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第126話「平和」
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竜太と楓は、東京湾沿岸にある倉庫を出ると、目の間に広がる世界は漆黒に包まれて、時刻はまだ午前にもかかわらず永遠に広がる闇に包まれている。
ルイが楓の父親の伊純タイガの意志を支配して、始まりの湖にタイガの身を投じることでアガルタを照らす光、すなわちアガルタの太陽になり地下世界アガルタの領域を出て、地上へ登り、そして宇宙空間へ登り地上を照らし、ヴァンパイアの天敵となる太陽を破壊するというルイの不死身化計画が頓挫した末に起こしたことが現在、地上では大混乱を招いている。
地上での時間は昼間でも、本来ならば地上では太陽が登り、燦々と照らす太陽の光が暖かさを包み込んで、人間にとって最も安全な時間だったはずだが、現在ではヴァンパイアが来れるはずもない時間に、太陽が消失したことで地上では光を失い、暖かさを失い、ヴァンパイアが昼間でも平気で街中を闊歩することができるようになっていた。
外の気温が刻一刻と下がってゆくにつれて、人間が何人もヴァンパイアに捕食されてゆく光景は楓たちの視界ではあまりにも多く写り過ぎて、止めることもできなかった。だからこそ、この根源的原因を解決させるために、楓たちはある場所へ向かっていた。
楓たちがある場所へ向かう道中にいた逃げ遅れた人間の女性は寒さのあまり体力を無くして、道端で眠りについている。楓はその女性を家の安全な場所に避難させた。
しかし、楓が1人の人間の命を救っても、この凍える地球上では救った命の一つに過ぎなかった。
地上では、この極寒の中でもヴァンパイアは当たり前のように地上で活動しており、寒さのあまり家に帰る道中で力尽きた人間のたちが楓たちの視界には多く存在していた。そして、その人間を餌を収穫したとばかりに捕食しようと腹をすかして、太陽がなくなり得意になったヴァンパイアが群がり始める。
楓たちは地下のゲートをくぐり抜けてアガルタのある場所にたどり着いた。そこは風も、雨も吹かない、神が与える天候の自由は一切存在しない。ただただ、無風の空間と目に前に広がる波の静かで、広大な湖のみが存在している空間だった。
2人は湖の辺りへ近づいてみると、そこには3人のヴァンパイアがまるで来ることをわかっていたように、2人のことを待ち構えていた。その内の1人は待ち侘びていたように言った。
「2人の先輩として、ここに戻ってくるって思ったんだよね」
鬼竜はそう言った。隣にいる、京骸と美波は何か考え深そうにしていたが、京骸は2人に言った。
「何か言うことあるんじゃねぇの、新地」
竜太は3人の前で姿勢を正して、背筋を伸ばし、頭を下げた。
「迷惑かけて、すいませんでした!」
3人のうちの鬼竜は頭を下げる竜太に近づいて言う。
「竜太、顔上げて」
鬼竜はにっこりといつものような笑みを浮かべる。それに、安堵した竜太も鬼竜の顔を見ながら顔を上げた。
しかし、次に聞こえた音は弾けるような音だった。
竜太の頬は赤く染まり、鬼竜の右手は竜太の頬を振り切っている。
「バカ弟子。迷惑ばっかかけやがって、こっちはどれだけ心配したと思ってんの?
