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第9話「現場検証」
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「山本さん、わざわざ車じゃなくてもアトン着て走った方が早いですよ」
ワゴン車の後部座席に座る少女は不満げな表情を浮かべ、頬杖をついて窓の外を見ている。
まだあどけなさが残るその少女はスーツを着ているというよりも着させられている印象でそのせいか、何度も襟元を気にしていた。
「ほら、また渋滞に引っかかった」
山本と呼ばれた運転手は赤信号で車を停止してから後部座席を振り返った。
「いいか、木並。緊急出動以外は極力市民を脅かさないように自動車で行くんだ。今回は事件現場の下見だから緊急性は無いだろ?」
「日が出てるんだから誰もそんなこと思わないですよ」
「日が出てる出てないに限らず地下通路にいる可能性だって十分あるんだ。日が当たらないところはすべて奴らの行動範囲だと思いなさい」
山本は上司らしく注意したつもりだったが、木並と呼ばれた少女はそれでも不満そうだった。
「スーツ着てるとなんだか息が詰まるんですもん。せっかくゼロのパワードスーツのおかげで自由自在に動けるのにもったいない」
木並は首から下げているネックレスの球体を人差し指と親指でこねるようにいじった。それは、オレンジ色をした真珠のような球体で、運転席に座る山本も木並の隣に座る鷹橋もワイシャツに隠れているが同じものをしている。
「てか、あんたもなんか喋りなよ。本部出てからずっと黙ってんじゃん。また、血見るのビビってんでしょ?」
木並の隣に座る少年もまた高校2年生か3年生ほどに見える幼さでスーツを着ているが見方によっては高校の制服を着ているようだった。鷹橋と呼ばれた少年は、ぼんやりと窓の外を眺めたまま「そんなことないよ」と呟いた。
「なんであんたみたいなぼーっとした奴がゼロに入れたのかしら」
木並は腕を組んで隣に座る少年をにらみつける。
「木並そういう事言うな。鷹橋もゼロに入れる適正と身体能力がある恵まれた才能を持ってるんだぞ。それに俺らはチームなんだからもっと仲良くしなさい」
山本の話を訊いた木並は「ふん」と鼻を鳴らして鷹橋とは逆の方を向いた。
「さて、着いたぞ」
そういって山本が車を止めたのは昨夜ヴァンパイアの襲撃事件が起こったと警察から連絡があった喜崎町の廃材置き場だった。周辺では現場検証を行っているためかパトカーが数台か停まって現場内では警察官があわただしく動き回っていた。
3人が車を降りて廃材置き場に向かっていると入り口を封鎖していた黄色と黒の縞模様の「立入禁止」と書かれたのテープをくぐってから警察官が1人、3人のもとへ寄ってきた。
「皆さんはゼロの方で間違いないでしょか?」
3人はゼロの隊員証を警察官に見せてその警官は「お疲れさまです」と頭を下げて事件現場を案内した。
「現場は事件があった時のまま保存してあります」
警官はそう言うと手のひらサイズほどの手帳を取り出し、事件の詳細を説明し始めた。
「事件があったのは昨夜の10時頃、被害者は男性2名で現場に血液が残っているだけで死体は見つかっていません。恐らく、ヴァンパイアによって持ち去られたものと思われます」
「残った血液から被害者の身元は判明しましたか?」
山本は警官に尋ねるとその警官はよく通る声で返事をした。
「被害に合った2名とも喜崎町に住む高校3年生の新地竜太、伊純楓と判明しています。親族の方にはすでに連絡済みとのことです」
警官は感情を抑えながら声を落とした。
「現場の状況から鉄パイプや木材が散乱していることから必死に抵抗していた後だと思われます」
山本は憂うように目を細める。
「そうか。まだ高校3年生なのか。人生これからって時に…」というと後ろにいる木並と鷹橋を呼んだ。
木並が先に返事をして、鷹橋は血痕が残る生々しい事件現場に一度顔をしかめるが木並に睨まれ続いて返事をする。
