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第1話 まさか見知らぬ男の人と
1-(4) 初めての……
僕はキスどころか、恋愛もしたことが無い。片思いすらしたことがない。学校では男子だけじゃなく女子もとても怖い存在だったから。
だから、相手が女か男かなんて、僕には関係なかった。
こんなにきれいでかっこいい人が、こんなブサイクな僕にキスしてくれるなんて、ああ…………夢を見ているのかもしれない。
「いつものリュカらしくありませんね。でも、私も嬉しいですよ」
そう言って、大魔導士サマはまたキスをした。さっきよりも深い、大人がするようなキスだ。
「ん……」
下唇を甘く噛まれて、ゾクゾクと震えが走った。
体がどんどん熱くなってくる。
なにこれ、気持ちいい……。
「ん……んん……」
ちゅく、ちゅくと、いやらしい唾液の音を立てて、大魔導士サマは何度もキスしてくる。
嘘みたい……。こんなに繰り返しキスされると、まるで僕がこの人に愛されているみたいだ。
「あの、あなたは、どうして……」
僕なんかに、こんなことを……?
「エドゥアール」
「え……」
「こういうことしている時くらいは、名前を呼んで欲しい。エディと」
「エディ……」
「リュカ、今日は素直なんですね」
優しい手が、僕の下腹部にそっと触れた。
「ひゃっ」
「ふふ、もう大きくなっていますね」
「ひえ、ご、ごめんなさい。気持ち悪いですよね」
身をよじって逃れようとすると、エディは強く僕を抱きしめた。
「リュカ、あなたを気持ち悪いなんて思ったことはありません。何人の男と交わろうと、あなたはきれいなままですよ……」
うわ、またなんか変なことを言い出した。
僕は何人もと交わるどころか、まだまっさらな童貞だし、きれいだなんて生まれて初めて言われたし……。
状況が僕の脳のキャパシティーを超えていく。
そうか、夢だ。
これって、きっと、夢なんだ……。
エディは何のためらいも無しに、僕の耳や首にキスを繰り返す。
学校では不良グループに『ばい菌』とあだ名をつけられて、除菌スプレーを吹きかけられたこともある僕なのに……。
まさかそんな僕の首すじに、俳優みたいなイケメンの熱い舌が吸い付いてくるなんて。舌と唇の感触が気持ち良すぎて、力が抜けてうっとりしてしまう。
「あ……んん……」
僕の息が上がっているのを見て、エディは慣れたように貫頭衣の裾をまくり上げた。
あれ? 僕のトランクスじゃない……。
下着までも着替えさせられていたようで、生成りの変なパンツを履かされている。伸縮性が無い生地で、ゆったりしていて、ウエストはゴムじゃなくて紐で結ばれている。『ファンタジーごっこ』で下着にまでこだわるとか、本格的すぎる……。
「リュカ、今日は一段とかわいいですね」
甘く囁いて、エディは慣れた手つきでその下着の紐をするりと解いた。
うそ、やだ、やめて……と声も出ない内に、大きな手が僕の中心にじかに触れた。
「ひゃ、あっ……」
強烈な刺激に体が跳ねる。
エディは僕にキスをしながら、優しくそこを撫で始め、次第にしごくように手を動かしていく。
うそ、うそ、うそ……!
落ちたボールペンを拾ってあげただけで不幸がうつると暴言を吐かれる僕が、フォークダンスのパートナーになった女の子がおえっと吐く真似をするくらい嫌がられる僕が……こんな……こんな……。
「あっ、あっ……あんっ……」
「ふふ、可愛い声」
「あ、うそ、出ちゃう……!」
「出していいですよ」
「ああっ」
耳もとで囁かれた途端に、僕はあっけなくその手の中に達してしまった。
「ふふ、リュカがこんなにすぐイクなんて珍しい……溜まっていたんですか? でも、昨夜も勇者殿にたっぷりかわいがられたんでしょう?」
勇者? なんのことだろう?
はっ、はっ、はっと、まだ僕の息は速くて、頭がぼーっとしてしまう。
エディの手に僕の精液がべっとりついているのが見えた。
「あ、ごめんなさい……汚してしまって」
「汚れたなんて思うわけがないでしょう? リュカ、続きをしてもいいですか?」
続き? 続きって何?