お前は俺の最初で最後の弟子だし、史上最悪の弟子だったよ。これが最後の説教」
「はい、すいません。本当に迷惑かけてばっかで…本当に、申し訳ないっす」
鬼竜は一番弟子である竜太に、涙ぐんでいる竜太に抱きしめる。
「つっても、ちゃんと、戻ってきてくれてよかった。また、お前と酒が飲める日を楽しみにしてたんだけど、どうやら叶いそうもないね」
鬼竜は竜太の肩を持って、目を見て言った。
「本当はもっと説教してやりたいんだけど、そんな時間もないよね。楓、行くんでしょ?」
鬼竜が楓にそういうと、楓は頷いた。そして、湖の辺りへ竜太と一緒に歩を進める。
「鬼竜さん、京骸さん、美波さん。今までありがとうございました。モラドのみんなにも、そう伝えておいてください」
3人は頷き、そして鬼竜は鼻を啜って楓と竜太に言った。
「君たちと遊んであげられる時間は短かったな。こうなることがわかってれば僕が教えてあげられることは全て教えてあげたのに」
鬼竜は赤くなった鼻を擦って、鼻を啜りながらそう言った。そして、京骸は、
「伊純、新地。最初はお前たちのこと疑ってた。初めは元々は人間のやつが俺らの気持ちなんかわかるわけねぇって思ってたけど、違った。お前らはモラド最高の元人間のヴァンパイアだ」
そして、次に美波が口を開いた。
「ユキちゃんはあなたたちを好いていたわ。ただの、考えが甘い人間だと思ってたけどあなたたちがこの世界を救うのよ。ユキちゃんの分まで生きてね」
2人は一歩進めば湖に足が浸るほどの距離まで来て、楓は遥か彼方の水平線から竜太の方へ視線を戻した。
「行こうか」
竜太は楓の声に頷き、2人は歩を進めた。
遥か上空には大きなが空いており、その穴から見える地上の様子は暗闇の中、風の音が悲鳴のように高い音を鳴らしていた。
その地上の気温に関係なく、湖を流れる水は冷たくもなく、暖かさも感じない。まるで温度という概念が取り払われたように不思議な液体が広がっていた。色は透明で透き通っているが、湖の遥か底は暗闇で見えない。
楓たちはしばらく進んで水位が肩の高さまできて、やがて体全体が湖の中へ消えていった。そこで、目の前に現れた光景に2人は言葉が出なかった。
湖の底には楓の父親である伊純タイガの姿があり、天に祈りを捧げるように胸の前で手を合わせて、目を瞑って立っている。
「下行ってみようぜ。てか、水中でも話せるんだな」
「そうらしいね。水に使ってるはずなのに服も濡れてない」
楓たちは湖のそこまで潜って、伊純タイガの元へ行く。
「生きてるのか?」
竜太がタイガをノックするように生きているかどうか確かめてみたが、置物のように何も反応しなかった。
「てかさ、楓の父ちゃんはあそこのはずだよな」と竜太は空を指差した。
「多分だけど、肉体だけはここに残るのかもしれない。意識はどうなってるのかはわからないけど」
「じゃあさ…」
竜太は、少し浮上してタイガの後方を指差した。
「ここにいる混血の肉体も全員元はあの光になってったわけか?」
竜太の指差した先には、何百、いや何千人と白髪のヴァンパイアがタイガと同じように祈るように手を合わせ、目をつむったままの状態で時が止まったように固まっている。
「今まで何人もの混血が地下世界の平和を願って地下を照らす太陽になっていたんだろうね。大垣さんが言ってたけど、レオっていう混血もその時が来て、ここで光として役割を終えた混血と交代していったんだと思う」
「長い歴史の中でこうやって地下の平和を紡いできたんだな」
「でも、ルイが父さんを乗っ取ったことでその平和も脅かされてる。一刻を争う事態だ、先を急ごうか」
竜太と楓は、数千体といる混血の肉体の上を泳いで渡り、暗闇の海底を照らす光を見つけた。
「あそこか」
「そうだね。父さんの匂いがまだ残ってる。きっと、この穴の中に入ったんだ」
湖の底に空く大きな穴、そして眩しく光り輝く穴の前に2人は止まった。
「竜太、準備はできてる?」
「ああ、お前に負けた時からずっとな」
2人は、一度飛んでから穴の中に落ちていった。2人が入っていった穴は眩しい光で穴の底が見えない。ただ落ちていく中で2人の脳内にはある映像が流れ込んできた。
