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181 それとなく、現実世界が反映されている北欧ノルウェー産ファンタジー映画『炎のドラゴンと秘密の少女』
今回、御紹介するのはノルウェーで製作されたファンタジー映画『炎のドラゴンと秘密の少女』です。
大人向けエンターテインメント作品ではなく、子供向けエンターテインメント作品と言うべきストーリーとコンセプトで構成されています。
原題は『Dragon Girl』。
ドラゴンがメインではないのが原題から、察せられる通り、VFXで表現されたドラゴンはあまり目立った存在ではありません。
分かりやすいあらすじから!
『ワケあって警察に追われる少女サラは身を隠すため旅行で不在になっている家に潜むことに。その夜、窓ガラスが割れた音がして様子を見に行くと、そこには何と傷ついたドラゴンが!ドラゴンの傷を治してあげようと薬を探している最中、この家の金魚の世話に来た小学生のモーティマーに見つかってしまう!ドラゴンを見て驚くモーティマーだったが、ふたりで協力しドラゴンを元の世界に戻すことに。しかし、誤ってSNSにドラゴンの映像がアップされてしまったことで、特殊部隊やメディアが集まり街は大騒動に。ふたりはドラゴンを守るために大きな決断をする・・・(C)2020 Storm Films AS, Volya Films BV and Evolution Films S.R.O.All rights reserved』
主人公はフォロワーが0人なのに動画投稿を頑張るSNS依存症の男の子モーティマーとあらすじではオブラートに包んだ言い方をされていますが、戦争難民で国に強制送還されると思い、逃走中で空き巣紛いの行為を働く女の子サラの二人です。
モーティマーは小説『にんじん』の主人公によく似たソバカスが目立ち、もじゃもじゃな赤みがかった金髪の見た目をしています。
モーティマーテレビというチャンネルを開き、動画を投稿していますがフォロワーは0人。
いいねも0で学校でもそのことでいじられる変わり者かついじめられっ子ポジションの子です。
でも、父親が実は小学校の校長でやたらとテンションが高く、子供への理解も高く、愛情深い。
とてもいいお父さんと言えます。
母親も動画投稿にはまる息子をことさらに刺激しないように温かく見守るいいお母さんです。
両親に恵まれており、不足していそうもないのにモーティマーは承認欲求が強く、とにかくいいねをしてもらって、友達が欲しいとひたすらに思っています。
サラは生まれた国が戦争で不穏な状況にあり、家族を失った不幸な少女です。
どうにか知人の助けもあり、知人と共にノルウェーへと逃れることができ、難民として生きてきましたが……。
その知人が国に強制送還されたことで自分も強制送還されると考え、難民の収容施設から脱走しました。
そして、バカンスで留守にしている家の鍵を勝手に開けて、中の物を物色し、暫くの間過ごすという空き巣生活をしている犯罪者でもあります。
劇中ではモーティマーや同級生が泥棒をして、追われているに違いないと勘違いしますが強ち、間違っていません。
サラの消息を追う強面の警察官も登場します。
この警察官、演技と顔面の迫力もあり、『逃亡者』の追跡者のような執拗さを感じますが……。
時折、感じる違和感も同時に感じると思われます。
彼はなぜ、サラを執拗に追跡するのか?
それでいて、時にサラの身を案じるような表情を見せるのか?
その答えが明らかになるのは物語がクライマックスに入ってからです。
邦題ではタイトルに入っているドラゴンですが、タイトルに入った割におまけ(´・ω・`)
VFXはクオリティが高く、自然に見られるレベルです。
見た目は『ヒックとドラゴン』のトゥースの系統であり、大きめの目でやや猫っぽく見える頭部が特徴。
耳も大きく、『ネバーエンディングストーリー』のファルコンのような垂れ耳で可愛らしい感じ。
それでいて、翼は大きく、飛行する際は雄々しく、羽ばたいている姿はドラゴンぽさがよく出ています。
また、たいがいの物を炭化させる高音の火炎ブレスを吐くことができます。
ただし、性格は攻撃的ではなく、あくまで自衛の為に怖くて、ブレスを吐くだけ。
このドラゴンが故郷であるドラゴンの国へ戻そうとサラとモーティマーの二人が奮闘する子供達の成長物語です。
そこに北欧やヨーロッパが抱える移民や難民の問題をそれとなく、テーマに入れているといったところ。
モーティマーの両親はある種の寛容さを表現した存在で、難民であるサラや異物であるドラゴンを難なくどころか、快く受け入れています。
これが我々のスタンスであるというノルウェーのメッセージが含まれているのかもと考えると感慨深い……。
それにしても町の名前が退屈町だし、ドラゴンは架空の存在ではなく、実在していると考えられているので不思議な世界、地球に似ているけど、パラレルワールドのようなちょっとした異世界なのかもしれません。
サラを追跡する警察官も彼女を逮捕する為に追っているのではなく、悪い大人がいない世界とも言えます。
その代わり、モーティマーの同級生のように子供の方がより直情的で悪意に満ちていて、怖いように感じられるのはある種のSNSに傾倒するなどの無駄な自己承認欲求の恐怖に対し、警鐘を鳴らしているのかも!?