エディはちゅ、ちゅ、と僕の耳たぶを舐めている。
「ダメですか? リュカ。私はもっとリュカを愛したい……いいでしょう?」
「…………は、はい……」
よく分からないまま、うなずいてしまった。
愛したいなんて言ってもらえるのはきっと最初で最後だろう。こんなに優しくしてくれるエディを拒んで、嫌われてしまうのが怖かった。
エディは僕の精液がついた手で、僕の股間を撫で始めた。
にゅるにゅるとして、気持ち悪くて、気持ちいい。
さっき出したばかりなのに、また中心が熱くなってくる。
自分の口から自分じゃないみたいな喘ぎ声が出てしまう。
「リュカ、かわいいですね」
撫でている指が少しずつ後ろへ降りていく。
「え、おしり……?」
「そう、リュカの可愛いお尻です」
指は穴の周りを撫でまわり、つぷ、と入ってくる。
一瞬、シュワっと奇妙な違和感があった。
「ん!? あっ、エディ、あの、そんなところ……」
「リュカ、今日はどうしたんです? やけに初心な反応をしますね? あ、それともそういう趣向ですか? 初めてごっこみたいな?」
ごっこじゃなくて、エディのしてくれることは何もかもがすべて初めてなんですけど?
「初めて、です……。僕、したこと無いです……」
泣きそうになりながら訴える。
エディは楽しそうに笑った。
「分かりました。たまにはそういうのも新鮮でいいですね。では今日は、処女を抱くように優しくしますね」
止めるという選択肢はないようだった。
エディはノリノリで楽しそうで、僕は現実について行くのが精一杯で、必死にエディにすがりついていた。
「いいでしょう、リュカ?」
僕は必死でうなずいた。
「はい、はい……優しく、してください……」
長い指が後ろにゆっくり入ってきて、ゆっくり出ていく。エディはそれを何度も繰り返し始めた。
「うあ……あ……」
その度に、ぞわぞわと背筋を這い上る感覚がある。
「痛いですか?」
僕は首を振った。全く痛くはなかった。
「きもちいい……」
「では、指を増やしますね」
「あ……」
指を増やされ、中をかき混ぜられ、自然と僕の腰が動く。
初めてなのに、ひとつも痛みは無くて、ただ、強い快感だけがあった。
こんなことをされて、こんなに感じるなんて、僕はどうしちゃったんだろう?
「あ、うぁっ、エディ、僕また……」
強烈な快感。
のぼりつめていく感覚。
体の置き場が無くて、両手でぎゅっとシーツをつかむ。
「何回イってもいいですよ」
優しく笑って、エディがキスしてきた。
「ん、んんんーっ」
今度は自分のお腹の上に精を吐き出してしまった。
知らない間に涙が出ていた。
エディはそれを指ですくって舐め取り、耳元で囁いた。
「私もそろそろ限界です」
僕は涙目でエディを見た。
片手でローブをたくし上げて、下着のスリットから彼のものが出される。
ああいう風になっているのか、と、僕ははぁはぁと息をしながら観察していた。
確かに、用を足すときにいちいち紐をほどくのは面倒くさそうだ。
違うことに意識をそらしていたら、ぐいっと足を開かれた。
エディが僕の上にのしかかってくる。
「リュカ、挿れますね」
挿れるって何を、いったいどこに、とはもう聞かなかった。
さっきまで指でかき回されていたところに、エディのものが押し付けられている。
「は、はい……」
あんまり怖くはなかった。
エディはゆっくりそれを入り口にこすりつけてから、ほんの少しだけ押し込んできた。
処女を抱くようにと言った通りに、入り口のところだけでちょっとずつ動かしている。
「ん……あ……」
ぞわぞわと快感が這い上る。
指よりずっと大きな質量を感じて体が震える。
エディは耳や首にいくつもキスをしてくれて、僕の体から力が抜けるのを待ってくれる。
そして、僕を怖がらせないようにとゆっくりと出し入れを繰り返す。
エディのものが少しずつ少しずつ奥へ入ってくる。
中に感じる圧迫感と、こすれるたびにビリビリと走る快感。
「大丈夫ですか……? もう少し、奥に挿れても平気……?」
エディの声も、少し上ずっている。
ああ、僕で感じてくれているんだ。
耳元のその声がとても愛しいと思った。
「全部、挿れてください……エディのを、ください…………ああっ!」
奥まで貫かれて、僕の体が跳ねた。
「ああ、あ、あ、あ、」
エディが動くたびに声が出る。
これはやっぱり夢かな……。
僕なんかの体を、まるで逃がさないという様に強く抱いて、こんなにきれいでかっこいい男の人が夢中で腰を振っているなんて……。
僕もその体にしがみついて、一緒に揺れて、一緒にあえいで、一つの獣みたいに一体になって……。
「エディ……うぁ……あ……! エディ……!」
夢中で声を出していた。
初めてのことを全部優しく教えてくれて、体中を快感で満たしてくれて、心の中を幸福感でいっぱいにしてくれた。
エディが神様みたいに思えた。
「リュカ……!」
「あ、ああっ! エディ!」
きつく抱き合ったまま、僕らの体はビクンビクンと同時に震えた。
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