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第9話 まさか愛する人のために
9-(2) エディが欲しい
眩しい光が消えると、僕の体を涼しい風が撫でた。
見えたのは、さざ波に煌めく青い水面……。
エディは僕を抱えたまま湖の上に浮いていた。
ぐらぐらと眩暈がするので、僕はエディの胸におでこをくっつけた。
「ごめんなさい、ヨースケ。一刻も早くあそこを離れないと、あの男を殺してしまいそうだったので」
落ち着いた優しい声で、エディは怖いことを言った。
僕はしがみつく手の力を強めた。
「こ、殺さないで……」
「ええ、分かっていますよ。ヨースケが嫌がることはしません」
微笑みながら、エディは僕に癒しの魔法をかけてくれた。
揺れていた視界が、途端にクリアになる。
僕は顔を上げて周りを見渡した。
にょっきりとまっすぐ天に向かって伸びているような木が見えた。楕円に近い形の湖を、そんな背の高い木々がぐるりと囲んでいる。木々はずっと奥まで密生して森になっているようで、その先は暗くなっていて見通すことはできない。視線を上に向けると、岩肌がむき出しになったゴツゴツとした山が、森の向こう側に大きくそそり立っていた。
静かだけど、無音ではない。風が渡るたびに揺れる葉が鳴り、何種類もの鳥の声があちらこちらから降ってくる。
「ここは……?」
「シルヴェストルの森です」
「しるべ……?」
エディがくすっと笑った。
「ヨースケ、私の名前はエドゥアール・シルヴェストルというのです」
「えどあーる、しるべすとる」
エディのフルネーム、初めて知った。
ちょっと発音しにくい。
「ええ。ここは私の故郷なんです」
ふわぁっとまた風が吹く。
エディが生まれ育った場所だと思うと、陽光を反射する湖も、木々の濃い緑も、すべてが輝くように鮮やかになる。
「きれいですね……」
エディは僕の頬にキスすると、対岸の方へ片手を上げた。
透明なカーテンが何枚も開くように、ゆらぁっと景色が揺れて、森に囲まれた湖のほとりに丸く開けた場所が現れた。きれいな円になっているから、多分人工的に作られた空き地のようだ。その真ん中にテントがあった。
「遮蔽の術をかけてあったのですよ」
僕が質問するより先にエディが説明し、そのテントの前にふわりと降り立った。
「いつかここに屋敷を建てて、魔導の研究をして暮らすのが夢でした。ここでリュカと生涯を共に生きたかったのです」
リュカと……。
僕は目を伏せた。
「ごめんなさい……リュカじゃなくて……」
エディはその場に跪いて、僕に目線を合わせてきた。
「ヨースケ。正直に告白します。私はリュカを愛していました。私のすべてを捧げてもいいと思うくらいに」
「はい……」
言われなくても感じていた。
エディがどれだけリュカを大事に思っていたか……。
エディが両手で、僕の頬を包み込む。
「そして、私は、ヨースケも愛しています」
「え」
僕はエディの顔を見返した。
「こんなことを言うと、とても不誠実な男と思うでしょうね。でも、本当のことです。私はヨースケを愛しています。この命を捧げてもいいくらいに」
膝立ちのままでエディは僕の体を抱きしめてきた。
そして、小さく言った。
「ヨースケのために死ねるくらいに」
僕の体がぶるっと震えた。
「エディ、嫌です。そんな怖いこと言わないで。エディが死んだら僕はどうしていいか分からない」
跪いて低くなっているエディの頭を抱えて必死に訴える。
「お願いです。ここに一緒にいさせてください。僕、何でもします。料理でも洗濯でも雑用でもがんばって覚えます。エディの研究の邪魔はしません。だからずっと、ずっと一緒にいさせてください」
「ヨースケ……」
エディは小さく笑って僕をじっと見た。
「そんなことを言われたら、嬉しすぎて……泣きそうです」
エディは潤んだ目で笑った。
とても、とても幸せそうな顔をしていた。
うう、好きだ。
かわいい。
すごく好きだ。
僕はエディの顔にいっぱいキスをした。
おでこにもほっぺたにもまぶたにも鼻先にも。
くすぐったそうにエディが笑い、いきなり僕を抱き上げた。
