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第10話 まさか心から愛する人と
10-(10) 「幸福な魔導士の至高の恋人」
幸せな夢はまだ続いている。
いや、相変わらず現実感は無いのだが、これは夢ではなくまぎれもなく現実だ。
教皇自らが保証してくれた幸せな人生の始まりなのだろう。
「エディ、それでね、僕は初めてダンジョンに入ったんです」
私の愛しくかわいい恋人が、膝の上に乗っている。
私は両腕をその腹に回して抱いている。
本当はそのこめかみや頬や首筋にキスを降らせたいくらいなのだが、人目があるので我慢していた。
ヨースケは表情をくるくると動かして、今までの冒険を話してくれている。
他にまだ空いている椅子があるのに、ヨースケは当然のように私の膝に乗ってきていた。ここには勇者も剣士も王子もいるのに、私への甘い感情を隠そうともしていない。
「フィルの剣さばきは僕の目に見えないくらいの素早さで、どんどんモンスターを倒していっちゃうから、ダンジョンの地下30階まで行ったのにドラゴン以外は一匹も魔物の姿を見ていないんですよ」
これが幸せな人生。
ヨースケが微笑むだけで、私の頬が緩んでしまう。
今までの人生が特に不幸だったとは思わないのだが、それでも、やっぱり、このふわふわとした多幸感にはまだ慣れない。
「フィルは『神速の大剣士』とかに二つ名を変えた方が良いと思うんですけど」
「いや、『剛腕の大剣士』もかっこいいだろぉ」
剣士の二つ名を名付けた勇者が、口を尖らせる。
「俺は二つ名など、どうでもいいんだが」
「まぁ今さらという気もするな。もう国中に『剛腕』の名が定着してしまった感があるし」
剣士も王子も、穏やかに微笑んでいる。
癒しの魔法を受けてやっと動けるようになった私は、教皇をはじめ聖職者達へのお礼の挨拶もそこそこに世界中央教会の客用寝室のひとつに案内されていた。各国の貴人が調停のために訪れることも多いので、教会内にはこういう客室がいくつか用意されている。王侯貴族にも使われる部屋のため広さは充分あり、家具などは私の生家の館よりもよほど豪華だった。
これまでに起こった出来事のあらましは教皇の口から聞いて知っているのだが、興奮気味に冒険を話してくれるヨースケがかわいくて、私はただただ目を細めてそれに耳を傾けている。
だが、聞けば聞くほどに、この一連の出来事のすべてがヨースケを中心にして回っていたのだとあらためて思い知ることになった。
「今度エドゥアールも一緒にみんなでダンジョンへ入ろうぜ。特別にこの勇者様が冒険者の初心者講習をしてやるから」
「ほんとう? エディ、一緒に行ってもらえますか」
首をひねってヨースケが私を振り仰ぐ。
「ええ、もちろん」
「やったぁ!」
伸びあがるようにして、ヨースケは私の首に抱きついてくる。
甘えるように頬ずりをしてくるので、少々困った。
キスをしたくなってしまうし、口元がゆるんでしまうのを止められない。
「じゃぁまずは、サイズの合うローブを作らなきゃな」
私の腑抜けた顔を見ただろうに、勇者は気にせず話しかけてくる。
「え、ええ。私のローブを作らせている工房へ今度採寸に行きましょう」
「はい、嬉しいです!」
「楽しみだな、陽介」
「はい!」
ここで陽気に笑っている勇者レアンドルは、ヨースケが泣いていたという理由だけで姿を消した私を探し求め、世界教会にこの子を連れて来たという。
「ならばその時はこの魔力剣の実力を見せてやろう。これがあれば、今度はドラゴンにも楽勝できるぞ」
剣士が立ち上がり、青く透き通った柄を構えると、輝く刃が顕現する。触れただけですべてを切り裂きそうな、それは見事な薄刃だった。
「うわぁ、すごい! 瘴気が消えたから、もう魔剣じゃないんですね」
「ああ、これほど見事な魔力剣は王家に返還せねばならないかと思ったが、殿下がその必要は無いと言ってくれてな」
「ああ。すでに千年前に王家より下賜されたようなものであろう。これはヴァランタン家の宝剣だ」
「おうちの人も喜びますね」
「ああ、父上も兄上達も使いたがるだろうな」
「そういえば、それってレオが出した剣と形がぜんぜん違いますね」
「あー、まぁ、それはしょうがない。柄だけの剣というと、俺はどうしてもあの蛍光灯みたいな形しか思い浮かばないんだ」
「あはは、やっぱり? 僕もあの映画のことを考えちゃいました」
「ケイコートーとは何だ?」
「んー、説明は難しいんだが、その宝剣ちょっと貸してくれるか」
剣士と勇者は剣の話でワイワイと盛り上がっている。
この大剣士フィリベールにしても、『宝剣』をヨースケが求めているという理由だけで、先祖代々守ってきた魔剣を取りにダンジョンへ降りたのだという。
「ヨースケ、体調はどうだ? エドゥアール、魔力の補充はしてあるのか」
「はい、補充は先程済ませました」
教皇が他の魔導士に頼もうとしたのだが、それは全力で断った。私がそばにいるというのに、私以外の者の魔力をこの子の体に入れたくはない。
「体調はすごく良いです。エディが起きてからずっとウキウキしちゃって、歌って踊りたいくらいですから」
「ははは、そうか、踊っても良いぞ」
王子は何事も無かったかのように落ち着きのある表情をしている。
この第三王子ジュリアンも、ヨースケのためという理由だけで、臣下が止めるのも聞かずに危険なダンジョンへ降りたのだという。
ヨースケは魔剣をどうやって手に入れたのかということを、楽しそうに私に説明する。自分の血筋のことなど知りもしないで、王族にしか開けられない宝箱のことを話し出し、私を内心ひやひやさせた。
勇者も剣士も一瞬顔色を蒼くしたのだが、当の王子本人は穏やかな顔を崩さなかった。事実をヨースケに隠すと決めたからには、死ぬまで隠し通す覚悟を決めたのだろう。
ヨースケが何も知らずに無邪気に笑うほどに、その残酷さが浮き彫りになる。
国の名前に呪いをかけた千年前の双子の魔導士は、兄と弟が互いに強い感情を抱いていたのだと、教皇が教えてくれた。だから、ジュリアンとリュカという兄弟がその場にいたのは、偶然ではなく神による必然だったのだと……。
教皇はヨースケが持っている運命に動かされたと私に言った。
ヨースケは一途で、ひたむきで、素直で、純粋だが、それだけでは教皇という立場上軽々しく動くことは出来ない。強い運の力があったからこそ、彼女はヨースケに協力したのだ。
ヨースケは私一人を助けるために、勇者を動かし、大剣士を動かし、第三王子を動かし、世界教会の教皇までをも動かして、ついにはリッチと化した千年前の魔導士まで動かしてしまった。
命を捧げると決めた相手に、その命を助けられてしまって、私は本当にどうしようもなく途惑っている。甘い夢にドボンと落ちてきてしまったかのようで、あまりの幸福にただ途惑う。これはきっと、命の尽きる最後の最後まで、消えない途惑いなのだろう。
「だが、ひとつ腑に落ちねぇことがあるんだがな」
勇者が腕を組んで首を傾げている。
「魔導士の弟の力で呪いがとけるなら、千年前にも呪いをとくことが出来たんじゃねぇか? なんで、世界教会はそれをさせずに弟をこんな地下深くに閉じ込めておいたんだ?」
茶を飲んでいた王子は、カップをテーブルに戻した。
「神がそれを望まなかったからだろう」
「は? 神が?」
キョトンとした顔をしているのは勇者と剣士とヨースケの三人。
だいたいの見当がついているのは、教会の歴史をある程度学んだ私と王子の二人だ。
「リッチと化したルイをなぜ千年も浄化せずに放って置いたのかとレアンドルが聞いた時、教皇様は何と答えた? 神託が無かったからだと答えていただろう?」
「あ、ああ、そうだったな」
「恐らく、千年前も同じことだったんだろう。我が国の『名前』にかけられた呪いをとくようにという神託は、当時は降りてこなかった。神託が無いと、勝手に教皇は動けない」
そう言って、王子が私へ視線を寄越す。
私は同意してうなずいた。
私達は神の残酷さをよく知っている。
「勇者殿はあまり勉強をしていないようですが、世界教会と勇者の歴史を学べば分かることです。魔導士の兄が死んで『名前』の力が当時の聖職者に引き継がれて数年後に、大きな力を持つ偽神が暴れたという記録があります」
「は……?」
勇者が意味を計りかねるように眉をしかめる。
「その偽神討伐のために、『名前』の持つ大きな魔力は必要だったのでしょう。『名前』を受け継いだ聖職者が勇者に力を貸したと記録が残っています」
「ん? ちょい待て。じゃぁ、数年後に偽神が現れるのが分かっていたから、呪いをとかずにとっておいたってことか?」
「そうです。『名前』の膨大な力は、神にとって利用価値が大きかったのでしょう」
ヨースケが私のローブをぎゅっと握った。
「じゃぁ、ロイとルイはそのために……? 本当はすぐに救えたのに千年間もそのまま……?」
