異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第3章 竜人の暮らし篇

第30話 ギルド

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 宿の部屋に戻ってきた。クリアはまだ寝ていた。サレナは着替えて、優雅に本を読んでいた。

 「ただいま」 

 「お帰りなさいませ。リュート様」

 「クリアが起きるまで待つか」

 「それがいいですわ」

 この部屋には書斎みたいなところもあり、本がたくさん置いてある。せっかくだからこの世界のことを少し勉強しておこう。

 しばらく時間が経過すると、クリアが目を覚ました。

 「おはよう リュート」

 そう言って日課のキスを交わす。

 「あぁ、おはようクリア。体調は大丈夫か?」

 「うん!バッチリ」

 「よしじゃあクリアが着替えたら朝食を食べに行こうか」

 クリアが着替えるのを待ち、宿に内接しているレストランで食事をした。俺の世界のバイキング的なものだった。美味しく朝食を頂いた。

 「よし!冒険者ギルドに向かおう」

 「了解」 

 「こっちですわ」

 俺たちは宿を出発した。

 サレナについていく。しばらく歩くと、巨大な建物が姿を表した。

 「うお!デカイな!」 

 初めて見るギルドに大変興奮した。

 「中に受付がありますわ。私は既に登録しておりますので、お二人が登録してくださいませ」

 「了解。行くぜクリア」

 「うん!」 

 中に足を踏み入れる。まだ結構早い時間なのでそんなに人はいない。

 ギルドは24時間営業だ。冒険者は職業上時間に決まりがない。よってギルドは何時でも冒険者たちに対応する必要があるのだ。

 俺とクリアは受付に向かった。

 「ようこそ冒険者ギルドへ 新規登録ですか?」

 「はい そうです」

 「リュートが敬語使ってるの新鮮」

 「ま、まぁな」

 そう言えば、二人の前ではあまり敬語を使っていなかったかもしれない。俺はこういうところで日本人特有の癖が出てしまう。

 「ではこちらの紙に必要事項を書いてもう一度持ってきてください」

 「わかりました」    

 近くにペンが置いてあるテーブルがあるのでそこに行く。この世界の文字は何故か日本語だ。だから俺でも書けるし、読める。

 紙には名前、レベルまたはランク、得意な攻撃方法など様々なことを書く欄がある。そう言えば、俺はまだ武器を握ったことがない。魔法で飛ばしていたくらいだ。だからまぁ、魔法が得意ということでいいんだろう。

 そして俺とクリアは再び受け付けに向かった。そして紙を提出した。だが、

 「お兄さん?嘘はいけませんよ」

 「嘘?」

 「たまにいるんですよ。自分のランクやレベルを高く詐称する人。だから本当のランクを書いてください」

 「いや、本当のランクだが?」

 「またまたご冗談を。連れの方のランクはまだありえますけど、ランク666って何を倒したらこんなに上がるんですか。」

 イカとかタコとか鯨とかだが?

 「じゃあどうやったら証明できる?」

 「分かりましたそこまで言うなら、うちのギルドマスターと戦ってもらって勝てば認めますよ」

 「わかった。戦おう」

 「いいんですか?詳しくは知りませんけど、うちのギルドマスターレベル300以上はありますよ?」

 「余裕だよ」

 「後悔しても知りませんからね」 

 そう言って受付は俺をギルドの奥に案内する。

 「クリアちょっと行ってくる。サレナと待ってて」

 「あんまりやり過ぎないようにね?」

 「あぁ、気をつけるさ」

 そして、俺はギルドマスターと戦うことになる。
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