そして、2人は山本と一緒に竜太と楓の血痕にそれぞれを手を合わせた。
「死体が見つからないのは一番最悪のケースだ。身内も亡くなった被害者と対面することも出来ずに被害者の死を受け入れなくちゃいけない」
山本は血痕を見つめる目を細めた。
「いや、簡単に受け入れる人の方が少ない。現場に残っている血液だけで本人確認するしかないから身内も被害者が亡くなった事を信じきれない人が多いんだ」
山本の隣に立っている木並の拳を握る力が強くなっていく。
「許せない! 私が絶対に一匹残らずヴァンパイアをぶっ殺してやる」
「あの、山本さん」
鷹橋が血溜まりのあとを見つめながら話しかけた。
「ヴァンパイアに連れ去られた人たちはその後どうなるんですか?」
山本はため息を吐いてから、ゆっくりと口を開いた。
「奴らの住処にでも連れて行かれて血を全て吸いつくされてもう亡くなっているだろうな。俺らが早く駆けつけることができていればこんなことは起こらなかったんだが」
そして、鷹橋は次に事件現場に落ちている真っ二つにされた鉄パイプを見つめた。
「武器を持っても武装していない人間はヴァンパイアを倒すことが出来ないんですか?」
鷹橋の質問にしびれを切らしたように木並が強気な口調で言った。
「勝てないから私達がいるんでしょ。それに、これ見なさいよ」
木並は地面にある引っ掻いたような跡を指差した。
「この刃物で切り裂いた跡。あの化け物たちはただでさえ強いのに武器まで使うのよ」
「そうだね。ここ数年の報告では事件現場にこういった刃物を使った痕跡が目立つようになった。ヴァンパイアも一昔前のように素手だけでは戦ってくれないからね。たった一匹でも手強い相手だよ」
「それなんですが、この現場にもう一匹ヴァンパイアの痕跡がありまして」
「もう一匹?」と山本が聞き返すと警官は頷いて「あちらなんですが」と言って3人は警官の後に続いていく。
その警官は木材が積まれた山の人一人分ほど入れるの隙間を指差した。
「ここにヴァンパイアのものと思われる血液とその上にヴァンパイアが着ていた服と灰が乗っていました。恐らく、死体自体は日の出とともに消えてしまったようです。あと、現場にこんな物が落ちてまして…」
そう言うと警官はファスナーで口を閉じた袋に入った物を見せた。
「これはタバコですか?」
「調べてみないとわかりませんが、恐らくそうだと思います。こういった物を所持しているヴァンパイアに心当たりはありますか?」
山本はしばらく考え込んでから「僕は出会ったことはないですね」と答える。
「それって、工事現場の人が吸ってたやつじゃないの?」
「でもこんな銘柄見たこと無いからそれは違うんじゃないかな?」
「山本さんタバコ吸わないからわからないだけじゃない?」
「そうかもしれないね」と山本が言うと警官はタバコが入った袋をジェラルミンケースの中にしまった。
「ヴァンパイアの唾液が検出される可能性もあるので我々の方で調べてみます」
「ねえ、それよりこのヴァンパイアはあの亡くなった2人が殺したの?」
木並が警官に問いかけると警官は首を横に振った。
「実はそれもまだ調査中でして」
警官が言いよどんでいると山本が「ちょっと失礼」と言って現場に落ちている服を手にとった。
「その可能性は考えにくい。この服に刃物で刺したような跡がある。ヴァンパイアを殺すとなるとそこら辺で売ってる包丁なんかじゃまず無理だ。つまり、刀かなんかの長い刃物で刺したんだろう。そう考えると、高校生がそんな刃物を持ってるわけないし、襲われたヴァンパイアから奪ったというのも無理がある」
「すると、これもヴァンパイアの仲間割れですか?」
警官が山本に尋ねると木並は「これも?」と首を傾げた。
「木並と鷹橋はまだゼロに入ったばかりだから知らないと思うけどヴァンパイア同士の殺し合いもよくあることなんだ。この状況から考えると、刀を持ったヴァンパイアが獲物を取られまいともう一匹のヴァンパイアを殺したってところだろうね」