「そんなかわいいことをされたら、今にも押し倒してしまいそうじゃないですか」
そうやって笑うエディの口に僕は思いっきり吸い付いた。
「んん? ヨースケ!?」
「押し倒してください。僕はエディとしたい。いっぱいしたいです」
エディは急に真面目な顔になって僕の羽織っているスケスケローブをチョンと触った。途端にローブがさらさら崩れて消えていく。そして今度は僕の右手の包帯をチョンと触ると、それも砂みたいになって消えていった。
僕の体には、首から下げているお守りの革袋だけが残った。
全裸になった僕をつれてエディはテントへ入った。
中は暗かった。
エディが手を振ると、いくつものランタンに明かりが灯り、たくさんの本が見えた。
円形の壁を覆う本棚にすべてぎっしりと本が並んでいて、入りきらない分が床にも何百冊と積まれている。
エディは本の間を通ってベッドにまっすぐ行くと、僕を降ろした。
エディが靴を脱ぐのも待っていられなくて、僕は飛びつくようにエディに抱きついてキスをした。
柔らかい唇をいっぱい味わいたくて夢中で吸い付いた。
「ん、んん、好き、エディ好き」
その舌も歯も上あごも下あごも全部に触りたくて、がんばって舌を動かしていっぱい口の中を舐めた。
無我夢中でキスしている内にいつのまにか押し倒されて、後ろに指を入れられていた。
「んあっ」
声が出る。
エディが少し怒ったように見下ろしてくる。
「ここがまだ柔らかいですね」
そうだ。さっきまでアランとしていたから、僕の体は……。
「ごめ……あっ」
謝ろうとした時、エディが僕の足を大きく広げた。
やっぱりローブは脱がずに裾をまくり上げた格好だった。
胸の傷なんて僕は気にしないのに。
でも、エディ本人が気にしているのなら、無理に脱いでとは言えない。
そのまま、いつかのように下着のスリットから自分のものを出して、エディは僕の入り口に押し当ててくる。
「いいですか」
「はい、はい、すぐに欲しいです」
本物としたい。
幻でも代りでもなく本物と抱き合いたい。
「ヨースケ……かわいい……」
「あ、あ、んんーっ……」
エディが入って来ただけでもう嘘みたいに気持ちが良かった。
「いっぱいして……たくさん動いて……」
欲望を隠さず声に出すと、エディはそれに応えるように僕を揺らし始める。
「あっ……あ、あ、あっ」
激しく揺さぶられて、エディの黒いローブにしがみつく。指先が少し痛いのは、ローブに宝石みたいな石がたくさん縫い付けられているからだ。
ああ、そうか……と今更になって気付いた。
エディはあの時着ていた正装のままだ。
僕がさらわれたあの時から、エディは着替えもせずにすぐ追いかけてきてくれていたんだ。
「エディっ……好きっ……好きですっ……ああっ」
「ヨースケ……!」
僕を呼ぶ声が熱い。
エディの声、エディの香り、エディのリズム。
ここにいるのは本物だ。
まぎれも無い本物だ。
「嬉しい……エディ……だいすき……」
嬉しすぎて気持ち良すぎて僕はすぐに達してしまった。
エディもすぐに僕の中に出していた。
でも一度ではぜんぜんおさまらなくて、僕達はまたすぐに互いの体を求めあった。
「……好き……エディ、好き……」
ローブ越しなのがもどかしかった。
エディの胸にも背中にも触りたかった。
僕はエディの指を握ったり、耳をなぞったり、髪の毛をかき回したりした。
触われるところを全部触りたい。
エディの目が愛しそうに僕を見つめる。
キスをする。
また見つめ合う。
こんなに幸せでいいのかな。
好きが溢れて止まらない。
僕の体中全部が、エディ好き好きって叫んでいる。
いつかエディが愛玩奴隷の宿舎の前で言っていたことを、ふと思い出した。
『私は違う子を抱く気はありません』って、そう、エディは言ってくれた。
もしもエディがアベルや他の子を召し出していたら、僕は今頃嫉妬に狂ってひどい苦しみを味わったと思う。
エディの手が誰かを触ったり、エディの唇が誰かの唇に触れたりすることを想像しただけで、心臓のあたりがすごく痛いから。
エディが好き。
エディが欲しい。
エディの心の体も全部欲しい。
いつからこんなに欲張りになったんだろう。