「土器? 部族? いつの時代だこれは。次は、武士がいる。なんだこれ、何を見てるんだ」
2人の脳内には誰かの目線で体験した出来事が人類とヴァンパイアが誕生した瞬間から時代を遡って、その映像が流れ込んでいた。
「これはもしかして、今までの混血のヴァンパイアが見てきた記憶?」
すると、竜太は苦しそうに頭を抱え始めた。
不死身であることで何度も想像を絶する痛みを味わい、そして利用され、裏切られ苦痛を味わい続けてきた記憶が2人の頭に流れ始める。2人の脳内には時代を遡りながら、楓やタイガが今まで経験してきた痛みも映像として流れ込んできた。
「大丈夫? 竜太」
「ああ、楓も楓の父ちゃんも、とんでもない経験してきたんだな。だから、その…悪かったよ、今までお前の痛みもあの時にわかってやれなくて」
「いいんだ。僕も竜太ともっと色々話すべきだったんだと思う」
「そうだな。俺らはお互いのことよく知ってると思ってても知らないことばかりだったんだな」
「でも、僕らなら大丈夫だよ。2人でみんなを救おう」
アガルタで大きな地震が発生し、始まりの湖にある穴の底から巨大な光の塊が顔を出し、浮上する。
湖の水面は大きく盛り上がり、闇に包まれた地下世界を照らしながら、ルイとタイガが光となって地上に浮上する時に開けた穴をさらに拡張しながら楓と竜太の光は天に向かって進んでゆく。
やがてその光は地下世界から見上げると遥か彼方に上昇して、ついに地上へ姿を現した。
大きな穴から現れた光の塊に人々やヴァンパイアは争いを一度やめて、力強く輝く光の塊に皆注目するほどの衝撃を与える光景だった。
遥か上空に浮上してゆく楓と竜太の大きな光は地球から宇宙空間に飛び出した。
楓たちの先にあったのは、太陽を飲み込み灰の塊だけになった大きな球体。伊純タイガがアガルタの光になった残骸だった。
その灰とちりで覆われた球体の中心部で、小さくなってまだかろうじて光を放つことだけはできているぐらいにエネルギーを消費し切った光の球体があった。その光が灰や塵が浮かんでいる空間をすり抜けながら、楓たちの方へ近づいて、やがてその小さな光は楓たちの光の中へ溶けるようにして入った。
「父さん!」
ゆっくりと柔らかい光に包まれた球体が楓たちに前に姿を現した。
「楓、よく頑張ったね」
光の中でタイガの姿が楓と竜太の前に現れた。肉体を捨てて意識だけが存在する光の中で、2人の目の前にある意識は伊純タイガであることは2人も直感的にわかっていた。
「君が竜太君か。楓のこと今までありがとうね。父親として楓には何もしてあげられなかったけど、君のような友人ができて僕は嬉しい」
「そんな。俺は楓を一度裏切ったようなやつです。俺が楓にやれることってもうこれしか思いつかないから」
「若い男同士の友達なんだ、人生色々迷って、ケンカしあって進んでくものだよ。それに、こうやって協力してくれるんだ。君みたいな友を持って羨ましいよ楓」
「うん」
「さて、僕ももう長くはここにいられない、ルイに意識を支配されているからね。だから、最後に僕からのお願いなんだけど、楓たちにやってほしいのは…」
タイガは太陽と自分達の灰の残骸が散らばる宇宙空間を指差していった。
「僕らごとこのまま飲み込んで欲しい。そうすればルイも一緒に消えて君たちがこの世界の新しい太陽だ」
「でも、それじゃあ父さんは…」
タイガは首を振って楓が言おうとしたことを遮った。
「楓、お前には生まれた時から最後まで本当に迷惑ばかりかけたと思う。親として完全に失格だよ。でもね、君たちがやらなかったら親子で会話してる人間もヴァンパイアも今後、存在しないかもしれないんだ。だから、全人類、全ヴァンパイアを救うのは君たちだけなんだ。このままALPHAのヴァンパイアを野ばなしにしてはいけない」
楓はしばらくの逡巡のあと意を決して父に言った。
「わかった。それが、この世界で望まれることだったら、僕たちはやるよ」
「それでこそ、うちの息子だ、アンナも喜んでるよ」
