異世界で美少年奴隷になっちゃった?!

緋川真望

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第6話 まさか氷の第三王子さまと

6-(3) 小さな痛みの甘い快感


 人の歯は獣みたいに尖っていないし、ジュリアンは軽く噛んでくるだけなのに、唇や舌とは明らかに違う刺激に、鼓動が速くなってしまう。

 視界を奪われたせいで、薔薇の甘い香りも、ジュリアンの息遣いも、肌に触れてくる指先の感触も、そして噛まれる痛みも、いつもより敏感に感じてしまう。

 ジュリアンは僕の肌を優しく撫でまわして、僕が甘い声を出し始めると、急に強めに噛んでくる。

「やっ……あんっ……」

 僕が小さな痛みに震えるたびに、ジュリアンの指はまた僕の体の敏感なところを優しくこすり上げてくる。
 そして僕が甘い吐息を漏らし始めると、ジュリアンは強く歯を立ててくる。

「やあっ……」

 快感と痛みが何度も何度も交互にやってきて、体の中がどんどん熱くなってくる。

「あ……ああ……」

 とろけそうな甘い刺激とピリッと来る小さな痛み……。
 繰り返されるうちに、次第にジュリアンが与えるその小さな痛みまでもが何となく気持ちいい感覚に変わってきて、僕は震えてよがり始めた。

「はぁ、あああ……」

 ジュリアンは僕の中心を優しく撫でながら太ももの柔らかいところをガブリガブリと噛んでいく。噛み千切るほど強くはないけど、きっと体中に歯形は残る……。

 レオは明日エディをここへ寄越すと言っていた。
 治療してもらえと。
 肌に残るいくつもの歯の跡をエディに見られてしまう。

「ああ、ああんっ」

 エディに見られると思ったとたんに、快感が一気に高まって僕は達してしまった。

 え……いまのは、なに……?

 太ももを噛んでいた口が離れていく。

「リュカ……」
「あっ……ごめんなさい……」

 反射的に謝ると、小さく笑う声が聞こえた。

「謝る必要は無い。何度でもイっていい」

 優しく甘い声がした直後、僕のものに歯が当てられる。
 僕はうっと息を呑んだ。
 一番弱いところに噛みつかれるという恐怖と、なぜか恐怖とは真逆の……一種の期待のようなもので、ぶるぶると体が震える。

「ふふ、かわいいな……」

 口を付けたままそう言って、ジュリアンはこれ以上ないほど優しく僕のものを舐め始めた。

「ああ、あ、あ……」

 痛みを覚悟したところに逆の刺激が来て、頭が混乱する。
 快感にビクビクと震えが走る。

 もうルーという奴隷に見られているのも、どうでもよくなってきていた。

「ああ、気持ちいい……」

 両手を鎖に縛り付けられているせいで身動きできず、気持ち良くても相手の体にすがりつくこともできない。
 僕は空気をつかむ様にぎゅっと両手の拳を握った。

「リュカ、どうされたい? この後どうして欲しい?」

 耳元で聞かれ、そちらに首を傾ける。

「抱きしめて、欲しい……です……ぎゅってして、欲しい……」

 ジュリアンはすぐ返事をくれなかった。
 呆れているのか驚いているのか、それとも焦らしているのか、ジュリアンの顔が見えないからその沈黙の意味が分からない。

「ジュリアンさまぁ……」

 僕は体中が切なくて身をよじった。
 触って欲しい、撫でて欲しい。
 噛みついてもいい。
 放って置かれるとつらい。

「ふふ、こんなにいやらしい体をしていながら、子供のようなことを言うなんて」

 僕の頬に温かい手のひらが触れた。
 柔らかいものが唇に触れて、次に湿った舌が入ってくる。僕は下手くそながらも、夢中で吸い返した。

「ん……んん……」
「かわいいな、リュカ」

 耳のすぐそばで声がして、ジュリアンの両腕が背中に回されてくる。体重をかけるようにして上からぎゅうっと抱きしめられた。
 重みが少し苦しい。でもそれ以上に、体全体に触れる肌の感触が温かくて心地いい。

「はぁ……ジュリアン様、あったかいです……」

 吐息と一緒に声を出す。

「リュカの体も温かい」

 抱きしめられたまま深く口付けられる。
 その感触が気持ち良くて、幸福感で満たされる。

 ジュリアンは身を起こしてグイっと僕の足を広げた。

「ルー」

 ジュリアンが声を出し、すぐそばで人が動く気配がした。

 うっとりとしていた僕は、それでハッとした。
 僕達の行為をずっとそばで見ていた存在を思い出し、熱い体がさらに熱くなる。

 ジュリアンが体を少し動かす。
 あ、今、ルーが近くにいる気配がする。
 洗浄薬を持って来させたのかな?
 もしかして、すぐそこで僕を見ている?
 足を広げられて丸見えになっている僕のものを見られている?

