異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第15章 帝国決戦篇

第182話 心厄と生厄

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 「あなたがどうして、ここに?」

 イノセンスがソーマに聞く。

 「私は自分が侵した失敗をそのままにしておくのは気になって仕方がない質でね?私の能力を悪用されたのなら、私がきっちりとケジメをつけなくては」

 「共に戦ってくれるのか?」

 「あぁ。だが、あくまで君の援護だ。私には君ほどの戦闘力は無いのでね」

 「構わないさ。やろうぜソーマ!」

 「二人に増えたところで状況は何も変わりません。あなた方が私を超えることは不可能です」

 「そんなのやって見ないと」

 「わかりませんよ?」

 リュートとソーマの息が合う。一瞬でリュートがイノセンスの元に突撃する。

 「所詮あなたは機械。どうしても勝てない壁がある。考案インベント・ウイルス。実行エクスキューション・インストール」

 「が、がぎぎぎ!私の…ががぎぎ!かかか、体が!ぎぎぎぎ!」

 イノセンスの挙動がおかしくなる。ソーマはイノセンスの内部にコンピュータウイルスをばらまいた。

 「もらった!」

 スパッ!イノセンスの頭部が切り落とされる。体は停止し、頭部だけが動き続ける。

 「そんな…!ががが!こんな…!ぎぎぎ!簡単に負ける?」

 「おい、イノセンスとか言ったな?お前ではどうしても俺達には勝てない理由がある」

 「リュート氏。奇遇ですね。私も同じことを考えていました」

 「な、なんですか!私が勝てない理由とは?」

 「「機械は人間に創られたものだ」」

 「!?」

 「つまり、この概念がある限り、機械は人間には勝てない」

 「そして、機械というものは作り替えることが出来ます。今のあなたもプログラムを書き換えることができるという訳です」

 「だが、私には『無効』があります。あなた方が私を作り替えることなど不可能です」

 「いや」

 「できます」

 俺達は五つの災厄フィフス・ディザスター。その強さは災害クラスだ。その二人が力を合わせれば、奇跡に等しい力が意図的に行使できる。

 「私は…私は…!」

 未だにバグが治まらないイノセンスは、次第に人格が崩壊していく。

 「よし、そろそろ行けそうだな」

 「その様ですね」

 リュートは右手をソーマは左手を前に出す。

 「俺の心を乱す全てのものには…」

 「私の生み出す全てのものには…」

 「「厄災が発生する」」

 「ぐ!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 イノセンスの頭に光が降り注ぎ、イノセンスが苦しみ始める。

 「考案・新たな体。実行・生産プロダクション!」

 イノセンスの体が再構築されていく。

 「これで、新しい目覚めだ!心象創作ハート・ギフト!」

 二人の厄災の力により、イノセンスは新たな者として生まれ変わったのだった。
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