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第10話 まさか心から愛する人と
10-(11) 僕はエディの恋人
男の人が服を脱ぐ。
ただ、それだけなのに。
トクトクトクと心臓が鳴る。
じんわりと頬が熱くなってくる。
エディは今まで胸に大きな秘密を抱えていた。
だから人の前では決して肌をさらさなかった。
僕を抱く時もいつも着衣のままだった。
エディの細く長い指がローブにかかり、下からまくり上げていく。
顔を下に向けると、まつげが影を作る。
あれれ、エディって、こんなにきれいな人だったっけ……?
「あ」
もう少しで見えるというところで、エディは手を離した。
ぱさりとローブの裾が落ちる。
「え?」
ど、どうしたの?
僕があんまりいやらしい目で見るから、嫌になっちゃったの?
「寝室へ行きましょう、ヨースケ。ここは外から丸見えです」
エディは苦笑しつつ、透明な壁に手を置いた。
『妖精の羽』で出来た壁のすぐ外を魚が泳いでいて、いくつもの通路を行きかう人や別の部屋の中まで見えている。
はうっ。
もうすっかり忘れていた。というより、エディしか見えていなかった。
ここは世界中央教会の中だ。
部屋の壁はすべて透明で、大きな天蓋とカーテンで仕切られた一部分だけが、外から見えないようになっている。
照れた顔でくすくすと笑い合いながら、僕らはそちらへ向かおうとした。
そして僕はふと、足を止めた。
エディが触れた辺りの『妖精の羽』が手の形に白っぽく濁っている。
「ヨースケ?」
こちらへ近づいてきたエディが僕の視線に気づいた。
困ったように眉をしかめる。
「エディ。あの、どうして……? これは悪意とか殺意に反応するんですよね? エディはいつも穏やかでとても優しいのに……」
エディは目を伏せた。
「私が穏やかそうに見えるのは、そう見えるように常に努力しているからです。私を優しいと思うのは、私がヨースケの気を引こうとして、ヨースケにばかり優しくしているからです。私のこの手は戦争で大勢の人を殺しています。心の中は嫉妬や激情で荒れることも多いです……。私は『妖精の羽』に嫌われるような人種なんです」
嫌われる人種……。
そういえばフィルもジュリアンも、『妖精の羽』には手を触れようとしなかった。
エディはまた『妖精の羽』に手を置いた。すると、さっきよりくっきりと白い手形が残った。
「ヨースケはこういう人間が嫌いですか。本性を知って怖くなりましたか」
僕は首を振った。
エディを怖いと思ったことは無い。
僕は壁に近づいて、教皇様に教えられた通りに『妖精の羽』を優しく撫でる。
「大丈夫だよ、落ち着いてね……」
静かに言うと、白い手形はすっと消えた。
エディが目を見開く。
「すごい、一瞬でクリアに……」
エディはなぜか一歩後ろへ下がり、自分の手を見下ろした。まるで、汚いものを見るみたいに。
「ヨースケは、本当にきれいな子です。でも私は……」
僕はエディに駆け寄り、その胸にギュッと抱きつく。
「どうして……? 僕の心の中だって、いやらしいことでいっぱいなのに。エディの裸を見てみたいとか、裸の胸にちゅーしたいとか、エディと裸のままくっつきあいたいとか、あんなことやそんなことや色々、色々、妄想しているのに」
「そうなのですか?」
「そうです。僕は別にいい子じゃないです」
エディの手が僕の髪を撫でる。
「ヨースケの中のいやらしいことは全部、征服欲や独占欲ではなくて、きっと純粋な愛情から来るものだからでしょうね。私は『妖精の羽』にここまで好かれる子を初めて見ました……」
エディは両手で僕の頬を押さえて、なぜか怯えたような目でじっと見てくる。
「こんなに心のきれいな子を私なんかが汚していいんでしょうか……」
「汚して」
「え」
「いいよ。エディになら、僕は汚されたい……」
大好きな人にしがみついて、精一杯のおねだりをする。
「お願いです、僕を中まで汚して」
エディの顔から急に表情が消えた。
がばっと僕を抱き上げると、スタスタとカーテンの下がった場所へ歩いて行く。
「エディ?」
カーテンをばさりと払って中へ入り、二つ並んだベッドの片方に僕を降ろす。
「ヨースケ、こんなことを他の男に言ってはいけませんよ」
「言うわけがないです、僕が好きなのはエディだけだし」
エディはまた何かの衝撃を受けたかのようにぎゅっと目を閉じて、
「本当にあなたという子は、もう……」
と呟くなり、僕の服を乱暴に脱がせ始めた。
「わ、エディ」
「ああ、もう、いっそ破り捨てたいっ」
「あ、待って」
「もう待てません……!」
「ああっ、でも……」
「あんなに煽っておいて、今さら何です?」
簡単に裸に剥かれてしまって、ベッドに押し倒される。
エディは僕の鎖骨をしゃぶる様に舐めながら、股の間をやわやわと撫でてくる。
「あっ、あっ……やだ、エディ」
「私が嫌ですか」
「あ、ちが……ちがくて……待って……!」
「だめです、もう止まれません」
「うあ、あ……」
エディとするのはどれくらいぶりだろうか。
その命を救うためにあちこち走り回って、一人エッチもずっとしていない。
ちょっと撫でられただけで、僕のものはもう先っちょが濡れてきている。
いつの間に用意したのか、後ろに指を差し込まれるとシュワっと洗浄薬の刺激が来た。
エディの指がぬめりを塗り込むかのように中を動き始める。
「ひあ、ああ、あっ」
僕の腰がすぐに反応して誘うように動いてしまう。
大好きな人と出来ると思うと、いろんなことをすっ飛ばして、とにかくつながりたくなってしまう。
「ああ、あっ、もういいです……もう入れて……!」
我慢できなくなって、しがみつく。
「エディ、お願い、すぐに欲しい」
「ヨースケ……!」
エディはローブの裾をまくって、下着のスリットから出して、焦ったように足の間に入ってくる。
「あ、ああーっ」
気持ち良すぎて、すごい声が出る。
快感で全身が痺れる。
震えてしまうのが止められない。
「うあ、あ、あ、ああっ」
両足と両腕でがっしりとしがみついて、後ろの穴もきゅうきゅうと力を入れて、みっともないくらいに、感じまくっている。
「ああ、だめ、すぐイくっ、イっちゃう」
「ヨースケ……!」
僕を呼ぶ声がかすれている。
「お願いエディ、ああ、あん、もう一回して、お願いっ、もう一回して……!」
「終わらない内に……うっ……次の催促ですか……」
「ああ、だって、まだ終わりたくない……あ、あ、だめ……!」
エディのローブにしがみついて、吸い付くようにキスをしながら、僕はあっさりと精を吐き出していた。
「は……あ……イっちゃった……」
脱力しかける体を強く抱いて、エディが激しくゆすり続ける。
達したばかりだから、それが少し苦しい。
でもエディが僕を求めているのがすごく嬉しい。
「あ………あ………んむっ……」
口をキスでふさがれて、息も苦しい。
ああ、でも、僕はちょっと変態になったのかもしれない。
だってその苦しさまでも、エディに与えられていると思うと体が喜んでしまう。
エディがぎゅうっと僕を抱きしめてぶるっと震えた。
深くえぐられているところまで震えが伝わってきて、中に出されたのが分かった。
「は……ヨースケ……」
「エディ……好き……」
その耳にキスしながら囁く。
エディは抜かないままで、ちゅ、ちゅ、と僕の顔じゅうにキスをしてくる。
「ヨースケ……」
まだ息が速いのに、エディは愛撫の手を止めない。
「もう一回と言っていましたね。このままが良いですか、それとも後ろからにしますか」
「あ、待って……」
「待つんですか? 二回目もすぐにしたかったんでしょう?」
「あ、そうじゃなくて……」
「私もしたい、まだ全然足りない」
「あ、でも少し待って、エディ!」
僕が強く言うと、やっとエディは動きを止めた。
「もう……エディのばか……」
「ばか……」
ショックを受けたかのように、エディが固まってしまった。
「どこか、痛かったですか? 急ぎ過ぎましたか?」
「そうじゃなくて、エディ、服を脱いでください」
きょとんと僕を見下ろして、やっと僕のお願いを思い出したのか、エディは照れたように笑った。
「そうでしたね。すっかり夢中になってしまいました」
エディはやっと体を起こして、自分のものを引き抜いた。
「ん」
つながっているものが出て行くと、いつも少し寂しい感じがする。
僕はエディに抱きついて、キスをした。
そして耳元にささやく。
「僕が脱がしてもいいですか?」
「ええ」
エディが微笑んでうなずく。
「じゃぁエディ、万歳して」
「バンザイ?」
「あ、そうか。ええと、両手を上にあげてください」
「こうですか」
「はい、では、脱がせます」
「ふふ、どうぞ」
僕はちょっと緊張しながら下からローブをたくし上げて、すぽっと脱がせた。
「あ……」
蜘蛛の巣。
最初の印象はそれだった。
僕の目に飛び込んできたのは、胸全体に広がる傷で……。
「これ……」
エディの白い胸の真ん中から、赤黒い線が蜘蛛の巣状に走っている。
「魔法陣……?」
「だったもの、ですね」
エディは何でもないような顔をしている。
僕は勘違いをしていたことを知った。『名前』の呪いが消えてしまえば、エディは完全に元通りになるものと思っていた。
白い肌に刻み込まれた魔法陣は、痛々しくて見るのもつらい。
「あの、癒しの魔法で消せないのですか」
「ええ、もう8年間もこの状態で定着してしまっていますから。不気味で気持ちが悪いでしょう? やはり何か着ましょうか」
「ううん……でも、痛そうで……」
「痛みはもうありません」
もう、ということは、これを刻み込まれた当初は痛かったということだろうか。
「触っても、いいですか」
「もちろん」
僕はそっとエディの胸に触れた。
赤黒い線は古い傷跡のように盛り上がっている。
その中心にそっと口付ける。
ぴくりとエディの体が動く。
「痛い?」
「いえ、くすぐったくて」
答えるエディの頬が少し赤い。
僕は傷跡に沿って、舌を這わせてみた。
「ん……」
エディが小さく吐息を漏らす。
僕は嬉しくなって、犬みたいに胸を舐め始める。
「ん、ヨースケ……そんなことしなくていいですから……」
「ええ、もっと舐めたい。舐めさせて」
「でも……」
薄い色の乳首を口に含んで、エディがやってくれるように舌で転がしてみる。
「あ………ん……」
小さく声を漏らした後、エディは横を向いて口を押えた。少し肩が震えている。
うわ、なんか エディがかわいい。
なにこれ、興奮する。
もっと声を出してほしい。
「んん……」
かすかな吐息を聞きながら僕はしつこく舐め続ける。
下へ目をやると、さっき出したばかりなのに、エディのそれがもう勃ち上がりかけているのが見えた。
僕は頭を低くしてその先端に口をつけ、ちゅぷっと吸ってみた。
「んあっ、だ、だめです」
エディが慌てて体を横にして逃げようとする。
「どうしてですか? 僕が下手だから?」
「違います。それだけで、すぐ出しちゃいそうだからです」
「え」
「ヨースケがそんなことをするなんて、もうその絵面だけで、もう色々無理ですから……! もうちょっとゆっくり、ね、ゆっくり進めましょう」
ゆっくり?
どうして今さら?
もう何度も抱き合っていて、恥ずかしいことをいっぱいしたのに……?