「エディ、僕、エディが欲しいよぉ……」
しがみついて耳を甘噛みしながら呟く。
「あげますよ」
エディは何でもないことみたいに答えた。
「え……」
エディは僕とつながったままで上半身を起こした。
僕を見下ろし、心底嬉しそうに笑って言った。
「すべてあなたにあげます。私はヨースケのものですよ」
僕が手を伸ばすと、エディが起き上がらせてくれる。
僕は密着するようにエディに抱きついた。
「嬉しすぎて、ダメ……もうイきそう」
「イっていいですよ」
「でもまだエディとつながっていたい。まだ終わりたくない……」
エディがいたずらっ子みたいに、僕を見る。
「ヨースケ、今がまだ昼前だってこと、知っています?」
「え……そうでしたっけ?」
「はい。少し何かを食べて、少し休んで、それでもまだ夜じゃないですから。もう一回ゆっくり愛し合いましょう?」
もう一回ゆっくり。
僕が嬉しくて微笑むと、エディは優しくキスをしながら、ゆすゆすと体を揺らし始めた。
キスをしながら抱きしめられて体をゆすぶられるのが一番気持ちいい。
エディは僕のして欲しいリズムで揺らしてきて、僕の突いて欲しいところを突いてきて、僕の体を確実に頂点に導いていった。
「んっ、んっ、んんっ!!」
エディのローブをたくさん汚して、僕は果てた。
エディも僕の中にいっぱい出してくれた。
はぁはぁしながら抱き合っていると、心地よくて少し眠くなってくる。
「あ……あとしまつ……自分で……」
エディは僕の髪を撫でる。
「私がするから大丈夫ですよ」
「でも……」
「後でもっとたっぷりしたいので、ヨースケは少し休憩してください」
「もっとたっぷり……?」
「ええ、たっぷりです」
「えっと、なんか……う、嬉しい」
今さんざん抱き合ったのに、照れてしまって僕はエディに寄り掛かった。
優しい香りを胸いっぱいに吸いこむ。
ああ……同じ香水をつけていても、匂いは微妙に違うのだなと思った。
僕はエディの体臭を覚えたくて、少し汗ばんだ首筋に鼻と、ついでに唇を押し付けた。
「いい匂い……」
口を付けたまま声を出したら、エディがくすぐったそうに笑い声を出した。
・
見えたのは、さざ波に煌めく青い水面……。
エディは僕を抱えたまま湖の上に浮いていた。
ぐらぐらと眩暈がするので、僕はエディの胸におでこをくっつけた。
「ごめんなさい、ヨースケ。一刻も早くあそこを離れないと、あの男を殺してしまいそうだったので」
落ち着いた優しい声で、エディは怖いことを言った。
僕はしがみつく手の力を強めた。
「こ、殺さないで……」
「ええ、分かっていますよ。ヨースケが嫌がることはしません」
微笑みながら、エディは僕に癒しの魔法をかけてくれた。
揺れていた視界が、途端にクリアになる。
僕は顔を上げて周りを見渡した。
にょっきりとまっすぐ天に向かって伸びているような木が見えた。楕円に近い形の湖を、そんな背の高い木々がぐるりと囲んでいる。木々はずっと奥まで密生して森になっているようで、その先は暗くなっていて見通すことはできない。視線を上に向けると、岩肌がむき出しになったゴツゴツとした山が、森の向こう側に大きくそそり立っていた。
静かだけど、無音ではない。風が渡るたびに揺れる葉が鳴り、何種類もの鳥の声があちらこちらから降ってくる。
「ここは……?」
「シルヴェストルの森です」
「しるべ……?」
エディがくすっと笑った。
「ヨースケ、私の名前はエドゥアール・シルヴェストルというのです」
「えどあーる、しるべすとる」
エディのフルネーム、初めて知った。
ちょっと発音しにくい。
「ええ。ここは私の故郷なんです」
ふわぁっとまた風が吹く。
エディが生まれ育った場所だと思うと、陽光を反射する湖も、木々の濃い緑も、すべてが輝くように鮮やかになる。
「きれいですね……」
エディは僕の頬にキスすると、対岸の方へ片手を上げた。
透明なカーテンが何枚も開くように、ゆらぁっと景色が揺れて、森に囲まれた湖のほとりに丸く開けた場所が現れた。きれいな円になっているから、多分人工的に作られた空き地のようだ。その真ん中にテントがあった。
「遮蔽の術をかけてあったのですよ」
僕が質問するより先にエディが説明し、そのテントの前にふわりと降り立った。
「いつかここに屋敷を建てて、魔導の研究をして暮らすのが夢でした。ここでリュカと生涯を共に生きたかったのです」
リュカと……。
僕は目を伏せた。
「ごめんなさい……リュカじゃなくて……」
エディはその場に跪いて、僕に目線を合わせてきた。
「ヨースケ。正直に告白します。私はリュカを愛していました。私のすべてを捧げてもいいと思うくらいに」
「はい……」
言われなくても感じていた。
エディがどれだけリュカを大事に思っていたか……。
エディが両手で、僕の頬を包み込む。
「そして、私は、ヨースケも愛しています」
「え」
僕はエディの顔を見返した。
「こんなことを言うと、とても不誠実な男と思うでしょうね。でも、本当のことです。私はヨースケを愛しています。この命を捧げてもいいくらいに」
膝立ちのままでエディは僕の体を抱きしめてきた。
そして、小さく言った。
「ヨースケのために死ねるくらいに」
僕の体がぶるっと震えた。
「エディ、嫌です。そんな怖いこと言わないで。エディが死んだら僕はどうしていいか分からない」
跪いて低くなっているエディの頭を抱えて必死に訴える。
「お願いです。ここに一緒にいさせてください。僕、何でもします。料理でも洗濯でも雑用でもがんばって覚えます。エディの研究の邪魔はしません。だからずっと、ずっと一緒にいさせてください」
「ヨースケ……」
エディは小さく笑って僕をじっと見た。
「そんなことを言われたら、嬉しすぎて……泣きそうです」
エディは潤んだ目で笑った。
とても、とても幸せそうな顔をしていた。
うう、好きだ。
かわいい。
すごく好きだ。
僕はエディの顔にいっぱいキスをした。
おでこにもほっぺたにもまぶたにも鼻先にも。
くすぐったそうにエディが笑い、いきなり僕を抱き上げた。
「そんなかわいいことをされたら、今にも押し倒してしまいそうじゃないですか」
そうやって笑うエディの口に僕は思いっきり吸い付いた。
「んん? ヨースケ!?」
「押し倒してください。僕はエディとしたい。いっぱいしたいです」
エディは急に真面目な顔になって僕の羽織っているスケスケローブをチョンと触った。途端にローブがさらさら崩れて消えていく。そして今度は僕の右手の包帯をチョンと触ると、それも砂みたいになって消えていった。
僕の体には、首から下げているお守りの革袋だけが残った。
全裸になった僕をつれてエディはテントへ入った。
中は暗かった。
エディが手を振ると、いくつものランタンに明かりが灯り、たくさんの本が見えた。
円形の壁を覆う本棚にすべてぎっしりと本が並んでいて、入りきらない分が床にも何百冊と積まれている。
エディは本の間を通ってベッドにまっすぐ行くと、僕を降ろした。
エディが靴を脱ぐのも待っていられなくて、僕は飛びつくようにエディに抱きついてキスをした。
柔らかい唇をいっぱい味わいたくて夢中で吸い付いた。
「ん、んん、好き、エディ好き」
その舌も歯も上あごも下あごも全部に触りたくて、がんばって舌を動かしていっぱい口の中を舐めた。
無我夢中でキスしている内にいつのまにか押し倒されて、後ろに指を入れられていた。
「んあっ」
声が出る。
エディが少し怒ったように見下ろしてくる。
「ここがまだ柔らかいですね」
そうだ。さっきまでアランとしていたから、僕の体は……。
「ごめ……あっ」
謝ろうとした時、エディが僕の足を大きく広げた。
やっぱりローブは脱がずに裾をまくり上げた格好だった。
胸の傷なんて僕は気にしないのに。
でも、エディ本人が気にしているのなら、無理に脱いでとは言えない。
そのまま、いつかのように下着のスリットから自分のものを出して、エディは僕の入り口に押し当ててくる。
「いいですか」
「はい、はい、すぐに欲しいです」
本物としたい。
幻でも代りでもなく本物と抱き合いたい。
「ヨースケ……かわいい……」
「あ、あ、んんーっ……」
エディが入って来ただけでもう嘘みたいに気持ちが良かった。
「いっぱいして……たくさん動いて……」
欲望を隠さず声に出すと、エディはそれに応えるように僕を揺らし始める。
「あっ……あ、あ、あっ」
激しく揺さぶられて、エディの黒いローブにしがみつく。指先が少し痛いのは、ローブに宝石みたいな石がたくさん縫い付けられているからだ。
ああ、そうか……と今更になって気付いた。
エディはあの時着ていた正装のままだ。
僕がさらわれたあの時から、エディは着替えもせずにすぐ追いかけてきてくれていたんだ。
「エディっ……好きっ……好きですっ……ああっ」
「ヨースケ……!」
僕を呼ぶ声が熱い。
エディの声、エディの香り、エディのリズム。
ここにいるのは本物だ。
まぎれも無い本物だ。
「嬉しい……エディ……だいすき……」
嬉しすぎて気持ち良すぎて僕はすぐに達してしまった。
エディもすぐに僕の中に出していた。
でも一度ではぜんぜんおさまらなくて、僕達はまたすぐに互いの体を求めあった。
「……好き……エディ、好き……」
ローブ越しなのがもどかしかった。
エディの胸にも背中にも触りたかった。
僕はエディの指を握ったり、耳をなぞったり、髪の毛をかき回したりした。
触われるところを全部触りたい。
エディの目が愛しそうに僕を見つめる。
キスをする。
また見つめ合う。
こんなに幸せでいいのかな。
好きが溢れて止まらない。
僕の体中全部が、エディ好き好きって叫んでいる。
いつかエディが愛玩奴隷の宿舎の前で言っていたことを、ふと思い出した。
『私は違う子を抱く気はありません』って、そう、エディは言ってくれた。
もしもエディがアベルや他の子を召し出していたら、僕は今頃嫉妬に狂ってひどい苦しみを味わったと思う。
エディの手が誰かを触ったり、エディの唇が誰かの唇に触れたりすることを想像しただけで、心臓のあたりがすごく痛いから。
エディが好き。
エディが欲しい。
エディの心の体も全部欲しい。
いつからこんなに欲張りになったんだろう。
「エディ、僕、エディが欲しいよぉ……」
しがみついて耳を甘噛みしながら呟く。
「あげますよ」
エディは何でもないことみたいに答えた。
「え……」
エディは僕とつながったままで上半身を起こした。
僕を見下ろし、心底嬉しそうに笑って言った。
「すべてあなたにあげます。私はヨースケのものですよ」
僕が手を伸ばすと、エディが起き上がらせてくれる。
僕は密着するようにエディに抱きついた。
「嬉しすぎて、ダメ……もうイきそう」
「イっていいですよ」
「でもまだエディとつながっていたい。まだ終わりたくない……」
エディがいたずらっ子みたいに、僕を見る。
「ヨースケ、今がまだ昼前だってこと、知っています?」
「え……そうでしたっけ?」
「はい。少し何かを食べて、少し休んで、それでもまだ夜じゃないですから。もう一回ゆっくり愛し合いましょう?」
もう一回ゆっくり。
僕が嬉しくて微笑むと、エディは優しくキスをしながら、ゆすゆすと体を揺らし始めた。
キスをしながら抱きしめられて体をゆすぶられるのが一番気持ちいい。
エディは僕のして欲しいリズムで揺らしてきて、僕の突いて欲しいところを突いてきて、僕の体を確実に頂点に導いていった。
「んっ、んっ、んんっ!!」
エディのローブをたくさん汚して、僕は果てた。
エディも僕の中にいっぱい出してくれた。
はぁはぁしながら抱き合っていると、心地よくて少し眠くなってくる。
「あ……あとしまつ……自分で……」
エディは僕の髪を撫でる。
「私がするから大丈夫ですよ」
「でも……」
「後でもっとたっぷりしたいので、ヨースケは少し休憩してください」
「もっとたっぷり……?」
「ええ、たっぷりです」
「えっと、なんか……う、嬉しい」
今さんざん抱き合ったのに、照れてしまって僕はエディに寄り掛かった。
優しい香りを胸いっぱいに吸いこむ。
ああ……同じ香水をつけていても、匂いは微妙に違うのだなと思った。
僕はエディの体臭を覚えたくて、少し汗ばんだ首筋に鼻と、ついでに唇を押し付けた。
「いい匂い……」
口を付けたまま声を出したら、エディがくすぐったそうに笑い声を出した。
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