異世界を統べるのは人ではなく竜だ

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第2章 爆棘竜の探索篇

第27話 爆剣鎧竜

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 「ん?」

 俺はさっきまで、寝ていたはずだ。それが何故か気がつくと、何も無い白い空間に居た。何時ぞやの進化する時に来た心象世界だろう。

 ここに来たということは進化できるのだろうか。

 『あなたの進化先を表示します』

 目の前にスクリーンのようなものが現れ、進化先を示す。

 <進化先>

 爆棘竜--→爆剣鎧竜

 なるほど、次の進化は『爆剣鎧竜デトネイトブレイドドラゴン』。見るからに強そうな名前だ。

 しばらく待ってみたが、他の進化には期待できないようだ。仕方が無いので、爆剣鎧竜にする。

 『進化を開始します』

 体が光初め、この空間から退去する。

 「リュート!」

 「リュートさん!」

 「ん?あぁ…朝か…」

 ミシミシ!起き上がると同時に何かが軋む音がした。

 「何だ?」

 俺の目の前にはクリアとオリアナがいる。あれ?何だか二人とも小さく見える。

 「はっ!」

 自分の体を見る。そこには巨大化した自分の姿があった。
 体長は3メートルを優に超え、厳つい体つきになっていた。翼は発達し、尻尾は鋭い剣のようになっていた。

 「げぇ!でかくなってる!」

 俺は進化の反動で拠点を破壊してしまっていた。ベッドは砕け散り、俺の体が壁と床を貫いていた。

 「だ、大丈夫?リュート」

 「お、おっきいです…」

 しまった…。軽はずみに進化なんてしなければよかった…。

 「すまん。俺は大丈夫だが、二人は大丈夫か?」

 俺は昨日二人と寝ていた。進化の反動で怪我とかしていないだろうか。

 「うん。大丈夫だよ」

 「怪我はしてないです」

 よかった。しかし、どうしたものか…。このままではまともな生活は出来ないだろう。

 「また、進化したんだねリュート」
 
 「あぁ」

 「これが進化…凄いです…」

 家から体を抜き、外に出る。見事に拠点には穴が空いた。

 「しまったな…せっかくの家が…」

 「大丈夫だよ。また探そう?」

 「そうですよ。今はリュートさんが進化したことを喜びましょうよ!」

 二人とも天使だ…。本当に感謝している。

 さて、この体の力を試してみよう。

 「はぁ!」

 ジャキン!左右の手の甲に立派な剣が生える。

 「おぉ…」

 「剣が出てきましたー!」

 クリアとオリアナの二人もその様子を眺めていた。

 バサッ!翼が発達したので、少しだけなら飛行することができるようになった。体型的に飛行にはあまり向いていないらしく、あくまで少しだけだ。

 そして、特出すべきなのはこの力だ。俺は右腕の剣で木々を切り倒してみた。
 しばらくすると、木の切り口が爆発した。どうやらこの剣にも爆破する力があるようだ。

 「よし、二人とも」

 「「はい!」」

 「新たな拠点を探すぞ!」

 こうして、俺は新たな種族に進化したのだった。
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