「ええ、そうでしょうね。今までにも、『名前』の大きな力は様々な脅威を退けるのに使われてきましたから」
世界の平穏のために、二人は犠牲になった。
あまり、ヨースケには聞かせたくない話だが……。
「神は、一人一人の幸せのためには存在しない。世界のバランスを保つために存在している」
王子の声が冷たく響いた。
「あまり、気持ちの良い話では無いな」
「胸糞悪い話だ」
剣士の顔が引きつり、勇者は悪態をついている。
ヨースケの手が急に私の頬に触れてきた。確かめるように撫でて、不安そうに見上げてくる。
「エディは大丈夫ですよね……」
私はその手の上に手を重ねて、微笑んで見せた。
「はい。ヨースケのおかげです」
「そうだな、ヨースケが必死にお願いしたからじゃねぇか」
「おお、あのお守りを通じて、祈りが届いたのかもしれないぞ」
ヨースケは自分の胸元をぎゅっとつかんだ。
そこに、砕け散ってしまったリュカのお守りが入っているのだろう。
「三つ目の神様、エディを助けてくれてありがとうございます」
目を閉じて感謝の祈りを捧げる姿は、素直すぎて美しい。
小さき神によって、本物の神が動くことはまず無いと言っていい。
世界のバランスのために、今回はちょうど良かったというだけだろう。
千年も経った今になって『名前』の力と呪いが解放されたのは、神にとっての利用価値よりもリスクの方が大きくなってしまったからだ。長年引き継がれていく内に力は少しずつ不安定になっていた。私のように理性に乏しいものが使い続けると、偽神よりも大きな災いを起こすかもしれなかったのだと思う。
だが。
だが、もしかしたら、とふと考える。
もしかしたらヨースケは特別なのかもしれない。
異世界から来たこの子は神の寵愛を受けていて、誰からも好かれて、望み通りに事を動かしていく。
ふっと笑みが漏れた。
違う。ヨースケを至高の存在と思っているのは、私の心だ。
そこに神は関係が無い。
場の空気を変えたくなって、違う方向に話題を振ってみる。
「そういえば、呪いをとくのは大変だったらしいですね」
私がにこやかに言うと、全員がすごい形相でこちらを見た。
「大変どころじゃねぇぞ!」
「あれは地獄だ、本物の地獄だ!」
「ああ、いつ気を失ったのかも覚えていない。よくぞあれだけの作業をあの少人数でこなしたものだ」
あまりの剣幕に驚く。
教皇は軽い口調で「大変だったのよ」と言っただけだったが。
「あのね、あの時、エディの胸からね、こーんなに」
私の膝からぴょんと飛び降りて、ヨースケが両手を広げてタタタッと部屋の隅まで走っていく。
「こーんなに、いっぱい出てきたんです! 髪の毛みたいな細いうねうねしたのが、いーっぱいいーっぱい! 教皇様は数十億本はあるでしょうって!」
興奮気味に大きな声を出すヨースケに次いで、王子が説明する。
「魔導士の弟のルイがヨースケに取り憑いて、エドゥアールの中にあるものを具現化して見せたのだ。名前と呪いがからまって細い糸のようになっているものが数十億本、すべてが複雑にからみ合っていた」
またタタタッとヨースケが戻ってくる。
「それでね、ルイがこう指揮者みたいに両手を構えたから、僕はこう、ものすごいスペクタクルなとんでもない魔法を見せてくれると思ったんです! そしたら! ルイはこの髪の毛みたいなものをおもむろにつまんだかと思うと、指先でちまちまちまちま……」
と、ヨースケは両手で糸をほぐすような仕草をする。
「あははは、そうだったな。あれには気が抜けたというか笑っちまったと言うか」
勇者が思い出し笑いをしている。
「はい。びっくりしました。呪いをとくっていうのは、すごく細かくて繊細な作業だったんです」
「作業……」
「はい。その細い糸みたいなものを吹き飛ばしたり千切っちゃったりすると、一緒くたにからまっているルイのお兄さんの魂も、エディの心臓も、傷がついて取り返しがつかなくなるって………。それで、僕の体を乗っ取ったルイは一心不乱に指を動かして、ちまちまちまちま……そうやっていつまでも、ちまちまちまちま……」
思い出したように王子がくすくすと笑う。
「見かねた教皇様がルイに尋ねたんだ。すべて終わるのにどのくらいかかるのかと。そうしたら、十日くらいだなどと答えるから……」
「ああ、ルイはリッチだから不眠不休で十日くらいは何でもないだろうが、それじゃ取り憑かれているヨースケが死んじまうからな」
「教皇様が、こうなったらここにいる全員で取り掛かりましょう!と言い出して」
勇者も剣士も苦笑しているが、私は首を傾げた。
「全員でって、そんな簡単にできるものですか? 今まで誰にも手を出せなかった『名前』の呪いを、呪いをかけた本人以外にもほどくことが可能なんでしょうか」
「ああ、あいつが目に見える形に具現化してくれたからな」
「根気よく魔力を使ってほどいていくと、一本ずつ消えていくんだ。最初は面白かったが、それが永遠に続く作業となるとな……」
「教皇様はその現象を元の持ち主に還るのよって言っていました」
私は首を傾げた。
「持ち主といっても、千年前の人々から名前を奪ったのですから、もう死んでいますよね?」
「ああ、世界中にある墓の中にでも戻って行ったんじゃねぇか?」
「よく分かんないんですけど、ちゃんとほどけると、一本ずつスーッと消えていったんです……。それで、全員でずーっと、ちまちまちまちま……」
ヨースケは手元で指を動かし続け、他の三人はどこか遠い目をして溜息をついた。
「結局、丸一日以上かかったんじゃねぇか?」
「よく分からんな。聖職者達は交代していたようだが、俺達は途中で気を失っていた」
「それは、なんというか……ありがとうございました」
「いや、あれはあれで貴重な経験であった」
「ああ、千年前の呪いをといたんだからな」
「おお、歴史に関わったって感じだったな」
勇者も剣士も王子も、鷹揚に笑った。
「もう、苦しくないですか」
ヨースケが私を見上げてくる。
「はい。もうすっかり、体が軽くて気持ちがいいですよ」
ヨースケが両手を広げたので、私は脇の下に手を入れて抱き上げた。
膝に座ると、ヨースケが私に抱きつき、右手でそっと胸のあたりを撫でてくる。
「エディ」
「はい」
「もうこの中に怖いものは無いんですよね」
「ええ、すっかり無くなりました」
「じゃぁこれからは僕に裸を見せてくれますか」
「ええ、これからはもちろ……ん……」
私の裸などいくらでも、と答えようとして、人の目があることに気付く。
無意識なのか天然なのか、ヨースケはぎゅうっと胸に抱きついてきて顔を隠してしまった。
私は突然言われたことの意味を考えてしまって、耳がかぁっと熱くなってくるのを隠すことはできなかった。
平静を装いつつも、こくんと喉が鳴る。
ああ、他の三人の顔を見られない。
つい数日前は死ぬつもりだったのに、今は私の腕の中にヨースケがいる。
勇者でも剣士でも王子でもなく、私の裸が見たいと甘えている。
こんなに幸福でいいんだろうか。気付けばいつのまにか死の淵から救い出されていて、愛しい人からまっすぐに愛情を向けられていて、味わったことの無い喜びの渦の中でただひたすら途惑っている。
だが、途惑いに流されているだけではいけないだろう。
この子が私を望んでくれるのならば、最低限のけじめをつけなければならない。
「勇者殿」
「ああ」
「ヨースケの専属契約を切ってもらえますか」
「ああ」
「対価は」
「必要ない」
「ですが」
専属契約のために勇者が王宮に支払った額はけして少なくないはずだ。
「お前が金を払うと、ヨースケを金で買ったことになっちまうだろうが」
「あ………それは、そうですが、このままというわけにも」
「複雑に考えるなよ。お前は俺達のことまで考えなくていい。エドゥアールはヨースケに救われた命を、ヨースケのためにだけ使えばいいんだ」
とっさに何を言えばいいか分からなくなった私の肩を、ばんっと勇者が叩いた。
「んじゃ、俺らは教皇の婆さんところに行くからさ」
三人は当たり前のようにすっと立ち上がった。
「レオ」
私の膝から降りて、ヨースケは勇者を呼び止めた。
「ん? なんだ?」
ヨースケは両手を前で会わせて、深く腰を折り曲げた。
「勇者レアンドル様、本当にありがとうございます」
「ああ……」
勇者は同じようにヨースケに向かって頭を下げると、少し涙ぐんだ顔で出て行った。
「フィルもジュリアン様も、本当にありがとうございました」
剣士と王子も微笑んで、勇者の後に続いて行く。
三人が出て行っても、ヨースケは深く腰を折った姿勢のまま動かなかった。
きっとこれは、異世界での礼儀作法なのだろう。
しばらくして、ヨースケはくるりと向き直り私の体に抱きついてきた。
そして、熱を含んだ甘い声で言った。
「エディ、僕はエディの胸が見たいです」
「ヨースケが望むならいくらでも」
