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第10章 それぞれの修行篇
第110話 魔器
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クリアのランクを上げながら、階層を進む。クリアを再び進化させたい。
「リュート?私のために必死になってくれるのは嬉しいんだけど、リュートは一つ見落としがあるよ?」
「えっ?」
「私、変身出来るんだよ?」
ビシャーン!体に雷が落ちたような衝撃が走る。完全に忘れていた。変身が使えるクリアは、その気になれば一時的にだが、大人の姿に戻れるのだ。
「あ、あー。そうだったね…完全に忘れてた…」
一時的なものだが、宝が戻って来て大歓喜だ。嬉しさから、あっという間に30階層に到達してしまった。
「今度は私が行く」
ローザが名乗りをあげる。正直、ローザのスキルはボス戦用のスキルがあまりない。と言うより、無い。ローザは大多数戦で輝く能力をしている。苦戦は必須だろう。だが、ローザが名乗りを上げているんだ、無下にはできない。
「ローザ。危なくなったら逃げるんだぞ?」
「わかってるよ」
ローザがボス部屋に入って行く。俺とクリアも後に続いて、部屋に入る。
そこに居たのは、
名前 スフィンクス
種族 砂漠獅子・始種(スフィンクス・ビギニング)
rank 617
称号 王墓の守護者
技能 魔法(火・風・雷) 魔法耐性 浮遊
こ、こいつは!よりにもよって、人型以外のモンスターに当たるとは…。ローザの魔法は魅了系なので、愚直な相手にはあまり相性が良くない。ランクも200以上離れている。
ローザの足元に魔法陣が現れる。
「危ないわね!」
ローザが回避すると共に魔法陣から火柱が上がる。
「いくわよ!」
棍を取り出し、突撃する。
スフィンクスは飛行して回避する。そのまま大量の魔方陣を展開する。
「くっ!」
フィールド中に雷、炎、風が放出される。ローザは避けるので精一杯だ。
「どうすれば…」
ローザの反撃の手が止まる。
「ローザ!」
クリアが叫んだ時には、既にスフィンクスはローザの近くまで接近していた。
「しまった!」
ローザはスフィンクスに激しく体をぶつけられ、吹き飛ぶ。
「あぁぁぁ!」
何とか空中で、体勢を整える。
「こんな所で、負けられない!」
その瞬間、持っていた白色の棍が、黒く変色していく。
「これは?」
「あれは!魔器か!」
俺はその禍々しい感覚に覚えがあった。ブランが装備した、グローブだ。ローザは土壇場で魔器の覚醒に成功したようだ。
どうやら魔器は、所有者が普段使用している武器が、変化して魔器に成るらしい。魔法武器を利用している魔族などローザだけだ。魔法武器が魔器に変化するとどうなるのだろうか。
「これなら行ける!いくわよ!形なき魔器!」
先程まで棍だった武器が弓に変化している。
「堕落の矢!」
ローザの魔力がこもった矢が放たれる。
矢がスフィンクスに当たると、スフィンクスはローザに洗脳された。スフィンクスはローザの眷属になった。
「やった!」
ローザは眷属を手に入れたのだった。
「リュート?私のために必死になってくれるのは嬉しいんだけど、リュートは一つ見落としがあるよ?」
「えっ?」
「私、変身出来るんだよ?」
ビシャーン!体に雷が落ちたような衝撃が走る。完全に忘れていた。変身が使えるクリアは、その気になれば一時的にだが、大人の姿に戻れるのだ。
「あ、あー。そうだったね…完全に忘れてた…」
一時的なものだが、宝が戻って来て大歓喜だ。嬉しさから、あっという間に30階層に到達してしまった。
「今度は私が行く」
ローザが名乗りをあげる。正直、ローザのスキルはボス戦用のスキルがあまりない。と言うより、無い。ローザは大多数戦で輝く能力をしている。苦戦は必須だろう。だが、ローザが名乗りを上げているんだ、無下にはできない。
「ローザ。危なくなったら逃げるんだぞ?」
「わかってるよ」
ローザがボス部屋に入って行く。俺とクリアも後に続いて、部屋に入る。
そこに居たのは、
名前 スフィンクス
種族 砂漠獅子・始種(スフィンクス・ビギニング)
rank 617
称号 王墓の守護者
技能 魔法(火・風・雷) 魔法耐性 浮遊
こ、こいつは!よりにもよって、人型以外のモンスターに当たるとは…。ローザの魔法は魅了系なので、愚直な相手にはあまり相性が良くない。ランクも200以上離れている。
ローザの足元に魔法陣が現れる。
「危ないわね!」
ローザが回避すると共に魔法陣から火柱が上がる。
「いくわよ!」
棍を取り出し、突撃する。
スフィンクスは飛行して回避する。そのまま大量の魔方陣を展開する。
「くっ!」
フィールド中に雷、炎、風が放出される。ローザは避けるので精一杯だ。
「どうすれば…」
ローザの反撃の手が止まる。
「ローザ!」
クリアが叫んだ時には、既にスフィンクスはローザの近くまで接近していた。
「しまった!」
ローザはスフィンクスに激しく体をぶつけられ、吹き飛ぶ。
「あぁぁぁ!」
何とか空中で、体勢を整える。
「こんな所で、負けられない!」
その瞬間、持っていた白色の棍が、黒く変色していく。
「これは?」
「あれは!魔器か!」
俺はその禍々しい感覚に覚えがあった。ブランが装備した、グローブだ。ローザは土壇場で魔器の覚醒に成功したようだ。
どうやら魔器は、所有者が普段使用している武器が、変化して魔器に成るらしい。魔法武器を利用している魔族などローザだけだ。魔法武器が魔器に変化するとどうなるのだろうか。
「これなら行ける!いくわよ!形なき魔器!」
先程まで棍だった武器が弓に変化している。
「堕落の矢!」
ローザの魔力がこもった矢が放たれる。
矢がスフィンクスに当たると、スフィンクスはローザに洗脳された。スフィンクスはローザの眷属になった。
「やった!」
ローザは眷属を手に入れたのだった。
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