山本は手にとった服を元の位置に戻した。
「仲間同士でも殺し合いするなんてヴァンパイアって本当に最低な生き物」
木並はヴァンパイアが死んだ痕跡に向かって砂利を蹴ると山本に怒られた。
「木並、憎いのは分かるがあまり感情的になるなよ。大事な時に冷静な判断ができなくなってしまうぞ」
「じゃあ、感情的にならないやつはそういう判断は得意そうね」
木並は皮肉めいた言い方で鷹橋を見て、木並はまた山本に怒られる。
「さてと、本部に報告にいかなきゃね。2人とも戻るよ」
そう言った後、山本は案内してくれた警察官にお礼をした。
「また車乗るんですか? 私だけこのスーツ着て走って帰りますよ」
木並は手に持っているトランクケースを顔の前に持ち上げた。
「木並、俺らチームで活動してるんだから身勝手な単独行動は控えること。あのヴァンパイアの攻撃の痕跡見ただろ? もし任務中に単独行動してヴァンパイアに遭遇したら危険だぞ。訓練上がりの君たちC級隊員が1人で戦うにはまだ早いんだから集団行動を心がけること。いいね?」
木並は「はーい」と返事だけはよかったが面倒くさそうな表情だった。
しばらく、沈黙していた鷹橋が口を開いた。
「僕らC級隊員はどうやったらB級に上がれるんですか?」
山本は笑みを浮かべて「簡単だよ」と前置きした。
「ヴァンパイアを討伐しまくること。そうすれば上司が君たちを評価して、上から承認が降りたらB級に昇格できる。ゼロは実力主義だからね。もちろんヴァンパイアの強さも成果対象に含まれるよ」
「昇格したら報酬も増えるんですか?」
山本は「もちろん」と言って頷いた。
「ランクによって報酬は変わるし、討伐したヴァンパイアの強さや量で報酬が追加されるよ」
「じゃあ、A級の隊長は大金持ちですね」
木並がニタニタと笑みを浮かべながら山本を見つめた。
「金の話になると急に隊長って呼び出すんだな木並は」
山本は一つ大きなため息を吐いてから言った。
「その大金持ちの隊長は本部でこれから叱られに行くんだけどね。お金とともに責任も増えるんだよ」
3人は現場に止めていた車に乗り込み対吸血鬼部隊「ゼロ」の本部へ車を走らせた。
ワゴン車の後部座席に座る少女は不満げな表情を浮かべ、頬杖をついて窓の外を見ている。
まだあどけなさが残るその少女はスーツを着ているというよりも着させられている印象でそのせいか、何度も襟元を気にしていた。
「ほら、また渋滞に引っかかった」
山本と呼ばれた運転手は赤信号で車を停止してから後部座席を振り返った。
「いいか、木並。緊急出動以外は極力市民を脅かさないように自動車で行くんだ。今回は事件現場の下見だから緊急性は無いだろ?」
「日が出てるんだから誰もそんなこと思わないですよ」
「日が出てる出てないに限らず地下通路にいる可能性だって十分あるんだ。日が当たらないところはすべて奴らの行動範囲だと思いなさい」
山本は上司らしく注意したつもりだったが、木並と呼ばれた少女はそれでも不満そうだった。
「スーツ着てるとなんだか息が詰まるんですもん。せっかくゼロのパワードスーツのおかげで自由自在に動けるのにもったいない」
木並は首から下げているネックレスの球体を人差し指と親指でこねるようにいじった。それは、オレンジ色をした真珠のような球体で、運転席に座る山本も木並の隣に座る鷹橋もワイシャツに隠れているが同じものをしている。
「てか、あんたもなんか喋りなよ。本部出てからずっと黙ってんじゃん。また、血見るのビビってんでしょ?」
木並の隣に座る少年もまた高校2年生か3年生ほどに見える幼さでスーツを着ているが見方によっては高校の制服を着ているようだった。鷹橋と呼ばれた少年は、ぼんやりと窓の外を眺めたまま「そんなことないよ」と呟いた。
「なんであんたみたいなぼーっとした奴がゼロに入れたのかしら」
木並は腕を組んで隣に座る少年をにらみつける。
「木並そういう事言うな。鷹橋もゼロに入れる適正と身体能力がある恵まれた才能を持ってるんだぞ。それに俺らはチームなんだからもっと仲良くしなさい」
山本の話を訊いた木並は「ふん」と鼻を鳴らして鷹橋とは逆の方を向いた。
「さて、着いたぞ」
そういって山本が車を止めたのは昨夜ヴァンパイアの襲撃事件が起こったと警察から連絡があった喜崎町の廃材置き場だった。周辺では現場検証を行っているためかパトカーが数台か停まって現場内では警察官があわただしく動き回っていた。
3人が車を降りて廃材置き場に向かっていると入り口を封鎖していた黄色と黒の縞模様の「立入禁止」と書かれたのテープをくぐってから警察官が1人、3人のもとへ寄ってきた。
「皆さんはゼロの方で間違いないでしょか?」
3人はゼロの隊員証を警察官に見せてその警官は「お疲れさまです」と頭を下げて事件現場を案内した。
「現場は事件があった時のまま保存してあります」
警官はそう言うと手のひらサイズほどの手帳を取り出し、事件の詳細を説明し始めた。
「事件があったのは昨夜の10時頃、被害者は男性2名で現場に血液が残っているだけで死体は見つかっていません。恐らく、ヴァンパイアによって持ち去られたものと思われます」
「残った血液から被害者の身元は判明しましたか?」
山本は警官に尋ねるとその警官はよく通る声で返事をした。
「被害に合った2名とも喜崎町に住む高校3年生の新地竜太、伊純楓と判明しています。親族の方にはすでに連絡済みとのことです」
警官は感情を抑えながら声を落とした。
「現場の状況から鉄パイプや木材が散乱していることから必死に抵抗していた後だと思われます」
山本は憂うように目を細める。
「そうか。まだ高校3年生なのか。人生これからって時に…」というと後ろにいる木並と鷹橋を呼んだ。
木並が先に返事をして、鷹橋は血痕が残る生々しい事件現場に一度顔をしかめるが木並に睨まれ続いて返事をする。
そして、2人は山本と一緒に竜太と楓の血痕にそれぞれを手を合わせた。
「死体が見つからないのは一番最悪のケースだ。身内も亡くなった被害者と対面することも出来ずに被害者の死を受け入れなくちゃいけない」
山本は血痕を見つめる目を細めた。
「いや、簡単に受け入れる人の方が少ない。現場に残っている血液だけで本人確認するしかないから身内も被害者が亡くなった事を信じきれない人が多いんだ」
山本の隣に立っている木並の拳を握る力が強くなっていく。
「許せない! 私が絶対に一匹残らずヴァンパイアをぶっ殺してやる」
「あの、山本さん」
鷹橋が血溜まりのあとを見つめながら話しかけた。
「ヴァンパイアに連れ去られた人たちはその後どうなるんですか?」
山本はため息を吐いてから、ゆっくりと口を開いた。
「奴らの住処にでも連れて行かれて血を全て吸いつくされてもう亡くなっているだろうな。俺らが早く駆けつけることができていればこんなことは起こらなかったんだが」
そして、鷹橋は次に事件現場に落ちている真っ二つにされた鉄パイプを見つめた。
「武器を持っても武装していない人間はヴァンパイアを倒すことが出来ないんですか?」
鷹橋の質問にしびれを切らしたように木並が強気な口調で言った。
「勝てないから私達がいるんでしょ。それに、これ見なさいよ」
木並は地面にある引っ掻いたような跡を指差した。
「この刃物で切り裂いた跡。あの化け物たちはただでさえ強いのに武器まで使うのよ」
「そうだね。ここ数年の報告では事件現場にこういった刃物を使った痕跡が目立つようになった。ヴァンパイアも一昔前のように素手だけでは戦ってくれないからね。たった一匹でも手強い相手だよ」
「それなんですが、この現場にもう一匹ヴァンパイアの痕跡がありまして」
「もう一匹?」と山本が聞き返すと警官は頷いて「あちらなんですが」と言って3人は警官の後に続いていく。
その警官は木材が積まれた山の人一人分ほど入れるの隙間を指差した。