タイガは楓の頭に手を置くと、再び光の塊になって灰やちりが包んでいる空間に戻っていた。
「行こうか、竜太。僕らがこの世界を変えるんだ」
「ああ、そうだな。それは今の俺らにしかできないことだ」
その巨大な光は前方にある太陽を飲み込んだ灰の塊やその周辺にあるちりやガスなどを全て飲み込んだ。
すると、楓と竜太の前にはヨボヨボの老人。ルイの姿があった。一瞬、タイガの顔が写り笑顔を見せた後、すぐにルイに戻った。
ルイの体は徐々に光に包まれていく。
「やめろ…やめろ、やめろおぉぉぉぉ…」
ルイの姿は光に飲み込まれて、消失した。
そして、太陽が元あった位置に巨大な光は鎮座した。
新しく輝き始めた世界を照らす太陽の光は地上まで届いて、凍りついた地上は暖かさを取り戻し始める。
希望の光が地上の大地を明るく染め、暗闇しかなかった世界には彩りを取り戻し始めた。
ルイと幹部の存在がいなくなって指揮を失ったALPHAは、ただただ人間を襲い喰らい尽くすだけの殺戮集団と化していた。自分達の視界に入った人間は全てくらい尽くす。そんな、ALPHAのヴァンパイアたちだったが、急に光差し始めた地上に思わず全員の視線が天に昇る光に集まった。
それは闇に包まれていた世界に見せた一筋の光明。神々しく輝く天の光だった。
ヴァンパイアは太陽が登っている時に外にいれば太陽の光で全滅するはずだが、今の太陽の光を浴びてもヴァンパイアは消えることがない。
その光に、人間もヴァンパイアも視線を持っていかれたこの瞬間は、相反する2種がお互いの争いをやめて同じ目標に対して同じ方向を向いた初めての瞬間だった。
争っていた全員が光と陽光の指す方へ視線を向けて全員が同じ方向を向いている。
人間とヴァンパイアの混血が天から見下ろす。そして、人間を襲っていた地上のヴァンパイアたちに何を思わせたのか、襲っていた人間を次々と解放し始めた。
時刻は昼間、ヴァンパイアたちは空高く登る光を浴びながら同じことを思った。
「俺たちは何を…」
聖なる光。それは太陽の光。天から注ぐ光が、異なる2種を照らす。
ヴァンパイアが人の命を奪ってきた事、人間がヴァンパイアを殺してきた事。双方の種族にとって決して許されるべきことではない。
ただ、天に昇る巨大な光がその2種の戦闘意欲を吸収したかのように皆、刀を下ろし、銃を下ろし戦うことをやめた。
お互いの種族が今まで奪ってきた命は二度と戻ってこない。天から注ぐ光はそんな当たり前のことを争いが絶えない洗脳されていたこの世界に伝えるかのように、太陽の光よりもやわらかく、そして暖かかった。だからこそ、一度失った命の重みを知り、争い続けることの愚かさをこの世界で歪みあっていた2種は改めて理解する。
強大な光が地上と地下を繋いだことによって、地上と地下の栄目が曖昧になった。ゲートによって遮られていた地下と地上の世界は楓と竜太の光によって破壊され、ゲートの効力を失って統一され、地上から見ると遥か彼方に存在する地下世界に人間が行くことも可能になったし、逆にヴァンパイアが人間が作った通路を使って地上に出ることも可能になった。
ただ、地上に神々しほどの輝きを放つ太陽が現れてから2種が無駄に争うこともなくなった。
モラドとゼロが共闘をしたせいか指揮官を失ったALPHAでさえ武器を置いた。
それから数ヶ月が経ったある日のことだった。
東京都のとある病院で車椅子に乗せられた鷹橋は鬼竜に車椅子を押されて外へ出た。病院の庭園から空を見上げ、依然として輝き続ける、ヴァンパイアも照らす空の光が、2人を包み込んでいた。光は眩しく、鷹橋は手でさえぎりりながら光量を抑えていた。
「信じられるか鷹橋くん。あの光は楓と竜太なんだよ、この前まで一緒にいた2人がこの世界をずっと照らしてるんだ。とんでもないことだよね」
「ええ、そうですね。でも、鬼竜さん。これは僕の直感なんですが、楓さんとそして楓さんが認めた人だったらきっと、この先大丈夫な気がするんです」
「そうだね。あの2人だったら、この世界もなんやかんや言って大丈夫なんだろうね。なんたって、俺の最も信頼してる後輩と最初で最後の弟子なんだから」
