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実は、記憶喪失で……
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「実は、私記憶喪失で……」
「……はは! ふざけてます?」
イーエ、全く。小指の先っちょほども。
「冗談はもうよろしい。なぜ、こんなにも知識がない!?」
あ、敬語外れてる。
「……よくそれで公爵家の侍女が務まりましたね?」
そういえばそうだ。お嬢様が助けてくださってるからかな。
「顔を、こちらを向けなさい」
「……ハイ」
目の前には、鬼の形相をしたルベルト様がいらっしゃいました。いや、怖いわ。
「サマンサ子爵令嬢」
「ハイ」
「今日から俺の本を貸して差し上げます。曲がりなりにも次期皇妃である侍女の貴女がこのように無学だと目も当てられない。間違っても読んだフリや、本を汚すなんてことは無いように」
「……ハイ」
そうだ、お嬢様に恥をかかせるのだけはいけない。
「頑張ります」
「まぁ、いいでしょう。初回ですからこの本から始めましょう」
「え"?」
「なにか?」
いやいやいや、なにか? じゃないです。目の前に10冊ぐらい置かれてるんですけどもね? 無理よ、1日にこの量は!
ルベルト様みたいに特殊能力があるわけでもない一般人の私がどうやってこの量を覚えろと!?
「な・に・か?」
「イイエ、ナンデモゴザイマセン」
「よろしい。では、明日またこちらにいらしてください」
え? いや、それはまずい。お嬢様と離れ離れになるなんて嫌だ!!!!
「る、ルベルト様! 週に一回にいたしましょう! 週に1回会って、確認するのです! ルベルト様もお忙しいでしょうから、お時間を取らせるのは申し訳ないです。あと、お嬢様のお側にいたいですし」
「最後のが本音ですね?」
あ、バレた。
「はい。私はお嬢様付き唯一無二の侍女ですから!」
お嬢様と離れたら私は死ぬ!
「……分かりました。まずはお試しという事で、週に1回お会いしましょう。それなら、本はもっとお貸ししないと……はい。ではこれで」
「……ハイ」
ドサッと置かれた大量の書。前世の私だったら裸足でその場から逃走しているレベル。だがしかし! サマンサはやり遂げます! お嬢様のお側にいるために!!!!
結局、前世チートというのはありませんでした。悲しや悲しや。ま、いいけど。だって~
「サマンサ! この本を1週間で頭に入れるの? 凄いわ、頑張ってちょうだいね‼︎」
って、お嬢様が天使の笑みを浮かべて褒めてくれたから!!!!
「もちろんでございます、お嬢様」
「できるといいですけどね」
約1名、皮肉の混じった応援を頂いたのですが、無視しました。皇太子サマはニコニコしていて、何も仰らなかった。多分、あの人もルベルトと同じでチートなんじゃないかな。あの顔は、当たり前だと思ってるヨ。
「サマンサ、無理しないでね。でも、応援しているわ!」
貴重なお嬢様からの生の声援っ!!!!!!!!
サマンサ、頑張りまーす!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ルベルト】
大量の教本にいったん目をやり、次にじっとりとこちらを睨みつけてくる子爵令嬢。散々言い負かされたくせに、怯むことのない生意気な態度はいっそ清々しさを感じた。
しかし、その生意気な表情も敬愛するお嬢様の言葉には敵わないらしい。
「サマンサ、無理しないでね。でも、応援しているわ!」
公爵令嬢からのお言葉にへにょりと嬉しそうに表情を崩す子爵令嬢。
ふむ、コイツはお嬢様を使えばいいなりにできそうだ。
しかし、俺にはあんなに嫌そうな表情をするのにお嬢様と敬愛する公爵令嬢には蕩けたような笑みを浮かべるのは何故か気に食わなかった。
「……はは! ふざけてます?」
イーエ、全く。小指の先っちょほども。
「冗談はもうよろしい。なぜ、こんなにも知識がない!?」
あ、敬語外れてる。
「……よくそれで公爵家の侍女が務まりましたね?」
そういえばそうだ。お嬢様が助けてくださってるからかな。
「顔を、こちらを向けなさい」
「……ハイ」
目の前には、鬼の形相をしたルベルト様がいらっしゃいました。いや、怖いわ。
「サマンサ子爵令嬢」
「ハイ」
「今日から俺の本を貸して差し上げます。曲がりなりにも次期皇妃である侍女の貴女がこのように無学だと目も当てられない。間違っても読んだフリや、本を汚すなんてことは無いように」
「……ハイ」
そうだ、お嬢様に恥をかかせるのだけはいけない。
「頑張ります」
「まぁ、いいでしょう。初回ですからこの本から始めましょう」
「え"?」
「なにか?」
いやいやいや、なにか? じゃないです。目の前に10冊ぐらい置かれてるんですけどもね? 無理よ、1日にこの量は!
ルベルト様みたいに特殊能力があるわけでもない一般人の私がどうやってこの量を覚えろと!?
「な・に・か?」
「イイエ、ナンデモゴザイマセン」
「よろしい。では、明日またこちらにいらしてください」
え? いや、それはまずい。お嬢様と離れ離れになるなんて嫌だ!!!!
「る、ルベルト様! 週に一回にいたしましょう! 週に1回会って、確認するのです! ルベルト様もお忙しいでしょうから、お時間を取らせるのは申し訳ないです。あと、お嬢様のお側にいたいですし」
「最後のが本音ですね?」
あ、バレた。
「はい。私はお嬢様付き唯一無二の侍女ですから!」
お嬢様と離れたら私は死ぬ!
「……分かりました。まずはお試しという事で、週に1回お会いしましょう。それなら、本はもっとお貸ししないと……はい。ではこれで」
「……ハイ」
ドサッと置かれた大量の書。前世の私だったら裸足でその場から逃走しているレベル。だがしかし! サマンサはやり遂げます! お嬢様のお側にいるために!!!!
結局、前世チートというのはありませんでした。悲しや悲しや。ま、いいけど。だって~
「サマンサ! この本を1週間で頭に入れるの? 凄いわ、頑張ってちょうだいね‼︎」
って、お嬢様が天使の笑みを浮かべて褒めてくれたから!!!!
「もちろんでございます、お嬢様」
「できるといいですけどね」
約1名、皮肉の混じった応援を頂いたのですが、無視しました。皇太子サマはニコニコしていて、何も仰らなかった。多分、あの人もルベルトと同じでチートなんじゃないかな。あの顔は、当たり前だと思ってるヨ。
「サマンサ、無理しないでね。でも、応援しているわ!」
貴重なお嬢様からの生の声援っ!!!!!!!!
サマンサ、頑張りまーす!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ルベルト】
大量の教本にいったん目をやり、次にじっとりとこちらを睨みつけてくる子爵令嬢。散々言い負かされたくせに、怯むことのない生意気な態度はいっそ清々しさを感じた。
しかし、その生意気な表情も敬愛するお嬢様の言葉には敵わないらしい。
「サマンサ、無理しないでね。でも、応援しているわ!」
公爵令嬢からのお言葉にへにょりと嬉しそうに表情を崩す子爵令嬢。
ふむ、コイツはお嬢様を使えばいいなりにできそうだ。
しかし、俺にはあんなに嫌そうな表情をするのにお嬢様と敬愛する公爵令嬢には蕩けたような笑みを浮かべるのは何故か気に食わなかった。
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