280 / 529
第18章 竜神の日常篇
第220話 海の神と成神
しおりを挟む
『海神の試練を達成しました』
海神の遣いが消滅すると同時に、脳内アナウンスが響く。
「どうやら、試練とやらは終わったらしいな」
「さっすがリュート」
「楽勝だったみたいね」
「あの海神の遣いをこうもあっさりと倒してしまうとはな…」
海神の遣いを倒したからか、空間が歪み始める。何も無かった空間の底に巨大な穴が空いている。どうやらこの先に進めるようになったようだ。
「よし、みんな!この先に進もう」
俺たちは下降を開始する。海神の遣いを倒したからと言って、この先に敵が居ない保証はない。慎重に進む。
何も無い空間を越えて、遺跡の内部のような場所にたどり着く。
「今度は遺跡か」
「リュート!あそこに何かあるよ」
クリアが指し示した先は、光が溢れだしていた。光が溢れ出している場所に近づく。
「!?」
一瞬体がグラッとして、気がつくと見知らぬ空間に居た。
「何だこの場所は…明るくて眩しいな」
俺の体は眩い空間に放り出されていた。周囲には誰もいない。体は動くが、どちらが上か下かもわからない。
「貴殿があの試練を越えしものか」
「誰だ?」
光の向こう側から何者かに話しかけられる。
「私か?私は海の神だ」
海の神だと!とんでもない大物が現れた。しかし、俺はたとえ相手が神でも態度は変えない。
「で、その神が俺に何の用だ?」
「神を前にしてもに怖気ず、態度も変えぬか。流石は私が用意した試練を越えしものだ」
海神の姿はこちらからは視認できず、 声だけが聞こえてくる。声だけでこいつが只者では無いことが伝わって来た。
「貴殿は私の用意した試練を越えた。貴殿には成神する資格があるという訳だ」
「成神だと?」
「そうだ。我々神も元は人間だ。かつて、何かの偉業を為したり、とてつもない力を手に入れたものが神となった。その神達はそれぞれ試練を配置した。その目的は同志を増やすためだ。そのために用意した人間を神にする特殊な進化を成神というのだ」
「同志を増やすだと?なんのために」
「それはもちろん。この世界を管理するためだ。世界が崩壊しないように近郊を保つのだ。神にはそれぞれ担当する分野がある。私は海の神、海を管理する者だ。海を管理する者がいるということは、陸や山、島や大陸など、様々な神がいるという訳だ。しかし、世界という概念を全て統率し、世界を管理するにはまだまだ神が足りない。だから、こうやって神は新たな神を作り出すのさ」
「それで、俺がその管理する者として選ばれたと?」
「そうだ。神になるには圧倒的な力、カリスマなど様々な条件がある。貴殿はその条件を満たしたという訳だ。貴殿は種族的には神だが、まだ正式な神になった訳では無い。成神してやっと正式な神になるのだ」
正式な神になる…ね。
「俺のメリットは?」
「神は与えられた仕事をこなしていれば、寿命がなくなり死ぬことは無くなる。そして、ある程度なら人間やモンスターを好きに扱うことができ、天界で暮らすことも出来る」
要するに神にもトップがいて、そいつの命令で働く従業員が神という訳か。そして、永遠の命にシミュレーションゲームの様に世界が扱えると言う訳か。
「どうだ?私と共に天界に来ないか?天界は神が暮らす楽園。人間では体験出来ない、この世のどんな場所よりも素晴らしい場所だ」
海の神に言われる前に、俺の答えは既に決まっていた。
「断る」
海の神へ俺はそう伝えるのだった。
海神の遣いが消滅すると同時に、脳内アナウンスが響く。
「どうやら、試練とやらは終わったらしいな」
「さっすがリュート」
「楽勝だったみたいね」
「あの海神の遣いをこうもあっさりと倒してしまうとはな…」
海神の遣いを倒したからか、空間が歪み始める。何も無かった空間の底に巨大な穴が空いている。どうやらこの先に進めるようになったようだ。
「よし、みんな!この先に進もう」
俺たちは下降を開始する。海神の遣いを倒したからと言って、この先に敵が居ない保証はない。慎重に進む。
何も無い空間を越えて、遺跡の内部のような場所にたどり着く。
「今度は遺跡か」
「リュート!あそこに何かあるよ」
クリアが指し示した先は、光が溢れだしていた。光が溢れ出している場所に近づく。
「!?」
一瞬体がグラッとして、気がつくと見知らぬ空間に居た。
「何だこの場所は…明るくて眩しいな」
俺の体は眩い空間に放り出されていた。周囲には誰もいない。体は動くが、どちらが上か下かもわからない。
「貴殿があの試練を越えしものか」
「誰だ?」
光の向こう側から何者かに話しかけられる。
「私か?私は海の神だ」
海の神だと!とんでもない大物が現れた。しかし、俺はたとえ相手が神でも態度は変えない。
「で、その神が俺に何の用だ?」
「神を前にしてもに怖気ず、態度も変えぬか。流石は私が用意した試練を越えしものだ」
海神の姿はこちらからは視認できず、 声だけが聞こえてくる。声だけでこいつが只者では無いことが伝わって来た。
「貴殿は私の用意した試練を越えた。貴殿には成神する資格があるという訳だ」
「成神だと?」
「そうだ。我々神も元は人間だ。かつて、何かの偉業を為したり、とてつもない力を手に入れたものが神となった。その神達はそれぞれ試練を配置した。その目的は同志を増やすためだ。そのために用意した人間を神にする特殊な進化を成神というのだ」
「同志を増やすだと?なんのために」
「それはもちろん。この世界を管理するためだ。世界が崩壊しないように近郊を保つのだ。神にはそれぞれ担当する分野がある。私は海の神、海を管理する者だ。海を管理する者がいるということは、陸や山、島や大陸など、様々な神がいるという訳だ。しかし、世界という概念を全て統率し、世界を管理するにはまだまだ神が足りない。だから、こうやって神は新たな神を作り出すのさ」
「それで、俺がその管理する者として選ばれたと?」
「そうだ。神になるには圧倒的な力、カリスマなど様々な条件がある。貴殿はその条件を満たしたという訳だ。貴殿は種族的には神だが、まだ正式な神になった訳では無い。成神してやっと正式な神になるのだ」
正式な神になる…ね。
「俺のメリットは?」
「神は与えられた仕事をこなしていれば、寿命がなくなり死ぬことは無くなる。そして、ある程度なら人間やモンスターを好きに扱うことができ、天界で暮らすことも出来る」
要するに神にもトップがいて、そいつの命令で働く従業員が神という訳か。そして、永遠の命にシミュレーションゲームの様に世界が扱えると言う訳か。
「どうだ?私と共に天界に来ないか?天界は神が暮らす楽園。人間では体験出来ない、この世のどんな場所よりも素晴らしい場所だ」
海の神に言われる前に、俺の答えは既に決まっていた。
「断る」
海の神へ俺はそう伝えるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる