異世界で美少年奴隷になっちゃった?!

緋川真望

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おまけの章 はじめてのムフフ

(4) 恋人自慢がしたい 前編

 膝立ちのまま、後ろから貫かれている。
 背中をエディに預け切って、ゆすゆすと揺らされている。

「んぁっ……あぁっ……」

 穿うがたれた奥をとんとんと突かれて、エディの長い指で胸の突起や張りつめている前のものを撫でられて、耳や首に熱いキスをされて長い髪が肌をくすぐってくるから、もうどこがどう気持ちいいのか分からないほど全身が気持ちいい。

「うぁ……あぁ……」

 小さな快感の爆発があちこちで起こって、僕はさっきから泣くような声を上げていた。

「ヨースケ……」

 耳に熱い息がかかる。

「エディ……エディ、僕もうダメ……!」
「ん……そんなに締め付けられると私も……」
「出して……! んぁっ、あぁっ、僕の中に出し、てぇ…………!」
「……くっ……そんないやらしいことを……」
「あ、ああっ……だって……だって欲しい……!」

 両手で羽交い絞めにされるようにきつく抱かれて、深く強く中をえぐられる。
 僕は自分を抱きしめているエディの腕にしがみつくようにして、一緒のリズムで揺れて高まっていく。

 背中を反らせ、全身に力を入れて、最後は声も出せずに登りつめて、がくがくと震えた。
 直後にエディも小さく震えて、ぎゅうっと僕を抱きしめて来る。

「ん……」

 耳元の色っぽい声。
 ああ、今、出されている……。
 僕の体の奥深いところにエディのものを吐き出されていると思うと、ゾクゾクしてたまらなかった。

「……は……ぁ……」

 余韻に震える僕の中からゆっくりと引き抜かれて、がくりと脱力してしまう。
 エディは力の入らない僕を抱きとめ、そっとベッドに横たえてくれる。

「エディ……」

 掠れた声で呼ぶと、エディは優しく目を細めて僕の髪を撫でて来た。

「眠ってもいいですよ」
「ううん、前からぎゅっとして」

 後ろから抱かれるのは、どんなに気持ちが良くても少し寂しかった。

「僕、キスしたいです」

 甘えるように両手を差し出す。
 エディはなぜか自分の胸にちょっと手を置いて、小さく息を吸って吐いてから、ふわりと微笑んだ。

「私のかわいいヨースケ……」

 僕の背中に手を回して、密着するように抱きしめてくれる。
 それから優しいキスをいくつもいくつも降らせてきた。





「エディって肌がきれいですよね」
「そうですか」

 ベトベトした体液を水魔法で洗ってもらった後、僕らはまだ寝間着もつけずに互いの体を撫であっていた。

 秋も深まり、外の気温はかなり低いのだけど、この部屋はぽかぽかと暖かい。
 以前に僕が話したエアコンを参考にして、エディが温風を出し続ける魔法陣を作ったのだ。魔石をいくつも消費してしまうので売り物にするにはまだ改良が必要だと言っていたけれど、暖炉よりも部屋のすみずみまですぐ暖まるからエディは気に入っているみたいだ。

 僕は手を伸ばしてエディの頬を撫でる。

「いつもすべすべで、ニキビとかできているのを見たことが無いです。それに、」

 艶のある髪に指を差し込んでシャンプーのCМみたいにサラサラと落としてみた。

「髪も艶々としてきれいです」
「たいていの魔導士はこんなものですよ。魔力が豊富ですから」
「え、肌と魔力って関係あるんですか?」

 僕がびっくりして聞くと、エディもびっくりしたみたいに聞き返してきた。

「知らなかったのですか?」
「ぜんぜん知りませんでした」

 学校に通っていても、まだまだ知らない常識がある。特に魔力や魔法に関しては、平民の先生はあまり詳しくないようだった。

「魔力は全身をめぐる生命力のようなものですから、魔力が高い者の方が治癒力も高いのです」
「そっか。だからエディにつけたキスマークは僕より早く消えちゃうんですね」

 僕はちょっと残念な気持ちで、エディの首に付けたキスの跡を撫でた。
 跡をつけることを覚えた僕は、エッチのたびにエディにキスマークを残すのだけど、次の日にはすごく薄くなって、二日後にはほぼ消えてしまう。

「何度でも付けてください。私の体はヨースケのものですから」

 僕はウフフと小さく笑った。
 エディの首から肩、腕、腰、太ももへと手を滑らせて、

「これ、ぜんぶ僕の?」

 と上目遣いで聞いた。

「はい、あなたのですよ」
「僕がぜんぶ独り占め?」
「ええ、ヨースケだけのものです」
「えへへ、やったぁ、嬉しいです」
「ふふ、かわいいですね」

 甘いだけであまり意味のない言葉を交わしながら、僕はエディの胸の上に乗るようにしてぴったりと体をくっつけた。

「重くないですか」
「心地良い重みです」

 エディの手が僕の背中と腰に回されて、優しい香りと共に包むように抱いてくれる。
 うっとりとしてしまう僕のお尻から太ももの裏にかけて、優しい手がわさわと撫でてきた。

「んん……撫でてくれる手もすべすべで気持ちいい……」
「ヨースケの肌もすべすべで気持ちいいです」
「あれ? 僕は魔力が無いのにいつも肌の調子はいいですよね。いっぱい寝ているから?」
「私がきっちり管理していますから」
「管理」
「体内の魔力のバランスを、いつも最適になるように整えているんですよ」

 僕は少し瞬きをした。

「じゃぁ、この体がぜんぜん肌荒れとかしないのはエディのおかげだったんですか」

 化粧水とかボディクリームとかでお手入れしたことも無いのに、常にしっとりと潤っているのは美少年リュカの体質なのかと思っていた。

「ええ、私のものを私が管理するのは当然です」
「ふふ、僕はエディのものですもんね」
「そう、ヨースケは私のものですから」
「僕もエディに何かしてあげられたらいいのに」

 エディの手がそっと僕の髪に触れて来た。

「いつでもしてもらっていますよ」
「え……? 僕は甘えるだけで何もしていないですけど」
「そんなことはありません。私だってヨースケに甘えているんです」

 そう言って、頭の上ですぅっと息を吸うのが聞こえた。多分、僕の髪の匂いを嗅いだんだと思う。

「私は悋気りんきが強いですし、恋人が心の広いヨースケでなければ、きっと何度もぶつかりあっているでしょうね」

 僕はよく分からなくて首を傾げた。

「そうなんですか?」
「はい。常に私のすぐそばにいて欲しくて、あなたには自分の部屋もベッドも与えませんでした。ひとりでの外出を許さず、交友関係もすべてチェックしていて、常にどこにいるか魔力で監視しています。普通の恋人の域を超えて干渉しているのに、あなたは平然と受け入れてくれるでしょう? ヨースケが甘やかしてくれるのをいいことに、私はいつでもやりたい放題です」

 考えてもいなかったことを言われて、不思議な気分になる。
 一緒のベッドで寝たいのは僕も同じだし、ひとりで出かけるのは不安だし、学校の友達のことは僕がエディに話したいと思っているし、魔力で僕の居場所を分かってもらえるのはすごく心強いのに。

「エディ」
「はい」
「それ、甘やかすって言わないですよ。だって僕がされて嬉しいことだけだから」
「ほら、またそうやって甘やかす」
「ええ……? そうなのかなぁ……?」
「無条件に受け入れられてしまって、私はますますヨースケに溺れてますます執着してしまいます」
「僕だってとっくにエディに溺れています」
「……そうなんですか」
「そうです。毎日毎日、大好きで大好きでしょうがないんですよ」

 恋人同士のひたすら甘いだけの囁きを交わしあって、僕はエディの唇に自分の唇を重ねた。ちゅくちゅくと舌をからめて、互いの唾液を飲み込み、ふぅっと満足してまたエディの体に寄り掛かる。

「ヨースケ、何かして欲しいことがあったら遠慮なく言ってくださいね」
「はい、今は特に何も……あ、そうだ」

 僕は思いついたことがあって、ちょっと顔を上げた。

「今度、一緒に買い物に行ってくれますか」
「買い物? 何か欲しいものでも?」
「いいえ。ガスパルのお店に行くと約束していたのに、ずっと行けていなかったので」

 エディは何かを考えるように少し黙った。

「ひとりで行きたかったら、そうしてもいいのですよ」
「エディと一緒がいいんです。僕、ガスパルに自慢するんです。この人が僕の恋人だよって」

 貴族は信用できないとか、僕を囲い者にしているだけだとか、ガスパルは色々言っていたけれど、ちゃんと会って話してみればエディがどれだけ素敵な人かが分かるはず。

「ほんとはね、知り合い全員にエディを会わせたいくらいなんです。こんなに魅力的な人が僕を愛してくれているんだって、大声で宣伝して回りたいくら……うひゃっ」

 急にお尻の割れ目に指が入って来て、僕はビクンと背中をそらした。

「エディ……?」

 もう片手が背筋をすーっと撫であげてくる。

「……あんっ」

 僕は小さく声を上げて、下にいるエディを見た。
 割れ目をなぞるように上下に指を動かしながら、いたずらっ子みたいな目をした恋人が僕を見上げてくる。

「んん……エディ?」

 ぷつりと指が後ろに入って来る。

「ひゃうっ、あっ、エディ」
「ヨースケ、もう一回してもいいですか」
「え、は、はい、もちろん」

 今日はもうこのままイチャイチャまったりしながら寝るのかと思っていたけれど、こんなかわいいエディの目を見たら断れるわけがない。

「ふふふ。ほら、そうやっていつでも私を甘やかしてくれるでしょう?」
「そんな……僕も嬉しいから甘やかしとかじゃないですよ。でも」
「でも?」
「今度は顔を見てしたいです。いっぱいキスしながらつながりたいです」

 エディはにっこりと笑うと、僕の体を支えながら体勢を変えて上に乗って来た。
 長いまつげを色っぽく伏せながら、柔らかいキスをしてくる。

「ん……んん……エディ、好き……」

 僕らは何度もキスを交わしながら、静かな夜の中、互いを互いで満たしていった。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 その朝、僕らの住むお屋敷の前に、立派な馬車が横付けされた。
 身支度を終えて門を出た僕は、きょとんとしてエディを振り返った。

「あの……ガスパルのお父さんがやっているお店は、歩いて行けるところにあるんですけど」
「ええ、私もたまには歩いてみようかと思ったのですけどね」

 エディがちょっと苦笑する。

「エドゥアール様に平民の街を徒歩で行かせるなど、そんなことはエドゥアール様本人が許してもこのスチュアートが許しません」

 いつもは物静かなスチュアートが、これだけは譲れないというようにきっぱりと言い放った。

「そもそも、この馬車も馬もエドゥアール様個人のものなのですよ。普段は仕方なく御生家で預かってもらっておりますが、お出かけになる時に使わないでどうしますか。厩舎きゅうしゃすらないような狭い家にお住まいになっても、貴き血筋のことはお忘れになってはいけません」
「片田舎の男爵の息子というだけで、私の血筋などたいして……」
「わたくしはその『片田舎の男爵の御子息』に生涯をかけてお仕え申し上げる覚悟でございますが」

 エディは少し困ったというように息を吐いた。

「スチュアート、お前の忠心には感謝する。だが、私は今の暮らしに満足しているんだ」
「エドゥアール様は欲が無さ過ぎます。『大魔導士』の称号も返上してしまわれて、本来なら宮廷魔導士の頂点にも立てたほどの実力者ですのに」

 悔しそうに言うスチュアートに、エディが本気で嫌そうな顔をした。

「やめてくれ。一生を王宮に捧げるなんて、考えただけでぞっとする」
「ですが、エドゥアール様」
「この狭い家・・・が気に入っていると以前にも言っただろう。招く相手がいるわけでも無いし、ヨースケと静かに暮らすならこれで充分。……ねぇ、ヨースケもそう思うでしょう?」