私は自分の着ているローブに手をかけた。
・
いや、相変わらず現実感は無いのだが、これは夢ではなくまぎれもなく現実だ。
教皇自らが保証してくれた幸せな人生の始まりなのだろう。
「エディ、それでね、僕は初めてダンジョンに入ったんです」
私の愛しくかわいい恋人が、膝の上に乗っている。
私は両腕をその腹に回して抱いている。
本当はそのこめかみや頬や首筋にキスを降らせたいくらいなのだが、人目があるので我慢していた。
ヨースケは表情をくるくると動かして、今までの冒険を話してくれている。
他にまだ空いている椅子があるのに、ヨースケは当然のように私の膝に乗ってきていた。ここには勇者も剣士も王子もいるのに、私への甘い感情を隠そうともしていない。
「フィルの剣さばきは僕の目に見えないくらいの素早さで、どんどんモンスターを倒していっちゃうから、ダンジョンの地下30階まで行ったのにドラゴン以外は一匹も魔物の姿を見ていないんですよ」
これが幸せな人生。
ヨースケが微笑むだけで、私の頬が緩んでしまう。
今までの人生が特に不幸だったとは思わないのだが、それでも、やっぱり、このふわふわとした多幸感にはまだ慣れない。
「フィルは『神速の大剣士』とかに二つ名を変えた方が良いと思うんですけど」
「いや、『剛腕の大剣士』もかっこいいだろぉ」
剣士の二つ名を名付けた勇者が、口を尖らせる。
「俺は二つ名など、どうでもいいんだが」
「まぁ今さらという気もするな。もう国中に『剛腕』の名が定着してしまった感があるし」
剣士も王子も、穏やかに微笑んでいる。
癒しの魔法を受けてやっと動けるようになった私は、教皇をはじめ聖職者達へのお礼の挨拶もそこそこに世界中央教会の客用寝室のひとつに案内されていた。各国の貴人が調停のために訪れることも多いので、教会内にはこういう客室がいくつか用意されている。王侯貴族にも使われる部屋のため広さは充分あり、家具などは私の生家の館よりもよほど豪華だった。
これまでに起こった出来事のあらましは教皇の口から聞いて知っているのだが、興奮気味に冒険を話してくれるヨースケがかわいくて、私はただただ目を細めてそれに耳を傾けている。
だが、聞けば聞くほどに、この一連の出来事のすべてがヨースケを中心にして回っていたのだとあらためて思い知ることになった。
「今度エドゥアールも一緒にみんなでダンジョンへ入ろうぜ。特別にこの勇者様が冒険者の初心者講習をしてやるから」
「ほんとう? エディ、一緒に行ってもらえますか」
首をひねってヨースケが私を振り仰ぐ。
「ええ、もちろん」
「やったぁ!」
伸びあがるようにして、ヨースケは私の首に抱きついてくる。
甘えるように頬ずりをしてくるので、少々困った。
キスをしたくなってしまうし、口元がゆるんでしまうのを止められない。
「じゃぁまずは、サイズの合うローブを作らなきゃな」
私の腑抜けた顔を見ただろうに、勇者は気にせず話しかけてくる。
「え、ええ。私のローブを作らせている工房へ今度採寸に行きましょう」
「はい、嬉しいです!」
「楽しみだな、陽介」
「はい!」
ここで陽気に笑っている勇者レアンドルは、ヨースケが泣いていたという理由だけで姿を消した私を探し求め、世界教会にこの子を連れて来たという。
「ならばその時はこの魔力剣の実力を見せてやろう。これがあれば、今度はドラゴンにも楽勝できるぞ」
剣士が立ち上がり、青く透き通った柄を構えると、輝く刃が顕現する。触れただけですべてを切り裂きそうな、それは見事な薄刃だった。
「うわぁ、すごい! 瘴気が消えたから、もう魔剣じゃないんですね」
「ああ、これほど見事な魔力剣は王家に返還せねばならないかと思ったが、殿下がその必要は無いと言ってくれてな」
「ああ。すでに千年前に王家より下賜されたようなものであろう。これはヴァランタン家の宝剣だ」
「おうちの人も喜びますね」
「ああ、父上も兄上達も使いたがるだろうな」
「そういえば、それってレオが出した剣と形がぜんぜん違いますね」
「あー、まぁ、それはしょうがない。柄だけの剣というと、俺はどうしてもあの蛍光灯みたいな形しか思い浮かばないんだ」
「あはは、やっぱり? 僕もあの映画のことを考えちゃいました」
「ケイコートーとは何だ?」
「んー、説明は難しいんだが、その宝剣ちょっと貸してくれるか」
剣士と勇者は剣の話でワイワイと盛り上がっている。