 ジュリアンは僕の後ろにつぷっと薬を入れてきた。しゅわっと中で溶ける感じはもうおなじみのものだけど、その様子を第三者に見られているかと思うと頬が熱くてたまらない。

 さっきまで、女の子みたいに喘いでいた僕の淫らな声を、ルーという男の人は何を考えながら聞いたんだろう。
それとも、こういうことは慣れっこなのかな。
 ジュリアンが誰かを抱く時は、常にそばに控えて一部始終をその目に映してきたのかもしれないけど……。

 衣擦れの音がして、ルーが離れて行ったのが分かった。

「リュカ」

 すぐ上でジュリアンの声がする。

「私だけを感じろと言ったであろう? 今はほかのことを考えるな」
「は、はい……」

 でも、誰かに見られながら抱かれるなんて初めてのことだ。
 しかも、鎖につながれて、目隠しをされて、体のあちこちをに噛みつかれるなんて……。

「その暗闇の中で、私が与える刺激を待ちなさい。次は、痛みか、快感か、その両方か」
「ジュリアン様……」

 期待か、怯えか、息が速まり、体が震える……。

「リュカ、次はどこを噛もうか」

 甘く色気のある声で問われる。

「どこを噛んで欲しい?」

 僕はいやいやというように首を振った。

「フフフ、そなたには見えないのだろうが、ここは期待ではちきれそうだぞ。先端がまた濡れてきておる」
「あ……ああ……」

 ジュリアンの指先がくりくりとそこを撫でてきて、僕の腰が淫らに揺れてしまう。

「リュカ、舌を出しなさい」

 僕は唇の間から、ちろっと舌を出してみた。

「素直だ」

 嬉しそうな吐息がすぐそばで洩れる。
 ジュリアンは僕が突き出した舌を優しく噛んだ。
 ぞわぞわと甘い痺れが背筋を走る。

「リュカ」

 僕の腰を撫でていた優しい手が太ももをすべってぬるりと後ろに入ってくる。

「ふあっ、ああっ」

 まるで待っていたように、僕は嬉しそうな声を出してしまった。

「あ……ああ……いい……」

 声を上げる僕をさらに煽るように、指が内側をこすってくれる。

「これがいいのか」
「は、い……。ジュリアン様の指、気持ちいい……」

 体が喜んでいることを、隠さずに声に出す。
 指が増やされ、深く強く入ってきて、しつこく抽挿を繰り返す。

「あ、あ、ダメ……」
「だめ?」
「ああ……イきそう……」
「リュカ」
「ああ、お願いです……指じゃなくて……もう、ください……」

 はしたなく懇願した僕の声にこたえるように、ジュリアンは指を抜き、ゆっくりと中に入って来た。

「んんーっ……!」

 ぞくぞくと全身に快感が走って、目の端から涙がこぼれたけど、それは目隠しの布に吸い込まれた。

 ジュリアンが僕を揺らすたびに、カチャンカチャンと鎖が音を立てる。

「うあ、あ、あんっ……」

 鎖の音と合奏するように、僕は嬌声を上げる。

 ジュリアンが首筋に噛みついてくる。
 今までより強く肌に食い込んでくる。

「ああっ」

 痛い。
 でも、痛くない。
 全身に甘い痺れが走って、すべてが高まっていく。

「ああ、ジュ、リア……さ……まぁ……」

 ジュリアンの体温が僕と同じに上がっていく。
 気持ち良くなればなるほど、相手の体を抱きしめたくて、両手に力を入れてしまう。でも鎖につながれているから動かせない。

 その代わりのようにジュリアンは僕を強く抱きしめてくれて、リズミカルに体を揺らし続けた。
 奥の一番気持ちいいところをトントンと押され続けて、僕は掠れた悲鳴のような声を上げ続ける。

 見えないはずの視界の奥に、光が明滅し始める。
 がくがくと体が震える。

「あ……だめ……イくっ……イっちゃうっ……」

 僕は両足をジュリアンの体にまわした。
 ジュリアンの刻むリズムがどんどん速くなる。

「あ、あ、あ、あ、…………………!!!」

 僕は呼吸も出来ないくらいに痙攣して、果てた。
 ジュリアンがさらに追い打ちをかけるように、深いところを何度も穿うがつ。
 僕は、はくはくと溺れた魚のように喘ぎながら、ジュリアンを受け入れる。
 あとちょっとでも続けられたら、多分気絶してしまう。
 耳元でうっとジュリアンが呻く。
 少し遅れてジュリアンの体もぶるっと震えて熱を放った。

「あ……はあっ、はあっ……」

 僕は酸素を求めるように口を大きく開けて呼吸を再開した。
 ジュリアンの胸も大きく波打っているのが直に伝わってくる。
 抱き合ったまま、僕の中に入ったまま、ジュリアンはじっとしている。

「……これでそなたが孕めば、私一人のものにできるのに」

 はらむ?
 って、妊娠のこと?
 この世界では男の子も妊娠するの?

 僕がきょとんとしていると、顔のすぐ近くで小さくふふっと笑う声がする。

「詮なきことを申した」

 あ、なんだ冗談か、びっくりした……。

 ジュリアンは体を起こして、ずるりと僕から出ていく。
 僕は鎖につながれたままそこに残された。

「ルー」

 またあの奴隷を呼ぶ声がする。
 目隠しは、まだ外してもらえないのかな。

 カチャカチャと何か運ぶ音がして、室内の薔薇の香りが急に強くなる。
 あの高級そうな洗浄薬の香りだ。
 ということは、ルーがジュリアンの体を洗浄しているのかな?

 少しすると、シュル、シュル、と衣擦れの音が聞こえ始める。
 多分、ルーがジュリアンに服を着せているんだ。

 王族って着替えすらも自分でやらないんだなぁ……。

 ジュリアンが身支度を整える間、僕は縛られて目隠しをされたまま、べたべたの体で放って置かれた。
 噛まれたところが、少しヒリヒリしてきていた。







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