(完)
ルイが楓の父親の伊純タイガの意志を支配して、始まりの湖にタイガの身を投じることでアガルタを照らす光、すなわちアガルタの太陽になり地下世界アガルタの領域を出て、地上へ登り、そして宇宙空間へ登り地上を照らし、ヴァンパイアの天敵となる太陽を破壊するというルイの不死身化計画が頓挫した末に起こしたことが現在、地上では大混乱を招いている。
地上での時間は昼間でも、本来ならば地上では太陽が登り、燦々と照らす太陽の光が暖かさを包み込んで、人間にとって最も安全な時間だったはずだが、現在ではヴァンパイアが来れるはずもない時間に、太陽が消失したことで地上では光を失い、暖かさを失い、ヴァンパイアが昼間でも平気で街中を闊歩することができるようになっていた。
外の気温が刻一刻と下がってゆくにつれて、人間が何人もヴァンパイアに捕食されてゆく光景は楓たちの視界ではあまりにも多く写り過ぎて、止めることもできなかった。だからこそ、この根源的原因を解決させるために、楓たちはある場所へ向かっていた。
楓たちがある場所へ向かう道中にいた逃げ遅れた人間の女性は寒さのあまり体力を無くして、道端で眠りについている。楓はその女性を家の安全な場所に避難させた。
しかし、楓が1人の人間の命を救っても、この凍える地球上では救った命の一つに過ぎなかった。
地上では、この極寒の中でもヴァンパイアは当たり前のように地上で活動しており、寒さのあまり家に帰る道中で力尽きた人間のたちが楓たちの視界には多く存在していた。そして、その人間を餌を収穫したとばかりに捕食しようと腹をすかして、太陽がなくなり得意になったヴァンパイアが群がり始める。
楓たちは地下のゲートをくぐり抜けてアガルタのある場所にたどり着いた。そこは風も、雨も吹かない、神が与える天候の自由は一切存在しない。ただただ、無風の空間と目に前に広がる波の静かで、広大な湖のみが存在している空間だった。
2人は湖の辺りへ近づいてみると、そこには3人のヴァンパイアがまるで来ることをわかっていたように、2人のことを待ち構えていた。その内の1人は待ち侘びていたように言った。
「2人の先輩として、ここに戻ってくるって思ったんだよね」
鬼竜はそう言った。隣にいる、京骸と美波は何か考え深そうにしていたが、京骸は2人に言った。
「何か言うことあるんじゃねぇの、新地」
竜太は3人の前で姿勢を正して、背筋を伸ばし、頭を下げた。
「迷惑かけて、すいませんでした!」
3人のうちの鬼竜は頭を下げる竜太に近づいて言う。
「竜太、顔上げて」
鬼竜はにっこりといつものような笑みを浮かべる。それに、安堵した竜太も鬼竜の顔を見ながら顔を上げた。
しかし、次に聞こえた音は弾けるような音だった。
竜太の頬は赤く染まり、鬼竜の右手は竜太の頬を振り切っている。
「バカ弟子。迷惑ばっかかけやがって、こっちはどれだけ心配したと思ってんの?
お前は俺の最初で最後の弟子だし、史上最悪の弟子だったよ。これが最後の説教」
「はい、すいません。本当に迷惑かけてばっかで…本当に、申し訳ないっす」
鬼竜は一番弟子である竜太に、涙ぐんでいる竜太に抱きしめる。
「つっても、ちゃんと、戻ってきてくれてよかった。また、お前と酒が飲める日を楽しみにしてたんだけど、どうやら叶いそうもないね」
鬼竜は竜太の肩を持って、目を見て言った。
「本当はもっと説教してやりたいんだけど、そんな時間もないよね。楓、行くんでしょ?」
鬼竜が楓にそういうと、楓は頷いた。そして、湖の辺りへ竜太と一緒に歩を進める。
「鬼竜さん、京骸さん、美波さん。今までありがとうございました。モラドのみんなにも、そう伝えておいてください」
3人は頷き、そして鬼竜は鼻を啜って楓と竜太に言った。
「君たちと遊んであげられる時間は短かったな。こうなることがわかってれば僕が教えてあげられることは全て教えてあげたのに」
鬼竜は赤くなった鼻を擦って、鼻を啜りながらそう言った。そして、京骸は、
「伊純、新地。最初はお前たちのこと疑ってた。初めは元々は人間のやつが俺らの気持ちなんかわかるわけねぇって思ってたけど、違った。お前らはモラド最高の元人間のヴァンパイアだ」