「ヨースケにそんなことをさせるのは、な、なんだか罪悪感があるんです」
「ええ、でもリュカはこういうことしたんでしょう?」
「はぁ? どうしてここでリュカが出てくるんですか」
「だって、同じ顔だし、愛玩奴隷だったんだし」
「待ってください。ヨースケとリュカは別人でしょう。私の恋人はヨースケですよ!」
怒ったように言われて、僕は一瞬キョトンとしてしまった。
そして次第に言葉の意味が脳に浸透していき、全身がじわじわと熱くなっていく。
「えっと……あ、あれ……?」
エディが小さくため息をついた。
「全身真っ赤ですね」
「だって……だって、エディのせいです……」
僕の本当の名前を告げてから、エディは一度も名前を呼び間違えていない。
エディの中では、僕とリュカははっきりと別人なんだ。
エディの恋人は、はっきりとヨースケ一人なんだ。
「僕はエディの恋人ですね」
「ええ、ヨースケが恋人です」
「……へへ……」
改めて言葉にすると、照れたような変な笑いが漏れた。
エディは目を細めて僕を見つめる。
「ヨースケ、入れてもいいですか」
聞かれて、僕はこくりとうなずく。
エディは僕の足を開く。さっき出されたものがとろりと少し出てきたけれど、エディはかまわずぐいっと僕の中に入ってきた。
「ああ……ん……」
エディはすぐに腰を動かさずに、体をくっつけるように抱きしめてきた。
僕はエディの裸の背中に手を回す。
ローブ越しじゃないのがすごく嬉しい。
「ヨースケ、裸で抱き合うのは気持ちいいですね」
「はい。エディを直に感じられて嬉しい」
肌と肌が触れ合うだけで、とろけるような気分になる。
つながっているところがじんじんと熱い。
動かさなくても、その質量が気持ちいい。
「でも……どうしてこうやって入れるのはいいのに、口でするのはだめなんですか……」
「咥えさせるのは、なんか、奉仕させるというか支配するような感じがして……中に入れるのは、こうやってお互いにつながるというか抱き合う感じなので、私の中では意味合いが違うんです」
僕は首を傾げた。
「エディなら僕を支配してもいいのに……」
エディががくっと首を垂れて、僕の肩に顔を押し付けてくる。
「そういうことを言わないで……! 今日は煽られ過ぎて、もう死にそうです」
「えっと……」
「ちょっと我慢がきかなくなりそう……動いていいですか?」
「はい」
「いっぱいしてもいいですか」
「はい」
「気絶するまでしちゃうかもしれません」
「……はい」
僕はエディにキスしながら、裸の背中を両手で撫でた。
エディがくすぐったそうに少し動く。
「エディ、したいのはエディだけじゃないです。僕もエディといっぱいつながりたい」
ぎゅううっと一度強く抱きしめた後、エディは少しずつ僕の体をゆすり始めた。
僕はすぐに甘い声を出し始める。
エディはその日、すごく丁寧に、かつ何度も僕を抱いた。
しつこく、優しく、隅々まで、そして一番奥まで、互いの存在を確かめ合うように僕らは抱き合った。
・
ただ、それだけなのに。
トクトクトクと心臓が鳴る。
じんわりと頬が熱くなってくる。
エディは今まで胸に大きな秘密を抱えていた。
だから人の前では決して肌をさらさなかった。
僕を抱く時もいつも着衣のままだった。
エディの細く長い指がローブにかかり、下からまくり上げていく。
顔を下に向けると、まつげが影を作る。
あれれ、エディって、こんなにきれいな人だったっけ……?
「あ」
もう少しで見えるというところで、エディは手を離した。
ぱさりとローブの裾が落ちる。
「え?」
ど、どうしたの?
僕があんまりいやらしい目で見るから、嫌になっちゃったの?
「寝室へ行きましょう、ヨースケ。ここは外から丸見えです」
エディは苦笑しつつ、透明な壁に手を置いた。
『妖精の羽』で出来た壁のすぐ外を魚が泳いでいて、いくつもの通路を行きかう人や別の部屋の中まで見えている。
はうっ。
もうすっかり忘れていた。というより、エディしか見えていなかった。
ここは世界中央教会の中だ。
部屋の壁はすべて透明で、大きな天蓋とカーテンで仕切られた一部分だけが、外から見えないようになっている。
照れた顔でくすくすと笑い合いながら、僕らはそちらへ向かおうとした。
そして僕はふと、足を止めた。
エディが触れた辺りの『妖精の羽』が手の形に白っぽく濁っている。
「ヨースケ?」
こちらへ近づいてきたエディが僕の視線に気づいた。
困ったように眉をしかめる。
「エディ。あの、どうして……? これは悪意とか殺意に反応するんですよね? エディはいつも穏やかでとても優しいのに……」
エディは目を伏せた。
