異世界を統べるのは人ではなく竜だ

第13章 最後の罪竜篇

第169話 闇の力、爆発

　リュート達が乗り込んだ盗賊団の隠れ家には、闇の力に呑まれた盗賊達が居た。

　「この力…前にも…」

　リュートは以前この力と同じ力の持ち主と、戦かっていた。

　「みんな気をつけろ！こいつはかなりの強敵だ！」

　「手加減はしないよ！重力操作グラヴィティプロセス！」

　クリアが盗賊達に重力をかける。盗賊達は身動きが取れなくなった。

　「ナイスだクリア！みんな！一気に畳み掛けるぞ！」

　リュート、ハーパー、ブレイズは連携攻撃を仕掛ける。

　「はぁ！」

　盗賊団リーダーのルイズが闇のオーラで三人を吹き飛ばし、三人の攻撃を無効化する。

　「こ、これが闇の力…」

　「面倒なやつだ！」

　「ちっ！あの女、厄介な能力を使う…！こうなったら仕方ない！あんたら！私に力を寄越しな」

　ルイズがそう言うと、周りにいた闇に包まれた盗賊達の体が崩壊していく。

　「何っ！これは…！」

　「そうだ。あんたらに私の真の力を見せてあげるよ！」

　盗賊達は闇の塊と化し、その闇がルイズの元へ収束する。

　「闇の力の前にひれ伏しな！」

　ルイズの闇の力がどんどん増していき、今にも爆発数前だ。

　「！？離れろ！みんな！」

　「ま、まずい！マスター！」

　「もう遅い！闇の咆哮ダークネス･ロアー！」

　闇の力がルイズから溢れ出し、周囲一体が大爆発で消し飛ぶ。洞窟は一瞬で崩壊し、隠れ家は瓦礫の下に埋まった。

　「ふぅ…。最高の気分ね…」

　闇のバリアを纏ったルイズが瓦礫を弾き飛ばして、地中から出てくる。ルイズの姿は肌は変色し、角が生え、翼と尻尾が生えた、魔人の姿になっていた。

　「これでアイツらも…」

　ルイズがそう呟くと、瓦礫が弾丸のようにルイズに飛んでいった。

　「まだ生きているなんて…あんたらも中々しぶといのね？」

　吹き飛んだ瓦礫の場所から、重力で身を守ったクリア、少し被弾したリュートとハーパー、傷だらけのブレイズと無傷のオリアナが現れた。

　「みんな！無事？」

　「ブーちゃんが…私を庇って…」

　「いや、マスター…気にするな…俺は大丈夫だ」

　「私は足をやられた…」

　「俺は角と左腕だな」

　そんなリュート達の前にルイズがふわりと降り立つ。

　「あんたら、まだ抵抗するの？諦めて逃げた方が賢明よ？」

　「闇の力をここに放置する訳には行かない！クリア！ブレイズの治療を頼む。俺がこいつの相手をする！」

　「了解！」

　「私も王に続きます！」

　「よし、ハーパー！行くぞ！」

　リュートとハーパーが武器をとり、ルイズに立ち向かった。

　「大丈夫？ブレイズ？」

　「あぁ…すまない。俺は応急処置で構わない。手が空いたらリュートを…」

　「ぐはぁ！」

　離れていたクリア達の横を何かが吹き飛んでいった。クリアがその方向をむくと、そこに居たのは血だらけのハーパーだった。