この大剣士フィリベールにしても、『宝剣』をヨースケが求めているという理由だけで、先祖代々守ってきた魔剣を取りにダンジョンへ降りたのだという。
「ヨースケ、体調はどうだ? エドゥアール、魔力の補充はしてあるのか」
「はい、補充は先程済ませました」
教皇が他の魔導士に頼もうとしたのだが、それは全力で断った。私がそばにいるというのに、私以外の者の魔力をこの子の体に入れたくはない。
「体調はすごく良いです。エディが起きてからずっとウキウキしちゃって、歌って踊りたいくらいですから」
「ははは、そうか、踊っても良いぞ」
王子は何事も無かったかのように落ち着きのある表情をしている。
この第三王子ジュリアンも、ヨースケのためという理由だけで、臣下が止めるのも聞かずに危険なダンジョンへ降りたのだという。
ヨースケは魔剣をどうやって手に入れたのかということを、楽しそうに私に説明する。自分の血筋のことなど知りもしないで、王族にしか開けられない宝箱のことを話し出し、私を内心ひやひやさせた。
勇者も剣士も一瞬顔色を蒼くしたのだが、当の王子本人は穏やかな顔を崩さなかった。事実をヨースケに隠すと決めたからには、死ぬまで隠し通す覚悟を決めたのだろう。
ヨースケが何も知らずに無邪気に笑うほどに、その残酷さが浮き彫りになる。
国の名前に呪いをかけた千年前の双子の魔導士は、兄と弟が互いに強い感情を抱いていたのだと、教皇が教えてくれた。だから、ジュリアンとリュカという兄弟がその場にいたのは、偶然ではなく神による必然だったのだと……。
教皇はヨースケが持っている運命に動かされたと私に言った。
ヨースケは一途で、ひたむきで、素直で、純粋だが、それだけでは教皇という立場上軽々しく動くことは出来ない。強い運の力があったからこそ、彼女はヨースケに協力したのだ。
ヨースケは私一人を助けるために、勇者を動かし、大剣士を動かし、第三王子を動かし、世界教会の教皇までをも動かして、ついにはリッチと化した千年前の魔導士まで動かしてしまった。
命を捧げると決めた相手に、その命を助けられてしまって、私は本当にどうしようもなく途惑っている。甘い夢にドボンと落ちてきてしまったかのようで、あまりの幸福にただ途惑う。これはきっと、命の尽きる最後の最後まで、消えない途惑いなのだろう。
「だが、ひとつ腑に落ちねぇことがあるんだがな」
勇者が腕を組んで首を傾げている。
「魔導士の弟の力で呪いがとけるなら、千年前にも呪いをとくことが出来たんじゃねぇか? なんで、世界教会はそれをさせずに弟をこんな地下深くに閉じ込めておいたんだ?」
茶を飲んでいた王子は、カップをテーブルに戻した。
「神がそれを望まなかったからだろう」
「は? 神が?」
キョトンとした顔をしているのは勇者と剣士とヨースケの三人。
だいたいの見当がついているのは、教会の歴史をある程度学んだ私と王子の二人だ。
「リッチと化したルイをなぜ千年も浄化せずに放って置いたのかとレアンドルが聞いた時、教皇様は何と答えた? 神託が無かったからだと答えていただろう?」
「あ、ああ、そうだったな」
「恐らく、千年前も同じことだったんだろう。我が国の『名前』にかけられた呪いをとくようにという神託は、当時は降りてこなかった。神託が無いと、勝手に教皇は動けない」
そう言って、王子が私へ視線を寄越す。
私は同意してうなずいた。
私達は神の残酷さをよく知っている。
「勇者殿はあまり勉強をしていないようですが、世界教会と勇者の歴史を学べば分かることです。魔導士の兄が死んで『名前』の力が当時の聖職者に引き継がれて数年後に、大きな力を持つ偽神が暴れたという記録があります」
「は……?」
勇者が意味を計りかねるように眉をしかめる。
「その偽神討伐のために、『名前』の持つ大きな魔力は必要だったのでしょう。『名前』を受け継いだ聖職者が勇者に力を貸したと記録が残っています」
「ん? ちょい待て。じゃぁ、数年後に偽神が現れるのが分かっていたから、呪いをとかずにとっておいたってことか?」
「そうです。『名前』の膨大な力は、神にとって利用価値が大きかったのでしょう」
ヨースケが私のローブをぎゅっと握った。
「じゃぁ、ロイとルイはそのために……? 本当はすぐに救えたのに千年間もそのまま……?」
「ええ、そうでしょうね。今までにも、『名前』の大きな力は様々な脅威を退けるのに使われてきましたから」
