「あ!窓に怪しげな影が!!」「「え?どこですか?」」『む!?』
今だ!アイテムボックスに収納!
「マモルさん、誰もいませんよ?」「見間違えたんじゃないかしら?」
「アレ?見間違いかなぁ・・・」
「え?マモルさんってばもう食べちゃったんですか?」
「ん?ああ美味しかったですよ?おかわりしたいぐらいでした。早食いなんとか芸の内ってヤツですよ」
「はや?わからないですけど、気に入って貰えたなら嬉しいです。そう言ってくれるかと思っておかわりも用意してあるんですよ?」
!!!? なっなな・・なん・・だと・・・あかん・・積んだ、俺危うし!
「い、いやー食べ過ぎは良くないかなーなんて」
「そう言わず、デザートだけでも」
そう言って差し出されたプリン?のような物体を見ると・・・・ちょ、目、目が付いてるってかこっち見てるってば!
「やっぱり・・・美味しくなかったんですね?」
涙目になるアリアさんに焦る俺は・・・『往生せい、小僧』・・覚悟を決めた。
「そ、ソンナコトナイデスヨー、ワーイウレシイナー」
一気に一口でプリン?を口に入れると咀嚼した[ギャーーーー!!!!]
口の中で奏でられるプリン?の絶叫と、ほんのり甘い香りのコラボレーションを感じた後、味を理解する間もなく、俺は意識を手放した。(マスター・・・・惜しい人を亡くしました。)
「マ、マモルさーん!!!!」
こうして俺は、新たな冒険に踏み出す前に、違う意味でロマンシングストーリーを味わったのであった。
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