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第5話 題名は確か、『淑女への子守歌』
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「ふわぁ~」
長いこと寝てた気がする。
体のあちこちが痛いし、頭の奥の方でチクッとした痛みを感じた。
「あれ?」
自分でやった覚えがないのに髪が三つ編みになってる。
それにあたしの髪の色はこんな色だったかな?
窓から、優しく照らすように銀の光が入ってきた。
月の光に照らされて、あたしは思い出した。
月の女神様が願いを聞き届けてくれたんだわ。
もう何も感じない。
今までなんて、無駄なことをしていたんだろ。
早く、こうしていれば良かったのに。
愛されたいなんて、願ったからいけなかったの。
最初から、そんな思いを捨てれば、良かったのよ。
何でこんな簡単なことに気が付かなかったのかしら?
あたしはエミー。
エミーだけど、エミーじゃない。
誰にも愛されなかったエミーは傷ついて、眠ってる。
心の奥深くで傷つき、涙を流しながら、眠ってる。
誰も入って来れない茨に守られて、眠ってる。
「忘れないように書いておこう」
まだ、痛む節々を無視して、何とか起き上がって、筆記具を手に考えた。
ここは小説の世界だっていうことに気が付いた。
題名は確か、『淑女への子守歌』。
貴族の家に生まれた四姉妹の愛憎物語。
慈愛に満ちた母親ミリアム。
聡明な長女マルチナ。
快活な次女ユスティーナ。
心優しい三女エヴェリーナ。
四女のアマーリエはおしゃまな子。
燃え上がる炎のように赤い髪とサファイアのように澄んだきれいな瞳でお人形さんみたいにかわいい女の子。
誰からも愛される末っ子。
でも、そんなのは全部、嘘だわ。
エミーは自分が愛されていると感じたことがない。
愛されたいと願って、どんなに明るく振る舞っても決して、報われない。
顔も良く知らない父親と名乗る髭もじゃの人。
それでも数回しか、会ったことがない髭もじゃの人の大きな手で抱っこされて、頭を撫でられると嬉しかった。
でも、あなたが戦争に行ってるから、エミーは生まれた日すら祝ってもらえないって、知ってた?
奴隷を解放する正義の戦いだから、仕方ないって?
エミーもずっとそう思ってたんだ。
だけど、もう限界だったのよ。
姉の代わり。
姉のお古。
姉のスペア。
だから、エミーは眠ってしまった。
全てに耳をふさいで、目を閉じて、閉じこもってしまった。
私は何をすれば、いいのかしら?
小説の中ではどうなっていたのか、思い出さなきゃ!
「ロビーかぁ」
四姉妹とロビーの名を書いて、確信した。
彼がキーマンなのは間違いない。
確か、ロビーが好きなのはユナだったはず。
ユナは恋愛に興味がなくって、ロビーの片思いに終わるの。
可哀想なロビー。
でも、もっと可哀想なのはエミーなんだから。
そんなロビーのことが大好きでユナの代わりとしか、見ていない彼のことを一途に愛して、そして……。
死ぬ!
ロビーはとても優れた人として、描かれていた。
剣を取っても騎士になれるだけの実力を持っていて、勉強も出来るし、何よりも優しい人だった。
第一王子のトマーシュは正当な血筋というだけで無能で残忍な性質で描かれていて、このままだと国の未来が危ういということでロビーにも王位継承権を与えるべきという話になるのよね。
これに危機感を持ったのがトマーシュの母親である王妃ディアナでトマーシュをけしかけた。
暗殺者に襲撃されたロビーだけど、騎士になっていたユナが助けに来て、形勢は逆転。
油断したところを振りかざされた凶刃がロビーに迫る。
その時、自らの身体を盾にして、彼を守ったのがエミーだった。
そのお陰でロビーは窮地を脱して、暗殺者を撃退することに成功するんだけど……。
「あんたって子はどうして、こんな無茶を!」
「エミー! どうしてなんだ」
ロビーの胸に抱かれた血塗れのエミーの命の灯が消える。
こうしてエミーは物語途中で退場なのよね。
「あぁ、ないない」
決めた。
ユナとロビーは避けることにしよう。
愛されようとしたって、無駄なんだから。
小説での最期まで愛されないって、どういうこと?
お母様とマリーは優しいけど、ただ優しいだけじゃない。
そこには本音と建前がある。
小説の内容を思い出して、ようやく、気が付いた。
エヴァはどうだった?
思い出さなきゃ、エヴァはどうなった?
あの子だけ、表も裏もない。
「エヴァも死ぬ」
あの子の病気は仮病なんかじゃない。
本当に重い病なのに自分のことよりもエミーのことを気にかけてくれた子だ。
このままだと一年後、エヴァの症状はさらに重くなって、衰弱死する。
どうすれば、いいのかしら?