大人向けエンターテインメント作品ではなく、子供向けエンターテインメント作品と言うべきストーリーとコンセプトで構成されています。
原題は『Dragon Girl』。
ドラゴンがメインではないのが原題から、察せられる通り、VFXで表現されたドラゴンはあまり目立った存在ではありません。
分かりやすいあらすじから!
『ワケあって警察に追われる少女サラは身を隠すため旅行で不在になっている家に潜むことに。その夜、窓ガラスが割れた音がして様子を見に行くと、そこには何と傷ついたドラゴンが!ドラゴンの傷を治してあげようと薬を探している最中、この家の金魚の世話に来た小学生のモーティマーに見つかってしまう!ドラゴンを見て驚くモーティマーだったが、ふたりで協力しドラゴンを元の世界に戻すことに。しかし、誤ってSNSにドラゴンの映像がアップされてしまったことで、特殊部隊やメディアが集まり街は大騒動に。ふたりはドラゴンを守るために大きな決断をする・・・(C)2020 Storm Films AS, Volya Films BV and Evolution Films S.R.O.All rights reserved』
主人公はフォロワーが0人なのに動画投稿を頑張るSNS依存症の男の子モーティマーとあらすじではオブラートに包んだ言い方をされていますが、戦争難民で国に強制送還されると思い、逃走中で空き巣紛いの行為を働く女の子サラの二人です。
モーティマーは小説『にんじん』の主人公によく似たソバカスが目立ち、もじゃもじゃな赤みがかった金髪の見た目をしています。
モーティマーテレビというチャンネルを開き、動画を投稿していますがフォロワーは0人。
いいねも0で学校でもそのことでいじられる変わり者かついじめられっ子ポジションの子です。
でも、父親が実は小学校の校長でやたらとテンションが高く、子供への理解も高く、愛情深い。
とてもいいお父さんと言えます。
母親も動画投稿にはまる息子をことさらに刺激しないように温かく見守るいいお母さんです。
両親に恵まれており、不足していそうもないのにモーティマーは承認欲求が強く、とにかくいいねをしてもらって、友達が欲しいとひたすらに思っています。
サラは生まれた国が戦争で不穏な状況にあり、家族を失った不幸な少女です。
どうにか知人の助けもあり、知人と共にノルウェーへと逃れることができ、難民として生きてきましたが……。
その知人が国に強制送還されたことで自分も強制送還されると考え、難民の収容施設から脱走しました。
そして、バカンスで留守にしている家の鍵を勝手に開けて、中の物を物色し、暫くの間過ごすという空き巣生活をしている犯罪者でもあります。
劇中ではモーティマーや同級生が泥棒をして、追われているに違いないと勘違いしますが強ち、間違っていません。
サラの消息を追う強面の警察官も登場します。
この警察官、演技と顔面の迫力もあり、『逃亡者』の追跡者のような執拗さを感じますが……。
時折、感じる違和感も同時に感じると思われます。
彼はなぜ、サラを執拗に追跡するのか?
それでいて、時にサラの身を案じるような表情を見せるのか?
その答えが明らかになるのは物語がクライマックスに入ってからです。
邦題ではタイトルに入っているドラゴンですが、タイトルに入った割におまけ(´・ω・`)
VFXはクオリティが高く、自然に見られるレベルです。
見た目は『ヒックとドラゴン』のトゥースの系統であり、大きめの目でやや猫っぽく見える頭部が特徴。
耳も大きく、『ネバーエンディングストーリー』のファルコンのような垂れ耳で可愛らしい感じ。
それでいて、翼は大きく、飛行する際は雄々しく、羽ばたいている姿はドラゴンぽさがよく出ています。
また、たいがいの物を炭化させる高音の火炎ブレスを吐くことができます。
ただし、性格は攻撃的ではなく、あくまで自衛の為に怖くて、ブレスを吐くだけ。
このドラゴンが故郷であるドラゴンの国へ戻そうとサラとモーティマーの二人が奮闘する子供達の成長物語です。
そこに北欧やヨーロッパが抱える移民や難民の問題をそれとなく、テーマに入れているといったところ。
モーティマーの両親はある種の寛容さを表現した存在で、難民であるサラや異物であるドラゴンを難なくどころか、快く受け入れています。
これが我々のスタンスであるというノルウェーのメッセージが含まれているのかもと考えると感慨深い……。
それにしても町の名前が退屈町だし、ドラゴンは架空の存在ではなく、実在していると考えられているので不思議な世界、地球に似ているけど、パラレルワールドのようなちょっとした異世界なのかもしれません。
サラを追跡する警察官も彼女を逮捕する為に追っているのではなく、悪い大人がいない世界とも言えます。
その代わり、モーティマーの同級生のように子供の方がより直情的で悪意に満ちていて、怖いように感じられるのはある種のSNSに傾倒するなどの無駄な自己承認欲求の恐怖に対し、警鐘を鳴らしているのかも!?
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