そして、次に美波が口を開いた。
「ユキちゃんはあなたたちを好いていたわ。ただの、考えが甘い人間だと思ってたけどあなたたちがこの世界を救うのよ。ユキちゃんの分まで生きてね」
2人は一歩進めば湖に足が浸るほどの距離まで来て、楓は遥か彼方の水平線から竜太の方へ視線を戻した。
「行こうか」
竜太は楓の声に頷き、2人は歩を進めた。
遥か上空には大きなが空いており、その穴から見える地上の様子は暗闇の中、風の音が悲鳴のように高い音を鳴らしていた。
その地上の気温に関係なく、湖を流れる水は冷たくもなく、暖かさも感じない。まるで温度という概念が取り払われたように不思議な液体が広がっていた。色は透明で透き通っているが、湖の遥か底は暗闇で見えない。
楓たちはしばらく進んで水位が肩の高さまできて、やがて体全体が湖の中へ消えていった。そこで、目の前に現れた光景に2人は言葉が出なかった。
湖の底には楓の父親である伊純タイガの姿があり、天に祈りを捧げるように胸の前で手を合わせて、目を瞑って立っている。
「下行ってみようぜ。てか、水中でも話せるんだな」
「そうらしいね。水に使ってるはずなのに服も濡れてない」
楓たちは湖のそこまで潜って、伊純タイガの元へ行く。
「生きてるのか?」
竜太がタイガをノックするように生きているかどうか確かめてみたが、置物のように何も反応しなかった。
「てかさ、楓の父ちゃんはあそこのはずだよな」と竜太は空を指差した。
「多分だけど、肉体だけはここに残るのかもしれない。意識はどうなってるのかはわからないけど」
「じゃあさ…」
竜太は、少し浮上してタイガの後方を指差した。
「ここにいる混血の肉体も全員元はあの光になってったわけか?」
竜太の指差した先には、何百、いや何千人と白髪のヴァンパイアがタイガと同じように祈るように手を合わせ、目をつむったままの状態で時が止まったように固まっている。
「今まで何人もの混血が地下世界の平和を願って地下を照らす太陽になっていたんだろうね。大垣さんが言ってたけど、レオっていう混血もその時が来て、ここで光として役割を終えた混血と交代していったんだと思う」
「長い歴史の中でこうやって地下の平和を紡いできたんだな」
「でも、ルイが父さんを乗っ取ったことでその平和も脅かされてる。一刻を争う事態だ、先を急ごうか」
竜太と楓は、数千体といる混血の肉体の上を泳いで渡り、暗闇の海底を照らす光を見つけた。
「あそこか」
「そうだね。父さんの匂いがまだ残ってる。きっと、この穴の中に入ったんだ」
湖の底に空く大きな穴、そして眩しく光り輝く穴の前に2人は止まった。
「竜太、準備はできてる?」
「ああ、お前に負けた時からずっとな」
2人は、一度飛んでから穴の中に落ちていった。2人が入っていった穴は眩しい光で穴の底が見えない。ただ落ちていく中で2人の脳内にはある映像が流れ込んできた。
「土器? 部族? いつの時代だこれは。次は、武士がいる。なんだこれ、何を見てるんだ」
2人の脳内には誰かの目線で体験した出来事が人類とヴァンパイアが誕生した瞬間から時代を遡って、その映像が流れ込んでいた。
「これはもしかして、今までの混血のヴァンパイアが見てきた記憶?」
すると、竜太は苦しそうに頭を抱え始めた。
不死身であることで何度も想像を絶する痛みを味わい、そして利用され、裏切られ苦痛を味わい続けてきた記憶が2人の頭に流れ始める。2人の脳内には時代を遡りながら、楓やタイガが今まで経験してきた痛みも映像として流れ込んできた。
「大丈夫? 竜太」
「ああ、楓も楓の父ちゃんも、とんでもない経験してきたんだな。だから、その…悪かったよ、今までお前の痛みもあの時にわかってやれなくて」
「いいんだ。僕も竜太ともっと色々話すべきだったんだと思う」
「そうだな。俺らはお互いのことよく知ってると思ってても知らないことばかりだったんだな」
「でも、僕らなら大丈夫だよ。2人でみんなを救おう」
アガルタで大きな地震が発生し、始まりの湖にある穴の底から巨大な光の塊が顔を出し、浮上する。
