お嬢様が尊すぎて辛いのですが!?〜悲劇の悪役令嬢なお嬢様をお救いしようと思います!〜

ウミ

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ブレディグ

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『もしよろしければ、お友達としてよろしくお願い致します!』

 あのセリフを言うイリージェ嬢はとても無邪気で裏のない笑みを浮かべていた。

 しかし、一方で、

『ロボットというのはとても表情管理が優れている、と言うことですわ!』

 と、遠回しに私の至らないところを指摘していた。何度か年頃の令嬢と会って会話をしているが、このようなことを言われたのは初めてだ。

「ブレディグ様、今日はどうでした?」

「ん? うーん、何というか、不思議だったよ。あんなに負担にならずに楽しく話すことができたのは初めてじゃないかな」

「なら、あの御令嬢で決まりですか?」

 ルベルトの質問に考え込んでしまう。

「そうしたいのは山々なんだけど……」

「というと?」

 悩んでいるのだ。いや、手に入れるのは決定事項だ。純粋無垢で、話の節々から知性があるのが感じ取れた。それに、私に惚れていないというのもなんだか悔しい感じがする。あの子が私に惚れたらどんな顔をして笑ってくれるのだろう? 

「いきなり、ニヤニヤしないでくれますか。気持ちが悪い」

「ルベルト、ひどいじゃないか。私は純粋にあの御令嬢が気に入ったんだ」

「でも悩んでるんでしょう?」

 そうだ。

「あのダイヤ公爵家にこれ以上力をつけさせてもいいのか迷っていてね」

「なるほど、操り人形にされるかもしれないと?」

「あぁ」

「でも、どっちにしても婚約はダイヤ公爵家がゴリ押しして何としてでもイリージェ嬢を据えるでしょう? 選択権はないかと思いますけどね」

 たしかにそうだ。それに、強力な後ろ盾があればある程貴族たちを纏めるのに都合がいい。

「そういえばあの家には跡継ぎがいないんだよね?」

「たしか……」

 そうか、なら何とでもなる。狸親父の操り人形になる前に何とかできそうだ。

「ルベルト、公爵家の跡継ぎを用意しておいて。あ、あくまでも公爵が自分で選んだようにさせてね」

「なるほど、それはいい案ですね」

 これで安全にイリージェ嬢も手に入るし、公爵家の言いなりになる必要はなくなる。公爵には私が即位する際に義息子に爵位を譲ってもらうつもりだ。

「そういえば、ルベルトは珍しく女の子とお話ししていたけど……」

「あー、子爵令嬢ですか? 万が一にもルベルト様に惚れないように俺に惚れさせておこうと思ったんですが」

 いや、嘘だ。

「つまらない嘘はやめてくれる?」

「ブレディグ様に変な名前を付けていたようだったので注意していました」

「それってロボット人間ってやつ?」

 あればてっきりイリージェ嬢が付けたものかと思ったんだけど……

「イリージェ嬢が付けたわけじゃ無かったんだ」

「違いますよ。子爵令嬢がどうもイリージェ嬢を溺愛しているようで、回りくどい言い方で逃れていたのですが、皇太子様に渡したくないって」

「賢いの?」

「いや、バカですね。アレは」

「惚れた?」

「バカでした」

 つまり、惚れなかったと。

「結構整った清楚めの顔だったけどね?」

 それこそルベルトが好きそうな顔だったが。

「アレはない」

 げっそりとした顔を見るに、どうやら違ったようだ。ちなみにあの子爵令嬢はルベルトの一個下らしい。

 ルベルトが16才だから、あの子爵令嬢は15才というところだろう。ルベルトもそろそろ婚約しても良さそうな年頃なのに、一向にする気配がないから心配でたまらない。なんなら私が見繕って……

「ルベルト様、余計な配慮は無用です」

「あ、あぁ、分かっているよ」
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