異世界を統べるのは人ではなく竜だ

第8章 勇者の暮らし篇

第94話 魔族の進化

　ふぅ。とても気持ちよかった。俺の体液には、下位のものを強くする効果がある。魔族にも効くかどうかは不明だ。多分効くと思うのだが。

　さて、これでローザは俺の体液を体内に摂取した訳だが、どのくらい強くなったのだろうか。

　「あぁリュート、体が熱い。なんか来ちゃう…」

　すると、ローザの体が白く発光し始める。どうやら進化が始まるようだ。進化の仕方は俺たちと同じようだ。

　魔族も進化をするようだ。この辺はモンスターと一緒だ。だが、進化先の種類はあまり多くはない。通常だと、下級魔人(ローデーモン)から中級魔人(ミディアムデーモン)へ。そこから、上級魔人(ハイデーモン)になる。ごく稀にもっと上のランクに進化する個体もいるそうだ。まぁ恐らく魔王とかが、そうなんだろう。
　それ以外の進化の派生でも全てに級が存在し、下級から上級へと進化する。進化の派生としては、吸血鬼(ヴァンパイア)や無顔騎士(デュラハン)などがある。この他にも様々な魔族が存在する。

　ローザは一体何に進化するのだろうか。楽しみである。その進化を見守る。

　光の中からローザが姿を現す。

　「あぁ…これが進化…」

　ローザはあまり見た目は変わらないが、角や翼が立派になり、少し大きくなった。尻尾も長くなった。体も少し膨らみがある。

　真眼でローザのステータスを見てみる。

　名前　ローザ
　種族　下級淫魔･混神種(ローサキュバス･エンブレイス)
　rank 　52
　
　技能　魔力吸収 肉体変化

　淫魔…だと？あの淫魔か？しかも混神種。どうやら俺の体液を摂取すると、強くなれるのは本当のようだ。

　「気分はどうだ？ローザ」

　「最高！私が強くなっていく、この快感。たまらないわ」

　「そいつは良かった」

　「本当にありがとうリュート」

　すると、別の部屋に行っていた四人が戻ってくる。

　「わぁローザ！もう進化したの？」

　「素晴らしい成長速度ですわ」

　「魔族も進化するんだな」

　「凄いですよ！ローザさん！」

　「みんなのおかげよ。ありがとう」

　みんな既にローザとは打ち解けたようだ。よかったよかった。

　「私はまだまだ強くなれるよね？」 

　「あぁ。君が望む限りはな」

　これなら、ローザはまだまだ強くなれるだろう。実際まだまだ体液の摂取は出来てないような気がする。
　そんなことを考えていると、ローザの目の色が変わる。

　「リュート…私まだ足りないの。もっと体液欲しい」

　「頼まれたなら仕方ない。ベッドに移動しようか」

　「やった！体液いっぱい貰っちゃおう」

　こうして、俺たちはベッドに移動するのだった。