異世界を統べるのは人ではなく竜だ

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第11章 魔族大戦篇

第132話 第一座

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 そろそろ決着が着いた頃だろうか。私は魔王様の警護と戦況の把握のため、この魔王城に残った。

 「よし、そろそろ戦況の把握を…」

 「その必要は無い」

 角の生えた白髪の男が現れた。

 「な?貴様!何者だ?」

 「俺か?まぁ通りすがりの神ってところだ」

 「神だと?ふざけるな!どうやってここへ入れた!警備兵達は、何をしている!」

 「今頃、夢の中さ」

 「ほう。どうやら只者ではないらしいな?」

 「当たり前だ。俺は魔王の首取りに来たんだ」

 「私が通すと思うか?」

 真眼で相手の能力を確認する。

 名前 バルザ
 種族 上級魔人・覇種(ハイデーモン・チャンプ)
 rank 924
 称号 魔王の右腕
 
 神号 魔界六魔[第一座]

 技能 超化 万能術 魔域 魔元

 ランクはそれなりに高いが、スキルも少なく、あまり強くはなさそうだ。

 「悪いが雑魚に興味はない」

 リュートは、刀を抜く。


 ピキっ!目の前の魔族がキレたことは直ぐにわかった。

 「雑魚だと?この魔界六魔第一座『魔元』のバルザの前でその蛮勇。いつまで持つかな?」

 「来な!」

 「遠慮なく行かせてもらおう!」

 リュートの足元に穴が現れる。足が穴に埋まり、動けなくなる。

 「動けなくしたらこっちのものだ!死ぬがいい!」

 剣を構え、切り裂いてくる。ざくっ!リュートは、なんの抵抗もなく真っ二つに切られた。

 「なんだ!大したことないじゃないか!」

 
 「まぁ夢なんだけどな?」

 「何!」

 既にバルザの後ろに回り込んでいた。

 「どうやら手を抜いたら本当に大変なことになるようだな」

 「おっ?やっと本気だすのか?」

 「魔次元デビルズ・フィールド!」

 先程まで城にいたのが、急に荒れ果てた大地に立っていた。あぁ、これが神域ならぬ魔域というものか。概ね予想通りだ。

 「この空間は私の得意な…」

 「知ってる。説明は不要だ。日輪よ、焼き尽くせ」

 魔銃コロナを召喚する。

 「俺は魔王に用がある。お前に用はないんだ。大人しく消えて貰おうか!」

 「ふざけるな!人間風情に私がやられるものか!魔器解放!」

 バルザは、杖を取り出す。

 「遅い!次元弾ディメンションバレット!」

 「ぐはぁ!」

 バルザは肩を撃ち抜かれ、魔器の杖を落としながら吹き飛んで行く。

 そのまま城の壁を突き破り、城外へ吹き飛んで行った。

 「さて、魔王退治と行こうか!」

 この時、リュートは完全に油断していた。

 「ぐぅ!しばらくは動けんか…」

 そう、バルザはまだ生きていた。バルザはほとんどの魔力を使った魔元の力で肩にめり込んだ弾丸を取り除き、一命を取り留めた。

 「魔王様…どうかご無事で…私があの人間バケモノをこの命に変えてでも仕留めます」

 そんなことも知らず、リュートは魔王の間へ向かう。

  
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