「ここにヴァンパイアのものと思われる血液とその上にヴァンパイアが着ていた服と灰が乗っていました。恐らく、死体自体は日の出とともに消えてしまったようです。あと、現場にこんな物が落ちてまして…」
そう言うと警官はファスナーで口を閉じた袋に入った物を見せた。
「これはタバコですか?」
「調べてみないとわかりませんが、恐らくそうだと思います。こういった物を所持しているヴァンパイアに心当たりはありますか?」
山本はしばらく考え込んでから「僕は出会ったことはないですね」と答える。
「それって、工事現場の人が吸ってたやつじゃないの?」
「でもこんな銘柄見たこと無いからそれは違うんじゃないかな?」
「山本さんタバコ吸わないからわからないだけじゃない?」
「そうかもしれないね」と山本が言うと警官はタバコが入った袋をジェラルミンケースの中にしまった。
「ヴァンパイアの唾液が検出される可能性もあるので我々の方で調べてみます」
「ねえ、それよりこのヴァンパイアはあの亡くなった2人が殺したの?」
木並が警官に問いかけると警官は首を横に振った。
「実はそれもまだ調査中でして」
警官が言いよどんでいると山本が「ちょっと失礼」と言って現場に落ちている服を手にとった。
「その可能性は考えにくい。この服に刃物で刺したような跡がある。ヴァンパイアを殺すとなるとそこら辺で売ってる包丁なんかじゃまず無理だ。つまり、刀かなんかの長い刃物で刺したんだろう。そう考えると、高校生がそんな刃物を持ってるわけないし、襲われたヴァンパイアから奪ったというのも無理がある」
「すると、これもヴァンパイアの仲間割れですか?」
警官が山本に尋ねると木並は「これも?」と首を傾げた。
「木並と鷹橋はまだゼロに入ったばかりだから知らないと思うけどヴァンパイア同士の殺し合いもよくあることなんだ。この状況から考えると、刀を持ったヴァンパイアが獲物を取られまいともう一匹のヴァンパイアを殺したってところだろうね」
山本は手にとった服を元の位置に戻した。
「仲間同士でも殺し合いするなんてヴァンパイアって本当に最低な生き物」
木並はヴァンパイアが死んだ痕跡に向かって砂利を蹴ると山本に怒られた。
「木並、憎いのは分かるがあまり感情的になるなよ。大事な時に冷静な判断ができなくなってしまうぞ」
「じゃあ、感情的にならないやつはそういう判断は得意そうね」
木並は皮肉めいた言い方で鷹橋を見て、木並はまた山本に怒られる。
「さてと、本部に報告にいかなきゃね。2人とも戻るよ」
そう言った後、山本は案内してくれた警察官にお礼をした。
「また車乗るんですか? 私だけこのスーツ着て走って帰りますよ」
木並は手に持っているトランクケースを顔の前に持ち上げた。
「木並、俺らチームで活動してるんだから身勝手な単独行動は控えること。あのヴァンパイアの攻撃の痕跡見ただろ? もし任務中に単独行動してヴァンパイアに遭遇したら危険だぞ。訓練上がりの君たちC級隊員が1人で戦うにはまだ早いんだから集団行動を心がけること。いいね?」
木並は「はーい」と返事だけはよかったが面倒くさそうな表情だった。
しばらく、沈黙していた鷹橋が口を開いた。
「僕らC級隊員はどうやったらB級に上がれるんですか?」
山本は笑みを浮かべて「簡単だよ」と前置きした。
「ヴァンパイアを討伐しまくること。そうすれば上司が君たちを評価して、上から承認が降りたらB級に昇格できる。ゼロは実力主義だからね。もちろんヴァンパイアの強さも成果対象に含まれるよ」
「昇格したら報酬も増えるんですか?」
山本は「もちろん」と言って頷いた。
「ランクによって報酬は変わるし、討伐したヴァンパイアの強さや量で報酬が追加されるよ」
「じゃあ、A級の隊長は大金持ちですね」
木並がニタニタと笑みを浮かべながら山本を見つめた。
「金の話になると急に隊長って呼び出すんだな木並は」
山本は一つ大きなため息を吐いてから言った。
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