湖の水面は大きく盛り上がり、闇に包まれた地下世界を照らしながら、ルイとタイガが光となって地上に浮上する時に開けた穴をさらに拡張しながら楓と竜太の光は天に向かって進んでゆく。
やがてその光は地下世界から見上げると遥か彼方に上昇して、ついに地上へ姿を現した。
大きな穴から現れた光の塊に人々やヴァンパイアは争いを一度やめて、力強く輝く光の塊に皆注目するほどの衝撃を与える光景だった。
遥か上空に浮上してゆく楓と竜太の大きな光は地球から宇宙空間に飛び出した。
楓たちの先にあったのは、太陽を飲み込み灰の塊だけになった大きな球体。伊純タイガがアガルタの光になった残骸だった。
その灰とちりで覆われた球体の中心部で、小さくなってまだかろうじて光を放つことだけはできているぐらいにエネルギーを消費し切った光の球体があった。その光が灰や塵が浮かんでいる空間をすり抜けながら、楓たちの方へ近づいて、やがてその小さな光は楓たちの光の中へ溶けるようにして入った。
「父さん!」
ゆっくりと柔らかい光に包まれた球体が楓たちに前に姿を現した。
「楓、よく頑張ったね」
光の中でタイガの姿が楓と竜太の前に現れた。肉体を捨てて意識だけが存在する光の中で、2人の目の前にある意識は伊純タイガであることは2人も直感的にわかっていた。
「君が竜太君か。楓のこと今までありがとうね。父親として楓には何もしてあげられなかったけど、君のような友人ができて僕は嬉しい」
「そんな。俺は楓を一度裏切ったようなやつです。俺が楓にやれることってもうこれしか思いつかないから」
「若い男同士の友達なんだ、人生色々迷って、ケンカしあって進んでくものだよ。それに、こうやって協力してくれるんだ。君みたいな友を持って羨ましいよ楓」
「うん」
「さて、僕ももう長くはここにいられない、ルイに意識を支配されているからね。だから、最後に僕からのお願いなんだけど、楓たちにやってほしいのは…」
タイガは太陽と自分達の灰の残骸が散らばる宇宙空間を指差していった。
「僕らごとこのまま飲み込んで欲しい。そうすればルイも一緒に消えて君たちがこの世界の新しい太陽だ」
「でも、それじゃあ父さんは…」
タイガは首を振って楓が言おうとしたことを遮った。
「楓、お前には生まれた時から最後まで本当に迷惑ばかりかけたと思う。親として完全に失格だよ。でもね、君たちがやらなかったら親子で会話してる人間もヴァンパイアも今後、存在しないかもしれないんだ。だから、全人類、全ヴァンパイアを救うのは君たちだけなんだ。このままALPHAのヴァンパイアを野ばなしにしてはいけない」
楓はしばらくの逡巡のあと意を決して父に言った。
「わかった。それが、この世界で望まれることだったら、僕たちはやるよ」
「それでこそ、うちの息子だ、アンナも喜んでるよ」
タイガは楓の頭に手を置くと、再び光の塊になって灰やちりが包んでいる空間に戻っていた。
「行こうか、竜太。僕らがこの世界を変えるんだ」
「ああ、そうだな。それは今の俺らにしかできないことだ」
その巨大な光は前方にある太陽を飲み込んだ灰の塊やその周辺にあるちりやガスなどを全て飲み込んだ。
すると、楓と竜太の前にはヨボヨボの老人。ルイの姿があった。一瞬、タイガの顔が写り笑顔を見せた後、すぐにルイに戻った。
ルイの体は徐々に光に包まれていく。
「やめろ…やめろ、やめろおぉぉぉぉ…」
ルイの姿は光に飲み込まれて、消失した。
そして、太陽が元あった位置に巨大な光は鎮座した。
新しく輝き始めた世界を照らす太陽の光は地上まで届いて、凍りついた地上は暖かさを取り戻し始める。
希望の光が地上の大地を明るく染め、暗闇しかなかった世界には彩りを取り戻し始めた。
ルイと幹部の存在がいなくなって指揮を失ったALPHAは、ただただ人間を襲い喰らい尽くすだけの殺戮集団と化していた。自分達の視界に入った人間は全てくらい尽くす。そんな、ALPHAのヴァンパイアたちだったが、急に光差し始めた地上に思わず全員の視線が天に昇る光に集まった。