世界の平穏のために、二人は犠牲になった。
あまり、ヨースケには聞かせたくない話だが……。
「神は、一人一人の幸せのためには存在しない。世界のバランスを保つために存在している」
王子の声が冷たく響いた。
「あまり、気持ちの良い話では無いな」
「胸糞悪い話だ」
剣士の顔が引きつり、勇者は悪態をついている。
ヨースケの手が急に私の頬に触れてきた。確かめるように撫でて、不安そうに見上げてくる。
「エディは大丈夫ですよね……」
私はその手の上に手を重ねて、微笑んで見せた。
「はい。ヨースケのおかげです」
「そうだな、ヨースケが必死にお願いしたからじゃねぇか」
「おお、あのお守りを通じて、祈りが届いたのかもしれないぞ」
ヨースケは自分の胸元をぎゅっとつかんだ。
そこに、砕け散ってしまったリュカのお守りが入っているのだろう。
「三つ目の神様、エディを助けてくれてありがとうございます」
目を閉じて感謝の祈りを捧げる姿は、素直すぎて美しい。
小さき神によって、本物の神が動くことはまず無いと言っていい。
世界のバランスのために、今回はちょうど良かったというだけだろう。
千年も経った今になって『名前』の力と呪いが解放されたのは、神にとっての利用価値よりもリスクの方が大きくなってしまったからだ。長年引き継がれていく内に力は少しずつ不安定になっていた。私のように理性に乏しいものが使い続けると、偽神よりも大きな災いを起こすかもしれなかったのだと思う。
だが。
だが、もしかしたら、とふと考える。
もしかしたらヨースケは特別なのかもしれない。
異世界から来たこの子は神の寵愛を受けていて、誰からも好かれて、望み通りに事を動かしていく。
ふっと笑みが漏れた。
違う。ヨースケを至高の存在と思っているのは、私の心だ。
そこに神は関係が無い。
場の空気を変えたくなって、違う方向に話題を振ってみる。
「そういえば、呪いをとくのは大変だったらしいですね」
私がにこやかに言うと、全員がすごい形相でこちらを見た。
「大変どころじゃねぇぞ!」
「あれは地獄だ、本物の地獄だ!」
「ああ、いつ気を失ったのかも覚えていない。よくぞあれだけの作業をあの少人数でこなしたものだ」
あまりの剣幕に驚く。
教皇は軽い口調で「大変だったのよ」と言っただけだったが。
「あのね、あの時、エディの胸からね、こーんなに」
私の膝からぴょんと飛び降りて、ヨースケが両手を広げてタタタッと部屋の隅まで走っていく。
「こーんなに、いっぱい出てきたんです! 髪の毛みたいな細いうねうねしたのが、いーっぱいいーっぱい! 教皇様は数十億本はあるでしょうって!」
興奮気味に大きな声を出すヨースケに次いで、王子が説明する。
「魔導士の弟のルイがヨースケに取り憑いて、エドゥアールの中にあるものを具現化して見せたのだ。名前と呪いがからまって細い糸のようになっているものが数十億本、すべてが複雑にからみ合っていた」
またタタタッとヨースケが戻ってくる。
「それでね、ルイがこう指揮者みたいに両手を構えたから、僕はこう、ものすごいスペクタクルなとんでもない魔法を見せてくれると思ったんです! そしたら! ルイはこの髪の毛みたいなものをおもむろにつまんだかと思うと、指先でちまちまちまちま……」
と、ヨースケは両手で糸をほぐすような仕草をする。
「あははは、そうだったな。あれには気が抜けたというか笑っちまったと言うか」
勇者が思い出し笑いをしている。
「はい。びっくりしました。呪いをとくっていうのは、すごく細かくて繊細な作業だったんです」
「作業……」
「はい。その細い糸みたいなものを吹き飛ばしたり千切っちゃったりすると、一緒くたにからまっているルイのお兄さんの魂も、エディの心臓も、傷がついて取り返しがつかなくなるって………。それで、僕の体を乗っ取ったルイは一心不乱に指を動かして、ちまちまちまちま……そうやっていつまでも、ちまちまちまちま……」
思い出したように王子がくすくすと笑う。
「見かねた教皇様がルイに尋ねたんだ。すべて終わるのにどのくらいかかるのかと。そうしたら、十日くらいだなどと答えるから……」
「ああ、ルイはリッチだから不眠不休で十日くらいは何でもないだろうが、それじゃ取り憑かれているヨースケが死んじまうからな」
「教皇様が、こうなったらここにいる全員で取り掛かりましょう!と言い出して」
勇者も剣士も苦笑しているが、私は首を傾げた。
