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第2章 爆棘竜の探索篇

第18話 森での遭遇

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 ゴブリンを撃退した俺とクリアは、その後もひたすらにモンスターを撃退しながら先に進んだ。クリアは俺が弱らせた死にかけのモンスターを殴るというだけの仕事だが、それでもレベルは上がるのだろう。

 「ふぅ…だいぶ進んだな」

 「そうだね」

 緑ドラゴンの縄張りから少し北東に行った所に拠点があり、今の俺たちはそこから北をめざして進んだ。道中は森となっているが、最初に居たジャングルのような森に比べたらだいぶ開けていて、探索がしやすい。現在の太陽は頭上にあり、昼が過ぎたと言った所だろうか。

 「よし、この辺りで少し休憩しようか。お腹すいただろクリア?今から飯を調達して来るよ」

 「ありがとうリュート」

 この辺りに食料になりそうな獣は居ないか…?

 ガサガサッ!少し離れた草むらが揺れるのを発見した。

 「ブルル!」

 そこに居たのは豚に牙が生えたような獣だった。生で見たことないから分からないが、イノシシに似ているのかもしれない。

 「うん。こいつなら食えそうだな」

 バァン!その後豚が爆風で丸焼きになったのは言うまでもない。

 「クリア。飯持ってきたぞ」

 「リュートも一緒に食べようよ」

 「あぁ。俺も頂くよ」

 豚のような獣の肉を食べてみる。

 「あっ…美味い」

 「ほんとだ…美味しい」

 普通に美味しかったので、食べられそうな所は全部食べた。

 「よし、この辺りを少し探索したら拠点に戻ろうか」

 「了解」

 クリアと探索を再開する。先程の休憩場所から少し東に向かう。

 「……ぁ!…ぉ!」

 「ん?遠くで声が聞こえる?」

 「間違いなく人の声だよ!リュート、行ってみようよ」

 「わかった」

 声がする方に近づいて行く。人影を発見したので、草陰に隠れながら様子を伺う。

 「嘘でしょ?なんでこんな所に…」

 「どうするの?このままじゃ私たち、危ないよ?」

 「はい。このままでは間違いなく死にます」 

 「仕方ない。退却だ!」

 そこに居たのは冒険者四人のパーティだった。一人は戦士風の男。二人目は魔法使い風の女。三人目は武闘家風の女。四人目はフードを被っていて、性別すら分からない。

 「あ、あぁ…!ナット!あれ…!」

 パーティメンバーの魔法使いっぽい女性が俺たちが来た方向とは逆の方を指さす。

 「グギャギャ!」

 「グギィ!」

 「グギャ!」

 そこには大量のゴブリンが居た。なんて数だ。こんなに大量のゴブリンが固まっているのは初めて見た。

 「ま、まずいな…この数は流石に…」

 「ナット!あんた勇者になりたいんでしょ?このくらいでへこたれてどうすんのよ!」

 武闘家っぽい女性に鼓舞されている、戦士っぽいのがナットという男性だろう。

 「くっ…」

 ナットは剣を握る。

 「ギィ?」

 「グギギィ!」

 ゴブリンの恐ろしい顔がナットを睨む。

 「ひっ…俺には無理だぁぁぁぁ!」

 ナットは剣を捨て、仲間も捨て一人だけで逃げた。

 「あっ!あのクソ野郎逃げた!」

 「なんて最低な人…」

 「人間のクズです…」

 取り残された三人がゴブリンに追い込まれている。仕方ない…助けるか。

 「よし、クリア。クリアはここに隠れててくれ」 

 「わかった。リュートも気をつけてね」

 俺は草陰から、三人の元に飛び出した。 
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