それは闇に包まれていた世界に見せた一筋の光明。神々しく輝く天の光だった。
ヴァンパイアは太陽が登っている時に外にいれば太陽の光で全滅するはずだが、今の太陽の光を浴びてもヴァンパイアは消えることがない。
その光に、人間もヴァンパイアも視線を持っていかれたこの瞬間は、相反する2種がお互いの争いをやめて同じ目標に対して同じ方向を向いた初めての瞬間だった。
争っていた全員が光と陽光の指す方へ視線を向けて全員が同じ方向を向いている。
人間とヴァンパイアの混血が天から見下ろす。そして、人間を襲っていた地上のヴァンパイアたちに何を思わせたのか、襲っていた人間を次々と解放し始めた。
時刻は昼間、ヴァンパイアたちは空高く登る光を浴びながら同じことを思った。
「俺たちは何を…」
聖なる光。それは太陽の光。天から注ぐ光が、異なる2種を照らす。
ヴァンパイアが人の命を奪ってきた事、人間がヴァンパイアを殺してきた事。双方の種族にとって決して許されるべきことではない。
ただ、天に昇る巨大な光がその2種の戦闘意欲を吸収したかのように皆、刀を下ろし、銃を下ろし戦うことをやめた。
お互いの種族が今まで奪ってきた命は二度と戻ってこない。天から注ぐ光はそんな当たり前のことを争いが絶えない洗脳されていたこの世界に伝えるかのように、太陽の光よりもやわらかく、そして暖かかった。だからこそ、一度失った命の重みを知り、争い続けることの愚かさをこの世界で歪みあっていた2種は改めて理解する。
強大な光が地上と地下を繋いだことによって、地上と地下の栄目が曖昧になった。ゲートによって遮られていた地下と地上の世界は楓と竜太の光によって破壊され、ゲートの効力を失って統一され、地上から見ると遥か彼方に存在する地下世界に人間が行くことも可能になったし、逆にヴァンパイアが人間が作った通路を使って地上に出ることも可能になった。
ただ、地上に神々しほどの輝きを放つ太陽が現れてから2種が無駄に争うこともなくなった。
モラドとゼロが共闘をしたせいか指揮官を失ったALPHAでさえ武器を置いた。
それから数ヶ月が経ったある日のことだった。
東京都のとある病院で車椅子に乗せられた鷹橋は鬼竜に車椅子を押されて外へ出た。病院の庭園から空を見上げ、依然として輝き続ける、ヴァンパイアも照らす空の光が、2人を包み込んでいた。光は眩しく、鷹橋は手でさえぎりりながら光量を抑えていた。
「信じられるか鷹橋くん。あの光は楓と竜太なんだよ、この前まで一緒にいた2人がこの世界をずっと照らしてるんだ。とんでもないことだよね」
「ええ、そうですね。でも、鬼竜さん。これは僕の直感なんですが、楓さんとそして楓さんが認めた人だったらきっと、この先大丈夫な気がするんです」
「そうだね。あの2人だったら、この世界もなんやかんや言って大丈夫なんだろうね。なんたって、俺の最も信頼してる後輩と最初で最後の弟子なんだから」
(完)
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最新話まで一気に読ませていただきました。
世界観がとても好みで面白かったです。
上手く伝えれませんがとにかく好きです。
一票投票させていただきました。
キャラクター一人一人がとても生き生きしていて、とても魅力的でした。
個人的に楓くんと鬼竜さんが好きです。
楓くんが暴走を無事コントロールすることを祈ってます(暴走しちゃうのも好き)。
あと楓くんが血を美味しいと感じられる日が来るといいなって思います(当分先になると思いますが……)。
流行りの病がありますがお体に気をつけてください。
続きを楽しみに待っています。
コメントくださりありがとうございます。
拙い文ではありますがそこまで読んでいただけて大変ありがたく思います。作者としても今後の創作に熱が入ります。
木葉さんもお体に気おつけてください。
退会済ユーザのコメントです
コメント、お気に入りありがとうございます!
今後ともよろしくおねがいします!
全ての作品お気に入り登録しました(^^)
コメント、お気に入りありがとうございます!