「私が穏やかそうに見えるのは、そう見えるように常に努力しているからです。私を優しいと思うのは、私がヨースケの気を引こうとして、ヨースケにばかり優しくしているからです。私のこの手は戦争で大勢の人を殺しています。心の中は嫉妬や激情で荒れることも多いです……。私は『妖精の羽』に嫌われるような人種なんです」
嫌われる人種……。
そういえばフィルもジュリアンも、『妖精の羽』には手を触れようとしなかった。
エディはまた『妖精の羽』に手を置いた。すると、さっきよりくっきりと白い手形が残った。
「ヨースケはこういう人間が嫌いですか。本性を知って怖くなりましたか」
僕は首を振った。
エディを怖いと思ったことは無い。
僕は壁に近づいて、教皇様に教えられた通りに『妖精の羽』を優しく撫でる。
「大丈夫だよ、落ち着いてね……」
静かに言うと、白い手形はすっと消えた。
エディが目を見開く。
「すごい、一瞬でクリアに……」
エディはなぜか一歩後ろへ下がり、自分の手を見下ろした。まるで、汚いものを見るみたいに。
「ヨースケは、本当にきれいな子です。でも私は……」
僕はエディに駆け寄り、その胸にギュッと抱きつく。
「どうして……? 僕の心の中だって、いやらしいことでいっぱいなのに。エディの裸を見てみたいとか、裸の胸にちゅーしたいとか、エディと裸のままくっつきあいたいとか、あんなことやそんなことや色々、色々、妄想しているのに」
「そうなのですか?」
「そうです。僕は別にいい子じゃないです」
エディの手が僕の髪を撫でる。
「ヨースケの中のいやらしいことは全部、征服欲や独占欲ではなくて、きっと純粋な愛情から来るものだからでしょうね。私は『妖精の羽』にここまで好かれる子を初めて見ました……」
エディは両手で僕の頬を押さえて、なぜか怯えたような目でじっと見てくる。
「こんなに心のきれいな子を私なんかが汚していいんでしょうか……」
「汚して」
「え」
「いいよ。エディになら、僕は汚されたい……」
大好きな人にしがみついて、精一杯のおねだりをする。
「お願いです、僕を中まで汚して」
エディの顔から急に表情が消えた。
がばっと僕を抱き上げると、スタスタとカーテンの下がった場所へ歩いて行く。
「エディ?」
カーテンをばさりと払って中へ入り、二つ並んだベッドの片方に僕を降ろす。
「ヨースケ、こんなことを他の男に言ってはいけませんよ」
「言うわけがないです、僕が好きなのはエディだけだし」
エディはまた何かの衝撃を受けたかのようにぎゅっと目を閉じて、
「本当にあなたという子は、もう……」
と呟くなり、僕の服を乱暴に脱がせ始めた。
「わ、エディ」
「ああ、もう、いっそ破り捨てたいっ」
「あ、待って」
「もう待てません……!」
「ああっ、でも……」
「あんなに煽っておいて、今さら何です?」
簡単に裸に剥かれてしまって、ベッドに押し倒される。
エディは僕の鎖骨をしゃぶる様に舐めながら、股の間をやわやわと撫でてくる。
「あっ、あっ……やだ、エディ」
「私が嫌ですか」
「あ、ちが……ちがくて……待って……!」
「だめです、もう止まれません」
「うあ、あ……」
エディとするのはどれくらいぶりだろうか。
その命を救うためにあちこち走り回って、一人エッチもずっとしていない。
ちょっと撫でられただけで、僕のものはもう先っちょが濡れてきている。
いつの間に用意したのか、後ろに指を差し込まれるとシュワっと洗浄薬の刺激が来た。
エディの指がぬめりを塗り込むかのように中を動き始める。
「ひあ、ああ、あっ」
僕の腰がすぐに反応して誘うように動いてしまう。
大好きな人と出来ると思うと、いろんなことをすっ飛ばして、とにかくつながりたくなってしまう。
「ああ、あっ、もういいです……もう入れて……!」
我慢できなくなって、しがみつく。
「エディ、お願い、すぐに欲しい」
「ヨースケ……!」
エディはローブの裾をまくって、下着のスリットから出して、焦ったように足の間に入ってくる。
「あ、ああーっ」
気持ち良すぎて、すごい声が出る。
快感で全身が痺れる。
震えてしまうのが止められない。
「うあ、あ、あ、ああっ」
両足と両腕でがっしりとしがみついて、後ろの穴もきゅうきゅうと力を入れて、みっともないくらいに、感じまくっている。
「ああ、だめ、すぐイくっ、イっちゃう」
「ヨースケ……!」
僕を呼ぶ声がかすれている。
「お願いエディ、ああ、あん、もう一回して、お願いっ、もう一回して……!」
「終わらない内に……うっ……次の催促ですか……」
「ああ、だって、まだ終わりたくない……あ、あ、だめ……!」
