聖女様はストレスで太ったので追放され森で行き倒れる〜黒猫に拾われ幸せに暮らしてます〜

ひとまる

文字の大きさ
16 / 29
~指名手配白豚聖女 メリル編~

5.クロさんに早く会いたい

しおりを挟む



「クロさん…遅いな─…」


部屋の中で膝を抱えながらクロさんの帰りを待っている。

日は暮れ始め…
部屋の中は薄暗くなってくる─…

いつもだったらクロさんが部屋に魔法で灯りをともしてくれた。


クロさんが居ない。
それだけで…すごく心細かった─…。

いつの間に…こんなにクロさんが心を占めるようになったんだろう。


マーメル国でディロス様に裏切られて…国から追い出され…恋愛なんてまっぴらだと思っていたのに…。

ロブ・ロードの所為でクロさんへの気持ちに気付いてしまってからは…着々に思いは大きくなってしまっている。

クロさんとお揃いの指輪をぎゅっと握りしめる。


クロさんに早く会いたい─…。




数刻が経ち─…
辺りが真っ暗になった頃

水滴の音が聞こえ、光の中からハルーシュさんが突如現れる。


嫌な予感がする。

どうして…ハルーシュさんが…──



「クロは戻ってこない。私と共に来るか、クロの所に行くか、選べ──」



ハルーシュさんの言葉に息を呑む。

クロさんが…帰って…こない…?
どう…して─…?


「クロは、お主の代わりに連れて行かれた。どうする?」

「………!!クロさんの所にっ!!行かせてください!!」


「わかった──」


そうハルーシュさんが言った瞬間、足元に水文が浮かび、光に包まれる。
クロさんとは違う…転移の魔法…?

優しい光に包まれ、目を閉じる。



次に目を開けた時─…

そこは…

禍々しい瘴気に包まれた
洞窟みたいな場所だった─…


「っっ…!!」


黒猫面を付けたクロさんが、瘴気の中心に立っている─…。


「クロさんっ!!!」


呼びかけても返事は無かった─…。

クロさんの足元には─…

故郷に居るはずの、元婚約者であるディロス・マーメル第三王子がボロボロになって倒れていた─…。


何故…王子が…──?


『クロを頼む─…あいつを『怪物』にしないでくれ──』


転移する前に言われたハルーシュさんの言葉が脳裏に浮かぶ─…



「く…ろ…──さん…?」



黒猫面で良く見えないが…クロさんは小刻みに震えている様子だった。

禍々しい瘴気がクロさんの中に入っていく。
これは…

咄嗟に聖女の力で浄化しようと試みるが瘴気が莫大すぎて浄化しきれない。


このままじゃ…クロさんが瘴気に吞まれてしまう!!

私は咄嗟にクロさんに抱きついた──



しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。 国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。 悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

【完結】甘やかな聖獣たちは、聖女様がとろけるようにキスをする

楠結衣
恋愛
女子大生の花恋は、いつものように大学に向かう途中、季節外れの鯉のぼりと共に異世界に聖女として召喚される。 ところが花恋を召喚した王様や黒ローブの集団に偽聖女と言われて知らない森に放り出されてしまう。 涙がこぼれてしまうと鯉のぼりがなぜか執事の格好をした三人組みの聖獣に変わり、元の世界に戻るために、一日三回のキスが必要だと言いだして……。 女子大生の花恋と甘やかな聖獣たちが、いちゃいちゃほのぼの逆ハーレムをしながら元の世界に戻るためにちょこっと冒険するおはなし。 ◇表紙イラスト/知さま ◇鯉のぼりについては諸説あります。 ◇小説家になろうさまでも連載しています。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処刑された王女は隣国に転生して聖女となる

空飛ぶひよこ
恋愛
旧題:魔女として処刑された王女は、隣国に転生し聖女となる 生まれ持った「癒し」の力を、民の為に惜しみなく使って来た王女アシュリナ。 しかし、その人気を妬む腹違いの兄ルイスに疎まれ、彼が連れてきたアシュリナと同じ「癒し」の力を持つ聖女ユーリアの謀略により、魔女のレッテルを貼られ処刑されてしまう。 同じ力を持ったまま、隣国にディアナという名で転生した彼女は、6歳の頃に全てを思い出す。 「ーーこの力を、誰にも知られてはいけない」 しかし、森で倒れている王子を見過ごせずに、力を使って助けたことにより、ディアナの人生は一変する。 「どうか、この国で聖女になってくれませんか。貴女の力が必要なんです」 これは、理不尽に生涯を終わらされた一人の少女が、生まれ変わって幸福を掴む物語。

虚弱体質で偽聖女だと追放された私は、隣国でモフモフ守護獣様の白き聖女になりました

・めぐめぐ・
恋愛
平民孤児であるセレスティアルは、守護獣シィに力を捧げる【聖女】の一人。しかし他の聖女たちとは違い、儀式後に疲れ果ててしまうため「虚弱すぎる」と、本当に聖女なのか神殿内で疑われていた。 育ての親である神官長が拘束され、味方と居場所を失った彼女は、他の聖女たちにこき使われる日々を過ごす。そしてとうとう、平民が聖女であることを許せなかった王太子オズベルトによって、聖女を騙った罪で追放されてしまった。 命からがら隣国に辿り着いたセレスティアルは、そこで衰弱した白き獣――守護獣ラメンテと、彼と共に国を守ってきた国王レイと出会う。祖国とは違い、守護獣ラメンテに力を捧げても一切疲れず、セレスティアルは本来の力を発揮し、滅びかけていた隣国を再生していく。 「いやいや! レイ、僕の方がセレスティアルのこと、大好きだしっ!!」 「いーーや! 俺の方が大好きだ!!」 モフモフ守護獣と馬鹿正直ヒーローに全力で愛されながら―― ※頭からっぽで

処理中です...