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第一章
おばあちゃんの家
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リコは今年で大学生になる。その折に、近場から通えるということでおばあちゃんの家に引っ越すことになった。
とはいえ、祖母は既に他界しており1人暮らしと何ら変わりない。
車が着かない山奥に家はあり、自転車で通うことになるそうだ。
リコとしてもまぁ、1人暮らしに夢があったし自転車なら中高と慣れているので問題はなかった。
「うわぁ、すごい」
祖母の家は他県で、あまり行ったことがなかったため記憶が朧げだった。
目の前に広がるのはそこそこの広さのある古民家で、縁側もあり庭だってある。時々、親戚の人が業者さんを呼んでいるらしく庭はとても綺麗に整えられていた。
「畳だ! 囲炉裏もある!」
古いから心配だった家の中も、綺麗に掃除がしてありまるで旅館に来たかのような、そんな雰囲気を醸し出していた。
一通り探検してみたが、不安になりそうな場所はなく、キッチンもコンロになっていてついでに釜もあった。お風呂は五右衛門風呂ではなく、現代風のお風呂。檜で作られているらしく、床は石が嵌め込まれておりやはり旅館に止まっているようなそんな気分になる素晴らしい造りだった。
早く入りたいなぁ、リコがそう思うのも仕方のないくらい立派だった。
そして、もう一つ驚いたのが庭が二つある事。
家の正面の庭とは別に、中に入って反対側に向かった所にもう一つ庭があるのだ。そこはツツジが咲いており、これまた綺麗に整えられている。
庭が二つもあるなんて不思議な造りだなぁとリコは思ったがそこは素晴らしかったので、よしとした。
引っ越しが終わった翌日、リコは不思議な出来事に出会うこととなる。
何か男の人の声が聞こえたと思ったら裏口の扉が開けられた音がしたのだ。
「え?」
「すまない、誰かいないだろうか」
「あ、はい!」
慌てて向かえば、平安時代に出てきそうな着物を着た男性が立っていた。よくよく見れば、裾は汚れていて山の中からやってきたことがわかる。
「あの?」
「道に迷ってしまい。もしよければ水を分けてもらいたい」
「ああ、いいですよ」
頭に乗っている不思議な形の帽子といい、何から何まで昔の人です! と言わんばかりの格好に気を取られながらもリコは頷いた。もしかすると、近くで映画の撮影でもしているのかもしれない。
しばらくすると、もう1人の男性もやってきた。見るからに高貴そうな着物を着ている。リコが出ていけば、顔を赤くしながらビックリしていた。
「そ、そそそそそちは、何という格好を!」
何ともなく、ただズボンとTシャツを着ているだけである。どうやら役になりきっているようだ。リコはそう結論付けて、水を用意すべく台所へ向かった。ついでに、あの格好では家の中は厳しいだろうと思い、縁側へ誘導する。ついでに昨日買っていたお楽しみの水羊羹も出した。
2人とも目を見開いて食べていたのが印象的で、何やら相当美味しかったらしい。「天上の食べ物か?」と呟いている姿に、リコは吹き出しそうになったが黙って耐えた。もう少し欲しそうにしていたが、リコの分がなくなるので断る。しばらく寛いでから男の人たちは帰っていった。
「なんだったんだろう?」
首を捻りながらも、リコは片付けをしていく。この近くで撮影しているなら見に行ってみようかな? リコはそう思ってスマホで調べてみたが、どこにも時代劇の撮影をしているという情報はなかった。
またもし会ったら聞いてみよう。リコはそんなことを心の片隅で思ったのだった。
この後不思議な手紙が送られてくることなどこの時のリコにはつゆも知らない。
とはいえ、祖母は既に他界しており1人暮らしと何ら変わりない。
車が着かない山奥に家はあり、自転車で通うことになるそうだ。
リコとしてもまぁ、1人暮らしに夢があったし自転車なら中高と慣れているので問題はなかった。
「うわぁ、すごい」
祖母の家は他県で、あまり行ったことがなかったため記憶が朧げだった。
目の前に広がるのはそこそこの広さのある古民家で、縁側もあり庭だってある。時々、親戚の人が業者さんを呼んでいるらしく庭はとても綺麗に整えられていた。
「畳だ! 囲炉裏もある!」
古いから心配だった家の中も、綺麗に掃除がしてありまるで旅館に来たかのような、そんな雰囲気を醸し出していた。
一通り探検してみたが、不安になりそうな場所はなく、キッチンもコンロになっていてついでに釜もあった。お風呂は五右衛門風呂ではなく、現代風のお風呂。檜で作られているらしく、床は石が嵌め込まれておりやはり旅館に止まっているようなそんな気分になる素晴らしい造りだった。
早く入りたいなぁ、リコがそう思うのも仕方のないくらい立派だった。
そして、もう一つ驚いたのが庭が二つある事。
家の正面の庭とは別に、中に入って反対側に向かった所にもう一つ庭があるのだ。そこはツツジが咲いており、これまた綺麗に整えられている。
庭が二つもあるなんて不思議な造りだなぁとリコは思ったがそこは素晴らしかったので、よしとした。
引っ越しが終わった翌日、リコは不思議な出来事に出会うこととなる。
何か男の人の声が聞こえたと思ったら裏口の扉が開けられた音がしたのだ。
「え?」
「すまない、誰かいないだろうか」
「あ、はい!」
慌てて向かえば、平安時代に出てきそうな着物を着た男性が立っていた。よくよく見れば、裾は汚れていて山の中からやってきたことがわかる。
「あの?」
「道に迷ってしまい。もしよければ水を分けてもらいたい」
「ああ、いいですよ」
頭に乗っている不思議な形の帽子といい、何から何まで昔の人です! と言わんばかりの格好に気を取られながらもリコは頷いた。もしかすると、近くで映画の撮影でもしているのかもしれない。
しばらくすると、もう1人の男性もやってきた。見るからに高貴そうな着物を着ている。リコが出ていけば、顔を赤くしながらビックリしていた。
「そ、そそそそそちは、何という格好を!」
何ともなく、ただズボンとTシャツを着ているだけである。どうやら役になりきっているようだ。リコはそう結論付けて、水を用意すべく台所へ向かった。ついでに、あの格好では家の中は厳しいだろうと思い、縁側へ誘導する。ついでに昨日買っていたお楽しみの水羊羹も出した。
2人とも目を見開いて食べていたのが印象的で、何やら相当美味しかったらしい。「天上の食べ物か?」と呟いている姿に、リコは吹き出しそうになったが黙って耐えた。もう少し欲しそうにしていたが、リコの分がなくなるので断る。しばらく寛いでから男の人たちは帰っていった。
「なんだったんだろう?」
首を捻りながらも、リコは片付けをしていく。この近くで撮影しているなら見に行ってみようかな? リコはそう思ってスマホで調べてみたが、どこにも時代劇の撮影をしているという情報はなかった。
またもし会ったら聞いてみよう。リコはそんなことを心の片隅で思ったのだった。
この後不思議な手紙が送られてくることなどこの時のリコにはつゆも知らない。
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