エディのローブにしがみついて、吸い付くようにキスをしながら、僕はあっさりと精を吐き出していた。
「は……あ……イっちゃった……」
脱力しかける体を強く抱いて、エディが激しくゆすり続ける。
達したばかりだから、それが少し苦しい。
でもエディが僕を求めているのがすごく嬉しい。
「あ………あ………んむっ……」
口をキスでふさがれて、息も苦しい。
ああ、でも、僕はちょっと変態になったのかもしれない。
だってその苦しさまでも、エディに与えられていると思うと体が喜んでしまう。
エディがぎゅうっと僕を抱きしめてぶるっと震えた。
深くえぐられているところまで震えが伝わってきて、中に出されたのが分かった。
「は……ヨースケ……」
「エディ……好き……」
その耳にキスしながら囁く。
エディは抜かないままで、ちゅ、ちゅ、と僕の顔じゅうにキスをしてくる。
「ヨースケ……」
まだ息が速いのに、エディは愛撫の手を止めない。
「もう一回と言っていましたね。このままが良いですか、それとも後ろからにしますか」
「あ、待って……」
「待つんですか? 二回目もすぐにしたかったんでしょう?」
「あ、そうじゃなくて……」
「私もしたい、まだ全然足りない」
「あ、でも少し待って、エディ!」
僕が強く言うと、やっとエディは動きを止めた。
「もう……エディのばか……」
「ばか……」
ショックを受けたかのように、エディが固まってしまった。
「どこか、痛かったですか? 急ぎ過ぎましたか?」
「そうじゃなくて、エディ、服を脱いでください」
きょとんと僕を見下ろして、やっと僕のお願いを思い出したのか、エディは照れたように笑った。
「そうでしたね。すっかり夢中になってしまいました」
エディはやっと体を起こして、自分のものを引き抜いた。
「ん」
つながっているものが出て行くと、いつも少し寂しい感じがする。
僕はエディに抱きついて、キスをした。
そして耳元にささやく。
「僕が脱がしてもいいですか?」
「ええ」
エディが微笑んでうなずく。
「じゃぁエディ、万歳して」
「バンザイ?」
「あ、そうか。ええと、両手を上にあげてください」
「こうですか」
「はい、では、脱がせます」
「ふふ、どうぞ」
僕はちょっと緊張しながら下からローブをたくし上げて、すぽっと脱がせた。
「あ……」
蜘蛛の巣。
最初の印象はそれだった。
僕の目に飛び込んできたのは、胸全体に広がる傷で……。
「これ……」
エディの白い胸の真ん中から、赤黒い線が蜘蛛の巣状に走っている。
「魔法陣……?」
「だったもの、ですね」
エディは何でもないような顔をしている。
僕は勘違いをしていたことを知った。『名前』の呪いが消えてしまえば、エディは完全に元通りになるものと思っていた。
白い肌に刻み込まれた魔法陣は、痛々しくて見るのもつらい。
「あの、癒しの魔法で消せないのですか」
「ええ、もう8年間もこの状態で定着してしまっていますから。不気味で気持ちが悪いでしょう? やはり何か着ましょうか」
「ううん……でも、痛そうで……」
「痛みはもうありません」
もう、ということは、これを刻み込まれた当初は痛かったということだろうか。
「触っても、いいですか」
「もちろん」
僕はそっとエディの胸に触れた。
赤黒い線は古い傷跡のように盛り上がっている。
その中心にそっと口付ける。
ぴくりとエディの体が動く。
「痛い?」
「いえ、くすぐったくて」
答えるエディの頬が少し赤い。
僕は傷跡に沿って、舌を這わせてみた。
「ん……」
エディが小さく吐息を漏らす。
僕は嬉しくなって、犬みたいに胸を舐め始める。
「ん、ヨースケ……そんなことしなくていいですから……」
「ええ、もっと舐めたい。舐めさせて」
「でも……」
薄い色の乳首を口に含んで、エディがやってくれるように舌で転がしてみる。
「あ………ん……」
小さく声を漏らした後、エディは横を向いて口を押えた。少し肩が震えている。
うわ、なんか エディがかわいい。
なにこれ、興奮する。
もっと声を出してほしい。
「んん……」
かすかな吐息を聞きながら僕はしつこく舐め続ける。
下へ目をやると、さっき出したばかりなのに、エディのそれがもう勃ち上がりかけているのが見えた。
僕は頭を低くしてその先端に口をつけ、ちゅぷっと吸ってみた。
「んあっ、だ、だめです」
エディが慌てて体を横にして逃げようとする。
「どうしてですか? 僕が下手だから?」
「違います。それだけで、すぐ出しちゃいそうだからです」
「え」
「ヨースケがそんなことをするなんて、もうその絵面だけで、もう色々無理ですから……! もうちょっとゆっくり、ね、ゆっくり進めましょう」
ゆっくり?