 言葉の最後の方で、エディが僕の顔を覗き込んできた。

 エディは奴隷だった頃の僕に対しても、いつでも丁寧な言葉を使っていた。けれど、スチュアートや屋敷の使用人にはぞんざいというか、けっこう気楽な言葉を使う。きっと、エディが子供の頃から仕えている人達だから気心が知れているんだろう。

「え、えっと、僕にとってはすごく広くて立派なお屋敷なんですけど」

 細かな装飾の豪奢な門に、手入れの行き届いた広い庭、エントランスホールや応接室のある大きなお屋敷、裏庭も走り回れるほどに広くて、敷地内には使用人の住む離れまである。ここは、僕にとってはかなりの豪邸だ。

「でも、あの、広くても狭くてもエディがいるところが僕の家だと思うんです。僕、学校の帰り道でこのお屋敷が見えてくると嬉しくなって早足になっちゃうんですよ」
「ええ、ヨースケ様はいつも帰りの方が早足でございますね」

 スチュアートが優しく目を細めてうなずいた。
 エディが僕の肩を抱き寄せて、耳元に囁いて来る。

「私もそうです。どこだろうと、ヨースケのいるところが私の居場所です」

 嬉しくって、くすぐったくて、僕は小さく笑い声をあげてしまった。
 スチュアートがそんな僕の顔をじっと見てくる。

「ヨースケ様にはこの土地があっているのでしょうね。国境沿いのテントにいた頃より、ずっとお顔の色も良くなって健やかな様子でいらっしゃる」
「はい、エディの故郷はすごくいいところです」

 エディに仕える人達は、すごくエディを大事に思っているから、本当は王都で立身出世して良家の令嬢と結婚して子供もたくさん作って欲しかったんだと思う。それなのに、エディがパートナーとして連れて来たのは身分も低く、しかも男である僕だった。
 普通ならきつく当たったり、嫌みを言ったりしてもおかしくはないと思うんだけど……。

「学校も楽しいし、スチュアートさんもお屋敷のみんなも、いつも優しくしてくれます。僕は本当に幸せ者です」
「エドゥアール様がこれほど穏やかでお幸せそうなのは、すべてヨースケ様のおかげでございますから。みんなヨースケ様には感謝しているのです」
「そんな、僕は何もしていないです。いつもエディに甘えているだけで……」
「あちらのお屋敷で過ごされていた頃のエドゥアール様は、今とはまったく違っていたのです。大人になるにつれてほとんど笑わなくなり、いつも難しい顔で魔導書を読んでいらっしゃるか、難しい顔で魔法のことを考え込んでいらっしゃるか、または新しい魔法を試すためにひとりで出かけてしまわれるかで、我らは本当に心配で心配で……」
「スチュアート」

 エディが名前を呼ぶと、スチュアートはぱっと口を閉じたけど、僕に向かっていたずらっぽく片眉を上げて見せた。

 この国の『名前』を胸に閉じ込めていたことが関係するんだろうか?
 笑わないエディなんて想像できなくて、その顔を見上げるとエディは話題をそらすように僕の肩を軽く押してきた。

「さぁ、そろそろ行きましょうか。お友達も待っているのでしょう?」
「は、はい。ガスパルも楽しみにしていると思います」

 エディはニコッと微笑むと、僕の手を取って馬車の入り口に組み立てられた小さな階段へ導いた。

 僕が馬車に乗り込むと、後ろからエディが乗ってきて隣に座り、さりげなく腰を抱いて来る。以前に僕が馬車の振動で転びそうになったことがあるからなんだろう。少し過保護すぎる気もするけれど、僕は嬉しくてエディの体に寄り掛かった。やっぱり、甘えているのは僕の方だと思う。

 扉が閉じられ、組み立て式の階段が片付けられる音がする。御者の横にスチュアートが座るのを待ってから、馬車はゆっくりと走り始めた。






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