「全員でって、そんな簡単にできるものですか? 今まで誰にも手を出せなかった『名前』の呪いを、呪いをかけた本人以外にもほどくことが可能なんでしょうか」
「ああ、あいつが目に見える形に具現化してくれたからな」
「根気よく魔力を使ってほどいていくと、一本ずつ消えていくんだ。最初は面白かったが、それが永遠に続く作業となるとな……」
「教皇様はその現象を元の持ち主に還るのよって言っていました」
私は首を傾げた。
「持ち主といっても、千年前の人々から名前を奪ったのですから、もう死んでいますよね?」
「ああ、世界中にある墓の中にでも戻って行ったんじゃねぇか?」
「よく分かんないんですけど、ちゃんとほどけると、一本ずつスーッと消えていったんです……。それで、全員でずーっと、ちまちまちまちま……」
ヨースケは手元で指を動かし続け、他の三人はどこか遠い目をして溜息をついた。
「結局、丸一日以上かかったんじゃねぇか?」
「よく分からんな。聖職者達は交代していたようだが、俺達は途中で気を失っていた」
「それは、なんというか……ありがとうございました」
「いや、あれはあれで貴重な経験であった」
「ああ、千年前の呪いをといたんだからな」
「おお、歴史に関わったって感じだったな」
勇者も剣士も王子も、鷹揚に笑った。
「もう、苦しくないですか」
ヨースケが私を見上げてくる。
「はい。もうすっかり、体が軽くて気持ちがいいですよ」
ヨースケが両手を広げたので、私は脇の下に手を入れて抱き上げた。
膝に座ると、ヨースケが私に抱きつき、右手でそっと胸のあたりを撫でてくる。
「エディ」
「はい」
「もうこの中に怖いものは無いんですよね」
「ええ、すっかり無くなりました」
「じゃぁこれからは僕に裸を見せてくれますか」
「ええ、これからはもちろ……ん……」
私の裸などいくらでも、と答えようとして、人の目があることに気付く。
無意識なのか天然なのか、ヨースケはぎゅうっと胸に抱きついてきて顔を隠してしまった。
私は突然言われたことの意味を考えてしまって、耳がかぁっと熱くなってくるのを隠すことはできなかった。
平静を装いつつも、こくんと喉が鳴る。
ああ、他の三人の顔を見られない。
つい数日前は死ぬつもりだったのに、今は私の腕の中にヨースケがいる。
勇者でも剣士でも王子でもなく、私の裸が見たいと甘えている。
こんなに幸福でいいんだろうか。気付けばいつのまにか死の淵から救い出されていて、愛しい人からまっすぐに愛情を向けられていて、味わったことの無い喜びの渦の中でただひたすら途惑っている。
だが、途惑いに流されているだけではいけないだろう。
この子が私を望んでくれるのならば、最低限のけじめをつけなければならない。
「勇者殿」
「ああ」
「ヨースケの専属契約を切ってもらえますか」
「ああ」
「対価は」
「必要ない」
「ですが」
専属契約のために勇者が王宮に支払った額はけして少なくないはずだ。
「お前が金を払うと、ヨースケを金で買ったことになっちまうだろうが」
「あ………それは、そうですが、このままというわけにも」
「複雑に考えるなよ。お前は俺達のことまで考えなくていい。エドゥアールはヨースケに救われた命を、ヨースケのためにだけ使えばいいんだ」
とっさに何を言えばいいか分からなくなった私の肩を、ばんっと勇者が叩いた。
「んじゃ、俺らは教皇の婆さんところに行くからさ」
三人は当たり前のようにすっと立ち上がった。
「レオ」
私の膝から降りて、ヨースケは勇者を呼び止めた。
「ん? なんだ?」
ヨースケは両手を前で会わせて、深く腰を折り曲げた。
「勇者レアンドル様、本当にありがとうございます」
「ああ……」
勇者は同じようにヨースケに向かって頭を下げると、少し涙ぐんだ顔で出て行った。
「フィルもジュリアン様も、本当にありがとうございました」
剣士と王子も微笑んで、勇者の後に続いて行く。
三人が出て行っても、ヨースケは深く腰を折った姿勢のまま動かなかった。
きっとこれは、異世界での礼儀作法なのだろう。
しばらくして、ヨースケはくるりと向き直り私の体に抱きついてきた。
そして、熱を含んだ甘い声で言った。
「エディ、僕はエディの胸が見たいです」
「ヨースケが望むならいくらでも」
私は自分の着ているローブに手をかけた。
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