エヴァはみんなに愛される子だし……。
悩んでもしょうがない。
会ってから、考えればいいわ。
大事なメモを隠してから、あたしは再び、夢の世界へと旅立った。
長いこと寝てた気がする。
体のあちこちが痛いし、頭の奥の方でチクッとした痛みを感じた。
「あれ?」
自分でやった覚えがないのに髪が三つ編みになってる。
それにあたしの髪の色はこんな色だったかな?
窓から、優しく照らすように銀の光が入ってきた。
月の光に照らされて、あたしは思い出した。
月の女神様が願いを聞き届けてくれたんだわ。
もう何も感じない。
今までなんて、無駄なことをしていたんだろ。
早く、こうしていれば良かったのに。
愛されたいなんて、願ったからいけなかったの。
最初から、そんな思いを捨てれば、良かったのよ。
何でこんな簡単なことに気が付かなかったのかしら?
あたしはエミー。
エミーだけど、エミーじゃない。
誰にも愛されなかったエミーは傷ついて、眠ってる。
心の奥深くで傷つき、涙を流しながら、眠ってる。
誰も入って来れない茨に守られて、眠ってる。
「忘れないように書いておこう」
まだ、痛む節々を無視して、何とか起き上がって、筆記具を手に考えた。
ここは小説の世界だっていうことに気が付いた。
題名は確か、『淑女への子守歌』。
貴族の家に生まれた四姉妹の愛憎物語。
慈愛に満ちた母親ミリアム。
聡明な長女マルチナ。
快活な次女ユスティーナ。
心優しい三女エヴェリーナ。
四女のアマーリエはおしゃまな子。
燃え上がる炎のように赤い髪とサファイアのように澄んだきれいな瞳でお人形さんみたいにかわいい女の子。
誰からも愛される末っ子。
でも、そんなのは全部、嘘だわ。
エミーは自分が愛されていると感じたことがない。
愛されたいと願って、どんなに明るく振る舞っても決して、報われない。
顔も良く知らない父親と名乗る髭もじゃの人。
それでも数回しか、会ったことがない髭もじゃの人の大きな手で抱っこされて、頭を撫でられると嬉しかった。
でも、あなたが戦争に行ってるから、エミーは生まれた日すら祝ってもらえないって、知ってた?
奴隷を解放する正義の戦いだから、仕方ないって?
エミーもずっとそう思ってたんだ。
だけど、もう限界だったのよ。
姉の代わり。
姉のお古。
姉のスペア。
だから、エミーは眠ってしまった。
全てに耳をふさいで、目を閉じて、閉じこもってしまった。
私は何をすれば、いいのかしら?
小説の中ではどうなっていたのか、思い出さなきゃ!
「ロビーかぁ」
四姉妹とロビーの名を書いて、確信した。
彼がキーマンなのは間違いない。
確か、ロビーが好きなのはユナだったはず。
ユナは恋愛に興味がなくって、ロビーの片思いに終わるの。
可哀想なロビー。
でも、もっと可哀想なのはエミーなんだから。
そんなロビーのことが大好きでユナの代わりとしか、見ていない彼のことを一途に愛して、そして……。
死ぬ!
ロビーはとても優れた人として、描かれていた。
剣を取っても騎士になれるだけの実力を持っていて、勉強も出来るし、何よりも優しい人だった。
第一王子のトマーシュは正当な血筋というだけで無能で残忍な性質で描かれていて、このままだと国の未来が危ういということでロビーにも王位継承権を与えるべきという話になるのよね。
これに危機感を持ったのがトマーシュの母親である王妃ディアナでトマーシュをけしかけた。
暗殺者に襲撃されたロビーだけど、騎士になっていたユナが助けに来て、形勢は逆転。
油断したところを振りかざされた凶刃がロビーに迫る。
その時、自らの身体を盾にして、彼を守ったのがエミーだった。
そのお陰でロビーは窮地を脱して、暗殺者を撃退することに成功するんだけど……。
「あんたって子はどうして、こんな無茶を!」
「エミー! どうしてなんだ」
ロビーの胸に抱かれた血塗れのエミーの命の灯が消える。
こうしてエミーは物語途中で退場なのよね。
「あぁ、ないない」
決めた。
ユナとロビーは避けることにしよう。
愛されようとしたって、無駄なんだから。
小説での最期まで愛されないって、どういうこと?
お母様とマリーは優しいけど、ただ優しいだけじゃない。
そこには本音と建前がある。
小説の内容を思い出して、ようやく、気が付いた。
エヴァはどうだった?
思い出さなきゃ、エヴァはどうなった?
あの子だけ、表も裏もない。
「エヴァも死ぬ」
あの子の病気は仮病なんかじゃない。
本当に重い病なのに自分のことよりもエミーのことを気にかけてくれた子だ。
このままだと一年後、エヴァの症状はさらに重くなって、衰弱死する。
どうすれば、いいのかしら?
エヴァはみんなに愛される子だし……。
悩んでもしょうがない。
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