異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第3章 竜人の暮らし篇

第35話 依頼

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 昇級試験を終えて、サレナと合流する。

 「リュート様、昇級試験はどうでしたか?」 

 昇級試験で起こった一部始終話を話した。

 「さ、流石はリュート様ですわ。一瞬でランクを抜かれてしまいましたわ」 

 サレナは少し残念そうだ。

 「私もサレナと同じランクになったよ」

 「クリア様も、さすがですわ」

 そんな会話をしていると、ミラとルージュがやってきた。

 「リュート、話しているところすまないが、ちょっといいか?」

 「どうしたんだ?ミラ」

 「実は君たちに頼みたいことがあるんだ」

 「なんだ?」

 「最近、ダール王国周辺にやたらと強いモンスターたちが出没するんだ。その中の一体を私と協力して討伐して欲しいんだ。これはランクC以上でしか受けられないかなり危険な任務だが、受けてくれだろうか」

 「そのくらいならお安い御用だ。二人もいいよな?」

 「街の人たちが危険な目に遭うのは見過ごせないよ」

 「二度と私のような経験をして欲しくはありませんわ」

 二人はやる気満々だ。

 「せ、先生!私も同行させてください!」

 「ルージュ。君はCランクになったばっかりだ。あまり危険な目には会わせたくない」  

 「待ってるだけなんていやです!私も、みんなの役に立ちたいんです!」

 「そこまで言うなら仕方ない。くれぐれも無理をしないように」

 「はい!」

 パーティーメンバーは俺を含めて5人。このメンバーでモンスターの討伐に出かける。あれっ?よくよく考えたら、パーティーメンバーに男は俺一人だし、これってハーレムパーティーなのでは?と、余計なことを考えている間に、みんなの出発の準備が整ったようだ。

 「では、向かおうか」

 俺たちは、王都を北門から出て、北へと向かった。
 人生初クエストだ。どんな獲物がいるのだろうか。楽しみである。

 そう言えばミラやルージュはどのくらい強いのだろう。神眼を使用する。

 名前 ミラ・ヴェール
 種族 エルフ
 職業 ギルド教官
 Lv  105
 称号 緑の射手
 
 技能 上級弓術 千里眼 集中 命中強化 魔法(風、雷) 付与術(矢)

 名前 ルージュ・フロン
 種族 人
 職業 魔法使い
 Lv  50
 
 技能 魔法(火、光、闇) 幸運

 なるほど。ミラはなかなか強いが、ルージュは少しレベルが低いか。何とかカバーしよう。

 しばらく歩き、目撃情報があった地点にやってきた。近くに山があり、岩がゴロゴロころがっている岩山と言った感じの場所だ。

 「この辺りで強力なモンスターの目撃情報があった。全員、気を引き締めるように」

 その時だった。

 ゴゴゴゴゴ!大きな地震が起こった。

 「なんですの…あれは…」

 「リュート!あれ!」

 「夢じゃないのか…」

 「私たちだけで勝てるのかな…」

 クリアが指をさした先にあったのは、たった今動き始めた山だった。
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