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29 麗しのボルドー
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お化けネズミどもはそりゃ、もう大量にいやがったさ。
いつ終わるともしれない戦いだった。
だが、悪いことばかりじゃない。
フォトンカノンを掌から、低出力で放出させて、気の塊を集めた弾丸のような形状にする。
それを目標目掛けて、撃つ。
これが簡単なようで難しい。
まず、フォトンカノンを低出力に制御するのが難しいんだ。
しかし、それを実戦でやることに意義がある。
じっちゃんが言っていた。
自らを追い込めば、道は開けるってな。
お陰で次第にコツを掴み始めた。
初めのうちはどうしても楽な方に傾きがちだ。
お化けと言ってもネズミだから、お手製のエビ槍で突き刺した方が早く終わるからな。
そこをぐっと堪えて、精神を集中させる。
これが重要だった。
「ボルドーまでこれで行けるってことか?」
「そういうこと。あっという間に着くから、お金もそれだけかかるのよ」
自分のことでもないのにオルガが得意満面なのは解せない。
だが、それ以上に解せないことがある。
こんな、どこぞの国の巨石群みたいな物を潜っただけで瞬間移動できると聞いても全く、理解できない。
ドヤ顔をしていたオルガもなぜ、瞬間移動できるのかという仕組みは全く、知らないらしい。
「そんなこと知る必要あるの?」と逆に詰め寄ってきたくらいだから、下手に刺激しない方がいい。
口喧嘩したら、勝ち目がないのはさすがに俺でも分かる。
しかし、女だからって甘く見ると痛い目に遭うどころではすまない。
ブルゴスのポータルへと向かう途中、オルガのお嬢様然とした見た目に騙されたのか、破落戸が彼女をナンパしようとして、処刑された。
うん、殺したんじゃないが、あれは処刑だ。
間違いない。
オルガのヤツ、何の躊躇もなく、男の股間に容赦ない蹴りの一撃を入れた。
卵が潰れるような音こそ、しなかったが男の急所はあの世に逝ってしまっただろう。
何しろ、白目を剥いて、泡を吹いて、ぶっ倒れたからな。
いくら自業自得とはいえ、同じ男として、同情するぜ。
「あっという間に着くんだから」
「あっ」
「ね?」
「本当かよ」
門のような形に組まれたポータルを潜ると……。
そこは雪国だった。
なんてことはないがブルゴスではない別世界が広がっていた。
街並みが違う。
お隣の国とはいえ、同じような文化圏だから古めかしい建築物が並んでいて、歴史を感じるのは似ている。
しかし、何か空気が違う。
さすが、おフランスだ。
「フリオ、さっさとギルドに行きましょ」
「お、おう」
オルガは実に手馴れたもんだ。
村から出たことがない俺にとっては、カルチャーショック以外の何物でもない。
それもブルゴスから、立て続けにカルチャーショックの連発だ。
さすがに疲れた。
まあ、お化けネズミと遊んでいたせいでもあるんだが。
ただ、ブルゴスでの恐怖の一夜は二度と味わいたくないから、旅路を急いだことに後悔の念はない。
まず、ギルドに向かって、お仕事探しだ。
その後、暫く滞在可能な宿を探さないといけないな。
「何してんの~? 置いてくわよ」
伯母さんが何か言っていた記憶があるが、さっぱり思い出せない。
そのうち思い出すだろ。
「ちょっ! 待てよ」
「デバイスあるんだから、あんたでも迷子にならないでしょ? 置いてっちゃおうかなぁ?」
そう言いながらも彼女は俺が追い付くまでしっかりと待ってくれる。
「ツンデレか」
「何ですって?」
「いや、何でもねえっす」
あぶねえ、あぶねえ。
俺はまだ、あそこをぺちゃんこにはしたくないから、気を付けないとな……。
いつ終わるともしれない戦いだった。
だが、悪いことばかりじゃない。
フォトンカノンを掌から、低出力で放出させて、気の塊を集めた弾丸のような形状にする。
それを目標目掛けて、撃つ。
これが簡単なようで難しい。
まず、フォトンカノンを低出力に制御するのが難しいんだ。
しかし、それを実戦でやることに意義がある。
じっちゃんが言っていた。
自らを追い込めば、道は開けるってな。
お陰で次第にコツを掴み始めた。
初めのうちはどうしても楽な方に傾きがちだ。
お化けと言ってもネズミだから、お手製のエビ槍で突き刺した方が早く終わるからな。
そこをぐっと堪えて、精神を集中させる。
これが重要だった。
「ボルドーまでこれで行けるってことか?」
「そういうこと。あっという間に着くから、お金もそれだけかかるのよ」
自分のことでもないのにオルガが得意満面なのは解せない。
だが、それ以上に解せないことがある。
こんな、どこぞの国の巨石群みたいな物を潜っただけで瞬間移動できると聞いても全く、理解できない。
ドヤ顔をしていたオルガもなぜ、瞬間移動できるのかという仕組みは全く、知らないらしい。
「そんなこと知る必要あるの?」と逆に詰め寄ってきたくらいだから、下手に刺激しない方がいい。
口喧嘩したら、勝ち目がないのはさすがに俺でも分かる。
しかし、女だからって甘く見ると痛い目に遭うどころではすまない。
ブルゴスのポータルへと向かう途中、オルガのお嬢様然とした見た目に騙されたのか、破落戸が彼女をナンパしようとして、処刑された。
うん、殺したんじゃないが、あれは処刑だ。
間違いない。
オルガのヤツ、何の躊躇もなく、男の股間に容赦ない蹴りの一撃を入れた。
卵が潰れるような音こそ、しなかったが男の急所はあの世に逝ってしまっただろう。
何しろ、白目を剥いて、泡を吹いて、ぶっ倒れたからな。
いくら自業自得とはいえ、同じ男として、同情するぜ。
「あっという間に着くんだから」
「あっ」
「ね?」
「本当かよ」
門のような形に組まれたポータルを潜ると……。
そこは雪国だった。
なんてことはないがブルゴスではない別世界が広がっていた。
街並みが違う。
お隣の国とはいえ、同じような文化圏だから古めかしい建築物が並んでいて、歴史を感じるのは似ている。
しかし、何か空気が違う。
さすが、おフランスだ。
「フリオ、さっさとギルドに行きましょ」
「お、おう」
オルガは実に手馴れたもんだ。
村から出たことがない俺にとっては、カルチャーショック以外の何物でもない。
それもブルゴスから、立て続けにカルチャーショックの連発だ。
さすがに疲れた。
まあ、お化けネズミと遊んでいたせいでもあるんだが。
ただ、ブルゴスでの恐怖の一夜は二度と味わいたくないから、旅路を急いだことに後悔の念はない。
まず、ギルドに向かって、お仕事探しだ。
その後、暫く滞在可能な宿を探さないといけないな。
「何してんの~? 置いてくわよ」
伯母さんが何か言っていた記憶があるが、さっぱり思い出せない。
そのうち思い出すだろ。
「ちょっ! 待てよ」
「デバイスあるんだから、あんたでも迷子にならないでしょ? 置いてっちゃおうかなぁ?」
そう言いながらも彼女は俺が追い付くまでしっかりと待ってくれる。
「ツンデレか」
「何ですって?」
「いや、何でもねえっす」
あぶねえ、あぶねえ。
俺はまだ、あそこをぺちゃんこにはしたくないから、気を付けないとな……。
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