どうして今さら?
もう何度も抱き合っていて、恥ずかしいことをいっぱいしたのに……?
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「ええ、でもリュカはこういうことしたんでしょう?」
「はぁ? どうしてここでリュカが出てくるんですか」
「だって、同じ顔だし、愛玩奴隷だったんだし」
「待ってください。ヨースケとリュカは別人でしょう。私の恋人はヨースケですよ!」
怒ったように言われて、僕は一瞬キョトンとしてしまった。
そして次第に言葉の意味が脳に浸透していき、全身がじわじわと熱くなっていく。
「えっと……あ、あれ……?」
エディが小さくため息をついた。
「全身真っ赤ですね」
「だって……だって、エディのせいです……」
僕の本当の名前を告げてから、エディは一度も名前を呼び間違えていない。
エディの中では、僕とリュカははっきりと別人なんだ。
エディの恋人は、はっきりとヨースケ一人なんだ。
「僕はエディの恋人ですね」
「ええ、ヨースケが恋人です」
「……へへ……」
改めて言葉にすると、照れたような変な笑いが漏れた。
エディは目を細めて僕を見つめる。
「ヨースケ、入れてもいいですか」
聞かれて、僕はこくりとうなずく。
エディは僕の足を開く。さっき出されたものがとろりと少し出てきたけれど、エディはかまわずぐいっと僕の中に入ってきた。
「ああ……ん……」
エディはすぐに腰を動かさずに、体をくっつけるように抱きしめてきた。
僕はエディの裸の背中に手を回す。
ローブ越しじゃないのがすごく嬉しい。
「ヨースケ、裸で抱き合うのは気持ちいいですね」
「はい。エディを直に感じられて嬉しい」
肌と肌が触れ合うだけで、とろけるような気分になる。
つながっているところがじんじんと熱い。
動かさなくても、その質量が気持ちいい。
「でも……どうしてこうやって入れるのはいいのに、口でするのはだめなんですか……」
「咥えさせるのは、なんか、奉仕させるというか支配するような感じがして……中に入れるのは、こうやってお互いにつながるというか抱き合う感じなので、私の中では意味合いが違うんです」
僕は首を傾げた。
「エディなら僕を支配してもいいのに……」
エディががくっと首を垂れて、僕の肩に顔を押し付けてくる。
「そういうことを言わないで……! 今日は煽られ過ぎて、もう死にそうです」
「えっと……」
「ちょっと我慢がきかなくなりそう……動いていいですか?」
「はい」
「いっぱいしてもいいですか」
「はい」
「気絶するまでしちゃうかもしれません」
「……はい」
僕はエディにキスしながら、裸の背中を両手で撫でた。
エディがくすぐったそうに少し動く。
「エディ、したいのはエディだけじゃないです。僕もエディといっぱいつながりたい」
ぎゅううっと一度強く抱きしめた後、エディは少しずつ僕の体をゆすり始めた。
僕はすぐに甘い声を出し始める。
エディはその日、すごく丁寧に、かつ何度も僕を抱いた。
しつこく、優しく、隅々まで、そして一番奥まで、互いの存在を確かめ合うように僕らは抱き合った。
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「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます
トモモト ヨシユキ
BL
気がつくと、なぜか、魔王になっていた俺。
魔王の手下たちと、俺の本体に入っている魔王を取り戻すべく旅立つが・・
なんで、俺の体に入った魔王様が、俺の幼馴染みの勇者とできちゃってるの⁉️
エブリスタにも、掲載しています。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。